ソウル生活〜

ソウル生活〜

November 1, 2004
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テーマ: 韓国!(18182)
カテゴリ: 韓国の空
ソウルにある国立劇場は韓国の伝統的な演劇だけを上演する劇場。西洋の演劇はしない。南山タワーの近くにある。

急に国立劇場に行くことになったのには訳がある。

高校の音楽の先生の宿題のためだ。

音楽の先生はちょっと変わった課題を出す先生で

1学期に3回コンサートに行って、切符と感想文を先生に提出しなければならないらしい。

3回もコンサートに行くと、お金もかかるし、時間もかかるので、お母さんが代わりにコンサートに行って、切符をもらってお母さんが感想文を書く生徒もたくさんいる らしい 。

2学期はお母さんたちも知恵を絞って、クラス全体でいくと団体割引があるので、クラス全体で行くことにしたらしい。

日本語科の担任は私の相方の日本語の先生なので
私にも一緒に行かないかと声をかけてくれた。



席は1万ウォンから5万ウォンまである。
もちろん生徒は1万ウォンの席、50%引きだから5千ウォン。つまり5百円で国立劇場で演劇が見れるという日本では考えられないお値段。

7時間目の授業が4時20分に終わり、学校の食堂で晩ご飯を食べ(晩ご飯はいつもただ^^)出発。

私と相方は晩ご飯を食べたけど、生徒たちは5時20分まで授業があるので、晩ご飯を食べる時間はない。

ハンバーガーとコーラの出前を頼んでおいたので、食べながら出発。

あいにく、雨が降ってきた。

生徒たちはかさもなし。4人で一つの傘を共有。

3号線の東大入口から国立劇場までシャトルバスがあるのだが、雨なのでみんなシャトルバスを待って長蛇の列。本当はきれいなところなので歩いて行くと、気持ちのいい所なのだが、雨ではね・・・

なのに、シャトルバスの長蛇の列を見たら、男の子たちは歩いて行ってしまった。女の子はしっかりとバスを待ってるのに。

国立劇場は私は初めて。

相方も初めて。 ???



おいおい、みんなソウルに住んでいるくせにこんなに有名なところに一度も来たことがないのか。

だしものは「チェビ」

韓国の伝統的なミュージカルとでも言えばいいかな。
韓国語では「唱劇」と呼ぶ。

舞台の袖にはオーケストラの替わりに、韓国の伝統的な楽器を演奏する人が20人くらい座っている。



しかし、劇の内容を舞台の横に英語とほんの少しの日本語の字幕でだしてくれたのでだいぶ推測ができた。

英語の字幕が10行分あれば、日本語は3行くらいしかない。
なぜに??この差別。

字幕が回っていくのも早いので、必死で英語を読み、最後に数行の日本語でやっと理解。

内容は豊臣秀吉の朝鮮出兵(壬辰の乱)の時、捕虜として連れてきた朝鮮人の女の人チェビを、彦根のお殿様がある武士に妻としてめとらせた。10年後に朝鮮通信使がやってきたときに、その中に偶然チェビの夫がいた。

夫は死んだと思っていた妻に10年ぶりに会い、朝鮮につれて帰ろうとする。が、チェビは拒否する。すでに日本で結婚し子供もいたからだ。

チェビの夫は朝鮮通信使として江戸まで行き、また帰りに彦根に立ち寄りチェビの日本人夫にチェビを返して欲しいと家をたずねた。

チェビの日本人夫も拒否し、結局あきらめて朝鮮に帰ろうとするが、チェビに手紙を書いた。その手紙にはチェビの両親もまだ健在であると書かれていた。死んだと思っていた両親が生きていることを知り、チェビは朝鮮に帰りたくてたまらなくなった。

そんなチェビをみかねた日本人夫は、チェビに離縁を言い渡した。チェビが朝鮮に帰るために大阪へ旅立とうとした矢先、チェビの日本人夫が投獄されたという知らせが届く。お殿様からの頂きものであるチェビを勝手に離縁したので、お殿様が立腹したらしい。切腹を命じられるであろう日本人夫の身を案じ、朝鮮にいる年老いた両親の身を案じ、チェビは自害の道を選ぶ。

