『ラ・フィネス』『ミチノ・ル・トゥールビヨン』勉強会議事録 32
ジェームズオオクボ的視点で選んだ心に残るあの店のあの料理(名物料理百選) 18
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GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その23~会報四方よし通信2013年7月号より4 理性的価値と経済的価値 価値には社会への貢献のような気持ちの充足を落としどころとする“理性的な価値”とお金で表現する“経済的な価値”があります。 未来像に向かって経営している人が半額セールのようなDMを出すと失敗します。理性的な価値とは金銭的な価値とは別次元の価値ですので、何か違和感があるはずです。自分が苦しくなって「なんとかしたい」という経済的な価値が前面に出ると、せっかくやっているいいことが一掃されてしまうのです。理性的な価値を求める人は理性的な価値を提供する店になびき、経済的な価値を求める人は経済的な価値を提供する店になびきます。したがって、理性的な価値を売る人にとっては、経済的な価値を志向する割引は必要ないのです。なぜ、「割引販売は失敗するのか?」実は割引販売をするときの心情にあります。大繁盛で儲かっていたら、割引はしませんよね。割引販売をするとしても、集客ではなく本当に喜んでいただくために何かやる一環としてですね。ところが、半額還元のようなうたい文句の店は自分の店が苦しいからなんです。理性的価値を追求するにはそれなりの覚悟(「やりたいことをやっているんだから、お金が出てもいいじゃない」)が必要で、それをやり続けたときに、お金は自然に伴うものだと私は信じております。参考まで、下記に商売の原則を記しておきます。◆ 商売のカテゴリー1 悪のスパイラル戦法対象: 成りあがりたい人、背に腹は代えられない人 一発逆転を狙いたい人 ※好きな言葉「Win Win」原則 病人には薬を売れ、重篤な人には手術を売れ、手遅れの人には奇跡売れ死んだ家族には見栄を売れ、未来には不安を売れこの場合、武器になるもの・・・悪化を裏付ける数的根拠・悪化の実例・奇跡の実績・訴えかけるロジック◆ 商売のカテゴリー2 善の循環経営対象: 自分の役割に気づいた人 自分は宇宙の中では塵のようなものだとわかった人 次の世代につなぐことが役割だとわかった人 ※好きな言葉 「カシはつくるがカリはつくらない」 「Give & Give」、「自分の人生は運が良かった」この場合の売り方・いいお客様には未来を売れ・未来を売るには未来像をかかげ、その価値観への共感を売れ・共感を得るにはまず信頼を売れ・そのためにはまずカシをつくれ~完大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2024.05.07
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その22~会報四方よし通信2013年7月号より3-3 多様性 アップセリングのポイントは、同時に二つまたは三つを体験し比べていただき、“味の違い”“素材の違い”“技術の違い”“価格の違い”を知覚していただくことでした。多様性とは、単調な繰り返しの“日常生活”から離れ、価値のストライクゾーンを広げ、いろいろな場面で楽しむことができるようにすることです。 多様性は対比から始まります。違いがわかりやすい三つか二つを同時に比べていただけば、それぞれの個性がわかるはずです。この訓練を繰り返すと微妙な違いがわかるようになる人も結構おります。 違いがわかるようになると、いろいろなものが面白くなるものです。 また、価格の違いの面白さも理解いただけるようになり、食の楽しさを実感するようになります。 さて、巷ではクロスセルでついで買いを狙う風潮にあります。クロスセル、あるいはマリア―ジュという言葉をよく使いますが、アップセリングより後にやるほうが理想です。理由は多様な価値観がないと本当の意味で楽しめないからです。多様な価値観をつける手順○STEP1 新規客 違いのあるわかりやすい商品を売る 接触を通じて距離感を縮め、信頼を得る○STEP2 来店経験が低いお客様 お客様の好みをつかみ共有する 忘れられないようにする 対比メニューを展開する ワイン会など勉強会へ誘う○STEP3 店の要領がわかってきたお客様 「何かおすすめはない」を待ち、対比型のアップセリングする※対比商品 利き酒セット 三種類のお酒を少量の見比べられるセット ワインのデキャンタ(500cc売り) ※凄いやりかたあります。※詳細は大久保一彦繁栄塾に入会して大久保一彦にお聞きください。 食べ比べ前菜 国産牛とアメリカ産牛の食べ比べ大久保一彦の本【3980円以上送料無料】文豪ナツメは料理人が嫌い 2/久部緑郎/原作 松本渚/漫画 大久保一彦/取材協力
2024.05.07
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その21~会報四方よし通信2013年7月号より3-2-2 対比によるアップセリング お客様と人間関係ができ、ある程度のおつきあいするようになると、「何かいいワインない?」「何かおすすめない?」という質問をされます。このおすすめというのは初回来店時に尋ねられる“おすすめ”とは違います。初回来店時のおすすめは「失敗しないためのおすすめ」で、人間関係ができてからのおすすめは「一歩前にいきたい」という潜在意識からのおすすめなのです。言い換えますと、「今まで食べたり飲んだりしていたもの何かと違うもの出会いたい」というメッセージなのです。 このときに、現状の好みと明確に違いあるものを同時に比べていただくことが“対比によるアップセリング”です。 おわかりいただけるかと思いますが、アップセリングをするには目の前にいるお客様の過去の履歴や好みを把握していないとできません。つまり、人の出入りが激しいパート・アルバイトで運営する飲食店には、なかなか難しいことなのです。社員や個人店がやるからこそできることなのです。アップセリングのポイントは、教育ですから、同時に二つまたは三つを体験し比べていただき、“味の違い”“素材の違い”“技術の違い”“価格の違い”を知覚していただくことです。したがって、「500円違うとこう違うんだ」「部位が違うとこう違うんだ」という感想をひきだすことができたら成功と言えるでしょう。よく、プロモーションで“ワイン会”をやりますが、これはこの違いを知覚していただくことが目的です。そうすることで、価値観の多様化ができ、ある時から自然にハマっていくからです。もちろん、ワイン会をしなくても、日々の営業でできるわけですが、対比による提案というのは日本の飲食店では極めて低いと言えるでしょう。 アップセリングの提案をするときは、明確に違いがわかるものを選ぶことがポイントです。 私がよく勉強に参ります新橋の『第三春美鮨』では、握ったシャリと握らないシャリとか、クロアワビとメガイアワイとか、天然シマアジの背と腹のように対比して食べることを随所に行います。それによって教育を受けていくわけです。おお大久保一彦の本非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式 [ 大久保一彦 ]
2024.05.07
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その20~会報四方よし通信2013年7月号より3-2-1 接触による多様な価値観提供 接触を通して客単価アップをはかる場合、お店の未来像(商売の目的)の共有化が重要です。まずは初回来店で喜んでいただき、信頼を得て、店のやっていることになんとなく共感していただくことが大切です。そして、自分たちの未来像の実現にむけて時間をかけて手持ちのカードを渡して、多様な価値観をつけていきます。そのときに大切なのが、次にお話ししますアップセリングです。大久保一彦の本【中古】 誰も教えてくれなかった!!なぜか「また行きたくなる」飲食店のつくり方 1年で終わるお店と10年後も愛されるお店の違い/大久保一彦【著】
2024.05.06
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その19~会報四方よし通信2013年7月号より3-2 効果的な接触 接触がなぜ大切かというとスタッフとの接触は信頼関係を生み、長期的な関係の源になるからです。外食チェーンが大衆化をして多店舗化をはかるときに、“サービスを削る”という作業を徹底的に行いましたので、今の時代、一見すると生産性の低い接触は高付加価値を生みだす源泉になります。さて、お客様とスタッフの信頼関係が構築されると、お客様がスタッフにアレンジをお願いするがままあります。これが重要です。このアレンジを通して、適切な提案ができれば、お客様を教育して、時間をかけて価値観を多用にして、楽しみを増やし、心を豊かにすることができるのです。お店も高い商品が売れたり、利用動機が広がったりするので多大なる恩恵を受けます。大久保一彦の本【中古】 この「気づき」で売上げがガンガン上がった! 知的生きかた文庫/大久保一彦【著】
2024.05.06
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その18~会報四方よし通信2013年7月号より3-1-2 価格は第一印象と先入観で決まる お客様が店内やメニューで最初に見るページや項目は大切です。その印象がそののちの基準になるからです。 例えば、メニューブックをひろげた最初のページの値段から、後ろのメニューを対比していきます。したがって、最初のページで安いメニューを見た場合、高い価格の商品に誘導されなくなります。このように、最初のページでみせること(最初の提案=アンカー)が基準となり、その後の行動決めるため、最初のみせるものをコントロールすることをアンカリングと言います。例えば、値引き交渉をするときに大幅に安い値段をぶつけると仕切り価格が低くなります。メニューブックやチラシもアンカリングが大切で、値引き依存の店は最初から大幅な値引きをしてしまうのです。大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2024.05.06
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その17~会報四方よし通信2013年7月号より3 価格のセオリーを活用した客単価アップ法 それでは、ここまでお話ししてきました価格のセオリーをふまえて、単価アップ、売価アップをさせるとどうなるのかを検証しましょう。3-1 印象のコントロール3-1-1 価格は記憶で決まる 現状、あなたの店の客単価が4,000円だとしましょう。この金額はどのように決まるでしょう。 お客様は初めて店に来店した場合、外観や店内に入った時の雰囲気と過去の経験を対比して、「この店は4000円くらいかな・・」のように無意識のうちに査定します。そして、何度か来ている店であれば、過去に利用したときに支払った価格のイメージをしっかり定着させます。 消費と言うのは過去のイメージや瞬間的に感じたことや想いこみに大きな影響を受けます。したがって、他の店と異なる価格付けをする場合、過去の記憶を翻さないと受け入れていただけないケースも多いです。先ほどもお話ししました“ポケットプライスの変更”は非常にやっかいで、消費に大きな影響を与えます。特に、消費税の税率アップした場合、消費者はしかたなく受け入れるのですが、「高くなったな・・」と思うことは避けられず、帳尻合わせの行動が必ずおこります。もう、おわかりだと思いますが、行動経済学の見地からすると、消費税税率アップ時の安易な売価アップは危険だと結論付けます。したがって、価格アップを意図する場合は、できるだけ過去の記憶と比べることができないようにしないといけないのです。大久保一彦の本【中古】 「行列のできるダントツ飲食店」の秘密 1000店を蘇らせたプロが教える / 大久保 一彦 / 日本実業出版社 [単行本]【宅配便出荷】
2024.05.06
