最後の結婚記念日

最後の結婚記念日

パパへの告知


午前中に入ってくださいと言われていたので9時過ぎにホテルを出て病院に
行きました。入院の手続きをしてすぐ病棟の方に行き白い巨塔のような病院の
第一外科に入院する事になりました。個室希望だったけれどあいてなく大部屋
に入院しました。行ってすぐ腹部CT・血管造影・心電図・肺のCT・採血・肺活量
などすべて一気に検査しました。その後お昼ご飯でパパはおにぎりを2個食べました。
看護婦さんから色々な質問を受けその後病院内の事を説明してくれました。
売店でいるものなどを購入して売店からの帰り担当の先生と会い手術できません
と言われました。後で偉い先生からお話があるので告知しますか?と聞かれました。
私一人では決めれないので今日みんなの意見を聞いて決めますと言いました。
パパに気ずかれずに呼びに来て下さいと言いました。
同じ病室の人はここに来たら安心やでと言ってくれたやさきです。(パパと同じ病気です)
看護婦さんが呼びにきてくれて偉い先生の話を聞きました。
パパの癌は肝臓の中に小さいのがたくさんあるので肝臓を全部取らないと
無理との事です。肝臓は全部とることは出来ないので残念ですが
あきらめてくださいと・・・余命も3ヶ月もつかどうか・・・とても進行が早いですと・・・
たちの悪い癌ですと言われました。告知だけどうするか考えてくださいと・・・
それと手術が出来ない以上ここにいる意味がないので早く大阪に帰った方が
いいですよと・・・この病院だけが希望だったのに・・・ショックで何も考えられ
ませんでした。パパの前では泣けないので頑張ってパパの所にもどりました。
普通にパパに接してなにをしゃべってるかもわからずに・・・
夜ボーッとしていたのでホテルに帰るのにスリッパで帰ろうとしてたらしくパパからの
電話で靴はきかえてないぞってアホやな~ってゆわれて靴を履き替えてホテル
に帰りました。電車で帰る気力もなくホテルもどこにあるかわからないので
タクシーで一番近いホテルに行きました。
ホテルの部屋についたとたん涙でした。みんなのところに電話しまくり告知したら
いいのか相談しました。
私の妹だけ反対しました。パパの兄弟はみんなした方がいいんちゃうんかなと・・・
私も先生が本人さん若いからまだやりたい事あるやろうし・・・
といわれたので告知する事に決めました。
いつかわかるときがくるんだったらパパが元気なうちにやりたい事を
やらせてあげようと・・・子供との時間も大切にしてほしかったし・・・
実際この時はドラマを見てるようでした。私にもこんな事が起こるんやと・・・
それと告知されたらパパはどうなるんやろってその事で頭がいっぱいでした。
今まで我慢してたぶん泣いて泣いて涙が止まりませんでした。
妹が明日目はれるでってゆわれたけど大丈夫やよってゆったけど
朝顔はボロボロでした。

2月14日
8時に来てやってゆわれていたので8時に着くように行きました。
入院は初めてなのでとても緊張しているようでした。先生から午後からお話します
との事でした。先生に告知しますと・・・でもすいませんが余命だけ半年から一年と
言ってくださいとお願いしました。とても3ヶ月とは言えません・・・
私はとても緊張していてトイレも近くお腹も痛く最悪の状態でした。
パパは何もきずかず本を見たりテレビを見たりしていました。
私の目が腫れてるのさえきずきませんでした。午後2時半ごろ先生からのお話が
ありました。初め先生は「来てもらって悪いのですが手術は出来ません」と
肝臓の中にたくさんちいさいのがあるので無理ですと・・・
太い血管も巻き込んでいるのでとても無理ですとの事でした。肺はきれいですと・・・
何も言わず先生の話を聞いているパパを見ていると今までこらえていた涙がとめどなく
出てきました。奥さんには昨日説明させていただきました後聞きたい事はないですか
の質問にパパは一言後どれくらいですかとつぶやきました
先生は私が頼んだとうり半年から一年ですと言ってくれました
(ごめんねパパうそついて)
後質問ないですかの言葉にもういいですと・・・旅行も早めに行ったほうがいいよと
私には言っていました。パパはとても怖いくらい冷静に聞いていました。
信じられない気持ちでいっぱいだったんでしょうね。
部屋を出た後私が声を上げて泣いてるのを見てパパは
私の肩を抱いてしゃあないやんけといいました。この光景は忘れる事は出来ません。
自分の事なのに冷静に私を励ましてくれました。ようだまってたなって・・・
二人で少し話をしました。俺は大丈夫やからって・・・
そんなはずないやんって思ったけど
今まで隠してたぶん私の方が冷静さを失ってパニックになっていました。
パパにもうここにいててもしかたないから大阪に帰る?
って聞くとそうやな帰ろうかと言いました。パパ帰れるのってゆったらいけると言った
のですぐに帰る用意をしました。
パパの妹に迎えに来てもらうことにして新幹線まで行きました。パパと何を話し
したかも分かりません。新幹線も座るところもなく立ったまま帰りました。
私の妹にも今から帰るってメールして私の妹がもうパパの顔ようみらんってゆったら
アホかこなあかんぞってメールしたら電話かかってきて泣いていました。
大阪に着くとパパの妹さんが迎えに来てくれていました。
後で聞いた話私たちがトイレに行ってる間に妹の旦那さんにもうあかんやって
ってゆったらしいです。私の前では冷静をよそうってたのに・・・
私に気をつかってくれていたのかと思うと涙がとまりませんでした。
パパごめんね・・・
家に着くと子供達には内緒なので私の実家に話をする間連れて行きました。
その間に話をはじめていました。パパのお母さんにも内緒にしていたので・・・
パパのお母さんが動揺してる所を子供に見せたくなくて連れて行ったんだけど
全然普通でした・・・パパには何もすることが無く死ぬのを待つだけなんかと
いったらしいです。その言葉を聞いてパパがどう思ったのかは分かりません
でも死ぬのを待つだけと言うのはパパが一番自覚してる事だから言ってほしく
なかったです。パパもショックだったと思います。パパももっとお母さんが
動揺すると思っていたので・・・子供達を連れに行き長い長い一日が終わりました。




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