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透明に近いホワイト ウスバシロチョウの翅 春も近く、思いは春型のアゲハ類の眩さに心が動く頃だ。ギフチョウを皮切りにチョウの世界は我々を和ませてくれる。しかしアゲハの仲間と言われて、えっ、シロチョウじゃあないの、と思う小型のチョウには、もう一つの魅力、そう透明感がある。ウスバアゲハ科のチョウ達。私は春しかこの類は見たことが無い。 我が家に一つの標本がある。ウスバシロチョウ。H16年5月1日、末娘自身が小学2年の時、諏訪で採集したもの。はじめ娘は、蛾の仲間?と言ったほど飛び方といい、形といい颯爽さが全然無い。でもこの薄い透明感は他のチョウには無い。ラベルの色が透けて見えるのがわかる。ブラックライトで当てたって無反応だ。
2011.02.20
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黄金のかがやき マダラ蝶のさなぎ 優雅に飛ぶ蝶と言えばマダラ蝶と仲間だろう。アサギマダラ、オオゴマダラの飛び方は、はばたきが他の蝶に比べて遅く、日常の時の流れのせわしさを、ついつい忘れてしまう。うまく上昇気流を捕まえて高く舞い上がったり、低地を緩やかに飛んでヒヨドリバナに翅を休める様子に心和む。八重山諸島を旅した際のこの蝶の仲間の多さには感嘆したものだった。 さてこの蝶の仲間の飛ぶ姿を、私の故郷、諏訪でも見ることができた。諏訪市温泉植物園。残念ながら05年に閉園となり今は見ることが出来ない。地下500mから噴出する97℃の温泉熱を利用し、亜熱帯の花や蝶を育てていた。この植物園を訪れた際、生きている蝶を間近に撮影させて頂けました。 オオゴマダラをこんなにきれいに撮影できたんだ。リュウキュウアサギマダラも人を恐れることなくこんなに翅を拡げて・・。当時この植物園を管理していた皆様、改めてありがとうございました。 さてこのマダラチョウの蛹、おお!黄金の輝き!!。羽化したばかりの蝶とその蛹の抜け殻も一緒に写っている。抜け殻は透明。ほんとうに蝶の世界は神秘に満ちている。
2011.02.13
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ルーツ 北の雄姿、南の雄姿。同じカラスの仲間でも 少年時代のあこがれの蝶。ミヤマカラスアゲハ。カラスアゲハでも翅の内側に一際緑色の光沢を放つ。遠くから飛んでくるだけでその緑の魔力に引き込まれる。森の中に流れる川や湧き水に本当にこの翅は風景として映えるのだ。 所変わり石垣島。マングローブの吹通川をカヤックで探索中、横切る数々の蝶に魅了されたものです。そこでもカラスアゲハは緩やかに飛び、のんびりとした八重山の風土を感じさせた。標本は私は仕事で行けず、家内と子供達が採集に行った時のものです。 双方で輝きが全く異なる。カラスアゲハも色々だな。 ルーツは同じ系統なれど以外と離れている。 本当に身近にいる蝶は多彩だ。 注)系統図:八木、2003。月刊むし、NO386より
2011.02.05
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時空を越えて 昔の標本・今の標本 私にも蝶に夢中になった児童期があった。家の周りだけでなく両親に連れられて、森林や蓼科に年に1回くらい出かけた。その時の標本が今も実家に残る。一度関東に引越しの際、小さな子供のいる隣の家にあげたのだが、親が再び諏訪に住むことになった時、これは捨てられなかったと言われ実家に戻ったのである。 何とも拙い標本である。当時りっぱな標本箱など買うことができず、ワイシャツの箱にチョウを並べ、透明フィルムを箱に糊で貼ってある。ラベルを見ると42。そう、昭和42年。私が小学1年生の時である。この標本を撮影したのは2002年に家族を連れて帰省した際であるから、39年間の時空を越えて私と家族の前に晒されたわけである。自分で一生懸命に標本を作ったことを思い出す。親も一人でやらせることに価値を感じていたのだろう。りっぱな親だった。(あ、いや・・今も健在。客観的に今の私と比較してのこと) なつかしい。当時コムラサキは私には宝物だった。