ラッコの映画生活

ラッコの映画生活

PR

Calendar

Comments

Jeraldanact@ Проститутки метро Электросила Брат замминистра инфраструктуры Украины…
SdvillkeS@ ИнтерЛабСервис [url=https://chimmed.ru/ ]brueggemannal…
hydraGes@ Новая ссылка на гидру v3 новый сайт гидры v3 <a href=https://hydraruzpnew4afonion…
間違い@ Re:『沈黙の行方』トム・マクローリン監督(米・加2001)(02/21) 姉ではなく、妹です。 なので、弟ではなく…
RogerEQ@ Это вам будет по вкусу разработка сайтов веб сервис - <a hr…

Profile

racquo

racquo

Favorite Blog

コイケランド koike1970さん
Kabu + Plus エースNo1さん
行きかふ人も又 はる **さん
Nobubuのbu… Nobubuさん

Keyword Search

▼キーワード検索

2007.06.21
XML
カテゴリ: フランス映画
LOVERS

99min

*0.jpg

寸評:愛と自由の関係を描いた辛辣な人間観察の物語。製作費は480万フラン程度で、普通の映画の約1/5の予算でも立派な映画が作れるという見本。

*1.jpg

以前エロディ・ブシェーズとジャン=マルク・バールが出演した 『日曜日の恋人たち』 という作品を見て、エロディ・ブシェーズの別の出演作を見てみたくての鑑賞。共演だったジャン=マルク・バールが監督してます。この作品はフランス映画なのにタイトルは英語で『LOVERS』。パリが舞台ですが主人公の男性がユーゴスラビア人という設定でフランス語があまり話せず、フランス人の恋人と主に英語で会話をする。だからタイトルも英語にしたのでしょうか。それを受けて日本語タイトルも『ラヴァーズ』なのかも知れませんが『LOVERS』でないのはかえって中途半端ですね。「愛し合う2人」くらいが適当かも知れません。

*2.jpg

と言うわけで、愛の物語、あるいは愛の自由の物語、更に愛と社会の物語でしょうか。フランスに不法滞在のユーゴスラビア人男性の画家とフランス人女性の恋の物語です。多少 ネタバレになりますが書いてしまえば 、男がビザ切れ不法滞在を見つかって国外退去を命じられる。でも2人は愛し合っているのでそのまま隠れて一緒の暮らしを続けます。2人の心には常に再度見つかって強制国外追放になって別れなければならないかも知れないという不安がある。その意味では愛し合う男女の愛と社会制度の対立の物語であることは確かです。別の言い方をすると2人はそれぞれ社会を背負って存在する個人だということです。そしてそれはここではフランスという社会を背負った彼女と、ユーゴスラビアという社会を背負った彼の、フランスという社会の中での自由や拘束なんですが、ボクの印象としては、たとえフランス人同志であってもやはりそれぞれ何らかの社会を背負っているという意味で、もっと普遍的なものを描いていると感じました。例えば男性であることと女性であることで既に背負っているものが違っていて、必然的対立の可能性があるということです。

*3.jpg

以下完全ネタバレ
結局ユーゴスラビア男性は警察に見つかって強制送還になり、2人は別れなければならなくなります。彼が連行され、残された彼女はアパルトマンの階段を呆然と昇ってゆき、それは手持ちカメラでずっと追われ、5分くらいの長い一続きのシークエンスで、彼女の喪失感がひしひしと伝わってくる見事な演技&カメラです。でも見終わって思うのは、もし本当に2人が別れ難く結びつき、愛し合っているならば、一緒になる方策はあるわけです。たとえば正当な手続を踏んで彼女がユーゴスラビアに行き、彼と結婚するとか。でもそういう希望的ラストではない。社会制度に拘束されて2人は別れなければならないのではなく、実はそれぞれが背負う社会(別の言い方をすれば自分自身で自分を拘束している思い込み、更に言い換えればアイデンティティー)から自由になって愛を成就することが出来ないということなのだと思います。障害を克服して純愛を成就するハッピーエンドのラブストーリーはたくさんあり、そして夢物語としてそれはそれで良いのですが、実はこの映画のような見方の方がより我々人間の現実を直視しているように思います。2人が ほ ん と う に 自 分 からは自由になれないという辛辣な人間考察だと思います。

*4.jpg




監督別作品リストはここから
アイウエオ順作品リストはここから
映画に関する雑文リストはここから





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.07.26 18:59:43
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: