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1.美しい惑星状星雲と言われるクリスタルボール星雲 おうし座の端っこにある惑星状星雲であるクリスタルボール星雲(NGC1514)を撮影してみました。その青い輝きから「クリスタルボール星雲」の愛称があります。通常の撮影では面白くないので、フィルターを変化させての撮影を行ってみました。 使用した機材や、撮影条件は次の通りです。 ・撮影日時:2024/11/3 ・撮影場所:南関東市街地・自宅庭 ・鏡筒:TSA-120 + x1.5ED エクステンダー(最終 f=1,480mm) ・カメラ:ASi533MC Pro (Gain: 250, 冷却:-10℃) ・露光時間:180秒 ・赤道儀:ZWO AM5 ・フィルター:なし、2" Kenko ASTRO LPR Type2、Optolong L-eXtreme、L-Ultimate ・ガイドスコープ:SVBony 口径40mmガイド鏡(f=160mm) ・ガイドカメラ:ASi120MM Mini ・マウント制御:ASiair Plus 撮影の様子は、下の動画にもまとめています。 クリスタルボール星雲の撮影(写真をクリックすると動画へ飛びます) 2.フィルターの変えてのクリスタルボール星雲の撮影結果 撮影に使用するフィルターには何が良いのかが不明だったので、フィルターをいろいろ試してみました。 フィルターなしも含めて、共通の条件で撮影を行いました。露光時間3分(180秒)で10フレームを撮影した結果が下の写真です。 フィルターなしでの撮影では、星雲の写りは悪い結果だった。 フィルターなし 公害カットフィルター(Kenko ASTRO LPR Type2)では撮影は可能であったが、解像度は良くない結果であった。 光害カットフィルター L-eXtremeフィルターでの撮影では、鮮明な星雲像が得られた。 デュアルナローバンドフィルター:L-eXtreme L-Ultimateフィルターでの撮影では、L-eXtremeよりも優れた像を期待していましたが、同程度の画像が得られた。色合いなどを含めた全体の写り具合は、L-eXtremeの方が優れている感じもした。 デュアルナローバンドフィルター:L-Ultimate 3.クリスタルボール星雲の最終画像 L-Ultimateフィルター、露光時間:180秒、20フレームを画像処理した結果を下に示します。 クリスタルボール星雲の最終画像 撮影日:2024/11/3 撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:TAKAHASHI TSA-120 + x1.5ED エクステンダー (final f=1,480mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi533MC Pro (Gain: 250、冷却:-10℃)。フィルター:2" Optolong L-Ultimate。ガイド鏡:SVBony 口径40mmガイド鏡(f=160mm)。オートガイド:ASiair Plusを使用。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。180秒露光で合計20コマ撮影。ダーク:5コマ、フラット:20コマ、バイアス:50コマ。画像処理:20コマのライトフレームをPixInsightで処理(FBPP, ABE, CC, HT, NXT, BXT)。 撮影フレームが20コマでは、ノイズの多い画像しか得られませんでした。次回はコマ数を増やしたい。 4.あとがき 1.久々に美しい輝きを持った星雲を見ることができました。今回は時間不足でQBPフィルターでの撮影はできなかったのが心残りです。機会をみてアップデートする予定です。2.最終画像は20フレームと少ないフレームからの画像処理だったので、次回はもっと総露光時間を増やしでの画像を取得したいと思っています。
November 16, 2024
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1.F3.9鏡筒とL-Ultimateフィルターでダイオウイカに挑戦 9月に続き、10月も前線の停滞により関東地方は曇り空が続いています。ナローバンドフィルターのOIIIとHαフィルターでダイオウイカ星雲の撮影を続行していますが、長期間の冗長な撮影に飽き飽きしてしまっています。そんな中、たまにはカラー撮影がしてみたいと思い立ち、明るい鏡筒を使い、L-Ultimateフィルターでダイオウイカが釣れるのか、を試してみることにしました。 使用した機材や、撮影条件は次の通りです。 ・撮影日時:2024/10/2, 10/10, 10/12 ・撮影場所:南関東市街地・自宅庭 ・鏡筒:Askar FRA400 + 専用レデューサー(最終 f=280mm, F=3.9) ・カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 200, 冷却:0℃) ・露光時間:420秒 ・赤道儀:ZWO AM5 ・フィルター:2" Optolong L-Ultimate ・ガイドスコープ:Skywatcher Evoguide 50ED(f=240mm) ・ガイドカメラ:ASi120MM Mini ・マウント制御:ASiair Plus 使用した機材 2.L-Ultimateフィルターでのダイオウイカ撮影結果 ネットではL-Ultimateフィルターでダイオウイカが写るのではないか、という記載が多くあります。しかし、実際に撮影結果に巡り会えたことは一度もありません。Sh2-240:スパゲッティ星雲は撮影できていますが、ダイオウイカはフィフティ・フィフティと予想。 露光時間7分(420秒)で3日かけて75フレーム(総露光時間:8時間45分)の結果が下の写真です。 L-Ultimateフィルターで撮影したダイオウイカ星雲 撮影日:2024/10/2, 10, 12 撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 + 専用レデューサー ( f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 200、冷却:0℃)。フィルター:2インチ Optolong L-Ultimate。ガイド鏡:Skywatcher EVOGuide 50ED(f=240mm)。オートガイド:ASiair Plusを使用。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。420秒露光で合計75コマ撮影。画像処理:75コマのライトフレームをPixInsightで処理(FBPP, ABE, HT, NXT)。 ダイオウイカ星雲は8時間45分の撮影でかすかに写っている程度でした。この結果からL-Ultimateフィルターを使っても、市街地での撮影は無理のようです。 3.あとがき 残念ながら、L-Ultimateではダイオウイカ星雲の姿を明確に見ることは出来ませんでした。このままでは、つまらないので同じ鏡筒でOIIIフィルターを使って撮影したダイオウイカとL-Ultimateの画像を合体してみました。 下の画像は、同じ鏡筒:FRA400+専用レデューサーでOIIIフィルターを装着してのモノクロ撮影の画像です。 同じ鏡筒でOIIIフィルターとAsi294MM Proで撮影したダイオウイカ星雲 撮影日:2024/10/20 撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 + 専用レデューサー ( f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MM Pro (Gain: 250、冷却:-10℃)。フィルター:SVBONY OIIIフィルター (2”, 5nm)。ガイド鏡:Skywatcher EVOGuide 50ED(f=240mm)。オートガイド:ASiair Plusを使用。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。420秒露光で合計46コマ撮影 (総露光時間:5時間22分)。画像処理:46コマのライトフレームをPixInsightで処理(FBPP, ABE, HT, NXT)。 上のOIIIフィルターでの画像をUltimateフィルターの画像とをPixInsightのStarAlignmentを使って星の位置を同期させ、OIII画像のStarless画像とPixelMathを使って合体させた。OIII 画像は、カメラがASi294MM Proであり、Ultimate画像は、カメラがASi2600MC Proと異なるカメラでの画像でしたが、StarAlignment処理は、異なるカメラでも正常に処理できた。 L-Ultimateで撮影した画像とOIIIで撮影した画像を合体 撮影日:2024/10/2, 10, 12, 20。 撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 + 専用レデューサー ( f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:L-Ultimateフィルターの場合、ASi2600MC Pro (Gain: 200、冷却:0℃)。カメラ:OIIIフィルターの場合、ASi294MM Pro(Gain:250、冷却:-10℃)。画像の合体:PixInsightにて実行(StarAlign, StarNet2, PixelMath (計算式:Ultimate +0.5*OIII)。
October 25, 2024
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1.ダイオウイカ釣りに挑む 9月に入り曇り空が続きます。そんな中、無謀にもダイオウイカ星雲の撮影に挑戦してみることにしました。挑戦と言っても 1)淡い対象と言われているがどの程度の淡さなのか、2)画角はどの程度になるのか、などの当たりを付けるための予備撮影です。撮影はまだ完了していませんので、途中までの報告になります。 ダイオウイカ星雲は非常に淡いと言われているので、明るく、集光力の高い Quattro 150P + 専用レデューサー(最終焦点距離 f=518mm, F=3.45)の鏡筒を使うことにしました。焦点距離が大きいので、ダイオウイカ星雲が画角にきちんと収まるかも予備撮影の目的でもあります。 使用した機材や、撮影条件は次の通りです。 ・撮影日時:2024/9/6, 7, 20 ・撮影場所:南関東市街地・自宅庭 ・鏡筒:SkyWatcher Quattro 150P + 専用レデューサー(最終 f=518mm) ・カメラ:ASi294MM Pro (Gain: 300, 冷却:0℃) ・露光時間:420秒 ・赤道儀:ZWO AM5 ・フィルター:SVBONY OIII (5nm) ・ガイドスコープ:SVBONY SV165(f=120mm) ・ガイドカメラ:ASi120MM Mini ・マウント制御:ASiair Plus 使用した機材 2.総露光時間と釣果の関係 3日間の撮影で得られたライトフレームを、総露光時間の違いによってダイオウイカの姿がどの程度異なるかを調べたのが下の写真です。写真は、かなり強調しています。 総露光時間に違いによるダイオウイカの解像度 10時間くらいの露光が必要であることがわかりました。 3.約13時間露光でのダイオウイカの画像 3日間での撮影を画像処理したものが下の写真です。 OIIIフィルターでのダイオウイカ星雲 撮影日:2024/9/6, 7, 20 撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Quattro 150P + 専用レデューサー ( f=518mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MM Pro (Gain: 300、冷却:0℃)。フィルター:2インチ SVBONY OIII (5nm)。ガイド鏡:SVBony SV165(f=120mm)。オートガイド:ASiair Plusを使用。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。420秒露光で合計113コマ撮影。画像処理:113コマのライトフレームをPixInsightで処理(FBPP, ABE, HT, NXT, BXT)。 4.あとがき 1.何とかダイオウイカの姿を見ることができました。やはり淡くて10時間くらいの露光が必要であることがわかりました。2.ASi294MM Pro を使う場合、焦点距離が500mmの鏡筒ではダイオウイカ星雲の全体像を捉えるのは難しいこともわかりました。焦点距離は、150-250mmくらいが良さそうです。
