Uo・ェ・oUくりんだよぉ~ん。爺じぃだよぉ~ん。

051~060

どじ丸物語(其の51)冬毛から夏毛へ・前編

散歩の途中どじ丸の毛が抜け落ちました。
それもかなりの量・・・
どこから?って覗いてみたら太ももの辺り
来たか!!!また、ブラッシングの時期です。
毎年毎年、妻の使い古した目の細かいブラシを使っているのですが、
1年もちません。

ブラシに絡んでしまった毛も取るのに大変で
ブラシをラップに突き刺して、
奥に絡んだ毛をラップごと取る方法に気がついたのも何年か経ってから・・・・

「どじさん!!こっちおいで・・きれいきれいするよ!!」

外犬のどじ丸はブラッシングが余り好きではありません。
気持ちいいことは分かっているようですが
静電気が走ってパチパチいうのが痛いのか、
振り向いてはこちらをにらみます。

「ほ~ら・・こんなに取れたぁ~」
「・・・・・・」
「今日は首の下とお尻をやるからね。う~んして・・」

首輪を外して首の下をブラッシング
クルクルッと絡んだ毛でブラシが通りません。

グゥ~~~~わん!!
「痛かった??ごめんね・・」

やさしくやさしくブラッシングを続けます。

「今度は、お・し・り・」
「しっぽ持ち上げるからね・・」

後ろ足は生え変わりが激しい場所でした。
特に付根(太もものあたり)は、まとまって抜けてきます。

「ほぉ~ら・・こんなに取れたぞぉ~」

どじに言う言葉はいつも同じ
一回におおよそ20分、
スーパーの小さいビニール袋にいっぱい毛が溜まりました。
これからの休日はどじ丸のブラッシングが一番の仕事
ハウスは3日おきくらいに掃除をしないと、
毛でいっぱいになってしまうし、
そのままにしておけば風で飛んでご近所迷惑。
その量が半端じゃない、
ブラッシングした時と同じ位集まります。
食べこぼしたフードも一緒に掃除・・・
そんな日々が続いたある日、
とうとうブラシが使えなくなってしまいました。
柄の所が折れてしまったんです。

「どうしようか?わんこ用の櫛みたいの買う??」
「D2にステンレスのいいのがあったじゃない!!」
「わかった・・今度買いに行こう。」

早速、次の休みの日にホームセンターへ行きました。

「えぇ~~~~~こんなに高いの!!」
「しょうがないよ、どじの為だもん・・」
「俺のより高いじゃん・・」
「いいの!!!!!」
「あとは???」
「シャンプーと・・それと匂い取りも・・」

どじ丸の物を買いに行くと、
時間の経つのを忘れて買いあさってしまいます。
要らないものまで・・・トホホホホホ~~~


どじ丸物語(其の52)冬毛から夏毛へ・後編

買ったのは櫛タイプでなくブラシタイプのもの
ブラシのほうが良く取れるだろうと思って買ったのに、
使い勝手が余り良くありませんでした。

「やっぱり、もう一つの方を買ってこよぉ~」
「そうね・・ブラシの先も痛そうだし・・・」

次の休みにまたホームセンターへ

「どじさん、気持ちいい??」

太ももの所や首の周りから沢山毛が取れます。
買い換えて大成功!!!!

「ななななんだ!!これは???」
「どじさん・・動かないで!!血豆にしてはおかしいね?」
「動いてるよ!!ダニだ~~~~~~~」
「ほら、こっちに顔があるじゃん。」
「まだいるのかなァ~」
「見つけながらブラッシングするから・・」

首の周りと背中のあたりに噛まれた痕が・・・
ノミの予防はしていたのですが、ダニまでは気が付きませんでした。
それからというものどじ丸のブラッシングは
時間をかけて丁寧に‐‐‐‐‐‐
抜け変わる毛の量は半端なものではありません。
小さな袋では入りきらず中くらいの袋に替えました。
小さくまとめても、羽毛のようにすぐ膨らんでしまうし
太い毛は皮膚に刺さって痛いんです。