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その16~会報四方よし通信2013年7月号より2-5 ポケットプライス 価格決定(プライシング)するときに注意しないといけないのは、「購買活動は、後程“アンカリング”の項目のところでお話しします“記憶された価格”という概念が大きく影響を与える」ことです。例えば、多くの人にはおにぎりの価格は100円~200円というイメージがありますね。この価格イメージが大きく購買活動に影響与えるのです。それは、過去に購買経験があるものを買う時に、各自が持っている適正価格から無意識に判断する傾向にあり、その各自が持っている適正価格を超えるとその商品を買わなくなる行動パターンがあるのです。この適正価格のことを私は“各自が持っている無意識の財布の中身”と言っています。マーケティング用語では“ポケットプライス”と言います。 2004年(平成16年)の消費税総額表示の際に、“99円”のような“端数価格”を多用する流通業界では“見かけ上の値ごろ感が薄れて売上げを大幅に落とした”という経験をしました。そのため、最近では、“お客様の現在の“ポケットプライス”を超えずに、実質的な値上げを行う手法”の“表示価格を変えずに内容量を削減する”というやりかたが主流になっております。下記の事例をご覧ください。こちらは、アベノミクスによる急激な円安による原料高騰への日本ハムの対応です。これは如実に2004年の苦い経験を反映していると思います。 日本ハムは13日、ハム・ソーセージ89品目および加工食品62品目について、7月1日より規格変更を行い、内容量を減らすと発表した。価格は据え置くが、実質5~11%(平均約8%)の値上げとなる。主な商品では、「シャウエッセン」は従来品138グラムが127グラムに、「ウイニーミニ」は80グラムが75グラムに、「中華名菜 酢豚」は245グラムが230グラムに、「プレミアムハンバーグ 豊潤 デミグラスソース」は180グラムが166グラムに減量する。同社は、豚肉・鶏肉の主原料や包装資材、植物油などの副資材の価格が、近年高騰しており、今後も価格高騰が継続すると予想されることから、今回の規格変更を決定したと説明している。大久保一彦の本文豪ナツメは料理人が嫌い 3[本/雑誌] (ヒューコミックス) / 久部緑郎/原作 松本渚/漫画 大久保一彦/取材協力
2024.05.06
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その15~会報四方よし通信2013年7月号より2-4 価値観創造による売り手の持続可能性を加味した共感価格決定 ものが豊かになったため、もので得られる幸福感をあまり感じない社会になっています。お客様は自分の社会的貢献や社会活動への参加によって自分の居場所を見出して感情的便益を感じることが多くなっています。 ポピュラー商品は不必要な部分を〝削ること“で“バリューププライス”を実現しますが、例えば、地元の食材を使う場合など社会性がある場合、従来の価格での提供は難しい場合が多いでしょう。社会性ある営業を実現するために顧客と経営の未来像を共有して、持続可能な経営を行っていくのが、“価値観創造による売り手の持続可能性を加味した共感価格決定”です。 お互いがちょっとだけ歩み寄り、生産者・売り手・買い手の関係を超えて、エンゲージメントを結んだもの同志が未来像に向けて進む、人口減少の時代の商売のひとつの選択肢です。大久保一彦の本非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式 [ 大久保一彦 ]
2024.05.06
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その14~会報四方よし通信2013年7月号より2-3 入札 公共事業や建築工事のような高額の取引の場合の交渉手段のひとつです。排他性が高く付加価値がある場合は高値での取引を狙って、高額の取引で取引希望の多い場合に底値での取引を意図して実施するものです。大久保一彦の本非常識に稼いでいる飲食店だけがやっている儲けのルール [ 大久保一彦 ]
2024.05.06
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その12~会報四方よし通信2013年7月号よりSTEP3 品揃えや政策上適切な、プライスゾーンを把握する需要志向の価格決定をする場合、売れる価格の上限の際(その製品はあまりにも高いので品質は良いと思われるが買う価値がないと感じる価格)と下限の際(その製品はあまりにも安いので品質に不安を抱き買う価値がないと感じる価格)を把握しておくといいです。これをもとにプライスゾーンを設定したり、アイテムの出数をコントロールしたりします。大久保一彦の本【中古】いつも予約でいっぱいの「評価の高い飲食店」は何をしているのか / 大久保一彦
2024.05.05
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その11~会報四方よし通信2013年7月号よりSTEP2 ターゲットとする価格を決め商品開発をする ランチの既存のマーケットの商品が700円くらいだったとしましょう。同じくらいの価格で商品を投入する場合は、既存品の知覚価値と遜色がないように商品設計しないといけません。知覚価値は、機能的便益と感情的便益に分かれます。知覚価値(便益)機能的便益 スペック(価格の明確な安さ、提供時間、重量、カロリー数、満腹中枢の刺激=餌的要素で塩分・糖分、ボリューム)⇒「うまい、安い、早い」は典型感情的便益 美しい、楽しい、面白い、ユニーク、安全、安心、信頼、共感※バリュープライス一般的に、アンケートでの答えはランチのような日常生活に密着していればいるほど現実的な回答が返ってきますので、結果のまま商品を開発するとマーケットを開拓し競争優位を築くことができません。したがって、このリサーチを元に商品開発を行う場合は、30%以上低い価格で開発するか、1.4倍以上の価格で開発するのが常識です。実際の価値よりも低い価格付けを行う場合を“バリュープライス”と言います。大久保一彦の本【中古】 成功する小さな飲食店の始め方/大久保一彦,小山雅明【共著】
2024.05.04
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その10~会報四方よし通信2013年7月号より2-2-1 需要志向の価格決定のすすめかた 需要志向の価格決定は、類似商品を調査したり、「いくらなら買いますか」のようなアンケートを行ったりして、知覚価値を把握し、ターゲット価格を決め、商品化を行います。では、手順をみていきましょう。STEP1 需要価格を見極める まず、既存市場がある場合は、既存の市場の商品を調査したり、アンケートを活用したりして、ターゲットとする客層や利用シーンを想定して狙うべき商品の価格と知覚価値を見極めます。アンケートの場合は「ランチの日替わり定食はいくらなら、注文しますか?」のようなアンケートです。客層や利用シーンが明確であれば、知覚価値は似ており、イメージする価格はあまりばらつきません。大久保一彦の本売上が倍増する! アンケートの作り方・活かし方【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2024.05.04
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その8~会報四方よし通信2013年7月号より2-1-3 目標利益法 利益率の目標を設定して、その利益率に合うように価格を設定する方法で、マーケットリターン法とも呼ばれます。投資収益率(ROI=Return on investment)を重視する場合に活用したい価格設定方法です。価格算出方法は下記の通りです。目標利益率価格=単位当たりコスト+(期待収益率×投下資本)/販売数量 では目標利益法は実際に事例を見ながら説明しよう。例えば、手打ちのうどん店が麺のテイクアウトをするために大和製麺所の“若大将”に250万円の設備投資を行う場合としよう。1食当たり60円のコスト(変動費)でうどんを製造できるとし、この製麺機では一日に1000食の製造が可能で、販売見込みも一日の50食(年17,800食)あるとします。 さて、この設備投資に対して20%の投資収益率(ROI)が求められているとする(期待収益率=20%)と、このうどんの販売価格は幾らと設定すれば良いでしょうか。250万円に対して20%の収益ですから、50万円の利益が必要となります。1食当たりでは、(500,000円÷17,800食)で28円です。したがって、価格は60円+28円=88円となります。大久保一彦の本【中古】この「気づき」で売上げがガンガン上がった! (知的生きかた文庫) 大久保 一彦「1000円ポッキリ」「送料無料」「買い回り」
2024.05.04
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その7~会報四方よし通信2013年7月号より2-1-2 コストプラス法 直接かかった原価に、間接費などの様々な経費を加算した上で売価を設定する用法です。コストを積み上げて売価を設定するため、成熟市場では世の中の需要に合わないこともよくあります。過剰投資で間接費が高い飲食店は、居抜きを活用した損益分岐点の低い飲食店の売価に圧倒されることがおこるのはこのためです。大久保一彦の本【中古】 大久保一彦の「人」が集まる飲食店店長の秘密/大久保一彦【著】
2024.05.03
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その6~会報四方よし通信2013年7月号より2-1-1 マークアップ法 商品の材料費(原価)に一定比率のマージンを上乗せして価格を設定する方法です。例えば、200円の材料費でできた新商品の原価率を30%に設定したい場合は、200÷0.3=667円のように計算し、端数を考慮して680円のように修正します。一般的な原価算出法の解説では、売価=原価+値入 と表現されています。マークアップ法の売価計算法売価=原価÷原価率(小数)大久保一彦の本【中古】 なぜか行列のできる飲食店の法則 味・値段・立地は関係ない!/大久保一彦(著者)
2024.05.03
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その5~会報四方よし通信2013年7月号より2 価格の基礎 ~価格決定法 価格のつけかたを見ていると、まず商品を考えた上で原価を計算して価格をつけるかたと、500円なら500円と価格を決めた上で商品を考えるかたがあおります。じつはこのふたつ、値段のつけかたという見地で見ると全然違う方法です。 高度成長期の売り手市場の時代は、商品開発をしたうえで妥当な価格をつければ売れましたが、成熟して、商品のスペックでの差別化価格競争の時代になりますと、このやりかたで飲食店はおしなべて厳しくなっています。価格決定方法で売り方が変わってしまい、業績にも影響がでるわけです。 続いては価格のつけかた(価格決定法)についてお話しをしましょう。2-1 原価志向の価格決定 多くの飲食店がやっている価格決定法です。 価格競争は市場のライフサイクルの段階で大きく異なります。価格競争の少ない概ね市場成長期、安定期においては、会計上の数値管理をしやすいため、原価志向の価格決定法が好まれる傾向があります。しかし、市場が飽和して価格競争が激化する段階になると、『俺の~』のように原価にとらわれない“破壊ダー”の戦略的マーケティング(バリュープライス⇒P10)が出現し、場合によっては大きな影響をうけることがあります。 原価志向の価格決定も下記の三つに分かれます。 ①マークアップ法②コストプラス法(原価加算法)③目標利益法 続いては、それぞれを具体的に見ていきましょう。大久保一彦の本【中古】誰も教えてくれない[カフェ]の始め方・儲け方 世界に1つしかない「あなたらしい店」を実現!―「基本レシピ」掲載!増補改訂版/大久保一彦
2024.05.03
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その4~会報四方よし通信2013年7月号より1-3 NEWなぜ高い価格で売れるのか なぜ、多くの店がディスカウントに走ってしまうのでしょうか?この答えは誰にでも“ついつい人と比べて考えてしまう習慣”があるからです。多くの店は売上が悪くなると競合店を見に行ったり、日経レストランのような専門誌を買ったりして情報を入手します。これ自体は悪くないのですが、自分の店が調子悪いことを真剣に考えるあまり、知らず知らずのうちに比べてしまうのです。これがいけません。自分の店と似ている店や価格の低い店と比べる人は多いですが、高級店と比べる人はいませんね。価格はわかりやすい要素のために、ついつい価格のディスカウントに走るのです。 つまり、ディスカウントは自分自身の“どこかの店と比べる”という行為が起点になり、自分のやっていることに疑念を抱き始まるのです。したがって、高く売るポイントは“比較対象物をつくらない”ことにつきます。そのためには自分自身がまず他と比べないことが大切です。そして、“比較対象物をつくらない”ためには、前回もお話ししました業態や商品の“リフーム”が重要です。◆『おぅいお燗』がなぜ売れたか以前、秋田の酒蔵会社から割水した古酒が持ち込まれました。2合900円以上で販売して成功したんですが、この成功要因は商品のリフレームです。実は、最初の試飲では「ぶっ」と吐き出してしまったお酒でした。持ち込まれた翌日、テーブルに残っていた燗冷ましがおいしかったことからリフレームを思いついたんですが、リフームの内容は下記です。・日本酒通には常識外の味のためターゲットは女性にする ⇒おかんのイラストのラベル、『おーいお燗』というふざけた商品名・熱燗専用種・容器は花瓶や徳利にリユースできる大久保一彦の本【中古】 繁盛の天才2時間の教え / 大久保 一彦 / 三笠書房 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】
2024.05.02