September 29, 2024
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1.SkyMAX180でM99銀河をライブスタック 記事が空いてしまいました。理由は想定外の手術入院のためです。2か月前、雨の日のゴミ出しの際、滑って転んで頭を打ちました。自覚症状は何もありませんでしたが、念のために近くのクリニックでCT検査をしたのですが、医師の検査結果は緊急な状況ではないとの診断で胸を撫でおろしたところでした。家族の者が会計を終えた直後救急車で近隣の基幹病院に運ばれ、いきなり頭の手術です。病院との間で入院手術の同意を交わしたこともありませんでした。不可解で理不尽な手続きと手術で、退院後もずっと頭がモヤモヤしています。 7月、8月の間、天候や上記の理由で撮影は出来ていませんので、これまでに撮影したものの整理を含めて、今回は、M99のライブスタックと処理画像をアップしました。そして長焦点(焦点距離=2,700mm)ならでのプレートソルビングの不安定さを解決するひとつの手法について経験談を記します。 ライブスタックと画像処理、および長焦点でのプレートソルビングを成功に導く手法について下の動画にまとめています。 M99のライブスタック動画【写真クリックで動画へゆきます】 使用した機材や、撮影条件は下の通りです。 使用した機材・条件 2.長焦点でのプレートソルビングの不安定さの解決法について Asiairを使ってプレートソルビングをする際、長焦点(2,700mm)の鏡筒を使うと、撮影対象周辺の星が少なかったり、暗い星だったりするとプレートソルビングに失敗することがあります。その際は次のような対処をしていました。 1.露光時間を10秒から20秒に伸ばす 2.ゲインを200から300に増やす 3.何度も「Retry」を繰り返す しかし、今回は「Retry」を繰り返してもプレートソルビングがうまくゆきません。 プレートソルビングの失敗 最後の手段として明るい星のアークトゥルスを導入した後、アライメントを実行してから再度M99のプレートソルビングを実行してみました。 アークトゥルスの導入はプレートソルビングを実行すれば成功しますが、ときどき最後までソルビングが進行せず中途半端に終わる場合があります。中途半端に終わっても大概の場合、ど真ん中でなくともカメラの視野に入っています。ど真ん中でない場合、方向キーを使ってカメラの真ん中に持ってゆきます。 明るいアークトゥルスの導入 明るい星がど真ん中に導入できたら、Sky-Atlasをクリックします。 アークトゥルスの導入後のSky-Atlasの立ち上げ 次に「Sync」をクリックしてアライメントを実行する準備をします。 Syncをクリック 「Sync」をクリックしてアライメントを完了します。 Syncの実行 そしてM99のプレートソルビングを実行しますと成功します。 M99のプレートソルビングの成功 3.M99銀河の最終画像 合計25 コマのライトフレームを使って画像処理を行いました。今回もスタック処理はPixInsightのFBPPを使いました。 M99銀河最終画像 撮影日:2024/6/19。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:SkyMAX180 ( f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。極軸合わせ用ガイド鏡:EVOGuide 50EDII(f=240mm)+ ASi120MM Mini。オートガイド:アストロストリート製オフアキシスガイダー + ASi220MM Mini。極軸合わせ、オートガイド、ライブスタック共にASiair Plusを使用。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。300秒露光で25コマ撮影。画像処理:25コマのライトフレームをPixInsightで処理(FBPP, ABE, ColorCalibration, HT, NXT, BXT)。 4.あとがき 1.M99銀河の撮影も子午線反転後の西に傾いた条件での撮影であったためか、解像度があまり宜しくない結果となりました。ライブスタックでは8回目のスタックの途中でオフアキシスガイドのガイド星を見失ってしまい7回のスタックで終了せざるを得なくなった。M99、M109、M100と中途半端な撮影に終わってしまいましたが、来期はこの経験を活かしてより良い撮影をしたいと思っています。2.7月の悪天候と入院と静養で撮影が出来ないまま2か月が経過しました。これまで入院の経験がないのでショックが後を引いています。9月になれば撮影などの気力が回復すれば、と念じています。
August 29, 2024
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1.SkyMAX180でM109銀河をライブスタック 今回のお題は、マイナーな銀河ですが迫力ある姿をしているM109銀河です。なぜか真空掃除機(Vaccum cleaner)銀河という名前が付いています。鏡筒は口径18㎝のマクストフカセグレンのSkyMAX180を使っています。いつも通り、ライブスタックを楽しみ、自動保存されてゆくライトフレームを翌日画像処理する、いつものパターンです。オフアキシスガイドでの撮影ですが、ガイド星は簡単に見つかりました。天頂から西に傾いた位置から撮影を開始し、300秒露光で3時間余り経つと西に沈み過ぎているためか不鮮明なぼんやりとした像になってしまいます。 ライブスタックと画像処理の様子は下の動画にまとめています。 M109のライブスタック動画【写真クリックで動画へゆきます】 使用した機材や、撮影条件は下の通りです。 使用した機材・条件 2.オフアキシスガイドとライブスタックの様子 M109銀河では、オフアキシスガイド星はガイドカメラをゆっくりと回転させることにより比較的簡単に見つかった。 ただちにオードガイドのキャリブレーションを実行し、ガイド精度を見てガイド精度は、おおむね 0.5秒 付近を維持できていた。 オフアキシスガイドの様子 下の写真は、ライブスタックが順調に進行しているときのスナップです。 ライブスタックの様子 3.M109銀河の最終画像 合計42 コマのライトフレームを使って画像処理を行いました。撮影終盤時のM109銀河の高度はかなり低くなっていたせいなのか、ライトフレームの画像のノイズが多く、WBPPのスタックにおいて3コマくらいの脱落フレームが出た。今回もスタック処理はてFBPPを使った。 M109銀河最終画像 撮影日:2024/5/29, 6/12。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:SkyMAX180 ( f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。極軸合わせ用ガイド鏡:EVOGuide 50EDII(f=240mm)+ ASi120MM Mini。オートガイド:アストロストリート製オフアキシスガイダー + ASi220MM Mini。極軸合わせ、オートガイド、ライブスタック共にASiair Plusを使用。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。300秒露光で42コマ撮影。画像処理:42コマのライトフレームをPixInsightで処理(FBPP, ABE, ColorCalibration, HT, Star Reduction, NXT, BXT)。 4.あとがき 1.暑い日が続きます。昨年ほどではありませんが雨の少ない梅雨でした。雨が少ないので菜園のトマトは写真のとおり大豊作です。大玉トマトは、桃太郎と大型福寿、ミニトマトはフルティカ赤とフルティカ黄を例年育てています。ピーマンは4年前からカインズホームセンターの苗を使い始めて、例年大きく大量の収穫が続いています。本年初めての白ナスも大きく育ってくれました。高級ハンペンのような柔らかい食感を楽しんでいます。 2024/7/24菜園の収穫物2.7月に入り撮影は一度も出来ていません。6月29日以来ご無沙汰しております。しばらくは、撮りためて整理できていないSkyMAX180のライブスタックの記事をまとめることにします。3.最近話題の兵庫県の県庁、そのおぞましい人事権の乱用と職場モラルの破滅状況はひどいものです。戦前の軍国主義そのものが組織の中にまかり通っています。現役の頃の民間人事課の理不尽な二枚舌人事を思い出しました。その当時有休の取得率が芳しくないので人事課が盛んに有休を取りましょうとキャンペーンを張っていました。ところが、ある人が優秀で実績を挙げているので評価を上げるように人事に折衝したところ、有休を限度近く取得しているのでケシカランと断られました。このように表と裏の二枚舌人事がまかり通る世界は理不尽そのものです。公益通報者を犯人捜しの如く突き止め、パソコン内の個人情報を公開すると脅しをかけ続け、生きる心をコッパみじんに砕いて生きる望みを失くさせる兵庫県庁の人事裁定などの一連の処置、およびそれに共振する職場風土は日本の人事実態を如実に表しており、かなり悪質な犯罪になると思っています。
July 27, 2024
