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2015.05.09
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カテゴリ: 突発性難聴体験記
以下は治癒しなかった患者のグチと思って読んでもらえればいいのですが・・・

大学病院に入院していると交代で毎日耳鼻科医の回診が有る。「どうですか調子は?」みたいな感じで始まり、私の方からは症状の変化や質問などをするのだが、どの医師も突発性難聴という病気に興味を持っているようには思えなかった。こっちから質問しても食いついてくれる医師は一人もいなかった。diplacusisのことを知っている医師もいなかった。ましてや周波数認知のズレが最終的にどうなっていくのかや聴覚補充現象がいつまで続くのかなど誰も知らないし興味が無いようだった。
大学病院だからどうしても頭頚部悪性腫瘍のような手術対象となる疾患に興味が偏っているということもあるのだろう。

結局突発性難聴は「やることやっても治るやつは治るし治らんやつは治らん」というのが前提にあるのだろう。だから切迫感が無いし、患者の訴えから何かを得ようとする気持ちも湧かないのだと思う。
治らないなりに患者のQOLを上げるといった考えは少なくとも微塵も感じられなかった。正直、「これでは20年以上治療が進歩しないはずだな」と思った。

前日の日記で書いた、入院患者が他院で高圧酸素治療を受けられないシステムにしても、耳鼻科医側から厚労省に訴えていかないと状況は変わらない。厚労省の役人は治療の現場のことを知らないからである。しかし耳鼻科医側に熱意が無ければどうしようもない。

もしこのブログを読んでおられる方の中に耳鼻科の先生がおられたら、是非反論なりしていただければ幸いです。

まあ、グチばかり書いているとネガティブ思考になってしまうのでこのへんにして、今の自分の生活状況を・・・

現在は仕事に完全復帰している。仕事の上で会話に不自由するといったことはほとんど無いが、疲れが溜まると聴覚補充現象による音の響きと耳鳴りが強くなってくる。


突発性難聴の体験記が書かれたブログは本当にたくさんあって、みなさん症状や経過は様々だ。そんな中で、私なんかはまだ充分に幸運な方だったと言うべきだろう。治療は思ったほど効果は無かったが、「悪くなるのを食い止めてくれた」と考えれば、今の状態は感謝すべき状態だ。
右側から話しかけられると声が響いてつらいが、周囲が騒がしくなければ聴き取ることは充分にできる。発症当初からめまいが無かったのも幸運だった。他の方のブログをみるとめまいで長く苦しんでおられる方も多くおられる。

最初は、「なんで私がこんな目に会わないけないのか?」と運命を恨んだが、どんな不幸もいつ誰に起こるかわからないものだ。私の同級生の中にはもっともっと重い病気になって苦しんでいる者もいれば、すでに病気で亡くなった者も何人かいる。

まだ充分に受け入れることができたとは言えないが、ともかく仕事ができて左右アンバランスながら両耳で音が聴けることに感謝して、与えられた条件の中でポジティブに考えることにしよう。

楽しいことも考えなければ。

まずは音楽を聴く環境を整えることにした。もちろん大音量で聴くことなどできないが、悪くなった耳でもよりよく聴ける工夫は必要だ。

まずはiphone。音楽を聴くために左右でイコライジングを個別に調整できる便利なアプリを探し当てた。たった360円!
イコライザー.jpg
これをインストールし、右側の1000ヘルツを中心に15db程度持ち上げ、両側の4000ヘルツ付近を10db程度持ち上げて、オージオグラムの落ち込んでいる部分を補正するような設定にした。しかし右側の1000ヘルツ付近を無理に持ち上げると音割れが目立ってしまう。
突発性難聴は単に聴こえが悪くなるのではなく、聴こえの質も低下しているのだ。最終的に8〜9db程度上げてやるのがベストだとわかった。
周波数認知のズレがあるそのあたりを強調することで、右耳のピッチのずれが顕在化しないかと心配したが、不思議と違和感なく音楽を聴ける。この状態でヘッドフォンで音楽を聴くと、全く右の耳が悪いことがわからないくらいだ。カーステレオでもこうして調整したiphoneからの音楽を流している。

次に自宅のオーディオ環境。自宅で音楽を聴くときは、DTMで演奏や録音をする関係からパソコン(itune)→オーディオインターフェース→ミキサー→オーディオアンプ→スピーカーという接続になっている。ミキサーのおかげで左右のチャンネルに別個にイコライジングができる。幸い中音域は250〜5000ヘルツの可変式になっているので、調整しやすかった。スピーカーの位置もできるだけ左右の音が混じらないよう、部屋の(せまい部屋だが)両端に置いた。

一般的にヘッドフォンで音楽を聴くのは耳に良くないといわれているが、今の自分には適正な小さめのボリュームにしてヘッドフォンで聴いた方が耳に優しい。

後はギターをどうするかだなあ・・・エレキギターをアンプを通さずに弾いたときの音量を測定したところ、大体60〜70db前後。まあ、力一杯コードを弾くとその瞬間だけ85dbぐらいになってしまうが、加減してやっていけば耳に障らない範囲で練習はできる。しかし今後ギターアンプのスイッチをONにできるような日が来るだろうか・・・
少なくとも今年いっぱいはライブハウスに足を運ぶことはできないだろう。
まあ、何もデカい音を出さなくても熱い音楽はできるはずだ。アンプラグドという道もある。とにかく残された聴力を大事にしながら音楽にしがみついていこう。





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Last updated  2015.05.09 20:02:39
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