朝鮮へ帰るために大阪でチェビを待っている韓国人夫のもとへ蝶になったチェビが舞ってくる。


舞台はとてもシンプルなのに、日本海の波をうまく表していたし

チェビの哀しみと、韓国の伝統的な楽器の音色が哀しく、マッチしていた。

二つの国の戦争で翻弄された哀しいチェビ。

見ていて思った。やっぱり日本って韓国のこと無視しているし
韓国は日本に対して、ずっと「やられたことは忘れない」のだと。

私は韓国に来るまで、伊万里焼は韓国から豊臣秀吉が捕虜として連れてきた人だとは知らなかったし

九州のほかのところにも(鹿児島だったかな?)焼き物をやっている人たちが、同じく捕虜として連れてこられた人たちの子孫だとは知らなかったし

朝鮮通信使のこともまったく興味がなかったし

知らなかったということは、無視していたと同じことで

その反面、韓国ではこうやって演劇でもネタにして
子供から大人まで全員に自然に教育していっている。

二人の夫を持たされたチェビ、

解決の道は自分の命を絶つことしかなかったチェビ。

今もこんな哀しい人は世界のどこかにいるだろう。

いつになっても人間はおろかな戦争をやめないものなんだ。

今日は権力を持っている人間のおろかさと、

権力を持たない人間の哀しさを感じた秋の一日でした。





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最終更新日  November 3, 2004 12:28:32 AM
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Re:ソウルにある国立劇場(11/01)  
Mrs.B  さん
日本では、全くそういった歴史を教育されませんね。
朝鮮出兵に関しても、ほとんど学ぶ機会がないですよね。
そういうことって、世界中の国でいっぱいあるのでしょうね。
太平洋戦争のことだって、たくさんたくさんあるのでしょう…。
韓国の演劇で教育する、広めるという手法はよいですね。机にかじりついてやるより、気持ちに残りそうな気がします。
しかも、そのお手軽価格!
韓国の教育方法って、進歩的ですね。
外国語教育もそうですが。

日本も他国のいい点を、どんどん取り入れればいいのに…。
前例前例って言いすぎ、ただの怠惰じゃないの?と思うことがあるのですが、ほしそら先生、どう思われますか?

人の命の重みも、人生の大事さも同じだと思うけれど、それを軽んじる権力者がいつもどこかにいるというのは、情けないですね。
それを変える力を持たない自分も、情けないです。 (November 3, 2004 02:49:55 AM)

Re:ソウルにある国立劇場(11/01)  
昼寝0323  さん
私は個人的に、韓国に来てから自分は日本の「負の遺産」を背負っているんだということをひしひしと感じます。それで日本に帰ると、なんか日本て無重力の国みたいだ、って思ったり。それが意味なく腹立たしかったりもして…。複雑な思いです。 (November 3, 2004 01:42:38 PM)

Re:ソウルにある国立劇場(11/01)  
ウユコ  さん
悲しい話ですね。
日本とか、韓国とか関係なく人の思いはひとつなのだと思います。
それに気づかず、過ちを繰り返すのもまた人間なのかもしれないですね。

私自身は韓国と日本の歴史の狭間でいやな思いをしたことがないのですが、この国で暮らす以上、心得ておかなければいけないことはたくさんある、といつも感じています。

それにしても国立劇場、芸術の殿堂とともにいつか必ず行ってみます! (November 3, 2004 05:48:32 PM)

Re[1]:ソウルにある国立劇場(11/01)  
ほしそら  さん
Mrs.Bさん
>しかも、そのお手軽価格!
>韓国の教育方法って、進歩的ですね。

お手軽価格で情操教育をやってくれるのも素晴らしいし、切符を手に入れるのも簡単。生徒のお母さんがネットで予約、購入までしてくれたのです。お母さんが日本よりも学校に関わっています。生徒たちの晩ご飯になったハンバーガー、コーラもお母さんが注文したものらしいです。

>外国語教育もそうですが。

全然だめです。日本と同じ考え方、やり方です。
だから英語は読めるけど話せない、というのがほとんどです。言語はコミュニケーションの手段なので、人と意思の疎通ができなければ意味がないと私は思っていますが、まだまだです。ネイティブはお飾り程度に考えている高校が多いです。

>前例前例って言いすぎ、ただの怠惰じゃないの?と思うことがあるのですが、ほしそら先生、どう思われますか?

そうそう、前例がない、といういいわけは日本独自のものではないでしょうか。韓国では聞かない表現ですね。怠惰、そうそう、努力をしない人の言い訳ですね。

>それを変える力を持たない自分も、情けないです。
あああ、本当に情けないです。

アメリカの選挙もブッシュ優勢になっているみたいですね。イラクの泥沼はますますひどくなりますね。
(November 4, 2004 12:15:14 AM)

Re[1]:ソウルにある国立劇場(11/01)  
ほしそら  さん
昼寝0323さん
>私は個人的に、韓国に来てから自分は日本の「負の遺産」を背負っているんだということをひしひしと感じます。

ええええ?なんで昼寝さんが「日本の負の遺産」を背負っているんですか?

>複雑な思いです。
日本に帰ったとき、韓国にまた帰ってきたときには、複雑な気持ちになります。韓国にいて日本に対する思いと、日本に帰って日本に対する思いに微妙に温度差があります。
(November 4, 2004 12:21:56 AM)

Re[1]:ソウルにある国立劇場(11/01)  
ほしそら  さん
ウユコさん
>私自身は韓国と日本の歴史の狭間でいやな思いをしたことがないのですが、この国で暮らす以上、心得ておかなければいけないことはたくさんある、といつも感じています。

はい、私も韓国に来ることが決まったときに、韓国関連の本を少し読み、自分の考え、立場を少しはっきりさせてからきました。

>それにしても国立劇場、芸術の殿堂とともにいつか必ず行ってみます!

ほんとに安くて簡単にチケットが手に入るので、だんなさんと二人で行ってください。いい気持ちになれます。
(November 4, 2004 12:32:19 AM)

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