女鮎釣り師熊野路紀行
インターネットで各地の鮎情報を見ても、一部の人は爆釣しているものの、私達凡人にも釣れる川はなさそうだ。
そんななか、鈴鹿市の坂下さんから「和歌山県の熊野川敷屋大橋の下辺りが釣れているから、お母さんを連れて行って来たら?」と、ありがたい電話を頂いた。
これは行くしかないと8月20日、今年から鮎釣りを始めた常滑市の松本吉美さんを含む4人で出発。
女だけの気ままな鮎釣り&温泉一泊旅行の始まりだ。
途中、敷屋大橋をのぞくとすでに数人の釣り人が入っていて、私達の入れるスキはなさそうだ。
谷口理髪店でオトリと日券を購入し、美人の奥さんのお勧めの請川の出合いに入ることにした。
遅い出発だったので、川に入ったのはお昼過ぎ。
それぞれ好きな場所に入り、さぁ戦闘開始だ。
自分の腕は棚に上げて「今日のオトリは元気がないから」とか「水が少ない」とか、口だけは一人前以上。
みんな意欲だけは十分だが、なかなか釣果につながらず、しばらくは我慢の釣りに。
またボウズかとあきらめかけたところ、一人が小さいが元気な野鮎をゲット。
一気に緊張した空気が流れ、みんな真剣に目印を追う。
一人、また一人とタモを構えて抜きの態勢を取って行く。
引き抜きの苦手なみんなだが、鮎が小さいのでカッコよくタモに収まり、気分は最高だった。
二時間くらいの間に12センチ~20センチと小ぶりながら、10~30数匹づつ釣ってご満悦。
空が薄暗くなる頃まで、夢中で熊野川の野鮎ちゃん達にたっぷり遊んでもらった。
当日の宿、湯の峰温泉やまねのおかみさんも到着が遅いので心配されていた。
ここは庭の池にオトリを生かしておいてもらえるので便利だ。
のんびり温泉に入って鮎釣り談義。
この温泉は入ってよし、飲んでよし、朝飯の温泉粥は絶品だ。
72歳の母は「鮎釣りに来ると気分爽快、元気が出る。ますます長生きしそう」と言う。
鮎釣り一年生の松本さんは「みんなといろいろな所に行けるのが嬉しい。人生の楽しみが増えた」とのこと。
遊び疲れ、しゃべり疲れて早めの就寝となった。
翌日は敷屋大橋を目指した。
パラパラと掛かるが、前日の勢いはない。
型も満足できるものではなかった。
もう釣りきられてしまったのだと、早めに帰路に就いた。
しばらく走ると敷屋大橋を発見して、今まで釣っていた所が違う場所だったと判明して愕然。
最後はとんだおとぼけの大違いだったが、楽しく有意義な2日間の鮎釣り旅行になった。
この川を管轄する熊野川漁協は、北山川と熊野川下流域を除く支流が同じ券で入川できるとのこと。
まだ10月いっぱいは釣り人の絶えない川、もう一度行ってみたい。