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1.SkyMAX180でM100をライブスタック 今回も口径18㎝のマクストフカセグレン鏡筒のSkyMAX180を使ってのM100のライブスタックと画像処理のはなしです。M100は、端正な渦巻銀河であり、以前より撮影してみたいと思っていた対象のひとつでした。今回のトライは3回目のトライであって、過去はオフアキシスガイドでのガイド星が見つからず失敗の連続でした。今回は、時間の余裕があったので、時間をかけて主鏡をマニュアルで少しづつ動かして、ガイド星を探してみました。すると見事にガイドに適した星を見つけることが出来、ライブスタックと撮影を実行することができました。 ガイド星のサーチやライブスタックと画像処理の様子は下の動画にまとめています。 M100のライブスタック動画【写真クリックで動画へゆきます】 使用した機材や、撮影条件は下の通りです。 使用した機材・条件 2.ガイド星を探す M100は、焦点距離2,700mmではガイド星がなかなか見つからなかった。通常、ガイドの星が見つからない場合は、ガイドカメラを回転させるとガイド星が見つかることが多いが、M100の場合は、どうしても見つからなかった。 ガイドカメラのモニター(ガイド星が無い) 過去2回のトライでは、主鏡をASIAirの方向キーで少しづつ動かしてガイド星を探したがダメであった。今回は、時間に余裕があったので、腰を据えて主鏡を動かしてみた。 ASIAirの方向キーで主鏡を動かしている画面 M100をプレートソルビングした後、方向キーで主鏡を右側と下側方向に動かして、やっと下の写真のようにガイド星が見つかりました。 ガイド星が見つかった時の画面 ただちにオードガイドのキャリブレーションを実行し、ガイド精度を見てみた。ガイド精度は、おおむね 0.5秒 付近を維持できていた。 オフアキシスガイドの様子 3.M100:ミラー銀河の最終画像 合計16 コマのライトフレームを使って画像処理を行いました。撮影時のM100の高度が低くなっていたせいなのか、ライトフレームの画像のノイズが多く、WBPPのスタックにおいて6コマくらいの脱落者が出た。今回、初めてFBPPを使ってみたが、脱落コマはWBPPより少なかった。尚、ASiDeepStackやDSSではスタックが出来なかった。画像の質が良くないようであった。 M100:ミラー銀河最終画像 撮影日:2024/6/29。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:SkyMAX180 ( f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。極軸合わせ用ガイド鏡:EVOGuide 50EDII(f=240mm)+ ASi120MM Mini。オートガイド:アストロストリート製オフアキシスガイダー + ASi220MM Mini。極軸合わせ、オートガイド、ライブスタック共にASiair Plusを使用。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。300秒露光で16コマ撮影。画像処理:16コマのライトフレームをPixInsightで処理(FBPP, ABE, ColorCalibration, HT, NXT, BXT)。 4.あとがき 1.3回目の挑戦で、やっとオフアキシスガイドのガイド星が見つかり、無事M100の撮影ができた。しかし、M100は西に傾きかけた低高度の状態であり、ライブスタック映像やライトフレームの画像の質はあまり良いものではありませんでした。また、来年高度が高い季節に再挑戦したいと思っています。2.今回、PixInsightで画像処理をしようとすると多くのアップデート項目があったので指示に従いアップデートを実行した。いつもの様に画像を処理をしていると、次の致命的なエラーが発生した。 1)ScriptのStarReductionにおいてStarNet2が効かなくなっていた。 2)BlurXTerminatorをいつものように実行するとエラーが出て実行できない。 いずれもPixInsight本体のアップデートによる関連アプリの欠落によるものらしい。StarNet2を再インストールし、BlurXTerminatorのbinフォルダーある tensorflow.dll を新たにダウンロードしたdllを上書きし、さらにtensorflow.libをペーストすることにより回復した。いろいろなアプリを総合して使うPixInsight、ここにきてそのデメリットを経験することとなりました。安定的に使えているときは、むやみにアップデートしない方がよいのかも。
July 8, 2024
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1.SkyMAX180で黒眼銀河:M64をライブスタック 星の少ない今の時期、天頂付近に目立って輝くアークトゥルス近辺のかみのけ座にある黒眼銀河:M64をマクストフ18cmでライブスタックしてみました。M63と同様に渦巻銀河ながら星雲と暗黒帯が混在する独特の風貌がどこまで見られるかがキーポイントです。露光時間は300秒。この銀河もオフアキシスのガイド星は何もしなくても楽に見つかりました。 使用した鏡筒:SkyMAX180 ライブスタックと画像処理の様子は下の動画にまとめています。 黒眼:M64のライブスタック動画【写真クリックで動画へゆきます】 使用した機材や、撮影条件は下の通りです。 使用した機材・条件 2.M64:黒眼銀河の最終画像 合計30コマのライトフレームを使って画像処理を行いました。 M64:黒眼銀河最終画像 撮影日:2024/5/17。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:SkyMAX180 ( f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。極軸合わせ用ガイド鏡:EVOGuide 50EDII(f=240mm)+ ASi120MM Mini。オートガイド:アストロストリート製オフアキシスガイダー + ASi220MM Mini。極軸合わせ、オートガイド、ライブスタック共にASiair Plusを使用。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。300秒露光で30コマ撮影。画像処理:30コマのライトフレームをPixInsightで処理(WBPP, ABE, ColorCalibration, HT, NXT, BXT)。 3.あとがき 1.M64の銀河の特徴は、黒眼の部分をどれだけ解像できるかがポイントでしたが、今回の撮影で黒眼の部分にモヤモヤした星雲と暗黒帯が混在していることが撮影でき満足しています。この黒眼の部分と周囲に広がる白い雲のような部分、何とお互いが逆の方向に回転しているとか。前回はりょうけん座のM63を撮影しましたが、このかみのけ座と隣り合わせるりょうけん座付近は、太陽系がある天の川から遠く離れており、多くの銀河が観測される場所であるそうです。2.ASiairのアップデートで起動時の煩雑さが解消してホットしていましたが、今度はGPSの位置情報が起動時にこれまでとは異なった値になっていることに気づきました。操作ミスをしたのかと思いきや、またもやバージョン2.1.4のバグだったようです。何だかZWO社に踊らされている感じがしないでもない複雑な思いを抱くようになってきました。アプリの改善はいいことですが、安定したバージョンを安心してゆったりと使うことが出来るオプションもあっても良いのではないだろうかと、思う次第です。
June 17, 2024
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1.SkyMAX180でひまわり銀河:M63をライブスタック 今回は、ひまわり銀河:M63をマクストフ18cmでライブスタックしてみました。渦巻銀河ながら星雲と暗黒帯が混在する独特の風貌がどこまで見られるかがキーポイントです。露光時間は300秒。この銀河もオフアキシスのガイド星は何もしなくても楽に見つかりました。 使用した鏡筒:SkyMAX180 ライブスタックの様子は下の動画にまとめています。 ひまわり銀河:M63のライブスタック動画【写真クリックで動画へゆきます】 使用した機材や、撮影条件は下の通り。 使用した機材・条件 2.オフアキシスガイドの様子 オフアキシスガイドのカメラは1/1.8インチのASi220MM Miniを使っています。ASiair上でのガイドカメラが下の写真。星が矢印のとおり2個見えています。 ガイド星 ASiairのガイド条件は下のとおりに設定しています。 ASiairのガイド設定画面 3.M63:ひまわり銀河の最終画像 ライブスタックは、11回のスタックで終了しましたが、別の日に12コマのライトフレームを撮影し、合計23コマのライトフレームを使って画像処理を行いました。 ライトフレーム23フレームからのM63:ひまわり銀河最終画像 撮影日:2024/5/11,17。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:SkyMAX180 ( f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。極軸合わせ用ガイド鏡:EVOGuide 50EDII(f=240mm)+ ASi120MM Mini。オートガイド:アストロストリート製オフアキシスガイダー + ASi220MM Mini。極軸合わせ、オートガイド、ライブスタック共にASiair Plusを使用。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。300秒露光で23コマ撮影。画像処理:23コマのライトフレームをPixInsightで処理(WBPP, ABE, ColorCalibration, HT, NXT, BXT)。 4.あとがき 1.M63の銀河の模様は、他の渦巻銀河とは少し異なっており、渦巻の中に暗黒帯が点在しているようです。この奇妙な模様をどれだけ詳細に捉えることができるかが撮影のポイントだと思いますが、物足りない結果となりました。解像度を上げるには18cmマクストフでは無理なのか?シーイングが良い時に再挑戦したいと思います。2.ASiair Plus起動時に「Checking data integrity データの整合性をチェック中」や「Decompressing data データを解凍中」などのメッセージが出てきて、起動にかなり時間がかかるようになったVarsion 2.1.2だが、使用するタブレットによっては時間がかからないものもある不思議な現象でした。メインに使用しているタブレットは起動するたびに約2分くらい待たされていた。最近アップデートで 2.1.4 になり、この冗長な待機現象が解消されホットしてます。
May 28, 2024
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1.マクストフ鏡筒SkyMAX180で回転花火銀河:M101をライブスタック M51と共に定番となっている春の銀河M101をマクストフ18cmでライブスタックしてみました。露光時間は300秒。M101は銀河内に多くの星があるので、オフアキのガイド星は何もしなくても楽に見つかりました。 オフアキシス・ガイダーを取り付けたSkyMAX180 焦点距離2,700mmのライブスタックは、さすがに迫力ある回転花火銀河を堪能することができました。この日も21時から22時にかけて北から頻繁に飛行機が飛来してきて視界に入りはしないかとヒヤヒヤしながらライブスタックをしていました。この焦点距離だと大丈夫だと思った24回目のライブスタックで残念ながら飛行機のライトを見事に捉えてしまいました。つくづく夜間のフライトは緊急時以外はやめて欲しいと感じました。 ライブスタックの様子は下の動画にまとめています。 M101のライブスタック動画【写真クリックで動画へゆきます】 使用した機材や、撮影条件は下の通り。 使用した機材・条件 23回スタックして自動保存されたライブスタック画像が下の写真です。 自動保存されたライブスタック画像 24回目のライブスタックの際、飛行機のライトを捉えたフレームが下の写真。 飛行機のライトを捉えた画像 夜間のフライト、しかも連続するものは止めて欲しいものです。 2.M101の最終画像 飛行機のライトにより中断したライブスタックの後は、ライトフレーム取得のために撮影を子午線反転まで続け、合計31コマのライトフレームを取得できた。 ライトフレーム31コマでのM101最終画像 撮影日:2024/5/10。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:SkyMAX180 ( f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。極軸合わせ用ガイド鏡:EVOGuide 50EDII(f=240mm)+ ASi120MM Mini。