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プラハからブルノへ向かう高速道路を、車は軽快に走って行く。春の陽光を浴びて、黄色い菜の花畑と緑の草原とのコントラストが美しい。イフラヴァを過ぎたところで、高速を降り、国道353号線を走る。チェコ共和国中央部の田園風景が続く。小さな村を、いくつか通り過ぎて、ジュジャール・ナド・サーザヴォウの街に入る。この街には、ゼレナー・ホラと呼ばれるところがある。「緑の山」という意味だ。悲劇の聖人ヤン・ネポムツキーが祀られた、一風変わった教会が建っている。ゼレナー・ホラに近づくに連れて、雲行きがおかしくなる。空が、にわかに、暗くなり出す。「たたりじゃ~! ゼレナー・ホラのたたりじゃ~!」的雰囲気を醸し出してくる。ここで、ヤン・ネポムツキーについて話そう。僧侶であった彼は、ボヘミア王妃から、ある秘密を打ち明けられた。それを聞いた王ヴァーツラフ4世は、内容を教えるように要求した。拷問を受けても、秘密を漏らさないネポムツキーは、袋に入れられ、カレル橋からヴルタヴァ川に放り込まれてしまう。すると、5つの星が浮かび上がり、ヴルタヴァ川の上できらめいたという伝説がある。今、カレル橋の欄干には、5つの星を付けた聖ネポムツキー像が立っている。へぇ~、へぇ~、へぇ~。「タモリじゃ~! トリビアなタモリじゃ~!」ゼレナー・ホラの駐車場に車を停め、教会へ向かって歩く。名前の通り、緑に包まれた森の道をしばらく進み、教会の敷地内に入る。周りをお墓で囲まれた教会が、妙なオーラを放っている。開け放たれた入口から、中を覗き込むと、一人の青年が座っている。何かの本を読んでいた青年が、僕の存在に気付いて顔を上げる。青年に向かって、僕は恐る恐る尋ねてみる。「中へ入っていいんですか?」「プロシーム(どうぞ)」その時、僕の中で、戦慄が走った!「タダ見じゃ~! ゼレナー・ホラをタダ見じゃ~!」祭壇には、もちろん、聖ネポムツキーが祀られている。内部を修理中のため、工事現場のような足場で一杯になっている。ネポムツキーも、窮屈そうだ。青年の前に、絵葉書が何種類か置かれている。ふと、一枚の絵葉書が目にとまる。それは、ゼレナー・ホラの鳥瞰写真だった。そのあまりに美しい造形に、息を呑む!「ラブリィじゃ~! ゼレナー・ホラはラブリィじゃ~!」青年は、にこやかな笑顔で、絵葉書に、記念スタンプを押してくれる。「デクイ(ありがとう)」絵葉書をカバンにしまって、教会を出る。春の日差しが戻っている。ゼレナー・ホラの緑がまぶしい。ゼレナー・ホラのHP(英語/チェコ語/ドイツ語)ジュジャール・ナド・サーザヴォウZdar nad SazavouのHP(英語/チェコ語)---ジョギング日誌---昨夜の豪勢なディナーのおかげで、元気満々です。フルマラソンの疲れはありません。本日の走行距離:7km今月の走行距離:155km
2005年05月24日
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