Love Rainbow 14



さて、2004年最初のLove Rainbow。
テーマは、「最終電車」です。
この物語は、ある駅を舞台にした恋愛物語です。
なくなってしまう駅の最終電車には???
というわけで、Love Rainbow 14、スタートします。

Love Rainbow Vol.14
「Last Train」



1月22日。28歳の誕生日を迎えたよしきに、1つの電話がかかってきた。
健一「よしきさーん、さらにオッサンになりましたねー。」
よしき「健一なぁ。。。俺の前で年の事は言うな。笑
でも、誕生日に電話してくれるだけ嬉しいわ。サンキュー。」
普通の誕生日お祝い電話かな?と思ってたら、健一が突然切り出した。
健一「28歳のよしきさんやからこそ、相談したいことがあるんですよ。」
よしき「年の事は言うな。。あ、恋愛話はお断りやで。」
健一「冗談はいいですよ。相談することなんて、恋愛話しかないでしょ?」
よしき「あれ?年末に真樹ちゃんと別れたとか、こないだ言うてたやん。」
健一「実はですね。明日、真樹とデートすることになってしまいまして。。。
いつも待ち合わせしてたのが桜木町の駅前なんですが、今回は渋谷でデートしようとか。
年末には、もう2度と逢いたくない!って言うてたのに。。。」
よしき「ふーん。ちょっとは解けた感じになってきたわけね。」
健一「真樹が変なこと言うてましたよ。
よしきさんの誕生日がそろそろやから、2人で買いに行かない?とか。」
よしき「だから、今週メチャ寒くて、雪が降るとか言われてたわけか。
うーん。納得してしまうわ。」
健一「あのー。そんなに真樹がよしきさんにプレゼントって、変です?」
よしき「昔のあの性格じゃ、考えられへんわ。笑」
健一「確かに、出会った頃の感じで考えると、そうかもしれませんね。
で、よしきさん。最近順調なんですか?」
よしき「どの話???」
健一「よしきさんの恋愛話は、ほったらかしても勝手に進行するんでいいんです。
急にダイエットするとか言うてた話。」
よしき「あー、その話ね。今のところは順調やで。
まぁ、ダイエットは進行中やけど、痩せたかな?って思うときはあるわ。」
健一「どこにそんなに肉がついてるんです?笑」
よしき「それを言わせるな。笑
で、誰が恋愛話は勝手に進むやて?恋愛話の"れ"の字も最近はないわ。」
健一「でもね、よしきさんがダイエットしてる時って、大体は女の子絡みでしょ?2年前かって。。。」
よしき「はいはい、そんなの、もう過去の話。笑
確かに、あの時は1ヶ月で6kg落としてたなぁ。今となれば、懐かしい思い出や。。。」
恋愛って、シナリオが読まれへんから、難しいし楽しいんやんか。。。」
健一「28になった途端、いきなり大人発言ですか?
年末までは、"恋愛したいなぁ"とギャーギャー言うてた人が。。。変わりましたねー。」
よしき「あんまりイヤミ言うてると、月曜日の夜にしばきまわすで。笑」
健一「あ、そうそう。月曜日にプレゼント渡しにいくとか話してたんですよ。
よしきさんの予定、しきりにに聞いてたから。」
よしき「ふーん。1年経つと、ホンマに性格も変わるもんですな。
誰に感化されたんやろ。。。」
健一「はいはい、わかりましたよ。で、今週末の予定はどうです?」
よしき「土曜日は渋谷で映画鑑賞の予定。日曜日はフリーやけど、多分予定が入りそうな予感してる。」
健一「渋谷で映画鑑賞???って明らかにデートでしょ?笑」
よしき「おーい。映画見に行く相手なんて、どこにいてるねん?」
健一「明日、映画館にでも張り込んでみようっと。。。」
よしき「おとなしくデート楽しんどきなさい。真樹ちゃんが怒るで。」

と言いながら、電話は終了。
よしきは、健一のことをふと思っていた。
「何か、来週が勝負のような気がする。健一、頑張れよ。」


そうこうしている内に土曜日へ。
朝早く、真樹は健一を待っていた。
真樹「いつも通りの遅刻かぁ。。。やっぱり健一だな。。。」
と言ってると、健一が走ってきた。
健一「ごめーん。昨日、よしきさんと長電話してて。」
真樹「ふーん。で、何が欲しいとか聞き出せたの?」
健一「あ、忘れてた。。。そうそう、よしきさんが今日映画見に行くとか言ってた。」
真樹「え?マジっすか?そりゃ、渋谷の映画館に張り込んでみない?」
健一「って、何の映画見るか、見当ついてるの?」
真樹「とっておきの映画があるじゃないの。"シービスケット"でしょ?多分。
ただ、女の子とセットなら、"ラブ・ストーリー"って線もあるかな?」
健一「となると、、、あそこの映画館かな?どーする?」
真樹「12時過ぎに映画館の前で待ち伏せして、捕まえる?
ついでに、渋谷駅の近くのオムライス、おごってもらおっと。」
健一「いなかったらどーするんよ?」
真樹「その時は。。。健一にでもおごってもらいまーす。」
健一「ホントに都合がいいんだから。。。」

