PR
カテゴリ
パン、パン、パーン
華々しく花火が上がった。
砂漠の惑星タートルインに花火?
地球の日本という小さな国の花火だ。
しかも、目に眩しい真昼の青空に。
これはグーとタラが地球から持ち帰った、地球の花火を昼間でもはっきり見えるように、閃光も色もはっきり見えるように、しかも煙も彩を添えるアイテムとして、彼らのビリノン星で改造されたもので、宇宙国家で流行り始めているアトラクションだった。
今日はマルーク・ウシ―ウォーカーとバン・ソコをサルラックの餌にするめでたい大イベントなのだ。
「ムバーク・ワーララ・ベゾーク・バララーク。」
執事のビブフォーチュナは訳さなかったが、悪の黒幕ジャバザハットもいたく気に入った様だ。
打ち上げられた先を見るとグーとタラが手を振って応えた。
この思いがけない真昼の花火大会に皆釘付けとなった、
そこに伝令として活躍するジョンピーがグーとタラに飛びよった。
運搬船から差し出された踏み台の上でその様子を見上げているマルークの元に、ジョンピーが密かに近づいた。
その時、最後の締めとなる巨大な花火がタートルインの雲一つない青空を埋め尽くした。
「ダーク・ワ―・チュナーゼ。」
「さあ始めよ。」
ビブフォーチュナの通訳で皆の意識は処刑の場に戻り、大歓声が沸き起こった。
「ジャバ、思い直すなら今の内だぞ。」
マルークの言葉をビブフォーチュナから伝え聞いたジャバは嘲笑するように笑い飛ばし、意にも介さず処刑人に合図を送った。
その時マルークの掌から緑の光柱が伸びた。
ライトセーバーだ。
皆が花火に気を取られているうちに、密かにジョンピーから手渡されたものだった。
マルークは踏み台を上下に揺らし、大きな反動を得ると高く空中に舞い上がると、ジャバのセールバージに飛び移った。
事態に気づいたジャバの手下から浴びせられる熱光線をことごとく跳ね返し、返りを受けた手下が次々と倒れて行った。
それに合わせて今まで鎖に繋がれていたはずのレイヤンが立ち上がり、今までわが身を束縛して鎖を手にジャバの首に巻き付け、全体重をかけて締め上げた。
こっそりトットさんがヤスリを使って切断してくれていたおかげだった。
そのトットさんはこんな時、何の役にも立たないから柱の上に停まり状況を見下ろしていた。
グーとタラも密かに手に入れた武器を手に取り果敢に戦っていた。
冷凍保存から解凍されたバン・ソロは目がまだよく見えないながらも、動く者を片っ端から撃ち倒して行った。
何しろ自分の周りにいるものはすべて敵なのだから容赦はなかった。
そんな様子を見て銃口を向けるのは、マンダロリアンの賞金稼ぎボバフェットだ。
それを見つけたトットさんは、バンを救うべく何か落とす物を探したがあいにく周りには何もなく天を仰いだがその時ふと思いついた。
その次の瞬間何を思ったか彼は柱から飛び降りた。
その落ちる先はボバフェットの装甲ヘルメットの真上。
最強の戦士であるボバフェットも、その重さに堪らず床に倒れて気を失ってしまった。
「レイヤン、バン。こっちだ。」
マルークに呼ばれ二人はその元に駆け寄った。
目の良く見えないバンは、彼を救ったばかりのトットさんを拾いあげ誘導された。
そこにチューバッタが操縦するミレニアム・ボロコムがやって来た。
マルークは舳先に備え付けられたレーザーキャノンをセールバージの床に向けて連射する様に固定して、ボロコムに乗り移った。
ボロコムはグーとタラも拾って空高く舞い上がった。
セールバージは破壊され、船体を徐々に傾けて行った。
レイヤンに首を絞められ気を失いかけたジャバはようやく意識を取り戻したが、傾いた船体の床を滑り始め、彼の悪事の手下とともに砂漠にぽっかりと開いたサルラックの巨大な口の中に消えて行った。
サルラックは思わず転げ込んできた、無数の餌に喜び体を揺すった。
そして最後にタートルインの砂漠に、地を揺さぶるような大音響のげっぷが鳴り響いた。
太っちょポッポのトットさん ~ 死後の世… 2022.08.12 コメント(6)
太っちょポッポのトットさん ~ トットさ… 2022.08.07 コメント(8)
太っちょポッポのトットさん ~ 皇帝との… 2022.07.20 コメント(6)