うわんっっっ
「わるいわるい・・無理矢理だったね!!」

まとまって絡んでいた毛を取ろうと櫛を入れたのが
抜け変わりの毛では無かったみたいです。
どじ丸はそそくさと逃げだしハウスに避難

「ま~だ・・・終わってないよ!!」
「こっちへ来なさい!!」

首輪を掴んでハウスから外へ連れ出しました。
もう、しっぽは丸まり恐怖の表情

「もうちょっとだから我慢して・・」

浮いている毛を綺麗にしてから蚊除けのスプレーをシューっと
説明にはダニにも効きそうな事が書いてあったので
どじ丸には可哀想ですがこれも仕方がありません。
とにかく臭いんですよ・・これが
これをかけると土の上にゴロゴロと身体を擦ってしまって
真っ黒になってしまいます。

人間の何百倍もの臭覚を持っているわんこには
とってもイヤな匂いだったんでしょう。
でも、ブラッシング時には欠かさず シューッ
8月を過ぎると丸々していた身体も
半分くらいになったように毛も少なくなり綺麗になりました。
でも、まだ抜けているんです・・・
量は少なくなりましたけど・・・・


どじ丸物語(其の53)ママちゃんちまで・前編

妻の妹夫婦がまだ団地にいる頃の事
どじ丸が道を覚えられるかどうか試してみました。
時間にして約30分、2キロほどの道のりです。

「どじ・・今日はママちゃんちに行くよ!!」

散歩となると何処へ行こうが関係無し、行ける事が嬉しいらしい。
いつもの田んぼ道から、大きな道路を横断しなければいけません。

“待て”も“GO”も覚えたどじ丸・・

命令なしで行けるかどうかも試したかったんです。
大きな道路ではリードをキュッと引いて“待て”
ゆるめて“GO”  付き歩きも気分次第でやっています。

「どじさん・・ごめん!!うんちの袋忘れちゃったよ・・」
「・・・・・」
「スコップは持ってきたのに・・・土の上でしてね!」

道を覚えるためなのかマーキングの回数が多い、
それもちょろちょろっとほんの少しづつ・・・
田んぼ道から畑の道へ・・どじ丸早速のうんちタイム
穴を掘ってうんちの始末をして(ほんとはいけないんでしょうが)
先を急ぎました。
一つ小さな橋があります、
下を流れる川には大きな鯉が泳いでいて、
以前鯉を捕まえた事のあるどじ丸は興味津々・・
欄干の隙間から顔を出して覗いています。

「今日は、川には入れないんだからね!!行くよ!!」
「・・・・・・」

橋を渡ると住宅街に入ります。
玄関先におしっこをしられてはいけないと、
リードを引いたり緩めたり、足を上げてしようとするどじ丸は、
引っ張られるたびに不満げな顔をしてこちらを睨んでいます。

「ママちゃんちはあそこだよ。」

目の前に団地が見えてきました。
横に4棟並んでいる手前から2棟目、
そして3つある入口の真ん中の一階が目的のママちゃんち。

「着いたよ・・わんって言って、ママちゃん呼んで!!」
「・・・・・・・」
「わんって言わないと来ないよ!!」

わんっ・・わんっわんっ

どじ丸の声が階段に響きました。
カチャっと鍵が開いてママちゃんが顔を出しました。
「どじちゃ~ん来たのぉ~・・今お水あげるから待っててね。」
身体クネクネ、尻尾プリプリ・・いつものポーズ
お水を貰ってソーセージ貰って喜びいっぱいのどじさん

“ご馳走様言って帰ろうか?”

の声に身体はもう来た道を見ています。

「じゃあね・・また来るよ。」
「今度はどじ丸に連れてきてもらうからね。」
「覚えてるかどうかわかんないけど・・」

帰り道は来たときに付けたマーキングを頼りに、
確かめながらゆっくり歩いています。
ついでにおまけのマーキングも忘れてません。

“これなら次は大丈夫かな???”

