振とう機屋

失力

晴れ渡った空を見上げ漂う雲を眺めていると羨ましく思うことがある枯葉が池に漂うのを見てものんきに思えることがあるしかし雲も枯葉も風がなければ優雅に動くことはできない自らに力を持たないからだ人も自らの力を失い動きが取れない時が在るそれを傍から見れば優雅だののんきだの羨ましく思われるかもしれないしかし自らの力で動きたいと強く思ってもその力が手足に伝わらず前に進むことも後退することも出来ずじたばたともがき苦しんでいることがあるいくら風が吹き動いていても動いているという自覚が持てないただただ力を失ったことに恐怖を感じているからだもしそんなことが自らの身に起きてしまったら他人になんと思われようとも風に吹かれて漂ってみるのも一つだろうそんなに世の中甘くないと！と言う人も居るかもしれんしかしそんなに世の中厳しくもないまたいつか自力で動けるようになったら水面に浮かぶ水鳥の様に自らの力で優雅に泳いで行けば良いその時は水面下で必死に脚を動かせ傍目にそれを感じさせずに誇らしく