オートガイド:アストロストリート製オフアキシスガイダー + ASi220MM Mini。極軸合わせ、オートガイド、ライブスタック共にASiair Plusを使用。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。300秒露光で31コマ撮影。画像処理:自動保存された31コマをPixInsightで処理(WBPP, ABE, ColorCalibration, HT, NXT, BXT)。 3.あとがき 今回のM101のライブスタック、迷惑飛行機のために途中で中止のライブスタックとなりました。ライブスタックは再開したものの、まもなく子午線反転のために再び中止。子午線反転後も反転前との位置合わせをトライしましたが、微妙にずれてしまいました。子午線反転後のライトフレームを含めた41コマを使っての画像処理も並行して行いました。それが下の写真です。位置がずれていますので、多少のクロップを行っています。 子午線反転後は、シーイングが良くなり、プラス10フレームでも少々明るい画像が撮れました。見返りとしてクロップを余儀なくされ、全体像が微妙にあふれてしまいました。 子午線反転後の10コマを含めた計41コマでのM101の最終画像 撮影日:2024/5/10。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:SkyMAX180 ( f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。極軸合わせ用ガイド鏡:EVOGuide 50EDII(f=240mm)+ ASi120MM Mini。オートガイド:アストロストリート製オフアキシスガイダー + ASi220MM Mini。極軸合わせ、オートガイド、ライブスタック共にASiair Plusを使用。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。300秒露光で31コマ撮影。画像処理:自動保存された41コマをPixInsightで処理(WBPP, ABE, ColorCalibration, HT, NXT, BXT)。
May 16, 2024
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1.マクストフ鏡筒SkyMAX180で子持ち銀河M51をライブスタック 4月はM51が定番となっていますが、今年の4月はまるで梅雨時のような天気で一度もチャンスはありませんでした。2024年5月の3日、子供の日は非常にクリアーな空に恵まれました。当初はマスクトフのSkyMAX180とASi533MC Proとの組み合わせを計画していましたが、前日の予備撮影でプレートソルビングが不調だったので急遽カメラをASi294MC Proに取り替えました。最近のASiairのアップデートでプレートソルビングの調子が以前に比べて良くない感じがします。 ガイド鏡によるオートガイドを使うと各フレームが動いて行く現象が起きます。それを避けるためにオフアキシスガイドを使いました。オフアキシスガイダーはアストロストリート製のものを使っています。カメラは少しでも視野を広くするためにASi220MM Miniを使っています。 オフアキシス・ガイダーを取り付けたSkyMAX180 ライブスタックの様子は下の動画にまとめています。 M51のライブスタック動画【写真クリックで動画へゆきます】 30回スタックして自動保存されたライブスタック画像が下の写真です。全体的に赤っぽくなっています。おそらくバイアスが合っていないことに起因していると思われます。 自動保存されたライブスタック画像 2.M51の画像処理におけるフラット補正 画像処理は、現在PixInsightを特訓中です。今回もスタックをWBPPを使ったのですが、通常のフラット画像ではフラットが合わない結果となりました。フラット画像は、B4版LEDトレース台を使ってASiairにて20~50msecを10フレーム撮って自動スタックさせてマスターフラットとして画像処理に供しています。 ZWO社のASiStudioの中のASiDeepStackでのスタックではいつも通りフラットが合っていました。 PixInsightでのフラット補正スタックが下の結果です。 10msec露光でのマスターフラットを使ったフラット補正 20msec露光でのマスターフラットを使ったフラット補正 50msec露光でのマスターフラットを使ったフラット補正 100msec露光でのマスターフラットを使ったフラット補正 200msec露光でのマスターフラットを使ったフラット補正 50msecまでの短い露光ではフラット補正が合わないことがわかりました。100msec以上の露光ではうまくフラット補正が進行しています。 一方、ASiDeepStackでの20msecマスターフラットでのフラット補正スタック画像が下の写真です。20msecでもフラット補正が効いています。 20msec露光でのマスターフラットを使ったASiDeepStackでのフラット補正スタック 3.M51の最終画像 今回の撮影では、シーイングが良好であったので星雲のあぶり出しには苦労しませんでした。最終的には BlurXterminator を使って銀河の詳細をいかに表現するかが課題となりましたが、パラメーターをデフォルト値にすると、かなり不自然な画像となりましたので、弱めの値にしました。それにしてもBXTは怖いツールです。 M51の最終画像 撮影日:2024/5/3。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:SkyMAX180 ( f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。極軸合わせ用ガイド鏡:EVOGuide 50EDII(f=240mm)+ ASi120MM Mini。オートガイド:アストロストリート製オフアキシスガイダー + ASi220MM Mini。極軸合わせ、オートガイド、ライブスタック共にASiair Plusを使用。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。180秒露光で30コマ撮影。画像処理:自動保存された30コマをPixInsightで処理(WBPP, ABE, ColorCalibration, HT, BXT, NXT)。 4.あとがき ・4月には何も成果がありませんでしたが、5月3日~4日は非常にクリアーな星空に恵まれて、期待以上のM51撮影ができました。不慣れだったオフアキシスガイドにもだいぶ慣れてきましたが、相変わらず焦点距離2700mmではガイド星を探すのに苦労します。・この口径18㎝のマクストフ鏡筒は2023年9月9日に光軸調整したのち、多くの星雲や銀河を撮影していますが、殆どデータ整理が手つかずに放置したままになっています。理由はスパゲッティ星雲の撮影にほとんどの時間が盗られてしまったからです。これから少しづつマクストフ鏡筒SkyMAX180の撮影データをまとめてゆきたいと考えています。
May 7, 2024
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1.初めてのモノクロカメラでの撮影 天体撮影で重要なことは、カメラが高感度であることであることは言うまでもありません。高感度を追求するために、F値の小さなレンズや鏡筒を追い求める道もありますが、カメラを高感度にする方策もあります。 これまで、撮影用CMOSカメラはカラーしか使ったことがありません。カラーCMOSカメラは撮像素子の上にRGGBのフィルターで覆われており、それぞれのカラー感度は1/4~1/2になっています。それをモノクロにしてフィルターを外してしまうと理論上は2~4倍に感度が上昇することになります。ということで、ASi294MM Proを仲間に入れました。 予備撮影としてRGBの各フィルターを付けて撮影しましたが、モニターが真っ白になったりして、カラーとは勝手が異なる世界を体験しましました。勉強としてHaとOiiiを組み合わせる、HOO合成(日本ではAOOが使われることが多いですが、国際的にはHOOなので、これを使います)を実行してみました。 ナローバンドフィルターとモノクロCMOSカメラでのトールのカブト星雲の撮影からHOO合成の画像処理までを、下の動画にまとめてあります。 初めてのHOO撮影と画像処理動画【写真クリックで動画へ】 2.HaとOiiiフィルターでの撮影からHOO合成画像処理まで ナローバンドフィルターHaとOiiiで撮影し、各12コマをWBPPにてスタックした画面です。 WBPP処理したHaとOiii画像 StarAlignmentを実行し、それぞれをバックグラウンド処理、ストレッチを行った画面が下の写真です。 ストレッチ処理後のHaとOiii画像 ChennelCombinationでHOO合成を行った画面が下の画面です。 ChannelCombinationによるHOO合成画面 HOO合成処理の際、BlurXterminatorを使ってみましたが、この処理を実行すると微恒星が鋭い恒星像となり、好みではありません。この難点を避けるためにBXT処理前にStar Reduction処理をすることにしました。 3.星を小さくするStar Reductionから最終画像へ 幸い、丹羽氏のブログにEZ Star Reductionというスクリプトが紹介されていましたので、早速インストールをトライしました。ところが EZ Star Reduction のサイトに行ってみると、もう配布は中止されていました。 仕方がないので、ウエブをさまよっていると、Star Reduction と称するスクリプトが見つかりました。原理は EZ Star Reduction とは異なり、PixelMath を駆使したアプリのようです。このスクリプトの良いところは、星の大きさをある程度コントロールできるところです。 Star reduction スクリプトのリポジトリー登録用URL https://www.cosmicphotons.com/pi-scripts/starreduction/ 下の画面が、このStar Reductionを実行中の画面です。左側にはパラメータを調節するところがあります。 StarReduction処理中の画面 下の写真が Star Reduction 処理前の画像です。 Star Reduction処理前の画像 次が Star Reduction 処理後の画像。 StarReduction処理後の画像 次にBXT処理を行ったのち、Topaz DeNoise AI でデノイズ処理を行いました。 BXT 処理、Topaz DeNoise AI 処理後の画像 4.HOO処理最終画像 星雲を少々明るくしての最終画像が下の写真です。 HOO合成したトールのカブト星雲最終画像 撮影日:2024/1/9。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:TSA-120 ( f=900mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MM Pro (Gain: 250、冷却:-10℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong Ha(7nm)、ZWO Oiii(7nm)。300秒露光で各12フレーム撮影。画像処理:PixInsightで処理(WBPP, SA, ABE, HT, CCにてカラー化、StarReduction, BXT)。最後にTopaz DeNoiseAIでデノイズ 5.あとがき ・モノクロCMOSカメラは、300秒露光で余裕の明るい画像を提供してくれた。フィルターワークが少々煩雑ではあるが、高感度撮影の新たなツールが得られた。・今後、HOOとRGB画像との合成や、RGBへのHaの注入などのスキルを上げてゆきたいと思っています。
