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2004年12月08日
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「バイト敬語」っていうんだそうですが、「~の方」ってのと「~になります」っての、
それと、あと、「よろしかったですか?」っていう言葉は、聞いていると、どうにも変な気持ちになってしまいます。


中には、これらを全部いっぺんに使ってしまう剛の者もいまして、
今日のタイトルの言葉は、実際にワタクシがコンビニで言われたことのある・・・

どころか、ヘタするとほぼ毎日に近い頻度で、こういう言葉を投げつけられてますよね。

ませんか? どうですか?



まず「~の方」って奴ですけど。

「こちら商品の方、こちらお釣りの方になります」

みたいな言い方されると、いろいろと想像が働いてしまうんですよ。


お釣りに近い、でもよく見ると、やはりお釣りとは違うものが、

カウンターに並んでいる絵をアタマに描いてしまいまして、密かに苦笑するわけです。

「バイト敬語」が発生した背景には、バイト君の、責任を回避したいという心理が働いているそうですが、
だからって、そんなぼかし方。


そう言えば、以前
      ・ ・
「消防署の方から来ました」

って言って、消火器を売りつけるサギがありましたね。


でもさ、これが商品とお釣りだってことぐらいは、断定してもバチは当たらないと思うんですがー。


「~になります」も、同様に断定を避ける表現なのでしょうが、これも不思議な言葉ですね。

「こちら商品になります」



「こちらは現段階では商品ではございません。
 ございませんが、これより商品になって見せます。
         どうかその瞬間にご注目ください」

くらいの意味を聞いてしまうワタクシは、やっぱり性格悪いのでしょうか?


悪いのでしょーなー。



それ以外の何かに変身するなんてことは、金輪際起こりっこなくて、

「そうか、つまり、買うまでは売り物だったプッチンプリンが、買われて初めて商品ってことになるのか」

なんて、考えるわけですが、そんなことを口にしたりすると、逆にワタクシの方が
バイト店員君から不思議な人を見る目で見られてしまうという、この社会の構造。

剣呑、剣呑。


で、白状しますと、ワタクシも時々「~の方」を無意識に使ってしまうことがあって、恥じているのです。

仕事で電話をかけている時ですが。

「本日は~の件でお電話の方、かけさせていただいたんですが」

みたいな、言い方。自己嫌悪です。


どちらも on the job の状態で発生している言葉なワケでして、つまりは緊張が引き金になっているのでしょうか。
人間、緊張なんかするとロクなことがありませんな。

で、この場合の「~の方」は、断定を避けるという目的すらありません。

単に、リズムなのです。

なあんか、挟むと流れがスムーズに行くのです。

もしかしたら、敬語をしゃべらなきゃと思っている頭が、「~の方」を発音している一瞬、
休憩しているのかもしれません。

いい加減いいオトナのワタクシ、ボチボチ電話くらい緊張ナシにかけたいもんですが、
でもねえ、あれはまた特殊な言語世界を引き起こす機械なのですよ・・・と一応、言い訳を。



で、しかし。


いくらワタクシだって、

「よろしかったですか?」

については、笑って済ませる気はないのです。


あれは、ホントに、軽くむかつきます。


例えば、ワタクシが行きつけの高級レストランで「豚丼の並」を注文して、
しばらくたった頃、ウェイトレスさんがやってきて、

「お客様のご注文は、豚丼の並でよろしかったですか?」

と言うなら、ワタクシは何も腹を立てたりはしないのです。


ところが、もしも「豚丼の並」と注文した時に

「お客様、当店の豚丼には紅ショーガはつかないのですが、よろしかったですか?」

と言われると、むかつきます。

過去形の意味が解らないからです。


初対面だよね、君とボクとは?

つまり、君とボクは、何の歴史も積み重ねていないわけだよね、お互い?


なのに、過去形。

それは、つまり、君とボクが共にした、どの時制のことを指しているのかね?


モチロン、それに対する答えは、どこにもありません。

彼女とワタクシの間には、何の歴史もないからです。


ところが、ここで性格の悪いワタクシの頭は、その答えを別のところに見出すワケです。


もしかしたら、この過去形が示す過去は、ワタクシではない、別の客と彼女の間で構築された過去なのではないのか、と。


つまり、彼女は、今までいろんな客の応対をしてきたのです。

そこにおいて、豚丼の並に紅ショーガがつかないという事実は、何度も確認されてきたのでしょう。


そして、今また。

新たな客であるワタクシが、豚丼の並を注文。


アタシにとっては、何度も繰り返してきたことだけど、この客には、新たに確認とらなきゃ。

あ~あ、うざったいわねー。


という心理が、彼女をして、過去形で確認作業を行わせているのではないか、と。


何となれば、ワタクシにとっては、ワタクシ対彼女の関係は、たった今発生したものであるのですが、
彼女にとっては、彼女対客の関係は、ずーっと繰り返されてきたものですからね。


要するに、それぞれが別の個人であるところのお客という存在を、仕事中は少なくとも
敬わなければならない立場にあるはずの彼女が、お客を全部一緒くたにして扱うという態度に、
彼女の傲慢を感じて、ワタクシは怒っているということになるのですが・・・。






えーっ、本当かなあ?







そんなこと考えて、おれって怒ってるの?







なんだか、よく解らなくなってしまうワケです。


が、とりあえず、アタマにくるにはアタマにくる。

日本語はどうなってしまうのか、なんて、ややマジメに憤ってしまったりもするのです。









ですが。



この日記をお読みいただいている優しいアナタには、お解かりのことと思いますが、
ワタクシの言語感覚だって、正直ヒドいもんです。

メチャクチャと言っていいでしょう。



ただ、世間的に見て間違った表現はあっても、自分で決めたルールからは、めったに外れていないはずなんです。


言語は結局生き物であり、時代時代姿を変えながら生きながらえるものなのでしょう。


例えば、世の流れが「バイト敬語」を受け入れると言うなら、ワタクシにはそれを止める力も権限もありません。


ただ、自分で、

「あーいうのは、やだ」

と言って、避けることはできます。


そこは、自分のセンスを信じて、これからも自分が嫌だなと思うものは、避けて通っていこうと思います。


その結果、出てくる自分の言葉が、ワタクシの言語のセンスなのですね。











・・・。









あれーっ。なんかおかしな話になってきたなあ。


こーいう結論にしようと思ってたんだっけ・・・?


どこでこんな話になったんだろ・・・?






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最終更新日  2004年12月09日 00時09分02秒
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