さて、その頃のよしき。
映画館は渋谷で見る、と健一には伏線を張っておいて。
実は横浜に映画鑑賞に出かけてました。
よしき「だって。。。デートの邪魔するわけにはいかへんやん。
2人で楽しませてあげるための、一種の惑わしみたいなもんです。
これで、ホンマに映画館で待ち伏せしてたら面白いやろな。。。」

というわけで、朝からよしきへの誕生日プレゼントを購入した真樹と健一。
そして、12時過ぎに映画館に待ち伏せしてる2人。
でも、30分待っても、1時間待ってもによしきらしき人間は現れない。
真樹「ホントによしきさん、渋谷で映画見るって言ったの???」
健一「俺にはそう言ってたけど。。。」
真樹「もう、2回目の映画始まってるから、いなかったんじゃないの?」
健一「となると。。。ウインズに逃げたかなぁ?」
真樹「それもないって。電話投票で馬券を買ってる人が、意味もなくウインズ行くと思えないの。」
健一「じゃ、メールしてみる。」
メールを送った直後、よしきから電話が鳴った。
よしき「さっき映画終わったばっかりやで。さーて、どこで飯食べよっかな。。。」
健一「って、どこで映画見たんですか?」
よしき「横浜に決まってるやん。渋谷よりも近いんやから。
まさか、映画館で2人で待ち伏せしてたとか?笑」
健一「その通りです。真樹にかわります。」
真樹「よしきさーん。誕生日おめでとーございまーす。」
よしき「真樹ちゃん、デート楽しんでる?」
真樹「健一を引っ掛けたでしょ?」
よしき「明らかに引っかかる方が悪いって。笑
で、この後はオムライスの店にでも連れてくんやろ?」
真樹「あったりー。健一に全額払わせますけど。笑」
よしき「そういや、月曜日ってどこに行けばいいの?横浜で待ち合わせする?」
真樹「横浜かぁ。。。最近行ってないですね。おいしい店とかあるんですか?」
よしき「キハチのダイニングレストランみたいなのがあるわ。そこで食べる?
その後、夜のみなとみらい散策なんてどう?」
真樹「あ、その意見、さんせー。健一も行くでしょ?行くって言うてます。」
よしき「じゃぁ、月曜日の7時半に、横浜駅にはいてるわ。電話ちょうだいな。」
真樹「はーい。りょーかいしましたー。」
と言って、電話は終了。
真樹「健一、キッチリ引っかかったようね。
よしきさんらしいけどね。うまい演出って言うかな。」
健一「ホンマに1人やろか?よしきさん。」
真樹「月曜日に真意を確認してみない?
よしきさん、お酒に弱いから、飲ませればすぐに白状するかもよ。」
健一「それもそうだな。。。で、お昼は?」
真樹「こないだ、よしきさんに教えてもらったオムライス屋で決まってるよ。」
健一「じゃ、そこに行きますか。」

てなわけで、オムライスを食べて、その後は映画を見てデートは終了。
"ラブ・ストーリー"を見に行って、真樹は少し泣きかけてたそうな。
ふーん。結局2人も映画ですか。笑