昭和42年8月6日、ラベルにおおだいら(大平)とあるが、御柱の木を切り出す国有林の入り口にあたる。親がいつ止まってもおかしくない中古車のブルーバードで連れて行ってくれた時のチョウだ。この標本で我が末娘がチョウに興味を持ち、我が家の標本作りが始まったのだった。(残念ながら今は休止中) 時は40年経ち、平成15年の8月13日。今度が私が家族を連れて、故障することはまずないノアでおおだいらへ出向く。末娘は小学2年生。コムラサキも採集。 なんとも標本がりっぱだ。親の手がかかりすぎなのがわかる(猛反省)。ラベルの字は娘のもの。おいなんか字はおれと似ているぞ。
2011.01.30
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光のざわめき 苦労して撮影した画像をもう一度みた 今、休日の朝。コーヒータイムなぅ。ブログを久しぶりに覗く。恐々覗き、2週間前に戻ってみると、お~結構楽しんでいたじゃん。と思い。ついでに昔娘の夏休み研究に付き合った時の燐粉も載せちゃえてなわけで、更新。あのときホームセンターで子供に買ってあげた顕微鏡で画像を撮影するのは苦労したよ。所属する会社の顕微鏡ならもっと楽なのにと閉口しながらやったわ。いろいろな角度からLEDを当て、接眼レンズ越しに直接デジカメで写真を撮影。ピントが合わないことで時間を費やした。でも光の角度で同じ白蝶も表情が変わる。チョウの魅力は飛ぶ止まるを、様々な角度で光が当たるから、その微妙な反射に僕らはひかれるのではと思ってしまうのです。
2011.01.22
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おやじの冬休み観察日誌のまとめ 観察からの夢は大人でも広がる う~む。久し振りに童心に戻ったように蝶に興味を持てた が素直な感想。この分野で詳しい人には当たり前のことでしょうが、私のような素人には燐粉観察は新鮮でした。もっと顕微鏡の高い機能や、接写距離が近くてもボケないカメラがあれば臨場感が表現できたのに、残念です。これ以上レベルを上げるには、費用が要すると思われます。それでも試みとしたブラックライトは、それなりに新鮮味がありました。 まとめてみると 1)覗いたチョウの燐粉はおおよそ50~120μmレベル。(マイク ロスコープの付属ソフトで確認しました。) 2)ブラックライトでの蛍光は一部のチョウに確認出来た。何れも白い燐粉に認められた。 3)その他: 観察日誌に載せていなかった蝶の中にブラックライトでオヤッと思った蝶を2つ載せて置きます。 1)シロオビアゲハ 我が家の標本の中で最も蛍光を発したのはこのチョウ。おやじが仕事、子供と母親のみが沖縄のチョウ採集の時のチョウ。同じシロでも目視では蛍光は確認出来なかった例としてスジグロチョウを添付しておきます。(オスメスの差は認められるかもしれない。やや上のオスのほうが青黒く見える気がする) 蛍光の有無より、白の燐粉も物質は異なることが分かる。シロオビアゲハの白い燐粉は何で出来ているのか知りたい、この色の魅力はディスプレイや装飾分野の方なら絶対興味を持つはず。2)キハゲハ 青い燐粉部分に着目。赤紫色に写っている。目視では何回も確認したがほとんど紫には見えなかった。携帯のカメラで撮ったらこの色であった。この部分の成分は近紫外線領域に対して顕著に反応または反射する物質の可能性が有る。この領域の波長での使用用途があれば面白いと思った。例えば生物観察などにマーキングと使用し、近紫外線下での挙動を観察するとか、紫外線と白色光を交互に当てて、青と紫を交互に移すパネルとか。(もちろん生産性、コスト、品質など全て無視した上での話です)大人の夢が広がった。 冬休みのおやじの観察日誌はこれで終り。仕事忙しく当面更新は期待できず。悪しからず。(ちなみに標本写真のラベルの汚い字は娘の小学生の時の字ですからねー) 参考とした資料 チョウはなぜ飛ぶか 日高敏隆著 岩波書店 ぷてろんワールド (ホームページの名前)
2011.01.04
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ストライプの俊敏選手を観察 進化の果てか祖先の名残か 標本にならなかったチョウの翅は、最後となりました。ハイ。あっ、ブログの名前も内容に合うように変えときました。 アオスジアゲハ 私の児童期を過ごした諏訪ではお目にかかれなかった憧れのチョウでした。ところがここ三河はいっくらでも飛んでいる。子供とチョウ採集に出かけるまでもなく、家の周りにたくさん飛んでいる。なんてたってすばしっこい。中年のオヤジをあざ笑うかのように振り回す網の開口を避けてしまう。やはり翅が胴の割りに小さいし、細い。まるでカービングスキーを身に着けたスポーツ選手のようだ。燐粉は青白い部分には無いとのこと。黒い部分は100μm程度でした。青白いところもあるような錯覚を感じましたので指でこすりましたがやはり黒い燐粉のみ落ちました。一番下の写真は付け根に近い部分の写真。見難いですが毛があります。見かけより翅の中央よりにまで毛があるように思えました。そもそも燐粉は体毛が進化して出来たとの説のようですが、このチョウ毛が残っているが、燐粉が無い部分もある。進化の果ての姿なのか祖先の名残の姿なのか不思議な気持ちです。
2011.01.03
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豹柄を覗いてみたら 北上するチョウの生態の謎 私の冬期休暇ももう半分。標本にならなかったチョウもあとわずか。そろそろこのテーマも尽きそうです。 今日は三角紙の片隅にわずかに残っていた翅の先端の観察結果を紹介します。なにせごく一部しか残っていなかったのでヒョウモンチョウだけれど何ヒョウモンだっけと、標本と照らし合わせた結果、ツマグロヒョウモンのオスと判明。スコープで捉えた画像を載せます。 ツマグロヒョウモン上がオス、下がメス。残っていた翅はオスの先端。燐粉は約70μmでした。黒の領域とオレンジの領域が分かれていますが、オレンジの色に濃い部分と薄い部分がありました。この微妙な色の配合がいかにもヒョウ柄に立体感を与えていたんだな。 ところでメスは毒をもつチョウ、カバマダラに擬態しているといわれています。ブラックランプで照らしてみました。先端の白に蛍光を感じました。浮き出て見えたこの白、天敵にどう見えるのでしょうね、興味が湧きます。 このチョウ、温暖化の影響で北上したとの説が有力ですが、バンジーを食べることから園芸ブームでの物流も相当影響したのではと思われます。ここ三河では街中でも平気で見られるようになりました。ちょっと恐ろしいくらいの繁殖力があるのかもしれません。この増加に私自身は少し脅威を感じています。その感覚を抱かせているのは、おそらくオスが近づいてくるチョウに突進する姿を見せるからだと思っています。本当に縄張り意識が強そうです。このチョウの生態、たぶん色々な方が調べておられるでしょうから、他のチョウが減少する種類の多い中、チョウと人間との生活の共存をどうすることが望ましいのか、一度お話を聞きたいものです。
2011.01.02
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越冬の生命力 小さな存在なれど明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。年初ですのでブログに思うことをまずは・・。そもそも私、ブログを開くこと自体できても、長続きさせることは短期集中の性格上無理ではと思っています。今記していること、それは一つは蝶への供養の思い。二つ目は自分自身、ものづくりの分野で生計を立てていて大切だと認識している、「観察・洞察・創造」のうちの「観察」を自分なりにまとめている訳でして・・。ですから他の方のような美しい自然の中での蝶の姿をここではお目にかかれません(写真の腕もないしなあ)。標本を人目に出して上げてこそ蝶が浮かばれ、また標本にすらならなかった蝶をミクロの目で見てあげる思いが強いのです。ハイ。ですから長くはブログは続かないと思いますので悪しからず。おやじの冬の自由研究もあと残りわずかかな・・。 今日は前回一部写真で取り上げたキチョウ。 キチョウ モンシロチョウよりもまだ小さいシロチョウの仲間。低いところを穏やかに飛ぶ。一見弱々しく感じるのだが、秋型は越冬する。