漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

　　　　　　　　　　　　　　　紫煙のゆらぎ・千載一枚





世界のアイドル、グスティ・アユ・スリ・ユリアティが僕の帰国３日後に結婚した。
世界のネットも劇場の観客も大騒ぎ。妹のビダニ曰く、親父がボロボロにショックしてる。

３姫１太郎のアジィに、子孫は吾が有にあらず、君は蝉の抜け殻である。

蝉は７年の間地中を這いずり在る夜地上の木にしがみ付き、痛み苦しんで背を割る。
淡い緑の蝉は数時間後黒く色を変え、新しい命の為に抜け殻に別れを告げ飛び去ってゆく。

君は、３人の世界的アイドルを育てた。

しかし、アジィの悩みは下降婚。

下から２番目のウエシァから最下級のスードラへと階級が落ちることに耐えられない。

自分の中で苦しまず家族と親友とで、ビールをスプライトで割って飲みつつ食事と励ます会をし、
２日泊り込んでイロイロだった。

さて、前回ユドヨノ大統領の弔問により、
取り決めるべく臨もうとしたBALI映像集世界発信の契約を捕り逃し、
今回もまた運悪く、チョコルダ大王の弟が州知事選挙に立候補した為、
連日ヘリで空飛び回る彼が奇跡的に会見に応じてくれ、
VIDEO製作と契約に応じるとの言質を得た。

北の王宮バレルーン劇場、ティルタ・サリとグンタブアナ・サリのブロマイド販売も同様に許可を得て製作を始めている。

士気は高まり安定剤を持ち込まなかったのが残念だったが、千載一枚の撮影にこれ等全てが結実したのだ。 　

　「紅蓮の Yuliati」

くだんの彼女は約束の時間を３時間すっぽかして未来の夫と共にやって来たのが夕日の直前。

ハッセルのPlannar.80mmをPENTAX67改の開放で
1/4～1/8秒の手持ちは辛いので、アンダー覚悟の1/15秒。暗くてピントは不明。

色調は無茶苦茶のはずだが、行けっ！奇跡が微笑んだ。千枚に１枚・抽象のバランスと色調が表現されたと自負する。

そして、今はもうUBUD３大美女の２人が居なくなった。

14年通えば12才だったユリアティも26才。医科大通学中自称22才の妹ビダニは卒業まで後4年は家に残っていると言ってはいるが……。

北の王宮の王妃Keiko Mamdera さんは

「新しいチョンドンの女性を紹介するから、バリへとどまる事を考えて貰えませんか」

とまで言ってくれた。でも、僕はすでに「若紫」を見定めている。

それは３才８ケ月の少女、ルナ。

ルナは必ずユリアティやビダニを超えるチョンドンに羽化する。

と僕の芸術性が確信している。

日本と世界中でこれらプロジェクトが動き始めている。　　

That is the difficult question ! 　　　　　　　　　　　　　　　　　

写心家　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　玉地 俊雄