ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

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Nov 7, 2022
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長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト​

​15周年に胡蝶蘭の鉢植えを頂きました​

15周年の胡蝶蘭鉢植え
​​​症例報告​

ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:大鹿内科①リアシアナ②アーチスト③コンスタン④アムロジピン⑤タケキャブ⑥ハルシオン。物忘れ、被害妄想を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし、⑥その他  両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:1、として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶2/6と軽度低下していた。認知機能低下にタケキャブ中止、フェルガード100M粒2錠1日2回朝夕食前を勧めた。デイサービスではBP110-120mmHgと過降圧状態、被害妄想のため問題行動が出ており、アムロジピン5mgから2.5mgへ減量した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+1)、近時記憶2/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.9,TCL162,Zn68以外異状なし。VitB1=27,VitB12=303,葉酸=7.0。被害妄想は軽減したが、BP120-130mmHgが続いておりアムロジピン2.5mgから中止した。ビタミンB12低下症に対してメコバラミン0.5mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:24.5/30(+2.5)、近時記憶6/6(+4)と中等度改善、上記周辺症状はすべて改善した。
​治療のポイント
1. 妄想に対する治療
高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。

親戚からの紹介である。既往歴:子宮癌。乳癌。統合失調症、北林病院~桜ヶ丘メンタルクリニック①コントミン75㎎②レキソタン6mg③アキネトン2㎎④ルーラン8㎎⑤レンドルミン0.25㎎。末永医院①テノーミン25mg②ブロプレス8mg③ネキシウム10mg。物忘れ、昼間傾向、認知機能乱高下、語義失語、振戦、小刻み歩行、左>右歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他  脳室拡大。以上から、レビースコア:5.5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。子宮癌、乳癌、統合失調症に対してグルテンフリー・カゼインフリー指導を行った。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+13)、近時記憶6/6(+5)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:TCL174,TG213,Hb10.6,Zn78以外異状なし。VitB1=29,VitB12=468,葉酸=4.8。
治療のポイント
1.自閉症スペクトラム障害(ASD)の高齢化に伴うレビー小体型認知症(DLB)
ASDの高齢化に伴うDLBの症状がある場合には、興奮性DLBを呈します。幻視、幻聴、夜間大声、夜間せん妄、夜間不眠にインチュニブ0.5-1mgを投与します。インチュニブは眠気、血圧低下を伴い、過敏な五感を低下させる作用があります。内服後、6-12時間後に血中濃度がピークになるため夕食後に内服します。徐放製剤のため半錠投与する場合は血中濃度ピークが早くなることが考えられるため注意が必要です。この方は統合失調症と診断されて向精神薬が処方されており、落ち着いたためインチュニブ投与回避しました。

インターネット検索で来院された。既往歴:二宮整形外科①レンドルミン。物忘れ、幻視、幻聴、夜間大声、暴言、昼間傾眠、夜間不眠、夜間せん妄、徘徊、尿便失禁、病識欠如、高度難聴、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他   両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7/9、改訂長谷川式:6/30、近時記憶0/6と高度低下していた。幻視、幻聴、夜間大声、夜間せん妄、夜間不眠にインチュニブ1mgを開始した。夜間不眠にロゼレム4mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:7/30(+1)、近時記憶1/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mg、夜間排尿3-5回にベオーパ50mgを開始した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TG212,Hb11.8,Zn64以外異状なし。VitB1=19,VitB12=234,葉酸=3.2。
​治療のポイント​
1.自閉症スペクトラム障害(ASD)の高齢化に伴うレビー小体型認知症(DLB)
ASDの高齢化に伴うDLBの症状がある場合には、興奮性DLBを呈します。幻視、幻聴、夜間大声、夜間せん妄、夜間不眠にインチュニブ0.5-1mgを投与します。インチュニブは眠気、血圧低下を伴い、過敏な五感を低下させる作用があります。内服後、6-12時間後に血中濃度がピークになるため夕食後に内服します。徐放製剤のため半錠投与する場合は血中濃度ピークが早くなることが考えられるため注意が必要です。
2.ビタミンB12低下症
ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。

ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:子宮筋腫。上飯田第一クリニック老年精神科①サアミオン10mg②ノイロビタン(ビタミンB1・B2・B6・B12配合剤)1錠③クレストール2.5mg④ドネペジル3㎎⑤ブロプレス2mg⑥フォリアミン5mg。物忘れ、易興奮、甘い物好き、薬物過敏を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他  両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:2、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。易興奮のためドネペジル3mg/ノイロビタン1錠/フォリアミン5mg中止、サアミオン10mgから5mgへ減量、認知機能低下にクレストール2.5mg/ブロプレス2mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠開始、 脳梗塞にプレタール50mg(変更不可)開始、ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:24.5/30(+2.5)、近時記憶5/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.6,TIBC244,Hb11.3,Zn65以外異状なし。VitB1=116,VitB12=776,葉酸=1215。
​治療のポイント​
1.抗認知症薬による興奮症状(陽性症状)がある場合一旦中止
アリセプト5m/アリナミンF(ビタミンB1)25mgは暴言、暴力などの興奮症状(陽性症状)がある場合には即刻中止すべきです。陽性症状が消失して無気力、無言、鬱状態などの(陰性症状)が出た場合には少量から再開するか、興奮性の少ない抗認知症薬であるリバスタッチまたはレミニールを少量から開始するようにします。
2. フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療
フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。
3. ビタミンB1過剰症
ビタミンB1過剰症は興奮性または多動になり転倒のリスクが高まります。代謝亢進のためるい痩が進行します。興奮、多動、るい痩の見られる患者にビタミンB1(アリナミンF/ビタノイリン/ビタメジン/ノイロビタンなど)が処方されている場合は即刻中止します。
4.葉酸過剰症
葉酸過剰症は興奮性があることに加えて、細胞増殖作用があるため癌既往歴のある方には危険です。興奮、癌既往歴がある場合は葉酸(フォリアミン)が処方されている場合は即刻中止します。
5. スタチン中止

ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:東名古屋病院消化器内科①フオイパン600mg②ムコスタ300mg③フェブリク10mg④アリナミンF50mg。物忘れ、昼間傾眠、るい痩を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgとサアミオン10mgを開始した。るい痩のため過剰投与であるアリナミンF(ビタミンB1)50mg中止を指示した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+4)、近時記憶5/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。亜鉛欠乏症にプロマック75mg、ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.2,γGTP343,TCL114,ALP265,AMY180,TIBC219,Hb9.2,Zn43以外異状なし。VitB1=184,VitB12=291,葉酸=5.8。
​治療のポイント​
1.プレタール先発品:認知症改善効果
シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。
2. ビタミンB1過剰症
ビタミンB1過剰症は興奮性または多動になり転倒のリスクが高まります。代謝亢進のためるい痩が進行します。興奮、多動、るい痩の見られる患者にビタミンB1(アリナミンF/ビタノイリン/ビタメジン/ノイロビタンなど)が処方されている場合は即刻中止します。





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Last updated  Jun 18, 2023 04:04:59 PM
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