春先ボロボロの翅で飛んでいるのを見ると、ああこいつは間違いなく冬を越したんだな、と分かる。凄いよねこの生命力。でも何故成虫の形で冬を越すの?他のチョウみたいに蛹で越せないの?誰か教えて下さい。(自分で調べんかい!) 燐粉は4年ほど前にこれまたホームセンターで安く買った、小学校の児童すら扱いにくい顕微鏡で撮影したもの。小さなLEDで照らしながらデジカメを接眼レンズ越しに苦労しながら撮りました。だからサイズは明確に出来ていません、がおおよそ50μmぐらいと思います。中に引きこまれて、菜の花畑よりさらに密な花畑の中の筋道を自分が歩いているような錯覚を覚えたよ。
2011.01.01
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白の魅力 ブラックライトに励起され 今、会社の冬期休暇中にこのようにブログに記している私。こりゃおやじの冬休み自由研究だな・・。それにしてもブログのタイトル名のいかにも哲学的と言うか文学的というか、聖人の説教みたいな言葉とは内容がかけ離れすぎている(^-^;)。何れどこかで繋がるのでしょうか?引いている人もいるでしょうから変えたほうがよいかな? 昆虫の類いは人では見ることができない紫外線領域の波長を色として識別できる。と知ったのは蝶網を振り回していた児童期でなく、45歳も越えた頃です。可視光では同じ白く見えるモンシロチョウが紫外光ではオスとメスの識別が容易らしい。それを思い出し思わずホームセンターに走っていた私。水銀ランプに惹かれつつもまずはブラックライト位で近紫外領域の波長でチョウを照らしてみようと思った。オスメスの識別は無理にしても、蛍光くらい確認してみよう~。と暗い部屋で標本を前に点灯。まああまり光らんな・・が実感。ただ、ワツと思ったのが、闇夜に白が浮き上がったようなモンキアゲハであった。モンキアゲハ日本国内では大きいチョウの一つ。小さい頃諏訪ではお目にかかれなかったチョウ。その姿は黄白の紋がくっきりしていて、悠然と飛ぶの感があります。私の近所では三河湾スカイラインでクサギの花などに群れています。スカイラインの道の山側に並行して飛んでいたり日陰に向うのか道を横切ったり、蝶道がありそうです。写真ではあまり蛍光分かりませんが、キチョウの写真も載せます。違いがわかるでしょー。蝶にはどう見えているのでしょうか?う~む落射蛍光顕微鏡で観たいなあ。 燐粉は100μm位でした。先端のぎざぎざがよく分かりました。黒字に白い花びら並べたようだなあ。ほんと綺麗だ。写真上の右端の部分、燐粉が無い。これって落ちたのそれとも、アオスジアゲハやアサギマダラのようにはじめから無いの?いくつも観察しないと分からないなあ。
2010.12.30
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休日にてじっくりと・・ マイクロスコープで覗いて蝶に魅せられのは飛び方や、綺麗な色合いなどありますが、羽ばたきや光の向きにより織りなす色の変化は、一瞬一瞬の命の尊さを解き放つかにも思うことがある。その現象は光の回折や反射なれども、自然の作り出した美だ。蝶にしてみれば求愛や、威嚇や、擬態なれど、この美を作り出している燐粉を観察してみたいと思った。 私はそもそも仕事にチョウに縁はないのですが、無機有機の製品を扱う上でミクロの世界を観察してきた一人。蝶のミクロを観察し、その機能面を洞察し、やがて創造に結び付られればなんて思うこともままある。されど、仕事で使用する顕微鏡や電子顕微鏡を使うわけにもいかず、少ない小遣いから1万円そこそこのマイクロスコープを取り寄せて、まずは覗いてみた。いずれもかつて翅(はね)がボロボロで標本に到らず日の目を見ることの無かったチョウだ。時間をかけて写真をUPできればと思います。が、所詮道具が安物。どこか公共で顕微鏡など借りられるところあれば教えてくださ~い。 カラスアゲハ名前のとおり黒字に緑や青色が点在する翅を持つ。少年時代、森の川に沿って歩いていて、飛んで近づいて来る姿は優美さとともに、まるで多少酔ったような揺れを伴っていてワクワクしたものです。 燐粉はおおよそ100μm。比較的四角形で、先端に大きなぎざぎざは感じられません。黒い燐粉の中に色のついた燐粉が一つ一つその青さや緑さを変え、しかも先端の色は明度、彩度が鮮やかでした。遠くからでもこれに魅せられたんだな。きっと。
2010.12.28
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三河に生息するチョウ 子供と一緒にチョウに接した時期を思い返してはじめに 近年、色々な環境問題と向き合う機会が増えている。その中で児童向けに自然や生き物との触れ合いを勧める活動は、将来の健全な環境を託す上でも重要な位置付けにある。 例えばビオトープのような、昆虫を身近に生息できる環境を作ることは、未来に向けて人間と他の生物の共生を目指すモデル例と思われる。 また、私たちの身近にいるチョウに関しても生息数減少を懸念し、色々な活動が各地で行われている。東海地方ではギフチョウの保護、育成が有名ですが、これも貴重な地球の種の財産を守ることの重要性を教える上で必要である 我々大人としては、子供達に多くの自然や生き物への興味を引く機会を与えることが必要となってくる。 その上で私自身たまたま数年前に我が子供と蝶にて興味を共有することができました。私としてはこの財産をどこかに残したいと思い、三河地方にどんなチョウが生息しているか、いくつかその生態をまとめてみました。きっかけは時空を超えた標本 9年前のことでした。夏の連休を利用し、諏訪の実家に家族で帰省した際、私の親が押入れの奥からひとつの古びた標本箱を出して来ました。それは、私が小学1年にこしらえたチョウの標本でした。モンシロチョウ、アゲハにまじり、アカタテハ、スジボソヤマキチョウ・・・。親は孫に見せたくゴソゴソと出してきたのですが、当時幼稚園年長の末娘が目をキラキラとさせて、「私も標本を作りたい」とつぶやきました。 身近な野山を巡り それ以来、我が家はチョウと深い係わりが続きました。昔取った杵柄とばかりうんちくを並べるおやじ(私)。チョウの美しさに魅せられ、卵からの飼育や標本までこなす家内。幼虫が葉をむしる姿を食い入るように観察したり、チョウの羽化の瞬間を見ようとして早朝にあわただしくおきる娘。これらは我が家の庭や周辺の野山を巡り、暇を見つけてはチョウ網を振り回した産物と言えます。見つけたチョウを幾つか紹介します。(1)ツマグロヒョウモン このチョウは小さい頃私の実家では見かけることのなかった蝶です。愛知でも、ここ15年くらい前から見られるようになったといわれています。今ではごく普通に愛知の町中で見つけることが出来ます。もともと紀伊半島以西に生息していたとされ、近年日本列島への北上が進んでいます。地球の温暖化が影響しているのでしょうか?本*1によると家庭で観賞用にさかんに栽培されるようになったパンジーを幼虫が食べるとのことで、全体数は増えていると思われます。メスの羽の先端には濃い紺色があり、その濃黄色とのコントラストが見事です。縄張り意識が強いのか、他の蝶が来ると、それめがけて猛進します。すずめに向かっても飛んでいます。私にはその奇怪な行動の理由がわかりません。だれか教えてください。*1 チョウと共に生きる 阿江 茂著 裳華房(2)ナガサキアゲハ 幡豆の山をうろついていたところ黒地の後ろ翅(はね)にきれいな白と朱色の斑点をもったチョウがふわりふわりと飛んでいました。思わず「ナガサキハゲハだ」と叫んでいました。このチョウもその名のとおり九州しかみられなかったチョウで、ここ数年で北上が進み、愛知でもみられるようになったそうです。農薬が散布されていないのか、たまたま幡豆の荒れたミカン畑にたくさん飛んでいました。ミカンの葉っぱを幼虫が食べることはアゲハと同じですし、幼虫の姿格好も良く似ていす。ただアゲハよりは人目につかないような山沿いで見ます。我が家では、卵から育成し、1頭羽化に成功しました。翅が徐々に開く様子は神秘的でした。もちろん標本にすることなく放しました。(3)ゴマダラチョウ 翅を伸ばしたまま木の上を旋回する姿はまるでツバメをチョウにしたような爽快さを感じます。しかも羽の黒と白のコントラストは凛とした威厳を併せ持ちます。 幼虫は榎の葉を好むので、神社や公園で植えられている榎の周辺でよく見られます。