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2014.05.14
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カテゴリ: 産婦人科医療
産科医等確保支援事業
産科医不足が叫ばれて久しいが、それを受けて厚労省が数年前に起ち上げた事業である。お産の担い手の待遇をよくする目的ということだ。

「もしあなたの病院が産婦人科勤務医を引き留めておきたいのなら、出産に関わった医師にインセンティブとして分娩1件につき1万円を支給しなさい。そのうち1/3は国が補助します。残り2/3は自治体が各々の予算に応じて面倒みて下さい」というものである。実質、自治体からの補助は予算の厳しいところではゼロだそうだ。ということは、1万円のうち7千円近くは病院が自腹を切ることになる。
福井県の場合は自治体が4千円程度の補助で、病院の負担は3千円程度らしい。

主旨はわかるが、どうもねえ・・・ 例えば月に20件出産に立ち会えば、20万円の収入増だが、その程度で産科を離れることを思いとどまるとは思えない。というかそういう問題じゃないんだよな。


昨日の会合では、福井県の産婦人科施設の中でこの制度を利用しているところは1施設だけであった。その1施設もこの制度の利用を早くやめたいと言っている。
なぜ利用されないかというと、一つはこの制度自体が全く周知されていなくて、病院も勤務医もほとんど知らない(私も知らなかった)こと、もう一つは手続きがあまりに煩雑過ぎて、忙しい診療の中ではとても事務処理に手が回らず、わずな補助のために県の職員が頻回に監査に来たり痛くもない腹を探られたりするので病院としてはやってられないからもうやめた、あるいは今後やめたいということだった。

まあ、役人が考えることはこの程度なんだろうと思う。おそらく事務的手続きに要する人件費の方がこのわずかばかりの歩合給の補助よりも高くついていることが予想できる。


そんな大して役に立たない制度を作っている一方で、今春の帝王切開手術料金の9.1%減!

大して甘くないアメを押しつけられながら首を締められているようなものだ。





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Last updated  2016.09.30 15:53:39 コメントを書く
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