March 29, 2024
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1.ASiairが久々のアップデート 2024年3月18日、ASiairを開くと自動アップデートとファームウェアの更新が始まった。これまでのアップデートと少々様子が異なっていた。アップデートと更新が完了して再起動すると、カメラやマウントとの接続がかなりトラブりました。これまでに無かった現象でした。撮影が急がれるので2台目のバックアップASiairを取り出し、アップデートと更新を行うと、無事接続できました。 今回のアップデートでASiairのバージョンは、 2.1.10.74 → 2.1.2.11.01 桁数くらいは統一してほしいものである。わかりにくい表記である。 2.ASiairで12Pが自動導入できた ポンス・ブルックス彗星が旬のこの頃、急に彗星が見たくなり、スマホのStellarium星図を開いて位置を確認しました。木星とM33の間のM33寄りと頭に入れ、ASiairと接続したSharpstar 61EDPH IIをそちらへ向けました。鏡筒の向きを確認するためにASiairの星図Sky-Atlasを開いてみると、何と 12P/Pons-Brooks との表記があるではありませんか。 ASiairの星図での12P 前のバージョンではどうだったのかは定かではないが、今回のアップデートで彗星にも対応するようになったようです。GoToをクリックするとプレートソルビングでの自動導入がちゃんとできました。 12Pへのプレートソルビングの様子 ASiairにて 0.5秒露光でのポンス・ブルックス彗星の一発撮りの写真が下の写真です。0.5秒でも結構見えるものです。 ポンス・ブルックス彗星の0.5秒露光での一発撮り 3.ライブスタックとオートラン撮影にトライ 彗星のライブスタックに初挑戦してみました。薄暮のせいかオートガイドの星像状態が悪く、彗星核のガイドを指定しても他の恒星へのガイドは移動してしまうトラブルがあり、核ガイドはうまくゆきませんでした。 ライブスタックの状況は下のとおりでした。 ポンス・ブルックス彗星のライブスタック(11回スタック)の状況 撮影日:2024/3/27。場所:南関東_自宅ベランダ。鏡筒:Sharpstar 61EDPH II(f=360mm)。フィルター:なし。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200, 温度:0℃)。ガイド鏡:SVBony ミニガイド(f=120mm)。ガイドカメラ:ASi220MM Mini)。コントローラー:ASiair Plus。露光時間:30秒 30秒露光でのオートラン撮影の状況。 オートラン撮影の状況 4.あとがき ・ASiairで彗星のプレートソルビングによる自動導入が可能になったのは大きいアップデートである。これから気楽に彗星観望ができます。・今回のドタバタ彗星撮影では核ガイドが不発でした。彗星核ガイドのためには、ガイド鏡はEDレンズのものを使って解像度を上げる必要があるのでは、と思いました。・一方、今回のバージョンアップでデメリットもありました。ダークやフラット撮影用のアンドロイドVer7のタブレットが使えなくなくなりました。また、ASiair起動時に「Checking data integrity データの整合性をチェック中」や「Decompressing data データを解凍中」などのメッセージが出てきて、起動にかなり時間がかかるようになったのが痛いです。
March 28, 2024
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1.2回目の天文カフェ「ポウザ」での天体観望 報告が遅れてしまいましたが、2024年3月9日(土曜)に天文カフェ「ポウザ」での天体観望に参加しました。今回の星空メニューは、オリオン大星雲(M42)、M81とM82、エスキモー星雲、しし座のトリオ銀河(M65,66,NGC3628)、回転花火銀河(M101)と盛り沢山。そしてオマケとして昨年の皆既月食時の天王星の食の見事な動画がありました。ライブ観望は、イプシロン160ED鏡筒の5秒露光でのASiAirライブスタックで、その優れた鏡筒の威力が遺憾なく発揮されていました。オーナーの流暢な語りかけもあってか、会場は質問や議論も交錯して大盛り上がりでした。 天文カフェ「ポウザ」の天体ライブの様子 今回の記事は、メデューサ星雲:Sh2-274です。2024年3月14と15日にTSA-120(f=900mm)で、撮影したものです。フィルターは、OptolongのL-eXtremeを使用しています。 2.メデューサ星雲のライブスタックと画像処理動画 メデューサと言えば、何か怖いものを連想させますが、メデューサ星雲そのものも、その実態が明確でない奇異な様相です。惑星状星雲と言われながらネットなどで見られる姿は惑星状とは懸け離れた姿です。かなり淡い星雲ということなので、露光時間を7分(420秒)と長めに取りました。 使用機材は下の写真のとおりです。 使用したTSA-120 下の画像をクリックすると、メデューサ星雲のライブスタック動画に進みます。 メデューサ星雲のライブスタック【写真クリックで動画へ進みます】 3.TSA-120でのメデューサ星雲 TSA-120で撮影したメデューサ星雲 撮影日:2024/3/14,15。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:TSA-120 ( f=900mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 300、冷却:-10℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong L-eXtreme。420秒露光で40回フレーム撮影。画像処理:自動保存された40コマをPixInsightで処理(WBPP, ABE, SPCC, LinearFit, HT, MorphoT)。最後にTopaz DeNoiseAIでデノイズ 4.あとがき ・今回、姿の奇怪なメデューサ星雲を撮影してみました。ライブスタック時は、何だか得体の知れない姿をしていましたが、画像処理してみると惑星状星雲の姿が浮き出てきました。・このところ夜晴れたときは、連日Sh2-240:スパゲッティ星雲の撮影に挑んでいます。鏡筒やカメラをあれこれと組み合わせて、くっきりした星雲の姿を目指して励んでいます。SamyanのF2レンズとモノクロCMOSカメラとの組み合わせで何とかなりそうなところまで来ました。
March 17, 2024
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1.PixInsightの沼にすっぽり ブログの更新がしばらく空いてしまいました。理由は、PixInsightにはまり込んでしまったからです。今年の目標に挙げたひとつが、画像処理スキルのアップでした。BlurXterminatorは凄いと言ったニュースも駆け巡った勢いにも影響され、ついにPixInsightに手を染めてしまいました。以前よりPixInsightのYouTubeは観てはいましたが、チンプンカンプン状態でしたが、実際に処理してみてYouTubeも理解できるようになりました。一番役に立ったのが、丹羽氏のYouTube「PixInsightの超基本! いつでも使う全体処理フロー」でした。親切、丁寧に解説されています。 今回の記事は、トールの兜星雲:Sh2-298です。2024年1月8日にQuattro150Pで、1月11日にTSA-120にて撮影したものです。いずれも ZWO Duo Band Filterで撮影しました。PixInsightでの画像処理はまだ道半ばで公開もはばかれますが、これまでの画像処理との違いを見ていただければと思いまして公開します。 2.トールの兜星雲のライブスタックと画像処理動画 TSA-120を使ってライブスタックした様子と画像処理の動画を下にアップしています。 トールのカブト星雲のライブスタックと画像処理【画像をクリックして動画へ】 3.Quattro150Pで撮影したトールの兜星雲 使用したQuattro150P 従来の画像処理法で処理した結果が下の写真です。 Quattro150で撮影、DSS, FlatAidePro処理のトールの兜星雲 撮影日:2024/1/8。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Quattro150P ( f=600mm)+レデューサー(最終 f=530mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ ZWO Duo Band Filter。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて20回ライブスタック。画像処理:自動保存された20コマのライトFitsファイルをDSSにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 同じ撮影データをPixInsight処理した画像が下の写真。上の写真とは色合いも違います。 Quattro150で撮影、PixInsight処理のトールの兜星雲 撮影日:2024/1/8。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Quattro150P ( f=600mm)+レデューサー(最終 f=530mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ ZWO Duo Band Filter。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて20回ライブスタック。画像処理:自動保存された20コマのライトFitsファイルをPixInsightのWBPPにてフラット、ダーク、バイアス補正スタック、PCCにて色合わせ、ストレッチ後、NXTにてデノイズ処理。 4.TSA-120で撮影したトールの兜星雲 Quattro150では星雲の迫力が感じられなかったので、焦点距離900mmのTSA-120を使って撮影してみました。 使用したTSA-120 TSA-120で撮影した兜星雲の写真が下の写真です。画像処理は、従来のDSSにてスタック、現像はFlatAideProを使っています。 TSA-120で撮影、DSS, FlatAidePro処理のトールの兜星雲 撮影日:2024/1/11。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:TSA-120 ( f=900mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 250、冷却:-10℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ ZWO Duo Band Filter。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて30回ライブスタック。画像処理:自動保存された30コマのライトFitsファイルをDSSにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 PixInsightで画像処理した写真が下の写真です。DSSスタックとは異なる色合いです。 TSA-120で撮影、PixInsight処理のトールの兜星雲 撮影日:2024/1/11。