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2005年10月27日
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新宿西口。三度目の麺食いストリート。

ウェルカムバックですよ、ワタクシ。

颯爽と戻って参りましたよ。


前回はね、ほんのちょっとした過ちから「蒙古タンメン中本」に破れたワタクシでしたが、いつまでも落ち込んじゃいられないワケですよ!


あんなのナシナシ。うそんこ。


今回は、バキッと。

ええ、余裕で食ってやろうじゃありませんか。


ワタクシだってあれからイメージトレーニングを積んできたんですよ。

成果は上がったのかって・・・?







今はただ、こう申し上げておきましょう。





「秘策、アリ」と。






クチビルの腫れも引きました。

さあ、行くぞ、中本!

今日こそは雌雄を決してやろうじゃないの!

勝ったらオス。負けたほうがメスだ!


この前オマエに預けといた「辛いもの好き」のベルトを、今日は返してもらうぜ!

真っ赤な看板洗って、待ってやがれ!!



地下1階のお店に向かって、鼻息荒く階段を降りるワタクシ。

毅然とした態度で、券売機に向かいます。



前回、ワタクシをノックアウトした「蒙古タンメン」のボタンが、まるで手招きしているかのようです。


「ふっ」








押したボタンは、「樺太丼(からふとどん)」。




そう! これこそがワタクシの「秘策」だったのです!




要するに「蒙古タンメン」の武器は、「辛さ」もさることながら、その「熱さ」にこそあったのだと、ワタクシは踏んだワケなのですよ。



「辛い」と「熱い」が渾然一体となりながら、お互いを高めあって、奇跡の持続力を発揮、いつまでたってもちっとも冷めないところこそが「蒙古タンメン」の真骨頂だと読んだのです。

読み切ったのです。





相手が液体でさえなければ、あんなに熱さに苦しめられることはないでしょう。



熱ささえ封じれば、貴様など所詮ワタクシの敵ではないのだよ!

ふははは。中本、見切ったり!



この段階で、すでにちっとも「ラーメンクロニクル」ではなくなってるけど、そんなの全然オッケーだもんね!!








・・・誰だ!


「じゃあ、結局蒙古タンメンからは逃げるんだ」


って言った奴は!




逃げたんじゃないぞ!!

だって、メニューによれば、樺太丼の方が蒙古タンメンより辛いことになってるんだから!!

ホラホラ、 ここ で確認してってば!!



ひ、卑怯なんかじゃないんだぞ!!

ただ、ちょっと蒙古タンメンは・・・うん、そう、飽きちゃった!

前回で飽きちゃっただけだぞ!!



や、やめろぉ! 卑怯って言うなぁ!!

やめてくれよ!! ボクのことを卑怯って・・・ひ、卑怯って・・・












 卑怯で何が悪い!!

  何したって、勝てばいいんだよ、勝てば!!






若干キレ気味の状態で、樺太丼を待ちます。


で、さて、一応、今日の相手の樺太丼のプロフィールにも触れておきましょう。


ま、早い話が、こいつというのは「麻婆丼」なのです。

例の蒙古タンメンにも載っていた、このお店独自の麻婆豆腐。

しかも、この樺太丼に載ってくる奴は、さらに辛味を増しているのだそうです。



いーじゃない、いーじゃない。

辛味増したらいーじゃない。


いっくらでもかかって来なさいっての。

辛かったら、ご飯にまぶせばいいわけですからね!

のーっほほほほ。




今日はもう、周りを見渡す余裕なんかもあるわけです。

見てみますと、みなさんやはり麺系統を注文されるようですね。


蒙古タンメンはモチロン、これまた辛味が強いと噂のつけ麺系。

中には、辛味最高の北極ラーメンを頼んでいる剛の者もいるようです・・・。



やはり、中本に来た以上は、って感じなのでしょうか。

ご飯モノを頼んでいる人は、全然いないようです。



構うもんか。

今日のワタクシは、とにかく中本に「勝った!!」と言いたい一心で来てるのですよーだ。


もう、ワタクシに負ける要素はありません。

ぺロッとやっつけちゃるけんの。



待っていると、やがて店員さんの元気な声が。


「樺太丼、お待たせしました!」


「はーい」


ワタクシは、振り返って丼を受け取・・・。








「ああっ!!」











・・・ここで、唐突にワタクシの記憶は途切れます。















「おい・・・おい、アンタ」


誰かがワタクシを強く揺さぶっています。


「おう、やっと気がついたかい」


それは、隣にいたお客さんでした。

ワ、ワタクシ・・・一体・・・。


「丼を必死で食べてると思ったら、いきなり気ィ失うんだから、ビックリしたぜ」


そこは、中本の店内。

ゆっくりと焦点が合ってきたワタクシの目には、巨大な丼、そしてまだ4分の1ほどもその中に残った樺太丼の姿が見えてきました。


「アンタ、この店に慣れてないな?