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その3~会報四方よし通信2013年7月号より1-2 価格が高いか安いかは対比物を設定すると決まる 日本人というか人間の悪い習慣はついつい人と比べてしまうことです。実は、価格についても人と比べるという悪しき習慣があると言えます。ついついディスカウント路線に走ってしまう人は人がつけた価格を気にする人が多いです。逆によその店と価格を対比するから競争が始まると言えます。 例えば、となりにある寿司店が500円のランチをはじめたとしましょう。この寿司店が500円の盛り込みを始める理由は、下記の二タイプあります。並寿司500円パターン1 並500円の寿司店はないので、コスト・リーダシップがとれるからパターン2 持ち帰り寿司のランチ商品が8貫390円でやっており、お客様をとられた パターン1はP10でお話ししますバリュープライスというやりかたです。そして、パターン2はまさに、対比物を自分自身で作ったためにディスカウントに走ってしまうパターンです。つまり、売上が厳しくなったりしてやむなく競合する他店を見たり、雑誌の情報見たりして自らレッドオーシャンに飛び込んでしまう人なのです。 逆に隣の寿司店が500円ランチをはじめた場合に、自分自身はランチタイムでもご飯を売っていうのではなく、魚について講義していると思ったらどうでしょう。自分の店の便益がセミナーの受講と考えれば、逆に500円ということはなく、セミナー料ですから高く売れますね。話のネタになる魚を揃えふさわしい魚を仕入れそれなりの価格で売ることになるわけです。それが、私のいきつけの『第三春美鮨』です。 鮨と言うのは面白くて、まさに今日のご飯、家族のご馳走、話のネタ、接待のおもてなし、芸術品、店主の講義と分かれます。つまり、対比物をどのタイプにしたかによって、価格付けは大きく変わってしまうのです。大久保一彦による寿司のタイプ○今のご飯 『ちよだ寿司』(持ち帰り)のランチ商品 ○家族のご馳走 回転寿司○話のネタ(ご馳走という意味もある) 『松の』(石川県かほく市)、『味わい回転寿司「禅」』(小田原市)、『九兵衛』 『小松弥助』(金沢市)○芸術 『鮨水谷』、『鮨よしたけ』○講義 『第三春美鮨』(新橋)、『入船』(奥沢)大久保一彦の本【中古】 寿司屋のカラクリ / 大久保 一彦 / 筑摩書房 [新書]【メール便送料無料】【あす楽対応】
2024.05.02
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その2~会報四方よし通信2013年7月号より1-1 価格とは価値を表現する手段のひとつ 「人はなぜ商品に価格をつけるのか?」 冒頭にもふれましたが、自分が売らんとする商品の価値を表現する相対的な尺度をつくるためです。例えば、初回購買時のように売り手や商品を完全に信用できない環境下において、「これくらいだったらいいだろう」という心理的な金額の落としどころをつくり、ある意味妥協をして購買をするでしょう。「これくらいだったら」という心理の裏側には「この販売員あるいは商品だったら」「支払う対価にみあっていて失敗はない」などお客様なりに“状況証拠”を積み重ね、最大限、失敗を回避するように決断します。初回購買ではお互い信頼関係がない状況ですから、売り手と未来永劫のつきあいをするとは限りませんので、「支払う対価にみあっていて失敗はない」という心理は大切なのです。この作業は予算や“懐具合”との照合(摺(すり)合せ(あわせ))なのですが、とても重要です。そして、利用してみて、商品やお店や販売員を気に入ると次のステップに進みます。 お店や販売員の人柄や商品についての信頼をすると、今までよりも少し冒険した購買活動をしようとします。そして、販売員がお客様のニーズや予算を加味しながらアップセリングを行えば、お客様は教育され、いろいろな商品を購入するようになるでしょう。最終的に信者的なヘビーユーザーになり、あまり価格については考えなくなります。ふつうの商売をしていればの話です。 このプロセスをよく見てみると価格の重要性が高いのは、初回来店、続いて来店経験が浅い段階、ヘビーユーザーになれば価格にはシビアにはならないはずです。繰り返しになりますが、ふつうの商売をしていればの話ですが・・ つまり、価格はあくまでも店や商品の価値がわからない段階において、わかりやすさを出すものにすぎない面があります。わかりやすい要素ですからわざと高い価格をつけることで見込客を篩(ふるい)にかけることもできます。高い価格をこわがるのは、この見込客を篩(ふるい)にかけることを怖がることが多いからです。それは価格のつけかたについて知らないからかもしれません。高い価格をつけることは経営上重要なテクニックなのです。大久保一彦の本誰も言わなかった!飲食店成功の秘密 [ 大久保一彦 ]
2024.05.02
GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その1~会報四方よし通信2013年7月号より “価値の尺度”となります価格について掘り下げたいと思います。座学でも現場でも価格をどうつけるかについてのレクチャーを受けたことがあるかたはまれだと思います。況や、高い価格をどうつけ高付加価値経営を成功させるかについての講演を聞いたことは私でもありません。 今回は、ビジネススクールで教えてくれる価格についてのお話しはもちろん、実践的なプライシングの基礎知識について深堀りしたいと思います。1 価格とは あなたは価格とは何か考えてことがありますか?生産年齢人口の激減や人口減少が始まり、日本のマーケットはどのマーケットでも需要と供給の乖離(需要<<供給の状況)がおこっています。したがって、価格競争も激化しており、現在の状況下では、価格をどうつけるかは重要なテーマになっております。逆の見方をすれば、価格のつけ方を知らないと、限りないデフレ・スパイラルに巻きこまれてしまうと言えるでしょう。繰り返しになりますが、日本の食料品や外食産業のような内需は、人口や生産年齢人口の激減で需給関係が崩れデフレ下にあります。しかし、円安による輸入原料の値上がりや消費税率アップなどの厳しい環境にあるのです。価格のつけかたを誤ると店の存亡にも影響を与えかねないと言えるでしょう。 それでは、価格とはについて掘り下げてみましょう。まず、私なりの価格の定義をしてみましょう。下記のとおりです。価格の定義価格とは、商業活動における財物の交換における自身が定義づけした相対的価値観 この定義づけした相対的価値観に対して交換を希望する人間が高い便益(ベネフィット)を感じれば“安い”と感じますし、便益がないと感じますと“高い”と感じます。後程P10で詳しく説明しますが、便益は他と比較しやすい機能的な便益(ものとしての価値)と感情的な便益にわかれます。この定義づけられた価値観に対する評価は交換希望者(買い手)の状況で異なります。高く評価される背景には、死や危険に直面したり、財物を失ったりするような状況下における差し迫った火急的必要性があるか、ないかは非常に大きな要素となります。(⇒P18)マスコミなどの巷には、恐怖心をあおるようなマーケティングが多数存在します。「病気には薬を、死にそうな人は手術を、手遅れには奇跡を、未来の不安には保険を」という高い商品を売りやすい環境があります。特に、死にそうな人に特効薬を売るというのが一番高い価格をつける簡単な方法です。差し迫った必要性があり、命は財物に代えがたい価値があるからです。私のように行動経済学を学んできた人間にとって、価格はとても興味深いテーマであり、商業を営む皆様にとてもお役にたてるものだと確信し、ファンクラブの皆様に講義しようと思ったわけです。続く大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2024.05.01
コース料理・定食メニューの価格設定 ここのところの訪問で聞かれたのが価格設定についてです。コース料理・定食メニューの場合、その売価設定をいくらからいくらまでラインナップするかをしっかり考えることがとても大切です。それで私は一番下の価格設定が大切だと思っています。 一番下の価格はどれくらいのお客様を相手にするかを示します。予算、客層、利用シーンなどを意味するのですが、言葉は悪いですが一番裾野のお客さんをどこにするか。ここまでのお客さんをい相手にするか、を意味します。下の価格はお客様の広がりを出し客数を上げることができます。ただし、それによって店の雰囲気が変わることもあります。20年以上前、ランチをやっていなかった『いなば和幸』にランチメニューを導入しましました。580円のヘルシーランチを導入しました。メニュー名称にはあまり大意はないのですが、カロリーが少ないという感じでしょうか。それでヒレカツとカボチャコロッケの組み合わせにしました。当時の『いなば和幸』は女性客の来店比率がかなり低かったので、女性客が増えれば純増になるという仮説です。しかし、既存の男性客がロースカツ、ヒレカツから単価の低いメニューにスイッチしてはいけないので、男性があまり好まないかぼちゃコロッケを組み合わせたわけです。目論見通りになり、予算が低めで提供量を求めない女性客を取り込み全店ベースで昨対120%くらいになったように記憶しています。 ちなみに、一番上の価格は、その店でできる最高のサービスを意味します。上の価格帯をなくし、価格ラインを絞れば、ターゲティングが明快になります。
2024.04.30
思ったことを書いてみます 敵について 先日、パートナーの齋藤さんと、同じエリアにあるホテルのメインダイニングで食事をして、私のおいしさを私のプログラムで点数化して欲しいとお願いされました。実際、おいしさのエレメンツを拾って点数化してみるとすばらしい点数でした。食事をしてそれなりによかったと感じたのはこれだなと改めて実感しました。 それを見て齋藤さんが「敵ながらあっぱれだ」とおっしゃいました。私はこの言葉に違和感を感じました。齋藤さんは「敵」だと思っているんだ。私は、確かに依頼されたレストランの料理の評価を改善する仕事をしている。でも、それは「敵」とやらに勝つことではありません。そもそも、レストランの施設や機器、人員、歴史、現在の評価、料理人やギャルソンのこれまでの経験や既知が違うのだから、「敵」になる水準ではないことも多いでしょう。そして、何よりも大切なのは、現在の経営資源や制約条件の中で独自性を出して、お客様に喜んでいただくことだと思うのです。最大の「敵」は自分自身だと思うのです。そしてそれは多くの場合は妥協です。妥協はエクスキューズできる環境から生まれます。会社の方針は・・・だから、人がいないから、いろいろエクスキューズはあります。評価を良くするというのはお客様の喜びを集めることです。そして、まず、残念なことを無くすことです。この2点をを優先して、どうしたらできるかを考え実行しないといけません。喜びを集めることなんて少しがんばればはだれにでもできると思うんです。そのためのポイントは何ですかとの質問をいただきました。それはお客様の目の輝きであり、現場で携わる人の目の輝きだと思うのです。今週、会員である福岡のONOグループがオペレーションしているホテルのレストランで朝食を食べました。そのブッフェ会場でお客様の目が輝いているのを久々にみました。評価が上がらず口コミが増えないホテルの朝食はお客さんの目に輝きがありません。楽しそうな表情、これこそがレストランの独自性の根源だなと実感しました。そして、こういうレストランと関係して、つくづくよかったなと思うのです。大久保一彦の本【中古】 大久保一彦の「人」が集まる飲食店店長の秘密 / 大久保 一彦 / 日本能率協会マネジメントセンター [単行本(ソフトカバー)]【メール便送料無料】【あす楽対応】
2024.03.21
