Love Rainbow 12



さて、今回のテーマは、「料理の味付け」です。
ここから、どんな恋愛風景が出てくるんでしょうかね?
というわけで、ゴブサタ(ほぼ半年振り)の「Love Rainbow」、
今回もお楽しみください。

Love Rainbow Vol.12
「Scramble Egg」



香奈「おーい。ご飯できたよー。早く起きやー。」
といいながら、カチャカチャとお皿を運ぶ音が聞こえる。
昨日の夜、遅く帰ってきた貴久は、ようやく目を覚ました。
貴久「ほいほい。またスクランブルエッグ?
ちょっとや、どないかならんの???」
香奈「ん?人が作った朝ごはんに文句を言う気?」
貴久「はいはい。食べますよ。。。って、これ、辛すぎへんか?
こんなん食われへんぞ。。。」
香奈「ん?私のご飯が食べられないって言うの?」
貴久「はいはい、食べますよ。。。あー、塩辛い。。。」
香奈「今日は早く帰ってくるんやんね?
遅くなるときは、メールでもちょうだいって言うてるやんか。」
貴久「地下の居酒屋で飲んでたんやもん、メールもつながらんて。」
香奈「ん?」
貴久「はいはい、すんません。。。」

といいながら、何とか朝ごはんを食べ、先に貴久が出かけていった。
朝ごはんを片付けながら、香奈は思っていた。
「いつまでたっても、頭が堅いんやから。
もう少し、誰かさんみたいに柔軟性があったらねー。」

よしき「へーくしょん。」
千恵「先輩、風邪ですか?」
よしき「どーせ、誰かがウワサしてるんやろうな。。。
へーくしょん。へーくしょん。こりゃ、相当悪いウワサやろうな。。。」
千恵「早く仕事終わらせましょ。今日は午後から一緒に外出なんですから。」
よしき「外出って、銀行回りやぞ?遊園地に行くわけやないで。」
千恵「でも、直帰するんでしょ?」
よしき「何で知ってんのよ。。。」
千恵「昨日、言ってたじゃないですか。直帰にして、遊びに行くって。
とりあえず、晩御飯、よろしくお願いしまーす。」
よしき「全く。。。調子いいんだから。
それより、早く仕事かたづけんと。
で、晩御飯は何食べに行くの?」
千恵「たまには、オシャレなディナーでもいいですか?」

あ、そういえば忘れてましたね。
今回の物語の主人公、貴久と香奈は、同棲したてのカップル。
貴久が遅く帰ってきたときや、ケンカした翌日の朝には、塩辛いスクランブルエッグが出るのが、このカップルの常識。
(って、どんな常識や。。。それ。)
香奈が言うには、昔から私の家で代々食べさせられている代物なんだって。
そんな代物、ホンマに勘弁してくださいって思うなぁ。
香奈の父親も、このスクランブルエッグを食べて、反省したとか何とか。。。
正直言って、そんなスクランブルエッグはいらないって思うのは、よしきだけ???

と、そうこう考えてる間に、香奈も出勤時間に。
香奈「さーて、行ってきますか。今日も無事に1日が過ごせますように。」

その頃、仕事をしながら、貴久は考えていた。
「あのスクランブルエッグ、俺が作って食べさせたら、香奈はどんなリアクションをしてくるんやろ?」
たまたま仕事が早く終わるその日、貴久は帰りにスーパーへ寄ることに。
卵と塩を大量に買い込んで、帰宅。
貴久「ただいまー。うし、香奈がいない。今のうちや。」
気がつけば、仕事が早く終わってからの貴久は、あのスクランブルエッグの再現をしようと、努力していた。

貴久「さーて、食べてみるか。。。ん?これじゃうますぎるわ。
どうやったら、あの塩辛さは出るんやろ?」
貴久と香奈の定時の差はおよそ1時間。
1時間で作って、味見して、てな感じでやってると、せいぜい作れても1日2~3回。
後片付けもしなきゃいけないし、晩御飯は原則貴久が担当なので、香奈が帰ってくる頃にはちゃんと晩御飯が出来てないと怒られる。
なかなか、大変だろうな。。。スクランブルエッグの研究も。笑

そんなこんなで、塩加減は、さすがの貴久でもわかってきた。
でも、何かが足りない。。。
何で、香奈のスクランブルエッグは、ただ塩辛いだけじゃないんだろう?