田んぼ道に出ればいつもの散歩コース
前を向いて歩くスピードも速くなってきました。


どじ丸物語(其の54)ママちゃんちまで・後編

2週間ほど経った休日ママちゃんちに行く事になりました。

「どじさん今日はおとうちゃんとおかあちゃんを連れてってね。」
「前に行ったから分かるよね!!」

今日の散歩(どじ丸は散歩だと思っている)はどじ丸主導
前を歩いても叱らずにママちゃんちまで連れて行ってもらう事に決めました。
田んぼ道を通って広い道路へ
私の顔をチラっと見て“どうするの?”って目つきをしています。

「待てでしょ!!」
「はい、良い子・・いいよ行って・・」

広い道路を渡ればもうあとは畑の道です。
どじ丸の歩くスピードが落ちました。
そこここの匂いを嗅いだりおしっこ(マーキング)をしたり、
うろうろしながら前に進んで行きます。
以前ママちゃんのところに行った時、
マーキングした場所を確認しているような雰囲気。

「どじさん・・まえにここでおしっこした??」

くんくんくんくん・・・

草が鼻の中に入ってしまうんじゃないかと心配になるほど押しつけて、
匂いを確認しています。
横道に逸れては戻り前に行っては戻ってくる始末・・・
何時になったら着くのやらと思っていたのですが
なんだかんだ言ってもそこは動物の本能。
“ここで間違いない”と分かればどんどん前に進みます。
橋に着きました。

「どじさん・・ひと休みするか??」

また、川を覗きこんでいます。

「鯉泳いでる???」
「・・・・・・」

5分ほど休んで出発です。
住宅街に入ればもうすぐ・・どじ丸の足が速くなりました。
さぁ・・・ここからがどじ丸の正念場
同じような団地の2棟目、
そして真ん中の階段に辿り着けるでしょうか????
今日は車がいっぱい止まっています。
マフラーに鼻を押し付けたりタイヤの匂いを嗅いだり忙しそう
子供達も自転車で遊んでいて、
どじ丸は“邪魔だよ”と言いたげにそれを見ています。
一つ一つ階段を確認しながら・・

「ここだよ!!」と、つい言いそうになりました。

どじ丸はくんくんと匂いを嗅いで向こうの階段へ

“ここは違う!!やっぱりあっちだ!!”

クルっとUターンして真ん中の階段を昇って行きます。
そしてドアの前でおすわり・・・

ピ~ンポ~ン
「ママちゃ~ん来たよぉ~~~~~~~~」


どじ丸物語(其の55)家の建て替え・引越し先を探す

96年の春、、、、、どじ丸12歳の時、
中古で購入した我が家の屋根や外壁が痛んできたこともあって、
建て替えに踏みきりました。

工事が始まるのは7月から・・・・
あと3ヶ月の間に引越し先を探さなければなりません、

それもどじ丸と一緒に住める一軒家を
建築会社に探してもらったのですが遠くて通勤に不便な所ばかり。

結局、不動産会社で探し始める事に・・・

「犬と一緒に住める場所を・・」と、希望すると

返って来る言葉は

「ご親戚か何処かへ預けられないのですか?」

妻の妹夫婦(既に一戸建てを購入・前日記のママちゃんです)に頼もうか・・
とも思ったのですが、
朝晩の散歩だけはしてあげたいと強く思っていた私は、
どじ丸の住家を優先に考えました。
お祭りで親交がありアパートを所有している方(Eさん)がいて、
一室空いているとの情報・・半年の契約も良いとのこと。
早速、管理している不動産会社へ・・・
お金の事は2の次、どじ丸と一緒に住めるかどうかが先でした。

返事は・・NO

取りあえず契約を待ってもらうことにして住家探し。
Eさんの所にもわんこがいて同じところで飼うのは難しく、
最後にたどり着いたのがプロパンガス店の裏庭。
社長の所に行き事情を話してお願いをしました。
我が家のプロパンもそこから購入していることや、
毎日の散歩でどじ丸と顔見知りであることなどが幸いして、
快くOKを頂き住家探しをクリアーしました。

我が家から1~2分、

契約を予定しているアパートからも1~2分全ての条件が揃い、
これでスッキリ!!!!!
どじ丸には寂しい思いをさせてしまうでしょうが仕方のないこと
6ヶ月の我慢をしてもらう事に・・・・・・
ハウスの置き場所は散歩コースの川の土手下
朝晩いろんなわんこが散歩に通る目抜き通りです。
アパートの契約も済ませ、後は引越しの時を待つだけ・・・
良かった良かった(嬉!!)