冬の連続講座 値付けのポイント その21価格ラインの価格差に応じた価値の見える化 その3~日経レストラン 連載コラム2014年10月分より前回よりの都筑 続いて、基軸となる価格ラインのコースの内容を決めます。このコースはスタンダードコースとします。例えば、さきほどの日本料理店なら、7000円のコースのお造りを、養殖などで周年安定して流通している鮃と本鮪の赤身、中トロと入れ、食べログのレビュアの評判を左右する茶碗蒸しを例えば雲丹にして、地元〇〇の野菜と海老の天ぷらとすれば、「7000円でこんな感じのものが食べられるんだ、コストパフォーマンスが良さそう」と基軸のコースの評価得ることができるでしょう。 続いては、この7000円のコースとの違いを作り、価格差の見える化をします。その前に頭に入れ欲しいことがあります。「品数が増えます」的な発想であまり深く考えずコースを組み立てている店を散見しますが、これはあまりよろしくないことです。例えば、若者が多ければ料理のボリュームが多いほうがよい、質より量の満足度を求める傾向が強く、年配の人はそんなに食べられないため量より質を求めるため、量が多そうに見えると二の足を踏むからです。 価格差の見える化を行う場合、電話予約のお客様の質問を頭に入れるといいです。それが、「7千円と8千円、1万円のコースはどう違うんです?」という問いです。この時に有効なのが、三回目のコラムでご紹介した“グルメ食材”の料理への活用です。“グルメ食材”をうまく使ったプラス一品の差を作りましょう。熱海の名店『古屋旅館』では前菜に世界三大珍味のフォアグラ、キャビア、トリュフを使うようにしており評判です。見える化された差の説明を聞いて、「それだったら、8千円がいいね」と即答が返ってくる差をつくるのです。 最後に、この違い作りがどれだけ重要かを、お手伝いをした新宿にある高級中国料理店の例を見ながら説明しましょう。このお店ではコース料理では8千円、1万円、1万2千円にしていました。このお店、実は銀座にも店がありました。現場では「新宿は銀座と違って8千円のコース料理しか出ない」と結論付けていました。そこで、私は銀座にある店の系列店の店長にどんなおすすめの仕方をしているかヒアリングをかけました。すると、8千円のコースを売る気がないトークをしていることに気が付きました。このコースがあったからこそ、1万2千円のコースが売れていたのです。そこで、新宿店のコースを見直し、「8千円はスタンダードな北京ダックのコースです。あと二千円出すと鱶鰭のスープがつき、さらに二千円出すと鮑料理が出ます」と“しかけ”に改めました。すると、「鱶鰭はつけて」「鮑もいるね」のようにほとんどのお客様が1万円あるは1万2千円のコースをチョイスしていただけるようになりました。このプロセスが価格差に応じた価値の見える化です。 基軸となる価格を真ん中や上に設定した場合は、逆に、何かを外したり、変更したりして差を作っていきます。なお、とある山陰地方の有名旅館の鯛茶漬けのように、高いプライスラインのコースにその店で絶対食べないといけない看板メニューを設定するというのが常套手段ですが、低いプライスラインは未来のお客様です。低い価格でも満足頂き、顧客教育によって上位の価格に設定したお料理を注文していただけるように設定したほうがいいというのが私の一貫した姿勢です。大久保一彦の本非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式/大久保一彦【3000円以上送料無料】
2024.01.15
冬の連続講座 値付けのポイント その20価格ラインの価格差に応じた価値の見える化 その2~日経レストラン 連載コラム2014年10月分より価格差に応じた価値の見える化をする 価格差に応じた価値が見える化がされていないと、お客様が高額商品を自然にチョイスするとはなく、一番低い価格の注文がほとんどとなり、冒頭の質問のような状態になります。そこで、まず、やるべきことが価格差に応じた価値の見える化です。お客様はそれぞれのコース内容を、ご自身の予算を斟酌しながら、見比べて選ぶ修正があります。そのため、“マスコミに登場する有名シェフ”や“マスコミに登場する有名店”以外の、“おいしさ”のアンカリングがされていない店は、比べて選ぶ環境、すなわち、選択肢をつくるべきです。 選択肢の数は三つが理想で、二つ以上、五個までがいいでしょう。同じ価格で利用シーンやチョイス内容を変える方法もありますが、本コラムの“儲かる値付け”の主旨に鑑みれば、お客様を教育して、将来的には今よりも高いものをチョイスしていただけるように長期的な店づくりをするのであれば、プライスラインをいくつかつくりチョイスの幅を広げるのべきです。選択肢の数は、評判でもうしばらくすれば人気店になりそうな登り馬の店なら二つ、一般的な店なら松、竹、梅の三種類用意して、但し書きに「その他、ご希望によりご予算は相談させていただきます」とするのがいいでしょう。続く大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2024.01.15
冬の連続講座 値付けのポイント その19価格ラインの価格差に応じた価値の見える化 その1~日経レストラン 連載コラム2014年10月分より 「先生、法事コースなんですが、一番安いコースしかでないんですが、どうしたらいいでしょうか?」とセミナーで知り合い訪問させていただいたある日本料理店の店主が尋ねました。この店に限らず、一番低く設定したプライスラインのコースがほとんどで、単価の高いコースのご注文をいただけなくて悩んでいる飲食店は多いと思います。今回は、下限価格から売りたいコースに誘導するためコースづくりのお話しをしましょう。 この日本料理店の法事の料理は7千円、8千円、1万円の三つあり、それ以上は相談に応じるというプライスラインを設定していました。「それぞれのコースの違いは何ですか?」とおかみに尋ねました。私の問いに、「高級食材が入ったり、素材が良くなったりるんですよ。それと、品数が増えます」と答えました。 さらに私は、「高級食材とはどんなものが入るんですか」と質問を繰り返します。「養殖の鯛が天然の鯛になったり、クロマグロをお造りに入れたりといった感じです」とおかみ。私は、このやりとりで日本料理店の難しさを感じました。何が難しいのでしょうか、この難しさがプライスラインに応じた商品設計につながりますので、今回のコラムで掘り下げてみましょう。 難しさのひとつめが、日本料理店のコース表現の難しさです。法事などの特別な席でのご予約の問い合わせをされるかたで、ネットで調べてホームページら問い合わせていただいた新規客は少なくないでしょう。新規客はお店の料理の質やボリュームやコストパフォーマンスの想像がつきません。しかし、品揃えの価格差が明快な店は稀です。そのため、「失敗しないように」という深層心理のブレーキが働き、失敗しなそうなわかりやすい料理を選ぶ傾向や低い価格のコースを選ぶ傾向が強く出ます。もうひとつが、旬の素材にこだわる店で、ある程度お客様が入いらない店は、法事のリーフレットやホームページに「何が入ります」とうたえないことです。そのため、価値の固定が難しくなり、わかりにくさに拍車をかけます。その結果、お客様にとっては意味のない品揃えに見えてしまうことすらあります。これでは、複数のプライスラインを用意した意味がないですね。続く大久保一彦の本【中古】儲かる!売れる!繁盛店のアンケ-ト術 飲食店完全バイブル /日経BP/大久保一彦(単行本)
2024.01.14
冬の連続講座 値付けのポイント その18お客様を増やすプライスライン その2~日経レストラン 連載コラム2014年9月分より価格ラインの数はいくつがいいのか? もし、市場に投入されたばかりのアイテム(導入期の商品)であり価格イメージが形成されていない場合や一見客が次々とやってくる一等地の場合であれば、複数の価格は必要がありません。既存商品や既存にある競争相手との対応というよりも、店の存在、あるいはそのアイテムの入手できることそのものに価値を見出すようにしたほうがよいからです。 しかし、多くの店は限られたお客様を相手にすることになるので、何度も利用していただいたり、週末、月末、期末にお友達をお連れになってご来店の幅を広げていただいたりする必要性が発生するでしょう。そのため、品揃えは多くなり、価格・アイテムのライン数が10以上のアイテムという状況が発生します。 一般的に同一カテゴリーの中からひとつのアイテムを選ぶ場合は、2~3の選択肢から選ぶほうが選びやすいです。また、新規客や来店経験の浅いお客様にとっては、失敗しないことが大切であり、“選びやすさ”や“わかりやすさ”を求めます。このようなプライスラインやアイテムが増加した場合には、ピックアップチョイスという方法をとり、見せ方の工夫をはかる必要があります。ピックアップチョイスとは、例えば、10種類のアイテムを品添えしたら、特に新規のお客様など何を選んだらいいかわからないお客様が出ますので、複数あるアイテムの中から「これを選んだほうがいいですよ」と2~3アイテムをウリのアイテムとして抽出してメリハリをつけて見せる方法です。 ところで、飲食店の旨みは繰り返し来店していただき長く関係を保つところにあります。そのためには、ある程度の利用頻度の場合、少ないアイテムを繰り返し利用すると、満足していたとしても、ある日突然、陳腐化します。(=多回数経験の飽き)その一方で、お客様は他の店や人付き合いの中からいろいろな知験もします。 そうすると、初回来店や来店経験が浅い段階からその先の奥深さをなんとなくでも感じていただけなければなりません。 日本酒をこだわるような担当者が気に入ったお酒を選ぶため「久保田は〇〇、八海山は〇〇」のような品揃えをし、プライスラインの幅が狭くなっている店をよく見かけます。プライスライン広げる最大の目的は、顧客教育の伸びしろをつくることにあり、類似したプライスラインに水平展開するよりも、入り口になるターゲット外の層を吸収し得る下限価格はとても大切です。その上で、未来の利用の教育カリキュラムを組み込んだ高価格までのプライスラインを垂直転回した品揃えすべきです。 プライスラインを狭めて、間口を広くしなければ、ピンポイントのターゲットを狙うことになります。日本酒を利用する人は増えないでしょう。店を長く継続するには、少子高齢化で人口減少の局面下ですから、いずれは新規客が枯渇するため、プライスゾーンを低めに設定して今は少しターゲットでないお客様にお客様の幅を広くとり、来店回数や接触回数に応じた教育を施し、将来、本当のお客様にする必要があります。 例えば、大阪の名店『万両南森町本店』では旭酒造の日本酒『久保田』を“百寿”から千寿、萬寿はもちろん、碧寿、彗寿、洗心まで品揃えしています。久保田という銘柄は有名ですが、銘柄を最初から指定できる人はおりません。そうすると、百寿が一番売れます。これでいいのです。多くの人にとってみると、久保田は久保田でいいと言うことになります。しかし、従業員との接触を繰り返し、千寿、萬寿、碧寿、彗寿、洗心を飲み、銘柄が指定できます。これだけ業界人に有名な蔵でそうなのですから、無名な蔵ならなおさらですね。 お客様というのは、来店を繰り返すと品揃えや客席の様子など様々なことがわかってきます。多回数経験による飽きは避けられません。この多回数経験による飽きを防止するには、来店経験の多いお客様の目に常に新鮮に感じる伸びしろを用意する必要があるのです。プライスラインを複数設定する奥行はその伸びしろをつくる上ではとても大切なのです。大久保一彦の本【中古】 この「気づき」で売上げがガンガン上がった! / 大久保 一彦 / 三笠書房 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】
2024.01.13
冬の連続講座 値付けのポイント その17お客様を増やすプライスライン その1~日経レストラン 連載コラム2014年9月分より 「先生、価格帯はいくつ用意すればいいですか?」商品開発のお手伝いをしているとこんな質問をいただきます。 メニューのリニューアルや商品開発に携わったことがあれば、いくつ価格を用意するのか悩んだことがあるのではないでしょうか? まず、同一カテゴリーのアイテムの一番高い価格と一番低い価格のことをプライスゾーンと言います。その中に、設定する価格がプライスラインと言います。プライスラインは本コラムの題名、“設ける値付け”という見地ではとても大切ですので、今回はこのプライスラインお話しをしましょう。下限価格の意味するものはその店が相手にする客層や利用シーンの最低ラインです。例えばランチの品ぞろえを下限価格500円ちょうどに設定すれば、「日々食べる日常的なランチのアイテムがあります」という意味であり、ある意味で「(着の身着のまま)気軽にご飯食べに来て」という意思表示をしていることになります。上限価格は逆にその店でできる一番上のサービスです。1万円の法事のラインナップがあれば、「特別な席での料理ができますよ」と意思表示していることになります。この下限価格と上限価格の間に中心価格を設定してアイテムを投入すれば、「一番安いものではちょっと・・だけど高い価格は贅沢だし・・」という“三段論法的な論理立て”で竹が売れる――すなわち、“松竹梅の原則”になります。 飲食店で言えば宴会などのちょっとした高額商品を売る場合、下限価格と上限価格のふたつのプライスラインしかない場合、下限価格のチョイスで収まることが多いのですが、上にひとつ高いアイテムをつくるだけで、多くの場合、高いほうのアイテムが売れるようになるという摩訶不思議な統計の結果にいきつきます。大久保一彦の本【中古】 誰も言わなかった!飲食店成功の秘密/大久保一彦(著者)
2024.01.12
冬の連続講座 値付けのポイント その16より高い価格のよい商品を売る抜く仕掛け その3~日経レストラン 連載コラム2014年8月分より微差にすぎない 実はどんなワインが合うかは微差にすぎません。微差と言うのは同時対比という実体験を通じて顕在化するのです。この微差の見える化というプロセスは価格設定時に価値による価格差ができる場合には必要なプロセスであるのです。そこで、私はそれ以来、対比メニュー――よりよい商品を売るために微差を見える化して微差や価値の多様性を認識していただき、よりよい価値のある高い商品価格に誘導する価格差を納得していただく手法を取り入れました。 対比メニュ―にはつかみとしての対比メニューと種類を認識させる対比メニュー、微差を認識させる対比メニューがあります。例えば、つかみとしての対比メニューには私の門下生が多用する“刺身の階段”や“希少部位の階段”のような階段メニューです。インパクトがあり、宴会メニューなどのつかみとして機能して設定した宴会プランのコストパフォーマンスを高く感じさせます。種類を認識させる対比メニューは、三種類の同時対比メニューです。回転寿司屋にある三種類の烏賊を並べた“烏賊三兄弟”は典型的な手法であり、この対比メニューによって烏賊には種類があることを認識させて、烏賊は烏賊でも、烏賊の味の微差を見える化することにより烏賊の種類で好みの烏賊をオーダーするように仕向けることができる手法であり、顧客教育の入口となって単価アップの入口にすることができます。 顧客教育に効果的なのが二種同時対比です。例えば『寿し常』では真鯛を“塩レモン”を一カン、普通に握った一カンの計二カンを同時に提供します。“塩レモン”がおいしいことがわかると、普段何気なく食べているものの範囲を広げます。『寿し常』では最初はトロや雲丹ばかり食べていたお客様がその他の魚種に注文の幅を広げていました。お客様の好みのお決まりの日本酒やワインを提供する前に、ワンランク上の面白みあるアイテムを同時対比すると微差に納得して、よりよい注文をするようになります。価格戦略として単価をアップを狙う場合、同時対比による微差の見える化で顧客教育することはとても重要な手法なのです。大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2024.01.11
