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「こいつなんて野郎だ。そんなに早く死にたいなら今ここでぶっ殺してやる、」
手下はブラスターを構えるとマルークに向けた。
静かな誰も知らない秘密の通路にブラスターの不気味な発射音が鳴り響いた。
マルークは自分の上にのしかかって来た男の顔を見た。
もう生気はない。
わけが分からず彼が辺りを見回すと、その視線の先に一人の男が立っていた。
バン・ソコだった。
バンはブラスターの先を息で吹き消すようなそぶりを見せた。
地球の西部劇ガンマンが良くやる仕草だ。
もちろんブラスターは火薬拳銃ではないから煙などで出ないのだが、西部液など知らない彼もついそうしてしまった。
「バン・ソコ!お前が助けてくれたのか?でもどうして?俺たちを裏切ったくせに。」
マルークはヨロヨロと立ち上がり言った。
「俺がお前たちを裏切っただと?」
バンはそう言って唾を吐き捨てた。
「でもよくここがわかったね?」
ジョンピーが言うとバンはトットさんを指さして言った。
「そのペンダントのお陰だ。言ったろ。大事にしろお守りだって。そのペンダントは発信機になっていて場所を教えてくれるのさ。」
そう言ってそこはトットさんを指さした。
「えっ?そうなんだ。」
トットさんは驚いて胸元のペンダントを見下ろした。
だが残念そうに答えた。
「でも俺、大事な地図を無くしてしまったんだ。」
バンはいたずらっぽくニヤリと笑い懐からチップを取り出して言った。
「地図ってこのことか?」
「そ、そ、それ。どうしてお前が?いつ盗んだ?」
トットさんが叫ぶとバンは澄まして言った。
「盗んだとは人聞きの悪い。預かっただけだ。お前にペンダントをやったときに素早くな。お前が持っていると必ず見つかるからな。俺が持ってりゃ探されることはないってわけだ。」
「なるほどそういう訳か?ジェダイの私をも騙すとは大したものだ。」
ベンは感心して言った。
「地図だけなら俺がアレ=デ・ランに行けばいいが、俺はあそこがあまり好きじゃないし、この地図にはこのアジトのあらゆる抜け道や構造が書かれているからやはり届けなくちゃならない。さあ、こうなりゃさっさとおさらばするぞ。」
バンが言うと慌ててマルークが言った。
「オーウェン叔父さんと、ベル叔母さんを助けなくちゃ!」
「グーさんとタラさんも助けなくちゃ!」
ジョンピーも続いた。
「それは料金に入っていないぞ。俺の仕事はお前たちをここに連れて来るまでだ。これからは割増料金をいただくぜ。」
「でも彼らはどこにいるんだ?」
ベンが聞くとバンは不敵に笑った。
「それはここに入っている。」
そう言って彼はデータパッドを手のひらの中で振った。
「なんだ、あんたもそうするつもりだったんじゃないか?」
マルークが言うとバンはこう言ってウィンクした。
「2割増しだぞ、いいな。」
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