Love Rainbow 01


さて、今回の物語は、「同窓会」がテーマです。
そう、そこから始まる恋もある。
そんな新鮮な恋物語を、楽しんでくださいね。


Love Rainbow Vol.01
「Over the memorial」



ちょうどGWが始まろうとしているころ。
大阪に帰省していたよしきに電話がかかる。
電話の相手は、よしきの後輩の武志だ。
武志「お盆休みに、中学の同窓会しようって考えてるんです。
ちょうど、卒業してから10年経つし。」
よしき「で、俺に話すって事は、何か考えてるな?」
武志「何か、いい目玉ないですかね?
それをよしきさんに相談しようかっってわけで。」
よしき「中3の時に、転校生とかいなかった?」
武志「あ、いましたね。確か、、、孝平ってのが。」
よしき「ちゃんと調べて、その人を呼んだらどう?
結構な目玉になるかもね。」
武志「さすがはよしきさん。面白いことを考えますわ。」
よしき「じゃ、アイデア料、後で振り込んでなー(笑)」
武志「よしきさん、冗談うまいんやから(笑)」
そう、武志と孝平は、小学校の時からずーっと同級生で過ごしてきた、
ある意味親友の関係だったんです。

そんな事で、武志は孝平の今時点での住所を調べることに。
幸い、引っ越してから実家の住所は変わってなかったので、電話してみる。
武志「ご無沙汰してます、中学の時の武志っていいます。」
孝平の親「あら、武志君、久しぶりね。どうしたの?」
武志「あの、同窓会のゲストで呼ぼうかと思いまして。
今孝平が住んでるところ、教えていただければと。」
孝平の親「ありがとうね。じゃ、住所と電話番号、あと、携帯もね。」
武志「ホントにありがとうございます。」

そんなことで、武志は同窓会の案内を、同級生聡子と2人で書くことに。
聡子にだけは、その話をする。
武志「孝平、呼ぼうかってね。」
聡子「え?孝平君?嬉しいなぁー。」
武志「ん?何かあるな?」
聡子「ふふん。秘密ー。」
てな感じで、5月の中旬頃、孝平のところに1通の手紙が届く。

孝平「あれ?武志からや。何やろう?」
孝平は、大学の時からずっと東京で1人暮らし。
ある意味ビックリしながら手紙の封を切る。
~孝平、ご無沙汰。
実はな、同窓会しようって思ってな。
で、特別ゲストに孝平を呼ぼうかって。
あ、この話、みんなには内緒な。
場所は、明の店、使えるらしいから。
てなわけで、たまには大阪帰ってきて、話そうな~
孝平は懐かしがりながら、手紙を読む。
孝平「せやな。久しぶりに同窓会でも出るかな?」
で、おもむろにMDを聞いてると、ある曲が流れる。
その曲を聴きながら、孝平はつぶやいた。
孝平「そういえば、聡子、元気なんやろか?」

その頃、聡子は仕事に追われながら、ある曲を聴いていた。
孝平が聴いてたのと同じ曲。
聡子「もう、あれから10年か。あの時の約束、覚えてるかな?」

さて、お盆休み。
(いきなり話が飛ぶところが、よしきの物語らしいんです。笑)
明の店に、同窓会のメンバーが揃う。
出席者は、揃いも揃った、約25人くらい。
明と武志は席を決めてると、武志の携帯に電話がかかる。
孝平「駅、ついたで。」
武志「お、待ってました。じゃ、迎えに行くわ。」
孝平「了解。」
ちょうど、明の店から駅までは車で10分ほど。
孝平が出かけた後、聡子が明の店に来た。
聡子「みんなー、ご無沙汰ー!」
全員「おー、聡子や。綺麗になってるやん。」
それと同時に、同級生の女の子たちが続々と入ってくる。

そうこうしている間に、孝平は駅に到着。
武志「今、黒い車の中にいてるわ。わかる?」
孝平「えっと。。。あ、いてた。」
車のドアが開く。
2人「ご無沙汰ー!元気やった?」
てな感じで、昔話に花を咲かせながら、車は明の店へ。
武志「ま、ちょっと店の前で待っとって。」
孝平「何か考えてるやろ。。。お前。」
武志「ちょっとした演出やんか(笑)」
武志は、よしきにそのあたりの演出の仕方を、全部教えられていた。
よしきって、こういうときは、メチャ親切な兄ちゃんやから(笑)

