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2006.12.28
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カテゴリ: ヨーロッパ映画
LA COMMARE SECCA
Bernardo Bertolucci

00d.jpg

ベルナルド・ベルトルッチというとそれぞれ方にとって何の監督なんでしょうか。ボクにとっては『ラストタンゴ・イン・パリ』のベルトルッチなんですが、『ラストエンペラー』でしょうか、『シャンドライの恋』でしょうか。この作品はベルトルッチが21歳のときの最初の監督作品。原案はピエル・パオロ・パゾリーニです。ちなみにイタリア語の原題の意味はローマ方言で「死神」といった意味らしいです。英語訳の題はそういう意味で『Grim Reaper』になっています。

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物語はテヴェレ川の岸の橋の下で娼婦が殺害されているのが発見される。制作当時のローマの社会的下層の若者たちが描かれ、事件現場に近いパオリーノ公園で目撃された者たちが警察で尋問される。それぞれがその日の午後から夜にかけての行動を語り、それが映像で描かれる。アベックが抱き合っている間にハンドバック等を盗んでいた20才の青年、足を洗った前科者で今はヒモ、その日被害者と喧嘩をしていた男、2千リラを工面しようとしていた16~7才の少年、街をナンパしながら歩いていた兵士、等々。話が合うような合わないような。その日の夕方まだ明るいうちに激しい通り雨が降り、それぞれの話のその場面では雨に打たれるある窓が映り、その室内で目を覚まし、夜の出勤の準備をするある娼婦の様子が描かれ、これが巧みに語られる各自のストーリーを同じ日の同じ時刻に結び付けている。

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ある事件についてそれぞれが違った物語を語り、そのそれが映像で描かれる点で、1950年公開の黒澤明の『羅生門』のエピゴーネン(亜流)として批判する向きもあるようだ。ベルトルッチ自身は当時『羅生門』は見ていなかったと言っているようだが、その真偽はともかく、ローマの若者や娼婦たち何人かの1日をオムニバス風に描いているとも言え、そのように見るとそれぞれがよく出来ていて面白い。弱冠21歳の初監督作品であるとは思えないほどの立派な出来だ。警察での尋問風景は椅子に座った参考人を斜め前から写し、声だけで警官の姿は登場させないやり方なども巧みだ。

最後は雰囲気的にこの時代のイタリア映画らしいと言えるのかな・・・。

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Last updated  2006.12.30 07:47:24
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