冬の連続講座 値付けのポイント その15より高い価格のよい商品を売る抜く仕掛け その2~日経レストラン 連載コラム2014年8月分よりより高い価格に誘導する価格設定法とは? 例えば、パソコンのような高額商品を買う場合、いくつかのアイテム比較をして高いか安いか、あるいは高い価格であるが価値があるということを判断します。ところが、おいしさという概念が個々人の主観や経験に依存するためか、飲食店におけるメニュー選びに際しては、食べ比べてから価値と価格のバランスを考えて注文すると言うよりは、提供された料理を食べた後に、自身の持っているおいしさの価値観や過去の体験と比較しておいしいかおいしくなかったかを評価する傾向があります。そして、この評価は記憶して残り、その店のイメージを確定しますから厄介です。この評価された記憶の積み重ねによりその人の食文化を形成して、無意識気に入ったメニューを選択する傾向が高くなります。つまり、選ばれるメニューはその人にとって身近な限られた範囲にとどまります。このような行動パターンにより、おいしさや価値のストライクゾーンを自然に広げることはあまりなく、おのおのの選択肢というテーブルにのる価値の範囲は極めて狭い状態を保つ傾向になるのです。これが継続的に単価アップにつながらない原因と言えますが、単価アップをするにはこの価値の範囲を無意識に広げるそれなりのしかけが必要なのです。実は、パソコンの購買時にあるような“対比”をうまく使うことがその解決法となります。 なんとか単価の高い付加価値のあるメニューに誘導しようと、感情に訴えかけて無理やり衝動購買を促そうとしている店を散見します。実は私も十年以上前はそういうやりかたをおすすめしておりましたし、2002年にリリースした著書『飲食店儲かるメニューのつくり方』ではそうすべきだと書いてあります。しかし、繁盛店と関わることが多くなり、そのような店を見ていると、無理やり高い商品に誘導しようという姿勢がないことに気づきました。さらには、お客様は繁盛していない店にはない光景――自然に高額商品――例えばよりよいワイン、よりよい材料――を自然に注文しているケースを目の当たりにしました。 そうして「なぜ高額商品を自然に注文するのか」がとても不思議に感じ、その答えを求めて何度となく同じ店での食事の回数を重ねました。そして、気づいたのが“同時対比”というプロセスを活用した顧客教育だったのです。このことに気づかせてくれたのが大阪の繁盛店『ポルチーニ』のオーナーで、かつてはリッツカールトン大阪の『ラベ』に在籍しておりました中谷信裕さんで、す。中谷さんの店『タヴェルナ・ポルチーニ』で食事しているときに、「この料理にはどんな白(ワイン)があいますか?」と尋ねると二種類のイタリアワインとグラスをもってきて少しずつグラスに入れて「どうぞお試しを!」と何気なくサービスされました。 多くの店では、トークで「鉄板の組み合わせですが、牡蛎にはシャブリがあいます」「じゃあ、それで」というプロセスになりシャブリだけを飲むことになります。したがって、シャブリが本当に合っているという微差を認識することはありません。しかし、飲み比べて店合うワインをチョイスするというプロセスを加えれば、仮に一杯あたりの単価が高くても、合うのがこちらだと分かった以上、値段を気にせず注文するようになります。 『ポルチーニ』ではお客様に喜んでいただくことへの裁量権を各スタッフに与えております。しかし、飲んでみて対比して、料理にあうワインを選ぶという顧客教育のプロセスがあることを発見したのです。実は、自然に高額商品を注文して店として単価アップをはかるには、その人がいいものを納得して、食習慣には落とし込むプロセスが必要です。無理に感情に訴えてエモーショナルなコピーで一瞬売り抜いても、そのような働きかけは一過性のもので終わり、自然に単価元の状況に戻るでしょう。最悪な場合、他の店にスイッチしまうことも事態があるかもしれません。そうなれば、一過性の価格誘導は、リピーターとして来店することに最大の旨みがある飲食店のメリットそのものを無くしてしまうリスクすらあります。多くの人は、おいしいよりよい商品を継続して販売することはなかなか容易ではないと感じているかもしれません。そのため「ちょっと高いと売れない」と結論付ける料理人もいるでしょう。ただ、これは高い価格づけをしたより上位のアイテムに誘導する価格設定法を知らないからと言えます。続く大久保一彦の本【中古】 非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式/大久保一彦(著者)
2024.01.10
冬の連続講座 値付けのポイント その14より高い価格のよい商品を売る抜く仕掛け その1~日経レストラン 連載コラム2014年8月分より 「先生、ハンバーグのパテを店内加工に切り替えました。100円売価があがりますが、きっと喜んでもらえるはずですが、どうでしょう?」コンサルティングで店舗を回っているとこんな質問をよくいただきます。しかし、このありがちな“思い込み”は時として仇となることがあります。①おいしさは個々人の主観や日々の食生活に依存する面が大きいこと、②おいしさの違いは微差でありその微差の良さを必ずしも全員に認識されることがないこと③特にリピーターはおいしさには意外と保守的であり、飽きるまでは現状の料理で十分満足していることなどが理由です。 そして、多くの利用シーンで烏賊は烏賊よく、とんかつはとんかつで満足していて、障泥烏賊(あおりいか)や黒豚である必要は必ずしもありません。だからこそ、芝海老が“本物”である必要がなく、“芝海老騒ぎ”のような騒動になって気づいて注意深くなる消費者が多いわけです。 しかし、おいしさの微差は食の楽しさ、すなわち、レジャー性やエンターテイメント性の主要な部分であり、単価アップに導くしかけとして機能するのです。この微差を認識させるしかけはより高くてよい商品を売り抜くしかけは単価アップを長期的に狙う価格戦略を落とし込む上ではとても大切なのです。続く大久保一彦の本【中古】 成功する小さな飲食店の始め方/大久保一彦,小山雅明【共著】
2024.01.09
冬の連続講座 値付けのポイント その13客単価の設定が悪いとだれも来ない その2~日経レストラン 連載コラム2014年7月分よりおのおのが予算を持っている予算の範囲 それぞれがおのおの食習慣を持ち、それぞれに懐具合に事情があります。このような背景を元にランチの利用動機ごとに予算を区切ると表のようになります。そして、それぞれがランチの予算ゾーンを持っています。もちろん、ランチは習慣化されていますので、意識しているわけでありませんが、だいたい同じ価格ゾーンの店を利用しているはずです。日常使いの店選定時にこの習慣はとても大きく、ほとんどの人は無意識の予算によって行動範囲が決まります。そのため、冒険したとしても、せいぜいひとつ上くらいのゾーンになってしまいます。 ランチにおいては350円~500円は多くの人が考える予算であり、利用頻度が高くなり、マーケットのボリュームが極めて大きくなります。しかし、その価格でお客様に提供するには仕組みをつくり、生産性を上げなくてならないために難しく、多くの店はしかたなく500円~700円、自分の料理の差をわかってもらえるという願望をこめて700円~1000円に設定するでしょう。 しかし、サラリーマンのお小遣いの総額に限りがあるためにそう簡単にはいきません。また、1947年~1949年生まれの団塊世代が65歳を迎えて700円~1000円で食事する人のマーケットは年々縮小しています。そのため、ビジネス街におけるこの価格帯のランチの競争は急速に激化しています。経営は厳しくなるのです。 その解決策は三つあります。昼は350円~500円の弁当に専心して、日常食に対応すること、ランチの営業をやめ夜の営業に専念すること、そして、1000円~1400円ないし、1400円~1800円で勝負できるランチにすること。 昼の営業が夜のお試しの役割を果たさねば、夜にはつながりません。“食べログ”のような口コミサイトが普及した今、ランチのための食材を仕入れてやるやりかたはその特殊な営業が口コミとして書き込まれるためにプラスに働きません。そろそろ価格戦略を大幅に見直し、どうしたらお客様に来ていただけるかを真剣に考える時がきたのかもしれません。※参考「ライフスタイル・ラボ2013年サラリーマンのお小遣い調査」「ライフスタイル・ラボ サラリーマンのお小遣い調査30年白書(2012年12月)」いずれも新生銀行大久保一彦の本【中古】なぜあの店だけが流行るのか? / 大久保一彦
2024.01.08
冬の連続講座 値付けのポイント その12客単価の設定が悪いとだれも来ない その1~日経レストラン 連載コラム2014年7月分より 「先生、東京に来週行くんですが、おいしいお寿司屋さんありますか?」これは、地方の会員さんからよくいただく電話です。「ご予算はいくらですか?」と、この質問に私は決まって同じ質問をします。テレビで紹介された店や気になる店などを選ぶとき誰しも「この店だったら、いくら(支払う)かな」と考えます。このことは日常生活での気軽なランチでも同じです。ただし、日常生活のランチは決まった店を選ぶことが多いためその都度、意識されることはないかもしれません。すっかり日常生活に溶け込んでしまっており、その店で支払う対価はインプット済みで、少なくとも思わぬ出費となる不安材料はありません。ただし、何気なく利用するまでの間には何度とない失敗の歴史があるのかもしれません。 私は、食べログには利用した人の平均支払額が書かれているので、初めての店で食事の最中に「いくらかかるんだろう」というどきどき感や支払の不安がない点はとても便利な要素だと思います。「どれくらいかかる(支払う)のか」はお客様にはとても重要で利用するかしないかを決める大きな要素と言えるでしょう。飲食店が“客単価”という言葉を使いますが、裏を返せばお客様にとって「どれくらいかかるのか」を意味するために安易に決めるべきものではないのです。むしろ、客単価設定は戦略そのものであり、客単価をもとに個々の商品に値付けをすべきなのです。 客単価は大きくわけると日々のランチやひとりでの夕食のような日常的な利用と人をもてなす、おいしいものを食べに行くなどのようなレジャー的な利用で大きく変わります。ただし、人間そのものが違うのではなく、使い分けているだけです。 どの店でどれくらいお金を使うかはそれぞれの可処分所得やお小遣いの額と利用シーンに依存します。 例えば、新生銀行の「ライフスタイル・ラボ2013年サラリーマンのお小遣い調査」および「ライフスタイル・ラボ サラリーマンのお小遣い調査30年白書(2012年12月)」によれば、2013年のサラリーマンのお小遣いの平均は38,756円(前年との差▲1,299円)で、最大だった1990年の77,725円に比べて半分以下の水準で、金額ベースでも38,969円もの減少です。また、同調査によれば昼食代の平均(昼食代÷勤務日数)は2013年の実績で518円(前年比+8円)で、最高だった1992年746円に比べると約3割減少です。 サラリーマンの日々のランチの予算はワンコインになったと言えます。また、同調査によれば、昼食にかける時間が1983年では33分ありましたが、2012年には三分の二の19.6分に減少。2012年の調査では店を選ぶ基準の回答の1位が価格で74.2%、2位が近さで50.6%、3位が味で27.0%でした。そして、71.6%の人が現状の昼食に満足していると回答しています。このことから、利用頻度が高い日常的なランチを狙うならせいぜい700円くらいでないと厳しく、できれば500円はきったほうがいい。これがコンビニエンスストアや牛丼チェーンが確固たる地位を築いている理由と言えるでしょう。つまり、一見すると利用頻度が高そうで毎日来ていただいて胃袋のシェアを拡大できそうなランチでありますが、競争が激しい昨今、残念ながら多くの店はそんなに容易な環境ではありません。仮に都内で1,000円弱くらいの客単価であったとしてもお客様がわざわざやってくるなんらかの要素が必要なのです。私が長年「飲食店はランチをやめなさい」と言ってきたのはこんな事情が背景にあるのです。大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の儲けを生み出す「集客」の秘密/大久保一彦(著者)
