漫画家・写真家玉地俊雄紫煙のゆらぎ

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2008.08.18

　　　　　　　　　　　　　　　　勲章をくっ付けたおじさん

　　　　　　　　　　　　　紫煙のゆらぎ・インディペンデンスデェイ

インドネシア総領事公邸は質素な一軒家だが、大阪市長公邸よりはるかにアットホームで、
山の坂道が緑に囲まれて別天地のようだった。

８月１７日はインドネシア共和国６３回目の独立記念日だ。

いつもの友人たち。
文化情報部女史、のビタニかとみまごうクバヤ姿。

彼女は

大丈夫ちゃんとしてるでしょ。
靴は愛用の登山靴だけど。

似顔絵ありがとうと言う、見知らぬ忘れたおばさん。
たくさん描いたもんな。

懐かしいアヤムカリ。
正体不明のテンプラ。
不思議なお菓子。
デワワルンでよく見かけるしやきしゃきセンベェ。
ウブドを思い出す。

ガルーダインドネシア航空の新支店長。
なんとかいう石油会社の人は、生産量を消費量が超えているのに日本へ支店を出している。

ひときわおなかの大きい大きいおじさんと仲良くなった。
領事館の若い職員に日本式のおいでおいでをするので、何故、
インタァーナショナルのカムヒァをしないのかと聞いたら、
目下の者にはインタァーナショナルのゴーアウェイという日本式手招きをする。

ファーザァーがチィルドレンに日本式手招きをして呼ぶ。

そのおじさんの名詞は当然のように無い。
名前も忘れた。

独立記念式典で１人壇上に上がり、大声で宣言文のようなものを読み、
インドネシアの赤と白の国旗を箱から出して若者に渡していた。

たしか、総領事代行とか言っていた。

いつもの知らぬが玉ちゃんである。

玉地さん写真。

そういわれるままであったがまぁいいやの世界である。
勲章が３つもくっついているのもまぁいいや。

独立記念式典は荘厳である。

日本には何故独立記念日が無いのだろう。

インドネシアの人々は国旗を愛し、国歌インドネシアラヤを愛し、
民族の誇りと統一の喜びを表している。

領事館という国家機関であることは了解の上だがうらやましく思う。

マンダラケイコさんにバリ島でのこの日の事を聞いてみよう。

紀元節。

金鳩上がって１５銭
栄えある光３０銭
今こそ来たるこの値上げ
紀元は２.６００年
嗚呼１億の民は泣く

ちょっと違うかもしれないがこんな歌が流行った事があった。

紀元２.６００年は昭和１６年。

富士重工業の元会社、中島飛行機が零式艦上戦闘機・ゼロ戦を完成させ、
択捉島のヒトカップ湾に、巨人アメリカと戦争しても勝てないと言い続け、
連合艦隊司令長官と言う、死に場所へ、大満州国関東軍参謀から、
阿片・オピューム・ヘロインの利益を独り占めして、
首相にまで成上がった東条英機に敵対し、飛ばされた山本五十六が、
ハワイへ赤城・加賀・蒼龍・飛龍・瑞鶴・翔鶴の、
大日本帝国海軍の持つ空母部隊の全てと供に出航したのに、
アメリカはハワイのパールハーバーからアメリカ空母部隊の２隻を移動させた。

アメリカは知っていた。

しかし、リメンバーパールハーバーの宣伝の合言葉の為に、
戦艦ネバダたちを差し出して待ち受けていた。

僕はそう確信する。

帝国海軍軍楽隊の演奏する軍艦行進曲分速７８回転のＳＰもある。

大本営発表、帝国陸海軍は本８日未明、西太平洋上において米英と戦闘状態に入れり！

また軍艦行進曲が鳴り響く。

はっきり聴き覚えがあるが、僕は１９４８年産の人間であるからお間違い無きよう。

最初の大本営発表だった。

一億の民は泣き。

アジアの人々は恐怖の４年間を強いられた。

アメリカ公文書館の記録にアクセスすれば全部掲載されている、
大日本帝国と、関東軍と阿片とその莫大な利権争い。

ソ満国境の悲劇の前に、シベリア鉄道に戦車を積み始めたとたんの関東軍の行動、
原参謀が処分したものすごい量の阿片の金が何処へ行ったのか。

国策飼い犬嘘つき隠蔽腰抜け放送局は、
三木武吉と自由党と民主党の処へは踏み込まなかった。

報道の真髄から逸脱した卑劣な逃げ腰だった。

見て損した。

しかし、アヘン戦争という史実の通り、世界中の植民地支配国が、地球人を蝕み、
悲劇の阿片屈の為に、血マナコになっていた時代があった事は知っておいて欲しい。

畢竟
日本には何故独立記念日が無いのだろう。

インドネシア総領事公邸でつくづくそう感じた。

勲章は嫌いだが、総領事代行は素敵な人だった。

つくづく恥ずかしい。

社団法人日本漫画家協会会員・参与

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　玉地俊雄

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