どじ丸物語(其の56)引越しの日が来た!!

とうとうどじ丸の引越しの日が来てしまいました。
12年間住みなれた場所から離れるわけですから、
どんなに寂しい思いをさせてしまうのか心配でなりません。

匂いや音そして家からこぼれる明かり、
私達夫婦の声・ご近所の方々の声、

そんな日常の環境が変わってしまうんですから・・
でも仕方がありません・・・
大げさなって感じる方もいると思いますが、
親ばかっていうんでしょうか・・・困った夫婦ですね、私達
先ずはハウスの運搬です。
大きなスチール製のハウスはそれはそれは重たい代物
妻と私で休み休みガス店の裏まで
指定された置き場所は綺麗に整地されていてビックリ!!!
ありがたいことです・・感謝感謝の一言に尽きました。
その場所は川の土手下、ガス店の敷地の一番端っこなのですが
朝晩の散歩時間にはいろんなわんこが通るし周りは全部土だし
我が家から1~2分アパートからも1~2分の所
どじ丸にとっては絶好の住家になるでしょう。
さて次はどじ丸の番
長い散歩に出かけてから私達のアパートへ

「どじさん・・ここがおとうちゃんとおかあちゃんが居る所だからね!!
覚えておくんだよ!!」

妻の顔を見たどじ丸は上がり込もうと必死

「だめ!!!ここは借りてるんだから!!」
「一緒にハウスまで行こうよ・・」
「わかった待ってて・・」

今日の夜から一人になってしまうどじ丸
ハウスまで散歩して首輪を綱にかけて最後の説得

「今日からここでお留守番!!」
「朝と夜の散歩には来るからちゃんとお留守番してるんだよ・・」
「わかった??」
「・・・・・・・・・」
「お水とご飯持ってくるから待っててね・・」

私と妻はアパートへ帰りました。
そして30分後‐‐‐‐‐‐‐‐‐
大きな桶に水をたっぷり
ご飯は特別食(半生フードとゆで卵、それに茹でたお肉)
それと蚊取り線香を手に持ってハウスに行ったのですが・・・・

がしっがしっがしっがしっ

「どじ!!何やってんの!!」

がしっがしっがしっがしっ

「雨が降ったら大変になるから駄目だよ!!」

がしっがしっがしっがしっ

私を無視してもぐらをやっています。
匂いも無いし不安になっているのかもしれません。

「どじさん・・ご飯とお水持ってきたよ。食べようよ・・」

掘った穴は3つ、、、ハウスの両脇に広さ50センチ程のもの
前にはどんなスピードで掘ったのか1メートル程の穴が・・
深さは無いんですが触るとハウスがぐらぐら揺れて倒れそうです。
すぐさまアパートに戻ってスコップを探しました。

「どじが穴掘っちゃったから埋めてくるよ・・」
「ご飯ちょっと待っててね・・」

私達の夕食はおあずけ状態
もう一度どじ丸に言い聞かせ、掘った穴を平らにして帰りました。
ハウスに入れておいた特別食はカラッポ・・
よほどお腹が空いていたのか、やけ食いなのか?????

私も今日はくたくた

早く寝ようと思ったのですが、どうにもどじ丸が心配で・・
夜9時頃懐中電灯を持ってハウスに行きました。
もし静かに寝ていては邪魔になるといけないので、
遠くから明かりを当てて様子を・・・・・・
どじ丸の姿は見えません。
もう疲れて眠っているんでしょう・・・・・
おやすみ・・どじ丸・・・・・・・ごめんね・・・・・

ところが、翌朝行ってみたら


どじ丸物語(其の57)朝行ったら真っ黒けのけ!!