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:TSA-120 ( f=900mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 250、冷却:-10℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ ZWO Duo Band Filter。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて30回ライブスタック。画像処理:自動保存された30コマのライトFitsファイルをPixInsightのWBPPにてフラット、ダーク、バイアス補正スタック、SPCCにて色合わせ、ストレッチ後、NXTにてデノイズ処理。 5.あとがき ・トールの兜星雲をはじめて撮影しました。思ったより美しい星雲でした。バブル星雲と同じような青白いフワフワが見れました。PixInsight処理で白っぽくなるのは、PCCやSPCCによる色合わせが効いていることが考えられますが、色合わせ前から白っぽくなっていましたので不思議です。・ADSLが廃止となるということで我が家も光になりました。上り速度も200M/sと早くなりましたが、肝心のアップすべくYouTube動画もPixInsightに時間を盗られてしまい作成できない状況になっています。・最近、電視観望ということで天文ショップでお勧めの機材などが紹介されていますが、いずれも10万円の大台をはるかに超える価格に唖然としています。何とか5万円以下くらいの予算で質の高い電視観望ができる機材はないのでしょうか。初心者が10万円を超える機材を揃えるのは、高い障壁になると思います。
February 8, 2024
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1.2024年になりました 年も明けて2024年になりました。正月から晴天・無風・乾燥注意報で絶好の星見天候となりました。昨年の正月同様、18㎝マクストフ鏡筒でメシエ1の庭撮りを行いました。今回は、ナローバンドフィルターを使わず光害カットフィルターのみの撮影を行いました。 昨年の後半は、ずっと18cmマクストフ鏡筒で深淵銀河を撮っていました。データの整理が追い付かず、ブログや動画でのアップロードの宿題が多く待ち受けています。 昨日(2024/1/12)のカフェ「ぽうざ」での観望会は、絶好のシーイング下で大盛況でした。マスター堀野氏の流暢な語りと、奥様の暖かいおもてなしの中、絶品のカレーに舌鼓を打ちながら、最高に楽しむことが出来ました。改めてタカハシのイプシロン鏡筒の解像度の凄さも噛みしめることが出来ました。5秒露光のライブスタックで、見事なアンドロメダ星雲の縞模様でした。小生もAskar FRA400を持参し、馬頭星雲と燃える木の長時間露光ライブスタックでお客様に楽しんでもらおうと撮影していましたが、残念ながら電線に邪魔されて早々の撤収となりました。終了予定時間を1時間も越えてしまい、マスターとオーナーには大変お世話になりました。改めて御礼申し上げます。 今回の記事は、2023年12月1日に撮影のL-eXtremeフィルターでのクワガタ星雲とオリオン星雲です。 2.クワガタ星雲の撮影 ライブスタック動画と画像処理後の映像と画像は、下の動画にもまとめています。 クワガタ星雲とオリオン大星雲のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 使用した撮影機材は、下の写真のとおり。 使用機材 クワガタ星雲の最終画像は下の写真のようになりました。 Askar FRA400とASi2600MC Proで撮影したクワガタ星雲 撮影日:2023/12/1。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 ( f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100、冷却:0℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。360秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて23回ライブスタック。画像処理:自動保存された23コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 3.オリオン星雲の撮影 強いデュアルナローバンドフィルターを通したオリオン大星雲の最終画像が下の写真。フィルターによってランニングマンは見えづらくなっています。 L-eXtremeフィルターを通したオリオン大星雲 撮影日:2023/12/1。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 ( f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100、冷却:0℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。30秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて12回ライブスタック。画像処理:自動保存された12コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 4.あとがき ・巷では、Pixinsightで使うBXTが話題になっています。丹羽氏やSamさん、天リフの山口氏の記事などを読むと欲しくなりますが、きっと撮影と捏造の狭間で葛藤すると思います。RGB合成での作例が当たり前の世界ですから、星像を小さくすることなどはOKかも。・ADSLが廃止になるということで、年末年始は、Airターミナルの契約と試験運転、Airターミナルのクーリングオフ、そして光通信の契約と大忙しでした。そんなに田舎ではないにもかかわらず、S社のAirターミナルでの通信速度がADSLの1/5~1/10とは驚きでした。
January 13, 2024
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1.レムナント撮影、光量が不足している? Sh2-240 レムナントの撮影に苦戦中です。レムナントの全景が入る画角条件で、一番明るい手持ちの鏡筒は、レデューサーを付けたAskar FRA400(f=280mm)であり、フルサイズカメラでの撮影が必須となる。残念ながらフルサイズのCMOSカメラは持っていないので、古い天体改造の一眼カメラEOS 6Dを使ってのトライである。これらの天体改造一眼カメラの感度は、最新の冷却CMOSカメラの感度と比較してどのくらいの位置づけにあるかは全く不明である。 Webによれば、一眼カメラでの撮影は光害がある条件では、ISO 1600~3200とある。それを鵜呑みにしてEOS 6Dでのレムナント撮影は、ISO 3200で行なっていました。露光時間を10分にしても、下の写真の通りしっかりと映ってはくれません。 Askar FRA400とEOS 6DでのSh2-240 撮影日:2023/12/13, 12/17, 12/21。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 +専用レデューサー (最終 f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:天体改造EOS 6D (ISO 3200)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。600秒露光で合計72ショット(総露光時間:12時間)。画像処理:自動保存された72コマのライトFitsファイルをホットスポット除去条件でDeepSkyStackerにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後シェーリング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 やはり旧式の一眼カメラでは最新の冷却カメラに比べて感度の点で劣るのか。それとも撮像素子が劣化しているのか。 一眼のISO 3200 という撮影条件は、もしかしたら光をロスしてるのではないか、という疑問が湧いてきました。ISO 6400、ISO 12800 で撮影したらどうなるのか。早速、ISOを変化させて試験撮りをしてみました。 2.ISO 条件を変化させた時の写りの違い 撮影対象として網状星雲を選び、レデューサー付きのFRA400とEOS 6Dを使い、ISOを1600~12800まで変化させて写りを比較してみた。撮って出しの画像が下の写真。 EOS 6DのISOを変化させて撮った網状星雲の撮って出し画像比較 撮影日:2023/12/26。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 +専用レデューサー (最終 f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:EOS 6D (気温7℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド:ASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。180秒露光で5コマ撮影。そのうちの1コマをヒストグラム・Auto条件下でASiFitsViewに展開し、JPEG保存した撮って出し画像。 ISO 25600 での撮影も可能であったが、まともな画像は得られなかった。 上の写真より明らかなことは、ISO 3200 は、ISO 6400 よりも暗いということである。ISO 12800 になると背景が明るくなって光量のメリットがなくなる。このことより、淡い対象の場合、光害条件下においても ISO 6400 での撮影は「あり」だと示唆されました。このことを、さらに明確にするためにスタック、および簡易画像処理を進めてみた。 3.スタック画像での比較 それぞれの ISO で撮影した5コマのフレームを、ダーク、フラット、バイアス補正後スタックし、得られたFitsファイルをヒストグラム・Autoの条件下でASiFitsViewにて開き、JPEG形式で保存した画像が下の写真。 EOS 6DのISOを変化させて撮った網状星雲のスタック画像での比較 撮影日:2023/12/26。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 +専用レデューサー (最終 f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:EOS 6D (気温7℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド:ASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。180秒露光で5コマ撮影。5コマをASiDeepStackでダーク、フラット、バイアス補正してスタック後、ASiFitsViewに展開し、JPEG保存した画像。 撮って出しの画像に比べて、光害の影響がバックグラウンドにはっきり見えて来ている。網状星雲の明瞭さは、ISO 6400 がベストのようである。 4.画像処理後の比較 スタック後のFitsファイルを簡易画像処理を行ったものが、下の画像です。 EOS 6DのISOを変化させて撮った網状星雲の最終画像での比較 撮影日:2023/12/26。