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2005年11月08日
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カテゴリ: 読書
白い館の惨劇
アラスジ:砂嵐吹き荒ぶ中、一人の男が白い館に辿り着く。彼は“名探偵”。だが、記憶を失っていた。高名な画家の美術館を兼ねた白い館の中では、若い女性が惨殺される事件があり、その解明の為、名探偵である彼は招かれたのであった。記憶喪失を隠し、事件の捜査をするのだが、一人、また一人と被害者は増え…。と言う作中作である第一部のミステリをベースに、人畜無害(?)な吸血鬼コンビが、作家の妻殺しの謎を探る第2部。そして更なる惨劇は引き起こされ…。入れ子細工な4部構成の、ホラーとミステリが融合した長編小説。


クラニーの「色名・館シリーズ」の第一弾。
館シリーズと言うと綾辻行人のものが連想されるが、全く別の趣の作品。
なんせ、クラニーだから。
何かもう、何でもありって感じですぜw
作者本人と思しいキャラが狂言回しに出てくるのはご愛嬌。
流石に、黒猫(ぬいぐるみ)のミーコちゃんまで出てきたのには、唖然としましたが。
でも、私、こういう作品、嫌いじゃないだよなぁ。


取敢えず、なんとなく作風と言うか、癖は見えてきた感じ。
ホラーとミステリの結婚を目論んでいるようで。
この2者、源は近いんだけれど、今の流れの位置は逆方向なので、円満な結婚生活は難しいだろうな。
ミステリが謎(闇)の収拾にベクトルを向けているのに対し、ホラーの目指しているのは闇(謎)の拡散だから。
これを一つに融合させるのは簡単なように見えても、生半な事じゃ上手くいきゃあせんって。
以前読んだ『迷宮』でも感じたのだけれど、ホラーの拡散パワーに乗っ取られて、散漫なイメージが残ってしまう。
以前に比べれば、格段に洗練されているけれどね。
やはり、ホラーとミステリの相性の問題と考えるべきなんだろうなぁ。

第一部は、ミステリ色を前面に押し出していて、普通にパズラー的楽しみが出来る…途中までだけど。
記憶喪失な名探偵と言う設定に鍵があるのだろうと思ってはいたが、謎解きがホラー展開になり、思いっきりメタな終わり方で第二部に続く。
“なんじゃこりゃ”と思いつつ読み進めていくと、ラストに至ってやっと第一部の意味が腑に落ちる。巧みだ。

第二部で、吸血鬼が出てくるのに面食らう。
このクラニー吸血鬼たちは、不死以外は人間と同じで、ごく普通の顔をして人間の世界に紛れ込んでいる。
だが、平和主義の主流派と、闇の眷属である事を主張する原理主義の2派に分かれて争っていると言う設定が、話の本筋に絡んでくるのだから、一筋縄ではいかない話だ。
この吸血鬼設定が今後の館シリーズに絡むのだろうけれど、白い館惨劇(ザ・ヒヌマ・マーダー)のミステリ部分はミステリ部分として、もう少しスッキリ終結させても良かった気もするし。
さりとて、この“謎だオカルトだ文句あっか(w)”な幕引きも嫌いじゃないんだよね。


吸血鬼たちがいかにもなキャラ立てをされており、ミステリ部分との色合いのキャップにNGな読者もいそう。
私は嫌いじゃないですけどね。
ただ、うーん、どうなんだろうか。
結局のところ、「好きな人には傑作、ダメな人には駄作」と言う、逃げの科白でお茶を濁すしかない作品なのかも。
卑怯な奥の手、「読者を選ぶ作品」と言うのもあるな。
多分…私は補欠くらいで合格って処でしょうか。

流れ出た血は、止めなく拡散するもの。
ならば、この惨劇の謎も、どこまでも謎のままで良いのかもしれない。









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最終更新日  2005年11月09日 02時23分25秒 コメントを書く
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