どじ丸・・おはよぉ~~~
朝ご飯のドッグフードを袋に入れ、
リードを持ってどじ丸の所へ行きました。
いつもならハウスから飛び出してくるか、
起きていて待っているかなのに姿が見えません。

「ど~じ・・・どこだぁ~」

ハウスを覗いてもいません。
“おやっ????綱がハウスの後ろに回ってる”

「ど・じ・さ・ん・」
「・・・・・・・・」

あ・ぜ・ん

つ・・・つ・・・土の中から顔だけ出ています

またまた出ました・・決まり文句!!

お前はもぐらかぁ~~~

もそもそっと重たそうに土を持ち上げて、
出てきたどじ丸の身体は真っ黒けのけ。
ハウスの周りは所構わず  
穴・ANA・穴・あな
昨日の夜埋めた3箇所も見事に掘り起こされていました。

「土の中は冷たくて気持ち良かったのかい。」
「・・・・・・・・・・」

上目使いの済まなそうな顔は、
私に

「おとうちゃんが悪いんだ。」

と訴えているように思えました。

「今日までしかお休みはないんだよ!!」
「明日から昼間は一人でお留守番するんだからね!!」
「わかった!!」
「・・・・・・・・・・」

散歩はいつもより長い時間になりました。
何故かってどじ丸がハウスへ帰ろうとしないんです。
ここを曲がれば終わりという時まっすぐに歩いて通りすぎる始末。
目の前にハウスが見えているのにUターン・・・・
帰ればまた一人になってしまうと察しているんでしょう。

「いいよ・・今日はアパートでご飯食べよう。」

そのままお昼までアパートで過ごしました。

でも今日は・・・
どんな事をしてでも納得させないと、
明日からの生活が出来なくなってしまいます。
妻と二人でハウスまで行って説得が始まりました。

「分かってくれよぉ~」
「おとうちゃんもおかあちゃんも寂しいんだから、、、」
「どじさんも我慢してよねぇ~」
「どじはお利口だから分かってるよね・・」
「・・・・・・・・・」
「穴もね、あんまり掘るとここに居られなくなっちゃうよ・・」

ず~~~~っと下を向いています。

「分かったの??!!」
「・・・・・・・・・」
「わんって返事しなさい!!」

その時お店の方からおばあちゃんが(お店の社長です)

「大丈夫よぉ・・ここは何したって・・」

ピクっと耳を立てたかと思ったら、
尻尾プリプリでおばあちゃんにおお甘え・・・・・・・

「なんだこいつは!!」
「怒られてばっかりいるから助けて欲しいんじゃないの??」

おばあちゃんからおやつを貰って大喜びのどじ丸は、
そのままハウスに入って出てこなくなりました。

「帰ろ・・」

ちらっちらっと振り向きながらアパートへ
当然掘られた穴はそのままです。
夕方の散歩の時に埋めてあげましょう。


どじ丸物語(其の58)何度言ったら!!

その日の夕方、散歩に行こうとどじ丸の所へ・・・・
ハウスが斜めってます。
近くに行ってよく見ると、
埋めずにおいた穴が崩れてハウスがずり落ちているではありませんか。
アパートにもどってスコップの用意をしていると

「また掘ったの??」と妻の声

「崩れたんだよ・・ハウスごとね。」
「ふぅ~んん・・」
「スコップは置きっぱなしにしておくからね!!」
「はいはい・・私は行かないよ~~~~」

“手伝ってもらおうなんて最初から思ってませんよ~”