2024.01.07
冬の連続講座 値付けのポイント その11高い価格に誘導できないのは設定した価格においしさ落としどころがないからだ その3~日経レストラン 連載コラム2014年6月分より中トロの大きさが携帯電話くらいあったわけ 先の行列ができる寿司店では、大げさな表現をすれば、握りの中トロのネタが私の持っておりました折りたたみ式の携帯電話くらいありました。鮃は、やたらぶ厚くて大きいものですから、固くて噛みきれないというのが私のクライアントがおいしくないと言って首をかしげた理由です。 しかし、この店にいらっしゃるのは鮨屋の職人ではなく、回転寿司とは違い、許せる予算で食べるお客様です。そういうお客様にとって大切なのは、回転寿司には出てこないキトキトなネタや高級食材がをありえないほどのデカいネタが食べられるというわかりやすいおいしさなのです。 おいしさの要素をまとめたチャートをご覧ください。デカメニューに代表される“見た目のインパクト”はおいしさの要素のひとつであり、おいしさの落としどころある売価をつくりやすいのです。続いては、おいしさの落としどころをつくりやすいその他の要素をみていきましょう。フォアグラ、キャビア、雲丹、超有名銘柄牛、伊勢海老、本鮪の大トロや大間のような有名な産地、鮑、蟹などに代表される“グルメ食材”も見た目のインパクト同様、価格においしさの落としどころを作ってくれます。例えば、高級鮨店では、一見客が来店した場合は本鮪の大トロや鮑、雲丹を提供します。その理由は、白身や光物の繊細なものより、これらの“グルメ食材”はおいしいと感じていただく落としどころをつくりやすいからであり、2万円~3万円という破格の支払い額を高いと感じにくくさせるためのテクニックなのです。残りの三つの要素――“有名店”、“有名シェフ”、“マスコでとりあげられる情報”はとても似ている要素です。 私がとなえる経営哲学に「最初から味のわかる人はいまない。最大のサービスはおいしさがわかるようにしてさしあげる」です。権威ある第三者があたえるお墨付きはおいしさの認識には非常に重要で、おいしさの落としどころある価格にもいい影響を与えるのです。先ほどの叙々苑の神戸牛のおにぎりは、おにぎりという日常食でも、ブランド価値ある叙々苑と神戸牛を組み合わせれば手の届く贅沢品として機能させることができるのです。これら五つの要素は高い価格に誘導するにはとても大切な要素なのでぜひ、覚えておきましょう。チャートに掲載しましたその他の要素を使っての価格誘導にもノウハウがありますが、この話はまた別の機会でご紹介しましょう。
2024.01.06
冬の連続講座 値付けのポイント その10高い価格に誘導できないのは設定した価格においしさ落としどころがないからだ その2~日経レストラン 連載コラム2014年6月分より高めの価格で売るには“おいしさの見える化”が必要 さて、みなさんに質問をしましょう。おにぎりを一個500円、1000円で売ることはできるでしょうか?答えは簡単で、できます。例えば、叙々苑が神戸牛を使って肉巻おにぎりにすれば簡単に売れるでしょう。これは叙々苑だからこそ成立するものであり、サイゼリアがやってもサイゼリヤの価格イメージに合わないために成立しません。 では、この構造を掘り下げ行きましょう。テレビのグルメ番組を見ていますと、タレントさんの「サクサクしていておいしい」「肉汁が出ておいしい」などと感想を述べているシーンをよくみかけます。このように、われわれは無意識においしさを認識して表現しています。もちろん、本当のおいしさは何であるかなどは知る由もありません。つまり、タレントさんの感想には、サクサクしているとか、ジューシーであるというおいしさの落としどころがあるわけです。 人間は生まれてから様々なおいしさに触れます。まず、赤ちゃんのときにオギャーと泣いて、お腹がすいたことを母親に知らせ、母乳を飲んで満腹中枢が刺激され安堵し眠ります。その後、大きくなってジュースお菓子の甘さにハマるでしょう。高校生になれば大盛りカレーやうどんの満腹感に酔いしれるでしょう。友達ができると外食を楽しむようになるでしょう。そして、様々な人との交わりや旅行や習い事の体験を重ねおいしさのバリエーション(多様性)を身に着けます。料理人の今があるのも学校や調理経験に基づき、多様性なおいしさを身に着けたからです。もちろん、生まれたときから味のわかる人はいないわけですから、料理人と見込み客の間にはおいしさを受容する能力の落差があります。したがって、おいしさの構造を理解して、わかりやすく見える化しておいしさの落としどころをつくる必要があります。 そして、一般的には価格イメージがある食べ物についてはそれで満足しているケースがほとんどであり、価格が高い一歩上の食べ物に誘導して納得いただくには、おいしさの見える化は必要不可欠なのです。大久保一彦の本非常識に稼いでいる飲食店だけがやっている儲けのルール [ 大久保一彦 ]
2024.01.06
冬の連続講座 値付けのポイント その9高い価格に誘導できないのは設定した価格においしさ落としどころがないからだ その1~日経レストラン 連載コラム2014年6月分より 「あんなにネタを大きく切りつけたらおいしくないと思うんでが・・」それは10年くらい前の話。とある地方で、週末には行列ができる寿司店にご一緒した鮨店を経営する店主がそう言いました。一見するとたわいのない嘆きにも聞こえなくもないこの疑問ですが、実は、価格決定プロセスにおいての重要な要素が潜んでいます。今回は“おいしさの落としどころのある売価”についてお話ししましょう。暗黙の予算 今から15年くらい前の独立したころ都心のおにぎり店のコンサルティングの依頼がありました。そのおにぎり店は一個250円で設定して販売しておりました。ふつうのおにぎりよりもむしろ小ぶりなおにぎりはなかなか売れませんでした。結論を先に言うと、おにぎりには一個100円~120円せいぜい、100円台後半という価格イメージが強くあるからです。 当時の私は「売り方を変えればどんなものでも売れる」と思っていました。しかし、このおにぎり店のフィジビリティチェックをしていて、おにぎりには価格イメージがあり、その価格イメージを翻すことがとても難しいことを認識するようになりました。この価格イメージが私の著書によく登場する言葉――“暗黙の予算”です。 さて、話を冒頭の寿司店に戻しましょう。北陸にある立ちの寿司店なのですが、回転寿司でみかける客層がたくさんおります。その秘密が今回のテーマおいしさの落としどころのある売価なのです。今や国民食となった回転寿司店ですが、回転寿司というと税別100円均一のイメージが強くあります。私も定点観測していて思うのは、「100円均一は安いな」ということです。ある程度食べても多くの場合、1000円くらいで済んでしまう。この日常使いできる価格には驚くばかりです。さて、こちらの寿司店で多くの人が注文している上にぎりが税別3000円です。そんなリーズナブルな回転寿司をさておき、お客様で賑わうのはなぜでしょう。実は、暗黙の予算で食べられるものとは違う、新しい見える化されたおいしさを提供しているからなのです。
2024.01.06
冬の連続講座 値付けのポイント その8意外と知らない価格のつけかた その3~日経レストラン 連載コラム2014年4月分より市場が成熟したら、お客様がいくらなら価値を感じるかに敏感になれ! 売り手市場の環境下においては、志向価格決定法は効率の良し悪しの判断が容易で、キャッシュ増をもたらし、安定経営を支えてくれます。しかし、それは圧倒的な価格競争力を持つ強力なライバルが現れるまでの話と言えるでしょう。価格競争力を見出した強力なライバルは高利益体質の安定経営の基盤を揺るがしてくるのです。このような価格競争力の発想の原点はコストベースの価格決定ではなく、「いくらなら売れるか」という需要志向の価格決定にあります。需要志向の価格決定プロセスは、マーケットの急成長後、次々に参入者が現れる場面――すなわち、その価値が広く認知されて大衆化するかしないかのタイミングで特に功を奏します。例えば、外食産業では、石油ショック以来、レジャーとして成長を続けた第一次外食産業ブームのころ、1986年の男女雇用機会均等法の制定により女性の社会進出が進み食の外部化が急増し始めたタイミングで、需要志向の低価格チェーンが拡大しました。 もちろん、価格を潜在的なボリュームある需要に合わせることは容易ではありません。換言すれば、商品のあるべき姿やレシピという既成概念を再定義して、需要がある価格に合わせて――「いくら(この価格)なら多くのお客様が買う」という着眼点で買うか買わないかに直接関係ない部分を削るなり代替えを探し出す必要があります。例えば、私の経験では、不必要な量をちょうどいい量に変更したり、社員比率を下げたり、外国産の食材をしました。ります。あくまでも“売れる売価”ありきで商品設計をするのです。一人勝ちにさえなれば、マーケットを総取りでき、コスト構造が多少悪くても、キャッシュを増やすことができるのです。あくまでも、一人勝ちができればの話ですが・・大久保一彦の本【中古】 非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式/大久保一彦(著者)
2024.01.05
冬の連続講座 値付けのポイント その7意外と知らない価格のつけかた その2~日経レストラン 連載コラム2014年4月分より価格のつけかた 「キャッシュを増やす価格決定法とは何ぞや」という話しする前に、価格決定法にはどのような方法があるのかを見ていきましょう。価格の決め方は大きく分けると、かかったコストをベースに価格を決定する原価ベースの価格決定法、お客様がこの価格なら買うという価格ありきで決める需要志向の価格決定法、競争入札で価格を決定する入札による価格決定法があります。 まず、コストベースで決定される価格決定法をみていきましょう。コストベースで決定されます価格決定法は大きく分けると、かかったコストに欲しい取り分をプラスする方法(コストプラス法)とかかったコストに一定比率をかけたり、コスト比率がある一定になるように計算したりして売価を決定するマークアップ法があります。まず、コストプラス法をみていきましょう。五反田に『原価バー』という面白い店があります。来店すると入口で一人1500円を支払います。店内に入ると、ドリンクやフードは原価で提供されており、キャッシュ・オン・デリバリーでその都度支払うシステムをとっている店です。このようにかかるコストは実費をいただき、ひとりあたりただきたい額をプラスして売価が設定される方法をコストプラス法と言います。飲食店では『原価バー』のようにコストプラス法で売価決定をする飲食店は珍しいと言えるでしょう。建設業やわれわれコンサルタントはコストプラス法で価格決定しているケースが多いです。 一方、原価率30%にしたい飲食店でしたら、新メニュー開発時に新メニュー、一人前分のかかった食材コストに4をかけます。そうすると25~30%くらいでだいたい管理できます。これがマークアップ法です。しかし、原価率が25%ちょっとに設定されていたとしても、お客様が減ってしまって売上をあげられなければ、“とらぬ狸の皮算用”で終わり、設定そのものが意味を為しません。お客様にとっての魅力は、売り手が負担しているコストと比例関係にはあるわけではありません。むしろ、原価率とは関係がない場合が多いと言えるでしょう。お客様にとって、原価率よりはむしろ、提供されている商品に対して、どれだけ価値があるかが大切で、その感じた価値で価格は決まると言えるでしょう。さらには、前回もお話ししましたよう競争が激しくなればなるほど価格競争が激しくなり、見込み客が他の売り手と大きな違いを見出さなければ価格は低くせざるを得なくなります。 しかし、他に比べるものが無くて、その商品をあなたから買うしかなければ妥協できる予算の範囲で仕方なくも購入するでしょう。つまり、高い価格でもお金を出すわけです。一般的に市場がアーリーステージから急成長に移行することまでは売り手に価格決定があります。そのために、売り手サイドの利益計算が楽な方法―コスト志向で売価が決定されます。しかし、市場が成熟してしまうと、価格の主導権は買い手に移ります。すると、大きな違いを作り出せない売り手がコストを主体で価格付けをし続けると思わぬ苦戦を強いられるようになるのです。大久保一彦の本【中古】 なぜか行列のできる飲食店の法則 味・値段・立地は関係ない!/大久保一彦(著者)
2024.01.05
