ヨリエルは魔法使い♪

ヨリエルは魔法使い♪

2005.05.19
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カテゴリ: 映画
今日、私のベスト10に入る

暫くぶりに観た。

原作スティーブンキング
監督デビットクローネンバーグ
主演クリストファーウォーケン
というだけでも観たくなるが
それだけでなく
とても深い内容の

無駄が一切ない、完璧だ。

主人公は不慮の事故に遭い
コーマに陥り、五年の歳月が過ぎる。
久しぶりに目覚めた彼を待ち受けていたのは
婚約していた愛しい恋人が
彼がコーマの間に
結婚していたという事実だった。
彼にとっては、まだ昨日の出来事のままだ。
けれども彼女にとっては、
5年はあまりにも長い歳月。

そして、もう1つ。

運命に翻弄された結果なのか
彼にはサイキックパワーが身についていた。
誰かの手を握ると
その人の過去や、
身の回りの人が危険にさらされている

今ある現実のように見る事ができる。

しかしそれまでとは違う能力まで
ある時から、彼に備わり始める。
手を握った人の未来までもが
彼の目に映るようになったのだ。
けれども、それは途中で消えてしまう。
まるで、そこだけ「デッドゾーン」のように…
これはつまり、
彼の力によって
悪しき未来を変えられるという事なのだ。
苦しんだ末、
自分の宿命を受け入れた主人公は
死を覚悟で、ある計画を実行する…

初めて観た時、衝撃が走った。
今回観ても、また前回と同じように何かが走った。

まず思ったのは
どんなにがんばっても
「過去」は取り戻せないということ。
その時は、その時でしかなく
どんなに悔やんでも
その時には決して戻れない。
人は沢山のシガラミを背負っているんだ。
簡単には放棄できない義務を背負っているんだ。
どんなに彼が彼女を愛していても
彼女には、もう家庭があり
昔の彼らには戻れないのだ。

そして宿命…
主人公は不慮の事故で助かった。
しかし、何のために助かったのか?
それは、人々を自分の授かった能力で救うためなのか?
それに刃向かいながらも
結局最後は、自分の使命を全うした主人公。
こうなる運命だったのではないのだろうか…
人間は偶然ではなく
必然を背負って生まれて来るものなのか?

この主人公が、
夏目漱石の「こころ」に出てくる
先生やKとかぶった。
自分をどこまでも追い込んで行く。
そして頑固なまでにそれを貫く。
例え、自分の命を絶ってまでも…

サイキックなどを題材に使い
ちょこちょこっと
それに絡めた事件などを伏線で盛り込んでいく所が
いかにもキングらしい。
けれども、そんなオカルト的な事を
彼は伝えたいのでは無いと思う。
それらは単なる、作者が伝えたいコアの部分を
より分かりやすく表現するための
道具に過ぎないのだ。
だから、この映画はオカルト映画ではなく
人間として、この世に生まれて来た以上
普遍的につきまとうテーマや摂理を描いた
とっても深い映画なのだ。

同じくキング原作の
「キャリー」にも、それは感じた。
いじめられっ子のキャリーには
特殊な能力がある。
周りの人間の彼女に対するいじめがピークに達した時
彼女のパワーはついにコントロールできなくなり
皆を殺してしまうのだ。
そして彼女も死ぬ。
ここでも主人公は、
他人だけでなく
自分の命も絶ってしまう。

話を元に戻して「デッドゾーン」だが
マイケルケイメンの音楽が
ストーリーを
とてもよく表していて素晴らしい。
クローネンバーグの演出も無駄がないし
研ぎ澄まされている。
脚色した人の腕も良いんだろうし
編集も良くできているんだと思う。

しかし何といっても
クリストファーウォーケンが素晴らしい☆
私はこれを観て
ますます彼が好きになったのだ。







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Last updated  2005.05.20 01:04:35
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