結局、どうやっても無理だと感じてきた貴久は、よしきに電話した。
貴久「今週末、台所貸してほしいねんけど?大丈夫?」
よしき「は???お前の手料理を俺が食って、どないすんねん?」
貴久「いや、色々と相談したいこともあるんよ。」
よしき「ナンダナンダ?香奈ちゃんとケンカでもしたか?」
貴久「それは、今週末にでも話しますわ。」


というわけで、その週末へ。
お昼頃から香奈は友達と買い物へ。
ちなみに、晩御飯は食べてくるとの報告。帰りは最終電車ごろになるので、よろしくとの話。
貴久「こりゃいいや。さーて。俺もよしきのところへ行くか。」
電車に揺られて20分ほど。貴久はよしきの家に到着した。

貴久「よしき、悪いねー。はい、これ差し入れ。」
よしき「卵2ケースも買ってきて、お前はアホかいな。。。」
貴久「いやー、味見をしてもらおうかと思ってな。」
その時、後ろからトコトコと足音が聞こえてきた。
千恵「こんにちわー。貴久さん、元気です?」
(よしきと千恵は、仕事では先輩後輩やけど、プライベートでは別の顔を持っているので、
ちゃんと言葉遣いを変えてるのです。って、当たり前か。笑)
貴久「あら、千恵ちゃん、元気?って、よしき、千恵ちゃんいるのにいいの?」
よしき「こう見えても、料理の腕前は千恵ちゃんの方が上よ。」
千恵「で、スクランブルエッグのおいしい作り方なんですよね?
ちょっと待っててくださいね。。。はいこれ。」
というと、千恵は貴久に1枚の紙を差し出した。
貴久「いや、スクランブルエッグのうまい作り方じゃないのよ。。。今日は。」
そういうと、貴久はタッパーの中にある、スクランブルエッグを取り出した。
貴久「よしき、千恵ちゃん。これをとりあえず食べてみてーな。」
よしき「お前、千恵ちゃんに毒入りの食べ物食べさせたら、怒るで。。。」
貴久「毒入りやないわ。ま、とりあえず、どーぞ。」
貴久があまりにも催促するので、とりあえず、2人で一緒に食べてみることに。
よしき「これ、辛すぎるやろ?」
千恵「貴久さん、これ、誰が作ったんですか???」
貴久「それ、香奈が作ったスクランブルエッグ。
しかも、ケンカした翌日とかに出てくる、特別なもの。
普段のスクランブルエッグはおいしいのよ。
どこが違うんかがわからんようになってなぁ。。。」
よしき「じゃぁ、貴久が一番近いと思ってるスクランブルエッグ、作ってみーな。」

というわけで、よしきの家の台所を借りて、貴久がスクランブルエッグを作り出した。
ちょちょいとやりだせば、簡単なもの。
すぐに出来上がって、2人は味見することにした。
よしき「これ、さっきのよりまずいぞ。。。
『愛のエプロン3』の城島さんじゃないねんからな。俺は。」
(『愛のエプロン3』 → TOKIOの城島さんが司会をしている料理番組。
ある完成料理をお題にして、アイドル3人が料理を作ってゲストに食べさせるという、ある意味ゲスト泣かせの番組。笑
ちなみに、レシピがないのでたまに大変な料理が登場することでも有名?笑
よしきは、意外と毎週見てたりするんです。爆笑)
千恵「うーん。何かが足りないですよね。多分。」
よしき「ん?ちょっと、前の食べてみよっと。
確かに、こっちの場合は、スクランブルエッグについている塩を振り払えば、メッチャおいしいなぁ。。。」
千恵「よしきね。いつも家で作ってる玉子焼き作るときに、何を入れてたっけ?」
よしき「なるほどね。そういうことか。」

というわけで、貴久を1人だけダイニングに残して、よしきと千恵はスクランブルエッグを作り出した。
よしき「ここで、どれくらい砂糖を入れる?」
千恵「いつも、厚焼き玉子を作るときは、確か玉子3個でこれくらいでしょ?
ってことは、玉子1個だから。。。」
よしき「こんなもんになるわな。」
千恵「で、ここでよくかき混ぜた方がいいかも。
結構、香奈さんの作ったって、ふっくらしてたでしょ?」
よしき「玉子焼きを作るように、空気を入れながらってこと???」
千恵「そうそう。多分これでOK。
貴久さん。こんなんでどうでしょ?」
よしき「あ、待って。塩を振りかけるの、忘れてるわ。」
千恵「あ、そうだ。。。このままじゃ、ただのおいしいスクランブルエッグだもんね。」
よしき「というわけで、振りかけてと。貴久、出来たぞ。」