と言ってる間に月曜日へ。
仕事をサッサと終わらせた3人は、それぞれの電車に乗って横浜へ。
よしき「相変わらず、あの2人は遅いな。。。」
と言ってると、東横線の改札から真樹が走ってきた。
真樹「よしきさーん。ごめんなさーい。上司に捕まって。。。」
よしき「仕事やからしゃーないって。で、健一は?」
真樹「家に帰ってから来るとか言ってたんで、磯子から来ると思いますよ。」
と言ってると、JRの改札口から今度は健一が走ってきた。
健一「すんません。乗り継ぎが悪くて。」
よしき「おーい。磯子からやと乗り継ぎはないでしょうが。。。」
真樹「バレバレよ。服着替えてきてるのは。」
健一「バレてちゃしょうがないですね。で、お店はどちらです?」
よしき「はいはい、サッサと案内しますよー。
デートでも使えると思ってる店なんで、お邪魔虫は途中で抜け出します。笑」
真樹「今日はよしきさんに終電まで付き合ってもらいます。笑」
健一「そうそう、ちゃんと真樹を送ってもらう予定なんです。」
よしき「俺、今日は横浜線で帰ろかな?笑」
真樹「色々と聞きたいことあるんで、今日はダメです。笑」
と言いながら、キハチのダイニングレストランに到着。
というわけで、結局そこでよしきは、真樹と健一に飲まされる羽目に。笑
真樹「よしきさーん。ダイエットしてる理由、ホントに教えてくださいよー。
色んな噂が飛び交ってますよー。」
よしき「自分の健康のためやで。噂はこっちにも届いてるけど。」
健一「土曜日、ホントに1人で映画に行ったんですか?」
よしき「当たり前やん。。。誰と見に行くっちゅうねん?」
真樹「ふーん。横から女の子の声がしてましたけど。電話の向こうで。」
よしき「まるでアラ探しやな。。。」
真樹「どーなんですか?」
よしき「ホンマに何もないねん。あれば正直に話したいところやけど、何もなし。」
健一「今回だけは信じてあげますか。」
真樹「ここまでウソつくとは思えないしね。。。
というわけで、正直者のよしきさんには、プレゼントです。笑」
よしき「あら。ありがとうございます。開けてもいいの?」
健一「どーぞどーぞ。」
よしき「どれどれ。あ、ネクタイやん。」
真樹「社会人なんで、たまにはオシャレなネクタイもどうかな?って思ったり。」
健一「よしきさん、傘にはうるさいけど、ネクタイもあるかな?って思ってたんで。」
よしき「こりゃ、純粋に嬉しいです。ありがとね。たまに使わないと怒る?」
真樹「デートのときばっかりやったら、ちょっと怒りますね。笑」
と言いながら、2時間半くらいでお店を出て。
その後は、ブラブラとみなとみらい方面へ。

真樹「よしきさん。そういえば、もうすぐみなとみらい線が出来るんでしょ?」
よしき「これで、ハマスタが行きやすくなるわ。」
真樹「って、よしきさん、横浜ファンでしたっけ?」
よしき「いや、俺は中日ファン。ただ、みなとみらい線、1つネックがあるねん。」
真樹「何です?」
よしき「中華街から酔っ払ったオッサンが大量に乗りそうな予感がね。。。」
真樹「それ、当たってますね。って、横浜で遊ぶ気でしょ?」
よしき「今やと横浜線の最終を気にしてたけど、これからは東横線の最終まで遊べる。
交通費は高くつくけど。。。笑」
健一「って言っても、時間にしたら30分ほどでしょ?」
よしき「その30分が重要やんか。。。30分あれば。。。」
真樹「明らかに遊びの幅は広がりそうですね。」
よしき「そーゆーこと。」

