Bitter&Sweetな徒然日記
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海外旅行に欠かせないのがスーツケース。 私の場合、高校時代にオーストラリア留学をしたときには母親のサムソナイトのスーツケースを使っていた。 次に、若気の至りで無計画に挑んだ中国一人旅の際に、旅行鞄店に立ち寄って一つの真っ白いスーツケースが目に留まった。 値段も手ごろで、私の身長にも丁度良い大きさ。 ブランド製品でもないけれども、とても心が惹かれたスーツケースとの出会いだった。 純白のスーツケースを購入して、並行して歩きながら、これからの旅に思いを馳せる。 この真っ白なスーツケースが、どんなふうに変わっていくんだろう。 周囲からは「汚れが目立つよ、なんつう色を買っているんだ!?」と言われたけれども、何を言われても良い、私がこのスーツケースを選んだんだ。 国内外を含め、このスーツケースと一緒に色々なところに行った。 丁度良くくたびれてきて、良い感じに傷がつき、旅先でのステッカーなどを張り付けてオリジナリティー溢れる、世界にたった一つだけの私のスーツケース。 4年前、香港人と付きあいがあったころのことである。 クリスマスシーズンに友人の実家に滞在し、飲茶を楽しみ、妹も私にとてもよくしてくれて良いファミリーだった。 クリスマスプレゼント交換のパーティーみたいなものが彼の家で催され、私も日本で買ってきたプレゼントを取りにスーツケースへ向かった時のことである。暗がりのクローゼットから誤って別の白いスーツケースを取り出し、一度ひっこめた。 電気をつけてもう一度確認すると、目の前には私のスーツケースに似て非なるものしかない。 この、知っているようで知らないスーツケースの開け方を知っている自分が恐ろしい。 恐る恐る開けると、中には見覚えのある私の荷物たち。 慌ててもう一度閉めて、勢いよく立たせると眩暈がした。 嗚呼、それは、紛れもなく6年前に初めて出会ったときの、あの傷一つない純粋無垢なスーツケースだったのだ。 この目の前の、私との旅の苦楽を一緒に味わってきた記憶をすべて失ってしまったような、記憶喪失の恋人を目の前にして私はなす術がなかった。 そんな私の背後に、ママが立っていた。 「そのスーツケース、綺麗にするの大変だったのよ~!でもね、日本の掃除道具ってすごいのよ!こんなに綺麗になったわ」 とカネヨンのクレンザーをはじめとして、日本のお掃除グッズを披露しながら、屈託のない笑顔で笑っていたあの時の彼女を一生忘れまい。 こうして、記憶喪失の恋人を日本に無言で連れ帰り、年末のせわしない人々が往来する駅を歩いていた時の事、ガシャッシャシャシャシャシャッシャ!!!!と音がして、動かなくなった。足が壊れたのだ。 池袋の駅から抱きかかえるようにして帰宅。 何故か、そこから取っ手は壊れるは、蓋は閉められなくなるは、で不具合が続々と生じ部屋の片隅にビニールをかけて置いておいた。 その後、諸事情あって彼との関係も悪化の一途をたどり、スーツケースも彼との関係も修理・修復不可能となった。 そして、1年前、思い切ってスーツケースに別れを告げた。外装は真っ白でとても美しく、捨てるなんて勿体ない気がしたけれども、こんな別れ方だった。今思うと、最後、綺麗にしてくれて有難かった、と思う。 ・・・と、長くなったけれども何を言いたいかって、新しいスーツケースをやっと購入した(素)散々悩んだあげく、ずっと気になっていたリモワにしてみた。 色も好きな色だし、軽くて持ちやすい薄給の私にはイタイ出費だったけれども、買って後悔なし 今年の夏は職場の友人と香港へ。 香港は楽しい思い出ばかりではないけれども、今となってはあのチャーチャー店がめちゃうまかったとか、冬なのにハイビスカスが咲いていたとか、私のパンツを干していたらどっかに飛んでいってしまい行方不明になったとか、そんな小さな事ばかり思い出す。 総合して良い思い出となってしまった。 あの時の私も彼も既にもう存在しなくて、絶え間なく変化し続けている。 今回の香港旅行は、思い出を塗り替えるというよりは、新たな思い出として別カテゴリーにおさめたい。 うん、今年の夏もきっとあっという間に過ぎていくんだろうな。 楽しい夏にする、絶対。→おかげ様で、結構良い夏になりました。
2017.10.17