武志「みなさん、お待たせしました!メンバー揃った?」
全員「2席空いてるでー!あ、1つは武志か。じゃ、もう1つは?」
武志「あせるなって。実は、今日は特別にゲストを呼んでます。
おーい。孝平ー!」
みんながドッと沸く。
孝平「みんな、ご無沙汰!」
A「孝平やー!ご無沙汰ー!」
B「元気なん?」
なんて声が色々と飛ぶ。
孝平「武志?俺の席はどこ?」
武志「聡子の横にしたわ。」
孝平「了解。」
聡子「孝平、早くおいで!ビール入れたげるから。」
てな感じで、同窓会は楽しい時間になる。
始まったのが夕方5時。
気がつくと、もう夜の9時になっていた。
武志「そろそろお開きかな?」
明「そうやね。店の片付けもあるし。」
武志「というわけで、みなさんお疲れ様でした。
同窓会、終わろうかと思います。
スタッフのメンバー以外は、とりあえずお開きです。」
全員「お疲れサマー!」
色んなグループは、それぞれ2次会に行く。
で、武志は、聡子と孝平を呼ぶ。
武志「ハイ、俺の車の鍵。」
2人「え?なんで?武志、帰られへんやん。」
武志「2人で約束、あるんやろ?10年前の約束。
夜中の1時までは車貸すわ。久しぶりにあの場所、行ってきーや。2人で。
ただし、1時にここに戻ってきぃや。」
武志は、10年前に孝平からその話を聞いていた。
その話をずっと覚えていた武志が色々考えたのがこの案。
そう、全ては、この2人を逢わせる為の同窓会だったのだ。
2人「ありがと。じゃ、車借りるわ。」
武志「事故るなよ。この車、高いねんから。笑」
2人「じゃ、行ってきまーす。」
見送った後、明が武志に声をかけた。
明「武志、そういうことやったんか。ええとこあるやんか。」
武志「とりあえず、片付け終わったら、夜中の1時までカラオケ行こうや!」
スタッフ「賛成ー!」

その頃、武志の車の中。
聡子がおもむろにMDを取り出した。
~君と夏の終わり 将来の夢 大きな希望 忘れない
10年後の8月 また出会えるの信じて
最高の思い出を~
孝平「この曲、去年聴いてたわ。聡子のこと思い出しながら。」
聡子「私も。孝平元気かな?って。」
孝平「あの場所、まだあるの?」
聡子「あるよー。今から行くでしょ?」
孝平「もちろん。懐かしいなぁ。」
車で15分。その場所に着く。
孝平「ここって、こんなに夜景綺麗やっけ?」
聡子「あれから10年経つしね。ここも風景変わったわ。」
といいながら、2人は空に頭を向ける。
空には、満天の星。まるで、2人の再会を祝うかのように。
聡子「この空だけは、いつまでも変わらないでいてほしいなぁ。」
孝平「東京じゃ、こんな空見られへんもんな。」
聡子「そっか、孝平、今東京なんや。1人暮らし?」
孝平「ウン。寂しい1人暮らし。」
聡子「いいなぁ。私も1人暮らししてみたいわぁ。」
そんなこといいながら、ちょっとの間星を眺める。
孝平「今度、東京来るか?」
聡子「え?私が?いいの?」
孝平「たまには遊びにおいでや。俺もまた聡子に逢いたい。」
聡子「孝平。。。ありがと。」
聡子の瞳からは、一雫の涙が。
孝平は、聡子を優しく抱きしめた。

1ヵ月後、武志の所に孝平から手紙が届いた。
1つの写真と一緒に。
~武志、あの時はありがとな。
あれがキッカケで、聡子と付き合うことになりました。
今、大阪から聡子が来てるんで、2人で写真撮って送ります。
武志には、ホンマに感謝してる。ありがとな。~
下には、聡子の文字もあった。
~武志、ありがと。
武志がいなかったら、孝平と付き合えなかった。
もう逢えないって思ってたから。
武志、ホントにありがと。~
武志はホントに喜んでた。まるで自分の事のようにね。


さて、第1話。どうでしたか?
こんな恋もいいんじゃないでしょうかね?
感想なんかも聞かせてくれると、嬉しいです。
次の予定は、9月15日。
何が出るかは、お楽しみにね!


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