君へのメッセージ

君へのメッセージ

2014.03.26
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祐二を入院当初から、担当してくれていた介護士さんがまもなく退職するという。

私の手を離れての6年間本当によくしてくれた。

音楽好きな祐二のために自らのCDをもってきて枕もとで聞かせてくれていた。祐二にとって病院のお母さんなのだ。

祐二も彼女の声に足音に敏感に反応して顔を見せてくれるのを心待ちしてはしゃいで待っていた。

彼女の退職に合わせたかのように、祐二は我が家に帰る段取りをしている。

私が顔を見せると、馬鹿笑いが止まらない。喜んでいてくれているんだなあと思うと、顔も首も背中も撫でまわしてしまう。うれしそうに少年のようないい笑顔を見せてくれた。今年は43歳になるんだけどね。

今日は目も口もあけたまま固まってしまうときがなかった。さよならの時も静かにうなづいて、手を出して握手をするしぐさを見せた。

今日は母さんのいる間、穏やかな顔だったね。

チョコレートを口に入れたら、どうやら飲み込んだよう。でも気管切開の穴から、色のついた痰が出てきた。



何で、食べることもしゃべることもこの口はできないんだろうねえ。






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最終更新日  2014.03.26 20:36:33
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