冬の連続講座 値付けのポイント その6意外と知らない価格のつけかた その1~日経レストラン 連載コラム2014年4月分より 「先生、円安の影響で食材が高騰しています。この際ですから、消費税率が上がるタイミングで価格を見直して値上げしちゃだめですか?」これは、税率アップ前にいただいた、電話相談の会員さんからいただいた相談です。実はこの相談は価格を決める上でとても重要なエッセンスが凝縮しています。儲かる値付けの第二回目は価格のつけかたについて説明しましょう。 健全な経営を考えると、手元のキャッシュが増えて、増えた分のキャッシュを再投資してお客様に喜んでいただき、よりキャッシュが増えるようにしていくことがとても大切です。したがって、価格と言うのはキャッシュが増えるか増えないかで判断すべきです。 その一方で、高騰した材料に合わせて価格を変えることは、お客様にとって喜ぶ要素はなく、店としては価格変更を自分自身が損をしないつもりで行うのでしょうが、値上げの結果、お客様を失うことになったり、極端に利用回数を減らしてしまうことになってしまえば、結果としてはキャッシュ増にはつながらないばかりか、キャッシュを減らすことになります。値上げというのは、最低限、お客様の数を維持できないと意味がないものになってしまうのです。値上げはかえってキャッシュを減らすことになります。価格の変更はキャッシュを増やすか増やさないかで決定されるべきなのです。大久保一彦の本【中古】 誰も教えてくれないカフェの始め方・儲け方 簡単にできる!利益率が高い!/大久保一彦(著者),工藤昌幸(著者)
2024.01.05
冬の連続講座 値付けのポイント その5あなたが値引き走るのは価格戦略を知らないからだその3~日経レストラン 連載コラム2014年4月分より高い価格とは 価格とは自分の提供する価値を数値で表したものと言えます。 外食産業に関わる人の多くが安さに走るのは、食べ物自体がわかりやすく、多くの場合、商品自体に価格イメージがあるからでしょう。例えばおにぎりというと100円~150円前後のイメージがあります。生姜焼き定食なら700円~1000円くらいのイメージがあるでしょう。その時におにぎりを80円で提供したり、生姜焼き定食を500円で提供したりすることは売り手からすると、提案する価値がわかりやすいからです。 逆に高い価格をつけると売り方の工夫が必要になります。まず、高価格でありながら、ある一定のニーズがある範囲の価格を見極めること、比べるものがない状況をつくることなどの条件が必要です。 高い価格をつけるには、比べるものがないということが大切ということで、あまり同業者を気にしないことが大切です。それよりは、高級店に足を運び、その店のお客様が喜んでいることを見極め、現在の自分の経営にオマージュすることです。オマージュとは敬意をもって自分の店に生かすと言っていいでしょう。よそと比べる習慣がある人は自ら競合をつくる場合が多いです。比べようものないものから自分らしさをつくるというのが大切です。日頃から食べ歩き、横並び発想を捨て、独自路線を進むことが高い価格づけをする入口となるのです。 次回から、高い価格をつけるために必要な価格の知識を一年にわたりお伝えしたいと考えます。ご期待ください。大久保一彦の本【中古】いつも予約でいっぱいの「評価の高い飲食店」は何をしているのか /ぱる出版/大久保一彦(単行本)
2024.01.04
冬の連続講座 値付けのポイント その4あなたが値引き走るのは価格戦略を知らないからだその2~日経レストラン 連載コラム2014年4月分より価格のつけかた さて、講義に入る前に、皆さんに質問をしましょう。 あなたは誰よりも高い価格の料理や商品を提供することができますか?※他の業界のかたはご自身が扱っていらっしゃる商品、例えば日本酒やワインなどに差し替えて考えてみてください。この質問を私の勉強会に入塾したばかりの飲食店経営者たちすると必ず同じ質問が返ってきます。「先生、私はそもそも料理技術がないのでそんなに高い商品は売れません」 しかし、私のところで長らく勉強している弟子のタルイタケシくんなら、その弟子にこう答えるでしょう。「高く売るためにすばらしい調理技術はあったらそれはそれでいいですが、それは絶対必要じゃありません。価格を決定する要素に食材や空間などいろいろな要素がありますし、そもそも競合状況で価格に対する主導権が変わってしまいます」 多くの人は、価格を自分自身で主体的に決めているように思っているでしょう。しかし、実際はそのような場合は少なく、ニーズの状況や競合などが複雑に絡み合い決定されています。ニーズがあるものには二つの特徴があります。競合他社が必ずいることと常識的な価格があることです。したがって価格は、自分自身で勝手に決めることなどほとんどなく、競合との折り合いをつけながら価格が決められます。その場合、マーケティング調査に基づいて戦略的に価格を決める攻めの経営の場合と、想定原価率をもとに価格を決める場合があります。前者はマーケットの総取りを狙う場合で、後者は外食産業にありがちな路線と言えます。多くの店の価格は、原価率で考えることが多いでしょう。そのため、なんらかの形で食材の高騰がおこれば、市場環境と関係なく値上げしたいという願望がおこります。しかし、市場の求める価格は食材の値上がりとは関係ありません。むしろ、値下げを期待するかもしれません。 もちろん、価格戦略を理解していれば、自分が主体となって高い価格をつけることもできます。そのために、まず、競合がないこと、あるいは、他とは違う明確な違いがあることのどちらかの条件を見出します。前者は潜在的なニーズを見つけ出し、競合がない市場ステージにある場合もあるでしょう。このようなステージでは需要に対して供給があまりにも少ないために自由に価格がつけられるのです。 また、他との違いがあればその点を考慮して意識的に高い価格をつけることもあるでしょう。 基本的に言えることは見込み客にとって原価は関係がないことです。そして、火急的なニーズを見出せば、ニーズを満たすことが優先され、価格は予算の範囲であればよくなり、高い価格をつけることができます。大久保一彦の本【中古】 アンケートの作り方・活かし方 売上が倍増する! PHPビジネス新書/大久保一彦【著】
2024.01.04
冬の連続講座 値付けのポイント その3あなたが値引き走るのは価格戦略を知らないからだその1~日経レストラン 連載コラム2014年4月分より 「大変です。となりの寿司屋が500円ランチを始めました」ある日、私と面談している社長さんの携帯電話からそんな声が確かに聞こえました。 ご無沙汰しております。久々に価格に関する連載のご用命をいただきました大久保一彦です。今回から、飲食店の経営にとても大切な価格についてお話ししていきます。早速ですが、あなたの店の未来にとってとても重要な価格についてしっかり勉強していきましょう。なぜ価格戦略を知っておく必要があるのか 価格は飲食店においては大きな戦略――すなわち、店として存続するための道筋を決める要素です。上記のような飲食店の500円ランチは戦略が無くやぶれかぶれでの場合が多く、多くの場合は長続きしない無理のある値引きです。したがって、それとは距離を置き、じっくりと長期戦で臨めばいいです。 しかし、それが戦略的な企業がしかける値引きだったら――それはとても脅威であり、それなりの作戦を練って臨まないといけません。※(付記)最近他社が値上げする中「サイゼリヤ」が価格据え置きするのは好例1947年~49年に生まれたいわゆる“団塊世代”806万人が2014年で満65歳。2012年~2014年の三年間で、生産年齢人口から離脱しており、外食産業のような内需型ビジネスは、人口減少分、胃袋の数が大幅に減少する分、食事の需要が激減しますから大きなダメージがあるでしょう。そうなると、生産性を上げるしかありません。生産性をあげるために今回から連載する価格はとても重要です。そして、価格について理解した上で、明確な価格戦略をもって日々の営業に落とし込む必要があります。そうでなければ、脅威にならないのに脅威を感じたり、侮ってはいけないのに侮り、マーケットを奪われたりします。しっかり価格についての知識をもちこの見極めをしないといけないわけです。大久保一彦の本【中古】 行列ができる店はどこが違うのか 飲食店の心理学 ちくま新書/大久保一彦【著】
2024.01.04
CH1 あなたが値引き走るのは価格戦略を知らないからだ その2~日経レストラン2014年4月号価格のつけかた さて、講義に入る前に、皆さんに質問をしましょう。 あなたは誰よりも高い価格の料理や商品を提供することができますか?※他の業界のかたはご自身が扱っていらっしゃる商品、例えば日本酒やワインなどに差し替えて考えてみてください。この質問を私の勉強会に入塾したばかりの飲食店経営者たちすると必ず同じ質問が返ってきます。「先生、私はそもそも料理技術がないのでそんなに高い商品は売れません」 しかし、私のところで長らく勉強している弟子のタルイタケシくんなら、その弟子にこう答えるでしょう。「高く売るためにすばらしい調理技術はあったらそれはそれでいいですが、それは絶対必要じゃありません。価格を決定する要素に食材や空間などいろいろな要素がありますし、そもそも競合状況で価格に対する主導権が変わってしまいます」 多くの人は、価格を自分自身で主体的に決めているように思っているでしょう。しかし、実際はそのような場合は少なく、ニーズの状況や競合などが複雑に絡み合い決定されています。ニーズがあるものには二つの特徴があります。競合他社が必ずいることと常識的な価格があることです。したがって価格は、自分自身で勝手に決めることなどほとんどなく、競合との折り合いをつけながら価格が決められます。その場合、マーケティング調査に基づいて戦略的に価格を決める攻めの経営の場合と、想定原価率をもとに価格を決める場合があります。前者はマーケットの総取りを狙う場合で、後者は外食産業にありがちな路線と言えます。多くの店の価格は、原価率で考えることが多いでしょう。そのため、なんらかの形で食材の高騰がおこれば、市場環境と関係なく値上げしたいという願望がおこります。しかし、市場の求める価格は食材の値上がりとは関係ありません。むしろ、値下げを期待するかもしれません。 もちろん、価格戦略を理解していれば、自分が主体となって高い価格をつけることもできます。そのために、まず、競合がないこと、あるいは、他とは違う明確な違いがあることのどちらかの条件を見出します。前者は潜在的なニーズを見つけ出し、競合がない市場ステージにある場合もあるでしょう。このようなステージでは需要に対して供給があまりにも少ないために自由に価格がつけられるのです。 また、他との違いがあればその点を考慮して意識的に高い価格をつけることもあるでしょう。 基本的に言えることは見込み客にとって原価は関係がないことです。そして、火急的なニーズを見出せば、ニーズを満たすことが優先され、価格は予算の範囲であればよくなり、高い価格をつけることができます。続く大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の繁盛ノート 売れるお店の採用教育・シフト編成・会話術 / 大久保 一彦, 加藤 雅彦 / 日本実業出版社 [単行本]【宅配便出荷】
2024.01.04
CH1 あなたが値引き走るのは価格戦略を知らないからだ~日経レストラン2014年4月号 「大変です。となりの寿司屋が500円ランチを始めました」ある日、私と面談している社長さんの携帯電話からそんな声が確かに聞こえました。 ご無沙汰しております。久々に価格に関する連載のご用命をいただきました大久保一彦です。今回から、飲食店の経営にとても大切な価格についてお話ししていきます。早速ですが、あなたの店の未来にとってとても重要な価格についてしっかり勉強していきましょう。なぜ価格戦略を知っておく必要があるのか 価格は飲食店においては大きな戦略――すなわち、店として存続するための道筋を決める要素です。上記のような飲食店の500円ランチは戦略が無くやぶれかぶれでの場合が多く、多くの場合は長続きしない無理のある値引きです。したがって、それとは距離を置き、じっくりと長期戦で臨めばいいです。 しかし、それが戦略的な企業がしかける値引きだったら――それはとても脅威であり、それなりの作戦を練って臨まないといけません。1947年~49年に生まれたいわゆる“団塊世代”806万人が2014年で満65歳。2012年~2014年の三年間で、生産年齢人口から離脱しており、外食産業のような内需型ビジネスは、人口減少分、胃袋の数が大幅に減少する分、食事の需要が激減しますから大きなダメージがあるでしょう。そうなると、生産性を上げるしかありません。生産性をあげるために今回から連載する価格はとても重要です。そして、価格について理解した上で、明確な価格戦略をもって日々の営業に落とし込む必要があります。そうでなければ、脅威にならないのに脅威を感じたり、侮ってはいけないのに侮り、マーケットを奪われたりします。しっかり価格についての知識をもちこの見極めをしないといけないわけです。続く大久保一彦の本【中古】繁盛の天才2時間の教え / 大久保一彦
2024.01.04