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 +専用レデューサー (最終 f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:EOS 6D (気温7℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド:ASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。180秒露光で5コマ撮影。5コマをASiDeepStackでダーク、フラット、バイアス補正してスタック後、FlatAideProにて調整、シェーリングフラット処理。 簡易処理画像においても、ISO 3200 では暗っぽく映り、ISO 6400 がベストのようである。トライアングル部分についても、ISO 6400 の方が、よりハッキリと写し出されているように見えます。 4.まとめ ・一眼レフをカメラにした場合の ISO 感度の設定は、ISO 3200が常識のようであるが、今回の実験では ISO 6400 の方が良い結果が得られた。今後、ISO 6400 にてSh2-240 に再挑戦してゆきたいと思います。・ASi2600MCにおいても、Gain設定値が 100 が常識値になっていますが、これについても検証してゆきたいと思っています。 5.あとがき 本日は、2023年の大晦日です。本年のまとめと、来年の抱負は、・本年の天文のまとめ、 1.赤道儀をAM5の2台体制にして、機動性を充実させた。 2.はじめての遠征による満天の星の下での撮影。 3.はじめてのニュートン反射鏡筒での撮影。 4.モノクロカメラのASi294MM Proの導入によるLRGB撮影の開始。 5.18cmマクストフ鏡筒の光軸調整と、オフアキシスガイドの確立完了。 6.念願のミラーレスカメラを手に入れることができたが、Sony星喰いにてこずる。 7.YouTubeへの動画もアップしてきたが、ポストADSL環境が課題。 Airターミナルを試運転したが、使えないことが明らかになった!・天文スキルはなかなかアップしませんが、来年は画像処理を進化させたいと願っています。
December 31, 2023
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1.天文カフェ ぽうざマスターに触発されて(続) 今回も「カフェぽうざ」の80インチスクリーンに映し出された迫力の北アメリカ星雲を撮ってみました。フィルターは前回のハート星雲と同じ L-eXtremeを使いました。 ライブスタック動画と画像処理後の映像と画像は、下の動画にもまとめています。 北アメリカ星雲とバラ星雲のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 2.NGC7000: 北アメリカ星雲の撮影 使用した撮影機材は、下の写真のとおり。 使用した機材 北アメリカ星雲の最終画像は下の写真のようになりました。 Askar FRA400とASi2600MC Proで撮影した北アメリカ星雲 撮影日:2023/11/21。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 +専用レデューサー (最終 f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100、冷却:0℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて18回ライブスタック。画像処理:自動保存された18コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 3.NGC2244: バラ星雲の撮影 バラ星雲の最終画像が下の写真。この星雲は、Hαの赤色が最高です。 Askar FRA400とASi2600MC Proで撮影したバラ星雲 撮影日:2023/11/21。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 +専用レデューサー (最終 f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100、冷却:0℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて9回ライブスタック。画像処理:自動保存された9コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 4.あとがき ・最近の撮影は、もっぱらAM5赤道儀を使っています。本体重量も軽いし、バランスも取る必要がないので、楽して設定ができます。ASIAirでの極軸合わせとオートガイドも慣れてきて、設定開始から撮影開始まで10分くらいになりました。粗製乱造にならぬよう気を付けようとは思っています。・来年の1月の新月期、天文カフェ「ぽうざ」の予約ができました。楽しみにしています。食事メニューは決めましたが、天文メニューは何にしようかと思案中です。
December 24, 2023
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1.天文カフェ ぽうざマスターに触発されて Samさんのブログと星ナビで紹介されていた「カフェぽうざ」に行って80インチスクリーンに映し出された迫力のハート星雲に感激し、ハート星雲を撮ってみました。フィルターは過激フィルターの L-eXtremeを使いましたので赤っぽくなりました。 天文仲間と語り合うことがないので、あれこれと質問攻めをしてしまい、ぽうざマスターには迷惑をかけてしまいました。特に印象に残ったことは、日本の電信柱と電線の見苦しさで意見が一致したことです。ぽうざマスターは日本の途上国性、わたくしは日本の後進国性を示すものだと表現。天文者にとっては、すごっく邪魔なものです。 ライブスタック動画と画像処理後の映像と画像は、下の動画にもまとめています。 ハート星雲とソウル星雲のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 2.IC1805: ハート星雲の撮影 使用した撮影機材は、下の写真のとおり。 使用した機材 ハート星雲の最終画像は下の写真のようになりました。 Askar FRA400とASi2600MC Proで撮影したハート星雲 撮影日:2023/11/20。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400+専用レデューサー (最終 f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100、冷却:0℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて12回ライブスタック。画像処理:自動保存された12コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 3.IC1848: ソウル星雲の撮影 ソウル星雲の最終画像が下の写真。この星雲の日本語名は良くないと思いますので英語名とします。 Askar FRA400とASi2600MC Proで撮影したソウル星雲 撮影日:2023/11/20。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400+専用レデューサー (最終 f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100、冷却:0℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて12回ライブスタック。画像処理:自動保存された12コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。
December 6, 2023
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1.初めてのニュートン鏡 これまでニュートン鏡での撮影は経験がありません。鏡筒そのものはSkyWatcherのBKP150を3年前に購入していました。購入直後一度だけコマコレクターとしてMPCC Mark3を使って試写したところ、コマ収差の星々が見えて、そのまま保管していました。その頃は、光軸調整やコマコレクターのバックフォーカスなどの調整スキルは皆無で、ニュートン鏡をスルーしていました。 最近、専用のコマコレクターが付属したQuattro150Pが売り出されてのを機に、ニュートン鏡に挑戦してみることにしました。光軸調整とカメラの位置(バックフォーカス)調整を繰り返して、やっと撮影本番に辿り着くことができました。本番撮影は、M31とM33にしました。 ライブスタック動画と画像処理後の画像は、下の動画にもまとめています。 Quattro150Pでのライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 2.Quattro150Pで撮影したM31 使用した撮影機材は、下の写真のとおり。 使用した機材 M31の最終画像は下の写真のとおりです。 Quattro150PとASi2600MC Proで撮影したM31 撮影日:2023/10/6。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Quattro150P+専用コマコレクター (f=520mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 200、冷却:0℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。360秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて23回ライブスタック。画像処理:自動保存された23コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 3.M33の撮影 M33の最終画像が下の写真。 Quattro150PとASi2600MC Proで撮影したM33 撮影日:2023/10/11。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Quattro150P+専用コマコレクター (f=520mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 200、冷却:0℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて18回ライブスタック。画像処理:自動保存された18コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 4.あとがき1.専用コマコレクターはレデューサーの機能も有しており、F3.5の明るい鏡筒となる。試写でも解像度の高いM31とM33が得られた。空の状態が悪く、カブリの大きい画像となりました。2.四隅の星像のひずみは、光軸とコマコレクターのバックフォーカスに敏感であり、これらの調整をきちっと実行しないと星像のひずみが生じる。3.光軸と補正レンズのバックフォーカスの調整の面倒臭さを実感した初めてのニュートン鏡体験でした。
November 24, 2023