  樺太丼なんか頼むから、どれだけ大食いに自信があるのかと思ったら、気を失っちまうなんて」



だんだん、思い出してきました・・・。








店員さんから丼を受け取った瞬間、ワタクシは、ビックリしました。

そのデカさ、その重みにビビリました。



ワタクシが買った食券は「樺太丼」¥650のみ。

間違っても「大盛り」なんて付け足してません。



そのワタクシに手渡された丼は、蒙古タンメンなどが盛られるのと全く同じ丼だったのです!

そこには、マンガ盛りになったご飯と、それが見えないくらいにタップリかけられた麻婆豆腐が!!


これには、やられました・・・。





そして、食べてみると、予想通りその辛味は、蒙古タンメンほどではなかったのです。




そう、中本のご飯モノの武器は、「辛さ」や「熱さ」ではありませんでした。

「量」だったのです!!




中本さんは、このラウンドでは「量」でワタクシに勝負を挑んできたのです!




これは、正直に言って、予想外でした。




一所懸命、英単語を覚えて行ったのに、その日は保健体育のテストだった。

そんな思いです。






奇しくも前日、テレビ東京では、久しぶりに復活した大食い番組をやっていたのを思い出しました。



フードファイターならいざ知らず。

「二郎」の並を食べ切ってはテンションが上がり、すた丼の並に時々負けそうになる、ワタクシはそういうごく普通の、若い時の自分の食欲をちょっと寂しい気持ちで振り返る、ただの中年男性に過ぎません。



「こ、これは勝てん・・・」



開始2秒で、そう思いました。



やはり、この中本は、野球で言えばメジャーのグラウンドだったわけです。

何もかも、スケールが違うのです。



ワタクシごとき草野球の人間に、そもそもまともに立てる場所ではなかったのです。




しかし、返す返すも。

たった¥650で、それも「大盛り」でもなんでもない、デフォルトのメニューを頼んだだけで、ここまでの地獄を見せられるなんて!


みなさんも機会があれば、ぜひこのお店のメニューを見てくださいよ。

「樺太丼」の写真も、ちゃんと載っています。

ワタクシ、前回、それをちゃんと見たんです。


そこには、「樺太丼」がここまでの盛りで供されるという、そんな情報は、何一つ表示されていません。

その写真を見ただけなら、こんな目に遭うなんて、誰も思わないはずです。




サギじゃねえか、こんなもん!!

なんで、ここまで盛らなきゃなんねえんだよ!!



ワタクシは、せめて早食いして、満腹中枢に気づかれる前にできるだけ食べ進もうという、いじましい作戦に出ました。


そして、モチロン、失敗しました。

急ごしらえのそんな浅知恵は、かえってワタクシの身体を痛めつけるだけのものになり、そして、臨界点に達したワタクシは・・・。


「アンタ、悪いことは言わねえ、もう諦めたらどうだ?」


隣のお客に言われるまでもありません。

ワタクシは、結局4分の1ほども樺太丼を残して、席を立ったのでした。



帰りの電車では、ずーっと「うっぷ、うっぷ」言ってました。

ただ吐かずにいるだけで、最高レベルの集中力が必要でした。

その夜寝ても、そして、翌朝起きても、まだ胃がずっしりともたれていました。



恐るべし。

中本、恐るべし。



結局、ワタクシの中本チャレンジは、2戦2敗・2KOで終了したのでした。

(しかも、2戦目は特に秒殺)


中本には、「辛いもの好き」だけでなく「大食い」のベルトも預けることになってしまいましたが、もう、ワタクシには、それを取り返しに行く度胸はありましぇん。



これまでの中本に対する暴言を、お詫びしておきたいと思います。



「蒙古タンメン中本様

   これまで、生意気なことばっかり言っちゃって、ゴメンナサイネ!

   アタシ、自分がどれだけ世間知らずだったか、わかった気がするの。

   これからも、熱くて辛くて量が多くて、全てがスゴイ中本さんでいてください!

   応援してます!


                        吉田 ナゴミ   」

( ↑ 負けたので、「メス」になった、というつもりらしいのですが・・・。

  どうも、「雌雄を決する」という言葉の意味を、間違って解釈しているようです)










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最終更新日  2005年10月27日 23時09分04秒
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