と喉まで出かかって・・・・・・言うのをやめました。
穴を埋めながら、それもハウスを移動しながらどじ丸にお説教

「何回言えば分かるんだよ!!馬鹿どじなんだから!!」

怒られたどじはハウスの中に

「ハウスに入ったら重たくて動かせないだろうが・・出なさい!」
「・・・・・・」
「出なさい!!!」

ハウスを揺すってやっとのことで追い出しに成功
側にあったブロックで土を固めに取り掛かりました。

「どじさんね、おとうちゃんがこんなに苦労しなくちゃいけないんだから、」
「もう掘らないでね・・頼むよぉ~」

1時間もやっていたでしょうか、
どうにか平らに埋めなおし
ハウスを元に戻して完了です。

「散歩に行こう・・今日は疲れたから橋までしか行かないよ。」

アパートを通り過ぎて中学校の近くにある橋まで行きました。

「どじさん鯉がいるぞ!!でも帰るよぉ~」

グイグイとリードを引っ張ってアパートまで連れて来ました。

「どじさん来たのぉ~」
「甘やかさないで!!今日は怒ってるんだから!!」
「いいじゃんねぇ~」
「よかないよ、見てよこれ・・服真っ黒だろ」
「洗えばいいじゃん・・」

“何言ってんだか・・ばばぁが”・・・またまた言うのを我慢
袋にドッグフードを入れてハウスに戻りました、
勿論蚊取り線香は忘れません。
ポケットにはおやつのビスケット

「おすわり・・お手・・わんは・・」

次々とこなして行くどじ丸、怒られたことなどもう忘れています。

「はい、ご褒美ね・・お利口にしててよね。」

ビスケットを3つあげて帰ろうとした時

がしっがしっがしっ

首輪を持って鼻の先をギュゥっと握って

何度行ったら分かるんだ!!

また掘ったら捨てちゃうからね!!

“捨てちゃうからね”の言葉が効いたようです。
余りにも強い、
そして今まで聞いた事の無い言葉を言われた事で、
恐怖感を感じ取ったのでしょう。
こそこそっとハウスに入りゴロンと寝そべりました。
顔は私を見ていません・・・

「じゃぁね・・お留守番たのんだよ!明日ね。」

心配ですから夜またようすを見に来ないといけません。


どじ丸物語(其の59)昼間はぶりっ子

引越し休みが終わってからは、
朝と夜の散歩だけがどじさんと会える時間、
昼間はどうしてるのかって心配でたまりません。

次の休日ガス店が開いていたので
おばあちゃん社長に様子を聞いてみました。

するとどうでしょう、家にいる時は我侭のし放題だったのに
とっても大人しく良く言う事を聞いていると・・・
若い女子事務員の2人には可愛がられ
集金に来るといつも吠えている年配の女性にも、
尻尾を振って近寄って行くそうです。
時には散歩にも行っていただいているようで幸せなどじ丸です。
なんだかわんこのくせして人間のような性格になっちゃった・・
どじ丸なりに気を使っているんでしょうか???

穴???

掘ってますよ、幾つも・・・・
でも、もう埋めません・・大変なんですから・・


どじ丸物語(其の60)9月の大雨・前編

今日は朝から雨模様
朝の散歩は傘一つで済んだのですが、
会社から帰った夕方は、
合羽を着込まないと濡れてしまうほどの量の変わってしまいました。

「どじさん・・今日は大変だねぇ~雨だよいっぱい降ってるよ。」

目をしょぼしょぼさせながらうつむき加減で歩いています。
どじ丸は雨が降るとふて腐ります。
いくらバスタオルで綺麗に拭いてやっても、
また外に出てきてびしょぬれ状態・・・
その度に身体を拭きに出て行かなければいけません。
雨が嫌いって訳ではないようですが、
一人で何で外に居なくちゃいけないのかって思っている気配・・・
困った奴です。
散歩は雨の中無事に終わりました。

「どじ・・ご飯持ってこなかったからちょっと待っててね・・」

アパートへ帰って蚊取り線香とドッグフードを用意
ハウスへとんぼ返りです。

どじ丸は雨が強いとあってハウスの中で大人しく待っていました。

今までは私までハウスに入って、ご飯をあげながら話をするのが
常だったんですが、今日はそれも出来ません。
土がドロドロになって長靴の半分くらいまで沈んでしまいます。

「どじさん、今日は外に出られないよ・・おうちで我慢だよ。」
「・・・・・・・・」

スコップで水が下に流れるよう道を作り一安心です。

「じゃ~ね!!お留守番してね・・」

雨は一段と強くなりました。


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