基本トラックは「RONETTES / BE MY BABY」でそれを現代風な楽器の音色で彩っている。エコーのかかったカスタネットやドラムなどナイアガラ的音壁度の高い作品。ストリングスの調べは崇高な感じを出していてなかなかお上品。英語のコーラスが全体をリードする感じもあり洋楽的雰囲気もある。然しながら全体のムード、メロディは落ち着いたもので少し湿っぽく小雨でも降ってそうな雰囲気。ポップ感は少ないがメロディは良く出来ているので人によっては高評価もあり得るか。
麻倉未稀 / リメンバー・ターン '84 作曲いけたかし(池毅) 編曲戸塚修
「BE MY BABY」トラックなフィルスペクター/大滝詠一系音壁ポップ。作曲はアニソン中心に多くの流麗でポップなメロディの作品を残した池毅。ここでは熟女系シンガーへの提供ということでポップさは減退しつつも流麗なメロディは健在です。歌い手はアダルトなフェロモンを漂わせてセクシーな雰囲気だけどちょっと喉越し良すぎる感があるかな。トラックは重量感のあるドラム、軽やかなカスタネット、優雅なストリングス、きれいなエレピなどで構成され派手さは無いがバランスは良い。こういうのはAOR音壁サウンドと言っていいかも知れないですね。
メロディは全体として暗く湿った内容ですが、バラードとしてなかなか魅力的。行進曲として使えそうなテンポの「STOP! IN THE NAME OF LOVE」リズムは軽やかでいい。これでベースやドラムなど、もう少し音壁要素があればかなりの良トラックと言えただろうにね。そして残念ながら前者同様、彼女の歌声に全く魅力が無いのが非常に大きなマイナスポイント。(っていうか聴くのツライ、、、。)将にバラドルのイメージそのままの声質で、音痴なのは止むを得ないとしても、これじゃあ興醒めですよね。
男性パート部分を「ボク」という一人称で女性(太田裕美)が歌うという、いわゆる「ボクもの」ソングで、それ好きな男性のフェチ心をくすぐる内容となっています。(当ブログでは 「小西寛子 / BE ALL RIGHT・・・」
が「ボクもの」に該当。) チェルシア・チャンによる広東語カバー「六月天」も中国語の柔らかで不思議なムードが漂う面白い作品でオススメです。
出だしなどのメロディが「大滝詠一/カナリア諸島にて」に似ています。カスタネットも入って、その後にすぐフィルスペクターの「RONETTES / be my baby」みたいなブレイクが入り、結構ナイアガラ系な明るいポップスです。メロディが少し弱く、ハーモニーがないのも残念。B面はベンチャーズ編曲で軽快な60S風ポップスに仕上がっています。
涙の茉莉花LOVEのカップリングだったこの『恋のチャプターA to Z』も同様にアップテンポな曲でちょっと感傷的な雰囲気があるところも同じ。チープで機械臭漂うアレンジはいまいちだけど間奏部分なんかはなかなかいい雰囲気。曲の名義に「with おニャン子クラブ」とあるようにアイドルグループ的な賑やかな雰囲気を加えたのも正解だったかも。