あそびはこどもの仕事やで!:遊び学ブログ

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2013.05.24
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カテゴリ: あそび一般



 それは、仮の名前「ドッジボールピンポン」そのままの、ドッジボールを使ってピンポンあそびをするものだ。もちろん、ドッジボールでなくても、バレーボールなどの大きめのボールなら何でもいいし、小さなゴムボールでもあそべなくはない。あそび方は、ピンポン(卓球)と同じで、相手コートに打ち返すやり方だが、ネットは無く数m四方の四角が二つつながったコートだけでいい。だから、ボールさえあれば簡単にできる。

 同様のあそびに、四角を四つ合わせて田の字型のコートの中央に、「どつぼ」と言うペナルティゾーンを設けたり、「町人・武士・大名・天下」など出世・昇進していくあそびで、「どつぼ」「天下町人」などと呼ばれるあそび方もあった。おそらく、同様のあそびは地域や地方により様々な形式・呼び方で、全国各地で楽しまれていた。

 そんなあそびも、この30年あまりで、ほぼ見かけなくなってしまった。道具も場所も、その確保は昔と変わらず簡単であるにも拘わらず、そうなってしまったのは、違った理由があるからだ。それは、そうしたあそびを地域で広め伝えて(伝承して)きた、こどもたちの集団が変質してきたからと思われる。

 あそびの伝承には、異年齢の集団、それも学校などでおとなが意図的につくる集団ではなく、自然発生的で自立的なこども集団だ。こどもたちがあそぶために、年下のあそびを知らない子に、あそびを自主的に教えるような集団だ。言い換えれば、あそびを仲立ちとした異年齢自治集団とでも定義できる集団だ。

 この集団が成立するには、放課後など毎日の生活の中で、年齢や学年が違っても、ほぼ全てのこどもたちが共有できる同一時間帯があること必須条件となっている。しかし、今では、平日の授業時間が増えたことによる放課後時間そのものの短縮、塾や習い事の量的増大に伴う放課後の時間の細分化・個別化により、その共有時間が極度に減少したことで、異年齢自治集団が生まれ育つ基盤が無くなってしまった。

 「ドッチボールピンポン」をはじめとして、これまで地域地域に伝承され続けてきたあそびの多くは、地域内の異年齢のこどもたちの共有時間の極度の減少により、「釘刺し」「ビー玉あそび」などのように、絶滅が危惧されるあそびとなっている。私としては非常に残念ではあるが、それが現実なのだ。




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最終更新日  2013.05.24 17:40:20コメント(0) | コメントを書く
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