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以前、このブログで紹介した太田昌孝・永井洋子編著の
「自閉症治療の到達点2 認知発達治療の実践マニュアル
~自閉症のStage別発達課題~」
という本ですが、ルイは6歳となり、この本における発達凸凹の療育は
終了段階まできました。(私的には。)
地域や役所の療育は、ルイは対象外扱いされて
2歳、3歳児の新規(?)の診断児が優先されたのもあり、
結局全く何も受けないまま、小学生になります。
なので、この本で、家庭で、適当に療育的な真似事をしていました。
毎日かぶりつきで見るような根気は私にはないので
さらっと流し読みして
日々、思いついた時に実践して
また、1、2か月たった頃に、課題の到達度をチェックして
「今度は空間認知をやってみよう」とか
「数字の概念を試してみよう」というような
ゆる~い療育方法を取ってました。
で、年末となったので、来年の年初め3か月で
残りの課題をやってみよう、と見直してたんですが・・・
ずいぶん、発達凹だった所が、伸びたなぁ・・・
としみじみ、感じています。
特に、運動協応面。
<視覚―運動協応・随意運動の発達を促す>のところは特に
随分長い間、めっためたなルイでした。
<ねらい>図や絵カード見本を見て、それと同じに作る。
という課題があるのですが・・・
簡単に言うけど、単純なものから、複雑なものへ段階的にできるようになるには
年少から今までかかりました。
途中、今年の初めから、「私だけのサポートじゃだめだ~効果ない~」と
ビジョントレーニングの力を借りたので
伸びが急速にグンと上がってくれましたが。
それまでは、究極の凹み具合でした。
ここの凹みがきついと、何に支障がでるかって・・・
この本によると
<留意点 年長児の場合、この課題は、将来の職業的技能や余暇の楽しみの基礎として重要である>
のです。
現実的に、集団生活で見られるケースとしては、
板書きができない
漢字を見て書けない
数字の6や9を間違え続ける(凹んでいる状態では形の把握力がないままなので)
積み木などの立体空間(隠れた部分)を把握できない
均等に物を分けられない
他人と自分の動作の違いに気がつかない(模倣困難の原因)
動作(運動)で鈍さにつながる
つまり、模倣ができないので「全員ルール」的なことが自然に身につかない、
学校のルーティーンも複雑になれば、追いつけない、
発言、給食、移動、タイミングなど全般的な部分でやや、集団生活で一人浮く、
テストの解答に時間がかかる、
または正確に書き込めず、消しては書き、を繰り返す
(思うように手先を使えない、正確に見たものを運動協応で書けないため)
体育や書き物、実験などで必要な繊細な動きがぎこちなくて困る、
などの将来的な困難に、どど~んとつながっていくことになるのですね。
こんなわずかな、視覚と協応運動に本当に些細な凹みがあるだけで
社会生活、集団生活での困難に結びつく・・・
非常に、ルイには「社会生活での困難を減らす」キーとなる分野でした。
「治療教育」という定義が、心理学にはあります。
一般的な教育方法では効果が十分期待できない
医学的、心理学的な治療手段を取り入れて、障害の軽減をめざした教育方法が
治療教育である。
発達を促すことで、本人に考える力と行動を調節する力、
社会に適応するためのスキルを身に着けていくこと。
というものです。
目標は、社会に出たときの心身の自立、精神的自立、経済的自立、社会的自立。
自力で学ぶ、自然と身に付く、ということが
機能的、感覚的な凹みや狂いから成し得ないタイプ
家庭でぼちぼちと療育していると
ものすごい、底辺で動いているようで、遠回りで果てしない感じがするけれど・・・
この本のめざすところは、結局のところ、正しいのだと感じるのです。
約1年、ビジョントレーニングも含めての療育で得た効果。
ルイの目の動きは、ぐるっと一回転するときに、一か所くくっと戻るぎこちなさがありました。
専門家に指摘されるまで気が付かない、本当に些細な、わずかなものでした。
ビジョントレーニングでそういった目の動きを滑らかにして
家では、ワークなどで楽しんで絵を切ったり選んだりして
バージョンアップしていくごとに
幼稚園での運動面も、ずいぶんと伸びていきました。
以前は、ボールを受ける時、目がボールの動きについていかず
ボールが落ちていく後を目がたどる感じ・・・
目の動きの方が、若干遅いのです。
そんなワンテンポずれた目と体の運動協応の凹がありましたが
今では、素早い目の動きが可能となり
ボールが上手に受けられるようになりました。
きれいに、まっすぐ投げられています。
急速に上手になったので、お友達や先生、みんながほめてくれました。
それに、細かい絵図の違いが、ぱっと見つけられるようになりました。
以前は、完璧、むり。把握すらできない。
どこを見たらいいの。
違いを探す以前に、「違いを見つけるとはどういうことか」が
目が動かない、神経がつながらない、コツがさっぱりわからない。
そんな風でした。
今では、ビジョントレーニングで試みる課題ほとんどが
満点に近い出来にまで成長しました。
板書も、ものすごくスローで
紙に書き込む場所が、まず、ずれる。
字の大小が目立ち、枠いっぱいか、はみ出す。
そんな字が、綺麗に迷いなく、すらすらと「書く場所の把握」ができるようになり
絵図も、きちんと特徴を把握して書き込むことができるようになりました。
しみじみ、「ものすごい凹み具合でも、成長するんだ~」と実感。
発達障害は障害だけど、促せば成長する。
その確固たる信念のもとに書かれているこの本。
今は、
<言葉の意味内容をふくらます>
<多側面からの質問への応答>など、会話面に取り組んでいます。
普通に、日常会話する中で、すこ~し気にかけて伸ばしていく部分。
<留意点 子どもは、質問をよく聞かずに思いこみで答えることが多い。
ちょっと間をとって子どもに考えるように促したり、パターン的な質問にならないように
気を付けたりする。>など、具体的に成長の幅を広げていきます。
その後、お金の概念と、時計、文字を書く、読むという部分を小学校1年生ぐらいでやれば
ルイの「認知発達」部分での療育は、最後になりそうです。
数字の概念は、この本の中のいくつか試しましたが
意外とすんなり2ケタ足し算まで理解したので、パパ似かな?
大丈夫そうです。
むしろ、実生活に非常に密接にかかわっている「時間の感覚・概念」が乏しい。
なので、ここを段階的に理解できるようにしていくプロセスは大いに利用しようと思います。
この本は、「ハウツーをそのままやってみたり
プログラムにむやみに入れるだけでは効果はない。
子どもの特徴を良く理解して、その子その子にあった部分、必要な部分だけを
楽しく、効果的に伸ばしていく」のが目的。
ルイは療育という意識を全くもたず、ゲームや遊びの感覚でやりました。
これから、「何をしたらいいかわからない」という同じ立場の保護者の方々には
こういう良書をぜひ利用して
地道に、気長に、だめそうな部分、障害部分でも「伸びる要因がある」と
先を、将来を楽しみにしていきましょう!と伝えたいものです。
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