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2006.12.01
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カテゴリ: 『デカローグ』
DEKALOG TRZY

DEKALOG 3_1.jpgDEKALOG 3_2.jpg


3『あるクリスマス・イヴに関する物語』

この『デカローグ』は1~10まで通して見る方が面白い(順番通りでなくてもいい)。そして次にはある作品から関連すると感じた別の作品をまた見たり、それを思いだしたり。キェシロフスキの他の作品をも含めて有機的な世界が広がります。

そしてこの『3』は、個別の完結した話として見るには、ボクはどうも弱い気がします。

(以下ネタバレ)
孤独な女エヴァが、かつての恋人ヤヌーシュとクリスマス・イヴを、嘘で固めた理由で過ごそうとする。男には妻子がいる。男はヤヌーシュにつきあうが、キェシロフスキの「これは責任ということについての作品である。」という言葉から理解するなら、男としてのかつての恋人への責任、そして今の不本意ながらも平穏で幸せな生活における妻や子供への責任、そういうことなのだろう。『偶然』第1話のヴェルネルの講演の言葉「期待を持って人生を始めるが、不本意に人生を終える」のように、ここでのヤヌーシュもそうだ。エヴァに指摘されるように、生活のためにタクシーの運転手をし、洗濯物を取り込んだりする平凡な家庭的夫たることにヤヌーシュは満足してはいない。『デカローグ7』でぬいぐるみの熊を作っている主人公マイカのかつての恋人もそうだ。人は偶然か必然の結果、誰も思い通りに人生をまっとうすることはできない。それでも生きていかなければならないというキェシロフスキのペシミズム。この話のエヴァもそうだろうが、彼女はどうして3年前に破局した男にこれほどまでに執着するのか。一夜の芝居に生命をも賭ける彼女の孤独はわかるが、執着の理由がはっきりと浮かび上がってはこない。『デカローグ5』も『デカローグ6』も、90分版の『殺人に関する短いフィルム』や『愛に関する短いフィルム』の方がやはり各人物の心理が明確に理解できる。60分にまとめるためにどのように編集がなされているかがわかる。その意味でこの『デカローグ3』ももう少し長い方が良かったのかも知れない。

最後に少しだけ描かれる控え目な妻の寂しさが印象に残った。

DEKALOG 3_4.jpgDEKALOG 3_3.jpg


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Last updated  2006.12.01 05:54:38
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