我が家はこのチョウを採集した際、三角紙の中に卵を産んだので、家内の実家より榎の小枝を拝借し飼育した結果、見事羽化しましたそのうちの1頭は何故か娘に懐き寄り添っていました。これは不思議な体験でした。(4)ウラギンシジミ シジミチョウといえば小さくて野原の草と同じ高さを飛んで‥といった光景を思い浮かべますが、このシジミは木の上をタテハチョウのように飛びます。体長約20mmとシジミにしては大型で、裏翅が銀色のため飛んでいる時は日を反射しきれいです。表羽の色が雄と雌で異なり、一対で並べてみると存在感が増します。 このチョウはチョウのまま越冬もします。私は秋も後半の11月、三河湾の佐久島の海つりセンターへ架かる橋の上で見つけました。海を渡るチョウにロマンを求めて (5)アサギマダラ 近年、殊に国内で有名になったのがアサギマダラである。 このチョウは春から夏にかけて北上し、夏から晩秋にかけて南下する渡りをするチョウだ。愛知で見つけたチョウが南大東島で発見された記録もある。(写真朝日新聞記事より) どうやってわかったかって? 実はこのチョウの生態を調べるためにチョウの翅に印をつけているんです。これをマーキングと呼んでいます。日本各地にこのチョウに興味を持っている人がおり、捕まえた際に細字のマジックで、場所と日付を明記します。 再びある人がそのチョウを捕まえてどこから飛んできたかがわかるのです。マジックで書けるのは翅の白い部分に燐粉が無いからであり、アゲハでは書けません。羽ばたきが遅く飛ぶ姿には温和さを感じます。どこに海を渡る力を秘めているのか不思議でたまりません。また燐粉の無い部分がやや透けているため、光の反射と透過を通して、飛んでいるとき微妙に色が変わりきれいです。10月上旬から11月上旬にかけて、愛知県内でも見ることができます。特に渥美半島から三河湾にかけての海から急に山になるような場所でヒヨドリバナのあるところに群れを成します。 私は8月に蓼科で、10月には知多半島の内海でこのチョウが群れを成しているのを見ました。2002、3年には家族で内海フォレストパークにてアサギマダラマーキングに参加しました。数多くの人がマーキングに参加しており、中には1日に100頭を超えてマークした人もいます。その人たちは片手にタオルを、片手にチョウ網をもってアサギマダラを捕まえています。不思議なことにタオルをグルグル回すとそれめがけてアサギマダラは飛んでくるのです。残念ながらフォレストパークは2003年に閉鎖され、行事としてのマーキングはなくなりました。このチョウに興味のあるかたは秋、知多半島や、三河湾、佐久島でマーキングされては如何でしょうか?あなたのマーキングしたチョウが海を越え、沖縄や台湾で見つかるかも知れません。私は海を渡る途中にどこでどのように羽を休めているのか興味を覚えます。チョウとの接し方に思う そのほか、モンキハゲハを三ヶ根山で、ジャコウアゲハの群れをそのふもとで見つけており、身近なところに色々なチョウがたくさんいます。 我が家では、4年間で三河、知多で計33種類のチョウを観察しました。最後に、チョウを採集する者にとって気にかかる点、それは捕獲することの行為である。保護を考えると捕獲することは相反するように思えます。 この点については色々な意見があるが、命の大切さを子に伝えた上で捕獲した場所、年月日を標本に付記することで、授かった命を無駄にしないように心がけました。ただ、絶対数が少ない品種に対しては、一匹のメスの捕獲が大きな悪影響を及ぼすとも言われおり、捕獲するのではなく保護することが必要となってきます。チョウを保護育成するために、身近な里山を維持してほしいと強く感じます。 大人になって再びチョウに魅せられるとは考えもしなかった自分が、大人だからこそ、子供とチョウとの共生について深く考えた期間でした。 その後、子供は中学生になり、チョウへの興味は失せましたがこれも成長過程としては仕方なき事かもしれません。しかし当時食い入るようにチョウを観察した事実と、自然に触れ合った記憶は何れ大人になる時その世代の子供達に伝わると信じている。
2010.12.18
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