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「な、何の真似だね、それは…。おい、気は確かか…」老人の声がうわずり、椅子が激しくきしむような音が上がった。違法電波から聞こえてきた生々しい“殺人現場”の音。「狩り」に出た盗聴器ハンターが都会の夜でとらえたものとは?今が“旬”の気鋭が送る初めての短編集。表題作ほか秀作ミステリ4編。
盗聴
アラ、珍しい真保裕一の短編集。
先日猫の行方不明中に気持ちを紛らわそうと読んだ本なんですが
気もそぞろだったためか真保裕一独特の甘さのためか
いまいち読後のスッキリしない
本でした。
それぞれの短編はちゃんと結末があるので、結末が曖昧な
気持ち悪さ、ではないのだけれど。
たとえば2編目の『再会』。
主人公の妻が、実は学生時代違う女性を好きだった主人公を手に入れるために
女性の叔父を殺害し女性一家を引越しさせるよう企んだものの、
主人公と結婚した後学生時代の友人たちが集まることになり
発覚を恐れ自殺した・・・のかも?
というストーリー。
いくら主人公を好きでもそこまでするかぁ?
妻は最初から最後まで昏睡中でストーリーの外にいるためか
どれだけ妻が主人公を 病的
に愛していたのかがイマイチ伝わってこない。
そのためかなんだか不自然なストーリーになってしまっているのが残念。
不自然。
そう、 全体に不自然
なんですよねぇ、この本。
一応ミステリなんですけれど、動機とか背景とかが。
違和感が残るというか。
最後の短編『私に向かない職業』は他のものとは違って
ハードボイルド・ショートショート
風。
ほかのものもこのくらいすっきりしていれば読後感も違ったのかもしれないなぁ。
そっか、内容が少々暗いし登場人物の感情が濃い割りに短編というにはやや長い
話になっているのがいけないのかも。
それでも各ストーリー、読み始めたら止まらない臨場感は流石真保裕一。
(嫌いな作家ではないので最後にほめてみた)
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