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チャレンジドバンクとインクルージョン・ハブは、
それぞれ同じ課題意識からボトムアップで開始されたものだ。
いずれも、同行人事部ダイバーシティ推進室が担当し、
「障がいの有無によらず、一人ひとりが尊重し支え合い、
ともに活躍できるインクルーシブな職場・社会」
を目指して取り組んでいる。
チャレンジドバンクは、社外向けのサービスで、
障がいのある従業員の採用、適性に合う業務の調整、
定着のコンサルティングが主な内容となる。
同行内に設けたサテライトオフィスで、
安定勤務や雇用企業の業務の習得を支援するとともに、
サービスを利用する企業に対しても雇用ノウハウを提供し、
障がいのある従業員の活躍を推進できるよう支援する。
同事業は、同行内の新規事業創出プログラム
「Spark X 2023」
でグランプリを受賞したアイデアを実現したもの。
事業発案者で同行人事部ダイバーシティ推進室調査役の森信一氏は、
「障がいのある従業員のスキルアップを支援するだけでなく、
企業側もサポートすることで、
障がいのある従業員の戦力化を目指し、
両者の育成を支援しているのが特徴」
と説明する。
2024年11月より実証を開始し、
その結果を踏まえてこの4月から
正式なサービスとして提供を開始している。
チャレンジドバンクの概要は以下だ。
同サービスを利用する企業が雇用した障がいのある従業員は、
まず、チャレンジドバンク内に設けられたサテライトオフィスで、
雇用企業で行われている実際の業務を習得しつつ、
安定就労とスキルアップ支援を受ける。
スキルアップ支援では、実際の業務や、
経理で使う知識(簿記や決算書の基礎)
習得の支援を実施する。
安定就労などを確認した後、
1~3年をめどに雇用企業の各部署に配属することを目標とする(図1)。
その期間中、利用企業の管理者に対し、
障がい特性や配慮に関する知識、
追加業務の相談や定着支援の方法について、
サテライトオフィス内でレクチャーしている。
なお、実証期間中、
1年間の育成期間を経て雇用企業本体の部署への
正式配属に至ったケースが既にあり、
現在のサービス利用企業は6社である。
MUFGグループ会社への同サービス提供も計画中だ。
一方、インクルージョン・ハブは、
チャレンジドバンクの社内版に近い。
これは、人事部内に設けられたチームで、
同行が雇用した障がいのある従業員の最初の配属先の一つとなる。
行員2人が支援員として、
インクルージョン・ハブに配属された
障がいのある従業員の業務習得やスキルアップ、
安定就労をサポートする。
加えて、配属予定先の部署に対しても、
業務調整から採用、定着支援などを実施し、
受け入れ体制の整備を支援する(図2)。
1~3年後には、正式配属となることを目指し、
毎年10人程度の新規採用を計画している。
インクルージョン・ハブを経由するという助走期間を設けるのは、
メガバンクでは初の試みとしている。
なお、インクルージョン・ハブではまず嘱託社員として採用し、
配属後、働き方などを見て正社員登用もあるとのこと。
同行ダイバーシティ推進室調査役の高橋佐知氏は、
インクルージョン・ハブを設けた理由の一つとして
「障がい者雇用率が法定雇用率を上回っていたこともあり、
三菱UFJ銀行本体での障がい者枠での
採用実績がなかった期間があった。
その間に、求職者の属性が大きく変わった」
点を挙げる。
同行では、以前は身体障がいの雇用が中心だったため、
近年、急増している精神障がいのある従業員の
採用・定着支援の体制が整っていなかったとみられる。
そのような背景から、インクルージョン・ハブが、
障がいのある従業員に加え、配属予定部署も支援する体制を整えた。
「配属予定部署の安心を作るのも、大きな役割」
と同行ダイバーシティ推進室調査役の吉田早範氏は説明する。
インクルージョン・ハブとして求人を出すため、
同ハブのサポートを受けるかどうかは、
求職者本人の希望次第となる。
「ハブで受けられるサポートを希望しないなどの場合は、
インクルージョン・ハブを経由せず、
直接各部署に配属する採用も続けている」
と高橋氏。
障がいのある人の就労準備性を高めることを目的に、
就労移行支援事業所などの福祉サービスが存在するが、
「模擬業務では見えないこともある。
実際に働いている中で
見えてくる適性のある業務や
必要な配慮を明らかにすることで、
配属部署でスムーズに
業務を担えるように伴走していきたい」
と高橋氏。
ゆくゆくは、各部署が障がいのある従業員の活躍を
自然な形で引き出せるようになることを目指したいという。
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