冬の連続講座 値付けのポイント その2~会報『四方よし通信』 2016年2月号より商圏ニーズ対応型の値付けは年間使用額に着目する 一方、商圏ニーズ対応型は、狙うべきターゲット層をきめ細かく具体化し、その需要が起きる場面を想定して、見込み客の予算を基に値付けを決めて行きます。ポイントは、見込み客の単価設定と利用回数を乗じた数字を最大化できる“個顧客”の年間売上を見出すこと、すなわち、年間使用額(年間顧客価値)という見方が重要です。つまり、ニーズ対応型のビジネスにおいては短期的な売上の増減に一喜一憂することはあまり意味がありません。 例えば、前回お話しをしました消費税率引き上げでガラッと変わった後の牛丼市場を例にみていきましょう。2014年4月に消費税率が8%となって、『吉野家』は牛丼(並)をまず300円に値上げし、同年12月には380円に値上げしました。『すき家』は増税後牛丼(並)を一旦270円に値下げした後、2014年8月には291円、15年4月に350円へ値上げをしました。一方、『松屋』は280円の牛めし(並、味噌汁付き)を2014年4月にを290円に改定と増税分の転嫁にとどめました。しかし、同年7月に、関東一都六県では「プレミアムめし」に切り替え、380円としています。施策の違いがもたらした結果は、牛丼チェーン大手3社の15年11月の業績に顕著に出ました。『吉野家』が前年比マイナス7.3%、『すき家』が前年比マイナス0.6%である一方『松屋』は前年比プラス3%で推移しています。 私は、牛丼は、税込300円を超えると気軽さが減り利用動機が大きく変わるという商品特性があると考えています。ちなみに、『ほっかほっか亭』ののり弁の価格は税込340円で『ほっと もっと』ののり弁は税込350円で牛丼(並)380円はこれらの売価を上回った値付けであることも大きいといえるでしょう。そのため、一都六県以外が牛丼(並)290円である『松屋』がその需要を吸い上げ、顧客価値を一社で吸い上げているという仮説が成り立ちます。牛丼のような日々のランチ需要に応えるビジネスモデルなら、利用頻度が高く日常性が高いニーズを想定します。その上で、弁当・店内での利用回数を最大化する単価設定と年間利用回数を考えないといけないのです。 宴会利用客も年一回の記念日需要なのか、よくある接待なのか、忘年会・歓送迎会のような期末利用であるのかで予算が大きくことなるので、そのニーズに合う値付けをすることが大切です。また、これらの値付けは、テーブルの稼働率も加味して瞬間最大売上を望むことができる値付けにすることが大切です。単価が低くてもテーブル稼働が高ければ、一日の産み出す価値が最大化できるからです。 値付けは店のコンセプトをよく斟酌してビジネスモデルにあう値付けをしなければならないのです。このことは、私の「儲かる値付け」を学ぶ前に押さえておいていただきたい原則です。 では、コラムを振り返ってみましょう。まずは、第一回目のコラム「あなたが値引きに走るのは価格戦略を知らないからだ」からスタートしていきましょう。第一回目は価格決定権の話で、値付けは市場環境で変わるという話です。供給が需要を上回るまでは、売り手に価格決定権がありますが、徐々に競合他社の出現して、店が選べるようになり過当競争が始まると価格の主導権は消費者に移ります。その需要と供給の原則からスタートしています。 そして、三回目では、高い価格を認識していただくために大切な、おいしさの落としどころの話があります。わかりやすいおいしさは、消費者を「やすい、うまい」という視点から、高単価に誘導する一歩のなります。この一歩でお客様と信頼関係を築き、顧客教育を始めます。三種同時対比、二種同時対比を駆使します。そして、顧客教育を通してアップセルをして、高い商品へ誘導していきます。顧客教育を始める前に“たしなむ(嗜む)”行為を誘発する、下限価格の品揃えについて六回目に触れています。最初は有名で安いラインナップからスタートして、同時対比でプレミアムに誘導することが大切でしたね。 では日経レストランで連載していた過去のコラムで振り返りましょう。大久保一彦の本【中古】 善の循環経営 人口減少時代を生き抜くメソッド/大久保一彦【著】
2024.01.03
冬の連続講座 値付けのポイント その1~会報『四方よし通信』 2016年2月号より値付けのポイント 外食産業をビジネスモデルの性質に基づき分類すると、商圏ニーズ対応型と理想追求型(未来像共有型)の二つのタイプに分類できます。値付けはこのことに対応して、商圏ニーズ対応型の値付けと理想追求型の値付けのふたつのパターンに大きく分類することができます。 商圏ニーズ対応型は、日常生活にある日々の食事需要(胃袋需要狙い)や忘年会などの需要にあわせるタイプでしたね。したがって、ニーズ(予算)ありきで組み立てるため、このニーズが値付けに大きな影響を与えます。値付けで決まってしまうことが多いです。一方、未来像共有型は、消費活動を通じて理想像や文化価値、ライフスタイルなどの提案を通じて、店とお客様とサプライヤー(生産者や流通業者)の間で共有する価値観を広めていくタイプです。ものの普及がひと一段落した成熟社会における欲求の高次元化に基づいており、消費者が社会的な存在意義に価値を見出そうとする需要に応えるあり方です。このため、値付けは理想像を追求するという性質から、「いくらなら売れるか」という需要動向よりも、提供する価値に応じて決めるのがセオリーとなります。 しかし、例えば健康に良い食品やあるいは将来残していきたい食材だとしても、消費者が日々の生活に高めの値付けをした食材や料理を取り入れるのはかなり難しいです。良いもの(理想像)とわかっていても、多くの人は消費の段階では現実的になり、妥協して“後戻り”してしまうでしょう。それは、理想像を理解するための日々の学びが必要で、さらに習慣化するには時間がかかることを意味します。そのため、理想像追求型のビジネスモデルでも当初は商圏内のニーズに対応して基盤を固めて、お客様そのものの母数を広げなければなりません。母数が広がったら、共有した価値観を体現する料理やドリンクなどを理解してもらうような顧客教育を行い、理想像に近づけていくという手順を踏む必要があります。大久保一彦の本【中古】 成功する小さな飲食店の始め方/大久保一彦,小山雅明【共著】
2024.01.03
冬の連続講座 店のロードマップを作ろう その18~会報『四方よし通信』 2016年1月号より2 利用客の分析2-2 顧客の階層と顧客の特徴、利用動機顧客がどれくらいいて、どのよう来店をしているのかをつかむこともとても大切です。住宅地商圏の場合は、時間経過とともに徐々に顧客が増えます。①顧客の特徴をつかむアンケート 顧客比率Q1 当店のご来店は何度目ですか? 初めて・ 2回目・ 3回目・ 4回目・ 5回目・ 6~9回目・ 10回以上 このアンケートは新規客の比率をつかむとともに、顧客の利用状況をつかむことができます。もちろん、「初めて」に印をつけた人以外が顧客ですが、回答いただいた方の中での比率を計算すると顧客の利用段階に応じた比率がわかります。②顧客の特徴をつかむアンケート 前回利用=利用間隔Q6 当店を利用したことがあるお客様に伺います。前回のご来店はいつごろですか? ①数日以内 ②1週間以内 ③2週間以内 ④1カ月以内 ⑤数か月以内 ⑥半年以内 ⑦1年以内 ⑧記憶にない このアンケートによって、前回利用がわかります。それによって、利用間隔、つまり、利用頻度を知ることができます。③顧客の特徴をつかむ」アンケート お得意様カード例お名前 住所 都・道・府・県 市 区 (番地) (マンション名など) 号室電話 ( ) ― お好きなお料理、食材 アレルギー、苦手な食材・お料理 ご来店日 年 月 日 曜日 二度以上利用している人は店のことを気にっていただいている人です。そのため、お客様カードを使ってお客様情報を早い段階でつかみ、お客様との接触をはかることはとても大切です。大久保一彦の本【中古】非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式 [単行本(ソフトカバー)] 大久保一彦「1000円ポッキリ」「送料無料」「買い回り」
2024.01.02
冬の連続講座 店のロードマップを作ろう その17~会報『四方よし通信』 2016年1月号より2 利用客の分析 最後に、店舗展開しようとする店を運営している場合、あるいは開業後の検証で重要なターゲット分析の仕方を説明しておきましょう。基本的にアンケートを活用します。2-1 新規客の比率と新規客の利用動機 新規客がどれくらい取り込めているかを開業後から分析することは大切です。住宅地商圏の場合は、時間経過とともに徐々に新規客の取り込みが少なくなります。①新規客の特徴をつかむアンケート 新規客比率Q1 当店のご来店は何度目ですか? 初めて・ 2回目・ 3回目・ 4回目・ 5回目・ 6~9回目・ 10回以上 このアンケートはターゲット検証の第一歩となるアンケートです。もちろん、「初めて」に印をつけた人が新規客ですが、回答いただいた方の中での比率を計算すると新規客の比率がわかります。②新規客の特徴をつかむアンケート 発見のきっかけQ2 当店をどのようにお知りになりましたか?店舗を見て ・チラシ ・ホームページ ・食べログ ・ぐるなび ・ホットペッパー知人の紹介 ・家族の紹介③新規客の特徴をつかむアンケート 発見のきっかけQ3 ご来店の目的を教えてください家族との食事 ・恋人との食事 ・会社の同僚との食事 ・会社の飲み会友人の飲み会 ・同窓会 ・歓迎会 ・送迎会 ④新規客の特徴をつかむアンケート 来店の決め手Q4 あなたが当店を利用するのに重要だと思うことにレを入れてください。(いくつでも) □350円以内で食べることができる □500円以内で食べることができる □ボリュームがある □そこそこうまい □ざるそばが十割そばである □商品の提供が速い □食べるのに時間がかからない □すぐ食べられる □あいさつが丁寧 □スタッフが元気よい □スタッフが笑顔である □ベテラン社員がいる □店が綺麗 □トイレが綺麗 □席が見えないQ5でチェックした項目のうち特に重要なものを3つお選びください □350円以内で食べることができる □500円以内で食べることができる □ボリュームがある □そこそこうまい □ざるそばが十割そばである □商品の提供が速い □食べるのに時間がかからない □すぐ食べられる □あいさつが丁寧 □スタッフが元気よい □スタッフが笑顔である □ベテラン社員がいる □店が綺麗 □トイレが綺麗 □席が見えない大久保一彦の本【中古】 儲かる!売れる!繁盛店のアンケート術 飲食店完全バイブル/大久保一彦【著】,日経レストラン【編】
2024.01.02
冬の連続講座 店のロードマップを作ろう その16~会報『四方よし通信』 2016年1月号より1-3-1 縦のレイアウトのコンセプトシートの使い方 その4④お客様が得られるコト お客様が得られるコトは、左側のそこで過ごす空間や時間、お客様の印象(感じた情緒的な価値)、料理の経験などの実質的な価値を記入した上で、総括してください。情緒的な価値と実質的な価値をわかりやすい言葉で表現すると“安心”と“安全”です。消費者は食に敏感だとよく言いますが、多くの場合、意味するものは安心感であって、本当の安全ではありません。そのため、企業イメージを高める施策偏重の傾向があるとかじる方も少なくないと思います。大久保一彦の本売上が倍増する! アンケートの作り方・活かし方【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2023.12.30
冬の連続講座 店のロードマップを作ろう その15~会報『四方よし通信』 2016年1月号より1-3-1 縦のレイアウトのコンセプトシートの使い方 その3③店舗の方向性を決める 店舗のミッションが決まったところで、店づくりをどうするのか、そのロードマップを作成するのがその下の「外観・エントランス」以下のところです。それぞれの方向性を文章で表現しましょう。前回の続きⅳ)サービス サービスの方向性はどういうコミュニケーションをするか、どういう人を採用するかに関わります。タイプとしては、元気で活気あるサービス、思いやり(ギブ&ギブ)のあるサービス、セリフ仕立ての劇場型サービス、料理人によるサービス、全員ソムリエによるサービス、気を使わせないサービス、下駄ばき間隔で来店しやすいしすぎないサービスなどいろいろあります。ⅴ)商品、料理 商品が料理とは限りません。カフェのようにそこで過ごす時間が重要であり、その表現アイテムのひとつとしてコーヒーやカフェラテがあるという場合もあるでしょう。ただ、多くの店は料理に独自性を求めることが多いでしょう。その時に大切なことが料理のコンセプトです。この料理のコンセプトに基づき、「何はやるけど何はやらない」という線引きをしっかりすることはとても大切なのです。 例えば、今、躍進しているセオリー社の『方舟』の開業サポートで、「日本酒を売りたいなら、随時100種揃えるといい」と私はアドバイスしましたが、この100種類というのが、「日本酒の店だ」と物を言わせない品揃えのキーだと考えたためそう言いました。当時珍しかった、郷土色を出すという品揃えにも、他のものを置きたくても「北陸三県以外おかないほうがいい」とアドバイスしました。実際には、原誠志社長は新潟までエリアを広げて四県で品揃えしましたが、このような隙のない品揃えが、似たような競合を発生させにくくして、独自性をより強く感じさせると言えるでしょう。 店舗のミッションが「野草を知っていただきたい」のような今までにないものや、概念的なものにするならば、料理の構成の中に野草に興味を持つ印象的な皿や野草のおいしさや違いを認知する対比の皿を入れる必要があります。サイドリーディングにこちらのリンクをどうぞこちらに続く大久保一彦の本【中古】 この「気づき」で売上げがガンガン上がった! 知的生きかた文庫/大久保一彦【著】
2023.12.29
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