と言ってる間に、みなとみらいの大観覧車の時計は12時前に。
真樹「明日も仕事だし、そろそろ帰ります?」
よしき「そうするか。」
というわけで、桜木町の駅に3人は到着。
先に健一をJRの改札まで送って、よしきと真樹の2人に。
よしき「ちょっとコーヒーでも飲みに行く?」
真樹「最終まであと40分程ですよね?行きますよ。」
と言って、2人は喫茶店へ。
真樹「よしきさん、大丈夫です?」
よしき「酔いはもうさめたから、相談されても大丈夫。」
真樹「実はですね。。。健一、私のこと何か言ってました?」
よしき「正直に言うていいん?」
真樹「はい。」
よしき「俺の推測やねんけど、健一は真樹ちゃんとヨリ戻したがってるわ。」
真樹「やっぱりそうなんだ。よかった。」
よしき「ん?よかった???年末の事、やっぱり後悔してたん?」
真樹「私のワガママに付き合いきれん。って言って別れたんですけど、最近の健一、寂しがってる気がして。
土曜日デートしてた時、何か嬉しそうでしたもん。」
よしき「それで、急に真樹ちゃんも女らしくって思ったわけか。。。」
真樹「あ。気付いてました?笑」
よしき「普段は絶対に気を使わないワガママ娘が、突然いつもと違うことやり出すんやもん。
料理が来たら、健一や俺に分量聞いて、取り皿に分け出したし。
土曜日の電話の言葉を聞いてても、何か変わったかな?て思った。
真樹も、どっかに気持ちの変化があるんかな?」って。
真樹「やっぱり、気付かれてましたか。よしきさんには。」
よしき「でも、ヨリ戻すんやったら、時間はもうないで。多分。
健一くらいの男やと、他の女の子が狙ってる可能性もあるやろから。」
真樹「何かいいタイミング、ないですかねぇ?」
よしき「1つあるやん。キーワードは"桜木町駅"。」
真樹「桜木町駅って、健一と付き合うことも、別れることも決めた場所ですよ。
何かありましたっけ?」
よしき「その桜木町駅がね、実はなくなるんよ。
みなとみらい線が出来ることによって、東横線が横浜までになるんよ。ちょうど今週の金曜日の話。
やから、真樹が東横線の最終電車に乗って、その後健一がJRの最終電車に乗ることも可能やん。
多分、時間差は10分ほどあったと思う。
駅がなくなる直前に、新しい思い出を作るってのはどうよ?」
真樹「何でよしきさんって、そうロマンチックな展開に簡単に持ち込めるんですか?
やっぱり、色々あるんでしょ?今、話聞いてるだけで、私がドキドキしましたもん。」
よしき「ただね、桜木町駅の最後の日やから、駅自体は混んでるかもしれへん。
その中でもう一度やり直すって思うと、度胸はいるかもしれへん。
そうそう、桜木町が歌詞に出てくる曲、あれ大好きなんよ。」
真樹「あ、山崎まさよしさんのあの曲ですか?」
よしき「そうそう。意外とこういう気持ち、男にはどっかに抱えてるもんよ。
結構ワガママなところも真樹ちゃんそっくりやし。
いつもケンカしたとき、健一が先に折れてたんちゃう?」
真樹「今考えてみるとそうかもしれないですね。。。
でも、どうすればいいんですか?」
よしき「簡単なことやん。素直になれば、結果は自然とついてくるわ。
俺もこんなストーリーが読める恋愛、してみたいもんだわ。」
真樹「でも、ストーリーが読めない恋愛やから、よしきさんは頑張ってるんでしょ?」
よしき「ダイエットの理由、まだそこに持って行きたがってるようね。。。
ホンマに恋愛関連でダイエットなんかせーへん。笑」
真樹「違うでしょ?ホントの事、話してくださいよ。健一には内緒にしておきますから。」
よしき「今回は話すの、やめとくわ。
とりあえず、俺自身で区切りをつけてからにしたいんよ。
今ようやく自分自身が変わってきそうな雰囲気があるんや。
やから、その流れを止めてしまうようなことは、まだしたくない。
そ、いろんな面で変わらなきゃいけないよしきがいる。
もう少し、28らしい大人に成長せんとね。」
真樹「何か、27のよしきさんじゃ考えられないような大人発言だ事で。。。笑
そういえば、よしきさん、ホントに顔の線が細くなりましたもんね。
どこまで痩せるつもりなんですか?」
よしき「ふふん。ヒミツ。それは、目標が達成されてからのお楽しみに。」
真樹「よしきさんらしくないなー。いつもは秘密主義じゃないのに。笑」
よしき「あのねー。何でもかんでもオープンには出来ないでしょ。
たまには、孤独に戦う必要もあるって事よ。」
真樹「そうやって、誰の事を惑わせるんでしょ?」
よしき「だから、そういう風に取るなって。。。笑
あ、そろそろ終電の時間。コーヒー代、持っとくわ。」
真樹「え?いいんですか???ごちになりまーす。」
よしき「とりあえず、妙蓮寺までしか送られへんで。
そこから先は、自分で日吉まで乗ってくんやで。」


さて、そんなこんなで迎えた1月30日。
サッサと仕事を終えた真樹と健一は、石川町の駅前で待ち合わせることに。
健一「真樹、遅いなぁ。。。」
真樹「ごめーん。仕事で上司に捕まって。。。」
健一「いつもその理由。。。ホントに?」
真樹「ホントです。信じてください。」
健一「仕方ないなあ。。。で、どこに行くの?」
真樹「今日はね、私が全部店とかも探してあるから、ご心配なく。」
健一「へぇ、珍しい。」
真樹「文句ある?笑」
その時に、真樹の携帯が鳴った。
真樹「ちょっと待ってね。えっと。。。よしきさんからのメールだ。
あ。。。よしきさん、心配してくれてるんだ。。。ありがと。」
健一「どしたの?」
真樹「ううん。何でもない。早く行かないと、予約の時間過ぎちゃうよ。」
というわけで、中華街で夕御飯を食べ。
その後は山下公園からの夜景を見て。
関内近辺をぶらっとしながら歩いていく2人。
そういえば、横浜球場は工事中になってたな。笑
関内からバスに乗ってみなとみらいへ。
真樹「うわー。キレイ。」
健一「月曜日来たばっかりやけど、何か違う気がするなぁ。」
真樹「うーん。やっぱり2人だからじゃないの?」
健一「そういうこと言うてると、よしきさんに怒られるよ。笑」
真樹「フフフ。」
楽しんでる時間ってのは、早く過ぎていくもの。
そうこうしている間に、時計は12時を回っていた。
真樹「そろそろ帰らなくちゃね。桜木町まで一緒に来て。」
健一「桜木町でいいの?横浜まで送ってくよ。」
真樹「ウウン。健一の終電に間に合わなくなったら大変だから、桜木町でいいよ。」
と言いながら、みなとみらいを桜木町方面に歩いていく2人。