貴久「すいませんねー。というわけで食べてみるか。。。
ん?出来てるやん。。。何で???」
よしき「やっぱり、貴久、気付いてないか。」
千恵「貴久さん、塩辛いからって言って、塩加減ばっかり考えてませんでした?」
貴久「塩辛いんだから、当たり前やないの?」
よしき「それがな。。。違うんよな。
よく、料理のときに、一つまみの塩で、甘み加減が増すとか言うやろ?
それとは逆の話。」
千恵「玉子焼きを作るときに、砂糖を入れるのって、知ってます?
それを、スクランブルエッグにも応用してるんですよ。香奈さんは。」
よしき「だから、普通に塩を洗ってスクランブルエッグを食べたとき、ものすごくおいしく感じたんやわ。
貴久が塩辛い=塩加減と考えるのも、無理はないけどな。」
千恵「結構、料理を作るって、色々と大変なんですよ。
でも、香奈さんの気持ち、わかるなぁ。」
貴久「え?千恵ちゃん、どういうこと?」
千恵「香奈さんが塩、貴久さんが砂糖って考えると、わかりやすいですよ。」
よしき「貴久ところも、スクランブルエッグのようなカップルやん。
砂糖と塩という、全くの反対のものがいるけど、その2つがうまく合えば、倍以上の活躍が出来るってこと。」
千恵「つまりは、逆転の発想ってのです。
香奈さんが怒ってるときは、自分の気持ちが強くなるから、塩辛くなるわけです。
でも、香奈さん、うまく考えたなぁ。。。
まぁ、それを捨てずに我慢して食べてた貴久さんもえらいですけどね。」
よしき「それは言えるわ。俺やったら。。。」
千恵「よしきだったら、何って?」
よしき「そこで千恵ちゃんがかみつくなよ。。。
とりあえず、よく言うやん。『愛があれば LOVE is OK』って。」
千恵「それ、番組パクってるよー。」
貴久「よしきらしい、うまいまとめ方やわ。」


というわけで、後日。
たまたま帰りが遅かった香奈へ、貴久は夕食にスクランブルエッグを作っておいた。
香奈「あれ?朝やないのに。夕食やのにスクランブルエッグ?」
貴久「まー、食べてみたら?」
貴久はニタつきながら、香奈が食べるスクランブルエッグを見ていた。
香奈「あれ?この味。。。って、誰に教わったんよー。」
貴久「って、不機嫌になるなよ。食べながらでもいいから、話聞いて。
よしきと千恵ちゃんところへ行って、この料理の作り方、教えてもらった。
その時に、キツイことを2人に言われてなぁ。
砂糖は砂糖、塩は塩でも生活できるけど、一緒になると、もっといい生活できるって。
よしきと千恵ちゃんが厚焼き玉子を作るとき、砂糖と塩を入れるのを聞いてね。
それをヒントにして作ってみたんよ。そうすると、さっきの味になったわけ。
よしきに、怒られたわ。。。お前、同棲してるんやったら、せめてメールでも送れ。って。
ほとんど夫婦の関係やったら、当たり前のことやろ。って。
よしき、同棲してない千恵ちゃんにも、ちゃんとメールしてるんだってさ。
2人は同じ会社だから、筒抜けのような気もするんやけど。
それでも、やっぱり連絡取りたいときにいてるかいーへんかわからんってのは、心配かけるからやって。
ごめんな。。。」
香奈「ふーん。。。珍しく、よしきがうまくまとめてくれたわけね。。。
しかし、千恵ちゃんには参ったわ。
私が塩で、貴久が砂糖って。さすがは、よしきと対等に張り合ってることだけはあるわ。」
貴久「よしきが言ってた。休みの日は、2人で料理作って2人で食べて、2人で片付けやってるんやって。
同棲してないのにね。千恵ちゃんが休みの日は遊びに来てるみたい。
俺らも、休みの日くらいは協力して作ってみる?」
香奈「それ、メッチャいいかも。」


それから2週間後の週末。珍しくよしきと千恵が貴久宅に呼ばれた。
よしき「おーい。貴久。ケーキ持って来たぞ。
香奈が一番好きなケーキも買ってあるで。」
貴久「はい、どーもどーも。とりあえず、料理は出来てるで。」
香奈「お、さすがはよしきやん。ちなみに、スクランブルエッグも用意してるけどね。」
よしき「おい、塩辛いのは勘弁やぞ。。。」
千恵「はは。とりあえず、何作ったんですか?」
香奈「あのね、ハンバーグなんて作ってみたけど。」
よしき「香奈のハンバーグは、ひき肉じゃない可能性がある。。。」
貴久「あんまり変なこといってたら、お前だけ食べさせへんぞ。」
といいながら、テーブルには豪勢な料理が並んでたりしました。
千恵「うわ、すごいー。」
よしき「ウチらは、2人で作るとか言っても、鍋とかが中心やからなぁ。。。」
香奈「え?そうやったん?ま、いいや。はい、スクランブルエッグ。」
よしき「しゃーないなぁ。。。じゃ、いただきます。。。
えー、これ塩辛いやんかー。」
千恵「千恵のは普通やよ。」
貴久「俺もやで。ちょっと待って。。。ホンマや、よしきのだけ塩辛い。」
香奈「私からの、手荒い歓迎と思っといて。
謎かけまで解いたんやから、代償払ってや。」
よしき「勘弁してくださーい。」

ちなみに、その後、普通のスクランブルエッグも出てきたけどね。笑


さて、いかがでした?
たまには、こんなテーマもいいものでしょ?
さて、次のLove Rainbow 13は、12月中には更新します。


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