習い事その2



タンポポは顔を水につけられなかった。
初めてプールへ連れて行った時も
大泣きで、しっかりしがみついて降りようとしない。
でも、プールや海で溺れないように、
せめて25m位は泳げるようになって欲しい。
そう思って、スポーツセンターにも見学に連れて行ったが
「やだ!」

そうこうしているうちに
「Y○CA」で泳ぎを教えるプログラムとは違う
「水と楽しむプログラム」の仮プログラムの
体験募集を目にした。

「なんか、プールで遊ぶんだって。
泳ぎなさいって言われないから行って見る?
○○ちゃんとかも誘ってさ」

「...良いけど」

当日、子供はプールへ親は上のガラス張りの所から見学。

「げーーー!タンポポは顎ギリギリまで水の中だ!」

そう、結構な高さまで水が入っていたのだ。

「あー、こりゃ泣くなぁ」

と心配しながら見ていたら
音楽が鳴り出して、インストラクターのお姉さんや
お兄さんがプールの中で子供達の手を繋ぎ、
その後また子供が順に手を繋ぎ列になって歩きだした。
一応、インストラクターの人も気にしてくれて
タンポポと手を繋いでくれている。
ちょっと、ジャンプしてみたり早く歩いてみたり。
その度に、タンポポの顔に大量の水がかかっている。
片手はお姉さん、もう片手はお友達。
顔のしずくも拭えない状態だが、とても楽しそうに笑っている。
見ている私のほうは泣きそうだった。
なんか、とても愛しいくなって感動しちゃったのだ。
残念ながら、そのプログラムはまだ実験段階
だったので、通えなかったが
それから、タンポポはお風呂の中で練習して
「水死体」
と言いながら浮かぶことが出来るようになった。


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