その頃、東急桜木町駅は、すごい人で賑わっていた。
健一「えー?東横線、事故でもあったんかな?」
真樹「違うと思うよ。たまには入場券でも買って、駅の中に入ってきて。」
健一「え???ここでいいよ。」
真樹「ウウン。やっぱりホームの上がいいな。」
健一「仕方ないなぁ。。。じゃ、今回だけだから。」
と言って、2人はホームへ上がってきた。

ホームの上では、セレモニーが開かれていた。
健一「えー。。。東急の桜木町駅って、今日で最後?」
真樹「そうなの。桜木町駅がなくなっちゃうの。
今まで、色んなことがあったよね。
1年前、健一から告白してくれたのも、桜木町の駅前だった。
1ヶ月前、私が別れを切り出したのもこの駅前だった。
2人の待ち合わせも、ほとんどが桜木町だったじゃない?」
健一「そうだな。2人の路線の共通点がこの桜木町だったもんな。」
真樹「年末にあんなこと言ってから、色々と考えてたの。
私自身も、ワガママばっかり言って、健一を困らせてたもんね。
あの時は、色々あって疲れてたの。その時に健一とケンカしたから。
もう、ボロボロになりかけた。。。
でもね、そんな時に桜木町駅がなくなるって聞いたとき。
何か、とっても辛かったの。
私たちの思い出が、もう永遠になくなってしまうのかな?って。
そう思うと、やっぱり健一のこと、もう一度考えてる私がいた。
まだまだ健一のそばでいさせてほしいって思う私がいた。
健一、先月の言葉、取り消させて。。。」
健一「取り消させてか。。。ゴメン。取り消しは出来ない。
だって、年末の言葉、最初からウソだと思ってたから。」
真樹「健一。。。バカ。。。」
そうこうしているうちに、最終電車が桜木町のホームに入ってきた。
真樹「あーぁ、来ちゃった。。。最終電車。」
~当駅始発、普通元住吉行の最終電車です。
お乗り遅れのないよう、お願いいたします~
健一「これからのデート、どこで待ち合わせる?」
真樹「やっぱり桜木町じゃないの?
だって、みなとみらいから桜木町まで、歩けるもん。
この街、今でも好きだから。
これからは、桜木町まで歩いていくの、何か違う意味で楽しみかな。」
健一「桜木町駅がなくなっても、2人の乗継駅はやっぱり桜木町か。
そうだよな。この街、俺も好きだし。」
~普通元住吉行最終電車、まもなく発車します。
ご乗車の方は、電車に乗ってお待ちください~
真樹「あ、電車がもうすぐ出ちゃう。」
健一「ちょっとだけ待って。」
そう言うと、健一は静かに真樹を抱きしめた。
真樹「健一。。。ゴメンね。。。ワガママばっかりで。」
健一「いいよ。気にすんな。ん?真樹、ちょっと痩せた?」
真樹「ちょっとだけ。色々考えてたら、痩せちゃった。。。」


そして、桜木町からの最後の電車が出発した。
桜木町駅に、つかの間の静寂が訪れた。
ホームの階段を下りながら、健一はホッと一息ついた。
健一「早く乗り換えないと。磯子行が行ってしまう。」


その翌日。よしきが桜木町の駅にやってきた。
よしき「東急の駅のシャッター、もう開くことはないんやろな。。。
何か寂しくなるな。この駅に活気がなくなるようで。。。
そういえば、あの2人、うまくいったんかな?」
そう言いながら、よしきは桜木町から関内方面へ足を伸ばした。



1月30日は、東急桜木町駅・高島町駅の最後の日です。
最後の日、桜木町のホームの上で、こんなラブストーリーがあるかもしれませんよ。
さて、次回のLove Rainbowは、2月中の更新を予定しています。


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