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1.真っ暗闇、午前0時を越えました 今回も、2023年10月17~18日にかけて裏磐梯Grandecoスキー場駐車場での遠征撮影体験の記事です。満天の星の下、順調に撮影は進行して午前0時を過ぎました。午前0時になるとスキー場駐車場や道路の街灯は一斉にOFFになり、文字通りの漆黒の闇。M33、M31の撮影が順調に進行し、次は馬頭星雲を撮影することに。 撮影はいつも通りライブスタック形式を取りました。フラット、ダーク、バイアスを準備していたので、それらを入れ込んでの補正ライブスタックとなりました。ライブスタックの様子は、スマホでスクリーンレコードし、ライトフレームはUSBメモリーへ自動保存。 ライブスタック動画と画像処理後の画像は、下の動画にもまとめています。 馬頭星雲とM42の遠征ライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 2.馬頭星雲と燃える木の撮影 使用した撮影機材は、下の写真のとおり。 使用した機材 馬頭星雲と燃える木の最終画像は下の写真のとおりです。 FRA400とASi2600MC Proで撮影した馬頭星雲と燃える木 撮影日:2023/10/18。撮影地:裏磐梯グランデコスキー場駐車場(標高1,000m)。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 200、冷却:0℃)。ガイド鏡:SVBony ミニガイド(f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。120秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて20回ライブスタック。画像処理:自動保存された20コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 3.M42: オリオン星雲の撮影 M42はいつも30秒露光で撮影しているので、今回は60秒にしてみました。M42の最終画像が下の写真。 FRA400とASi2600MC Proで撮影したM42:オリオン星雲 撮影日:2023/10/17。撮影地:裏磐梯グランデコスキー場駐車場(標高1,000m)。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 200、冷却:0℃)。ガイド鏡:SVBony ミニガイド(f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。60秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて10回ライブスタック。画像処理:自動保存された10コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 4.あとがき 満天の星の下の撮影は最高でした。これまでどうしても撮影できなかった馬頭の根元部分が浮き出て来た時は感激でした。撮影は、ライブスタック形式を取りましたが、ライブでモニターに映し出されてくる映像と、画像処理した画像がほぼ同一の画質であることにも驚かされました。標高1000mの漆黒の闇の威力とは凄いものです。こんなところに天文台があれば・・・・・・などと、妄想したくなります。 熊などの脅威も感じましたが、とにかく天体撮影を満喫できた裏磐梯遠征でした。
October 31, 2023
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1.遠征撮影初体験 今回の記事は、2023年10月17~18日にかけて裏磐梯Grandecoスキー場駐車場での遠征撮影体験の記事です。これまで何回か遠征しましたが、残念ながら満天の星には巡り合えませんでした。今回も簡単には満天の星には巡り合えませんでした。GPV気象予報で快晴の予報だったので、午後7時半にはホテル近くの広大なスキー場駐車場のど真ん中に赤道儀をセットアップ。雲間から少々の星が見える状態の空を眺めて1時間半。今日もダメかと9時に撤収。ホテルの風呂で暖まりました。 風呂から部屋に戻り、ベランダから外を見ると、何と星だらけ。急遽元の駐車場へ急行。部屋のキーを持つのを忘れました。機材を設定、極軸合わせ、オートガイド設定。北極星がどれだかわからないほどの星々でした。撮影開始は午後10時過ぎになっていました。露光は300秒の予定でしたが、星が余りにも輝いていたので120秒にしました。 M33、M31を撮り終えた頃、オリオン座が東の空から上がって来たので、燃える木と馬頭星雲も撮り始めました。設定を終えホッとした時、ホテル側から一台の車が道路をそれて駐車場に入ってくるではありませんか。ゾ、ゾっとしていると自分の車に横付けし、人が降りてこちらに近づいてきます。生きた心地がしませんでした。「ハイ、ホテルのキー忘れたよ」と、連れ合いの言葉。ホテルのスタッフが車で届けてくれたのです。時刻は0時半くらいでした。 撮影地:裏磐梯グランデコ・スキー場駐車場 撮影はいつも通りライブスタック形式を取りました。今回は前日にフラット、ダーク、バイアスを準備していたので、それらを入れ込んでの補正ライブスタックとなりました。ライブスタックの様子は、スマホでスクリーンレコードし、ライトフレームはUSBメモリーへ自動保存。撮影を開始したら、何だか熊でも出そうでハラハラドキドキ。車内に入って落ち着きを取り戻しました。それにしても標高1000mの高原の満天の星は凄いの一言。ライブスタックの最初のフレームは、驚くほど鮮明な画像が出現し、感動! ライブスタック動画と画像処理後の画像は、下の動画にもまとめています。 M31とM33の遠征ライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 2.さんかく座銀河の撮影 使用した撮影機材は、下の写真のとおり。 使用した機材 最初に撮影したのがM33です。M31は、子午線反転の可能性があるので後回しにしました。M33の最終画像は下の写真のとおりです。 FRA400とASi2600MC Proで撮影したさんかく座銀河 撮影日:2023/10/17。撮影地:裏磐梯グランデコスキー場駐車場(標高1,000m)。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 200、冷却:0℃)。ガイド鏡:SVBony ミニガイド(f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。120秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて20回ライブスタック。画像処理:自動保存された20コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 3.アンドロメダ銀河の撮影 M33を撮り終え、M31をプレートソルビング。やはり、子午線反転していましたので、急遽カメラを180度回転。念のために昇りかけたばかりのベテルギウスでフォーカスを合わせ直しました。やはり狂っていました。M31の最終画像が下の写真。 FRA400とASi2600MC Proでのアンドロメダ銀河 撮影日:2023/10/17。撮影地:裏磐梯グランデコスキー場駐車場(標高1,000m)。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 200、冷却:0℃)。ガイド鏡:SVBony ミニガイド(f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。120秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて20回ライブスタック。画像処理:自動保存された20コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 4.あとがき1.ここ1ヵ月くらいニュートン鏡をいじっていました。光軸調整やコマコレクター、そしてバックフォーカスなどなど、細かい調整が苦手で苦戦中、気晴らしのため急に遠征を思い立ちました。天気予報を見て、ホテルを探し空部屋があったのが裏磐梯のグランデコホテル。海抜は1000mを越えているので、もしかしたら満天の星が、と予約。2.ずっと庭撮りばかりしている者にとって、満天の星空の下での撮影は驚きの連続でした。120秒後の最初に出てきたモニターの画像に圧倒されました。庭撮りでは360秒露光でも出てこない画像が何もなかったかのように、すっと。何だか鏡筒のレベルが2ランク上昇した感じでした。フラットもバッチリ当たっており、周辺減光などの問題は皆無。やはり遠征撮影は凄いと、感激ばかり。3.一人遠征は、熊などの危険はあるので、連れ添って遠征する方が安心で正解です。この遠征で天体撮影の基本は、シーイングが良い事と光害のないところで撮影することであることを再認識しました。
October 23, 2023
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1.バブル星雲:NGC7635のライブスタック 今回の記事は、2023年8月の下旬に2日間かけて撮ったバブル星雲の記事です。8月は、かつて無い暑い月でしたが、31日中の14日間庭撮りを行った打率5割の天文バブル月でした。バブル星雲は、カシオペア座にある星雲で、午前0時にやっと家影から現れてくるロケーションなので、撮影終了時間は、午前2時を越えました。それが2日間続いたので、グロッキー気味。撮影は、ライブスタックをWiFi経由でスマホに録画しながら、ライトフレームはASiair PlusからUSBメモリーへ自動保存という形を取りました。 バブル星雲のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 2.TSA-120とASi2600MC Proでの撮影 最初にカメラとしてASi2600MC Proを使用。さらにTSA-120を明るくするために、Vixen SD Flattener/Reducer HD Kitを使ってみました。焦点距離が900mmから725mmになりました。撮影機材は、下の写真のとおり。 使用した機材 露光時間 300秒で10コマ撮影したのが下の写真です。 TSA-120とASi2600MC Proで撮影したバブル星雲 撮影日:2023/8/28。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Takahashi TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD Flattener/Reducer HD Kit(最終 f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100、冷却:0℃)。ガイド鏡:Evoguide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて10回ライブスタック。画像処理:自動保存された10コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 バブル星雲は思った以上に小さく写りました。 3.TSA-120とASi533MC Proでの撮影 ASi2600MC Proとレデューサーとの組み合わせで、バブル星雲が余りにも小さかったので、レデューサーを外し、ASi533MC Proで再撮影を行いました。 TSA-120とASi533MC Proでのバブル星雲 撮影日:2023/8/30。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Takahashi TSA-120 (f=900mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi533MC Pro (Gain: 100、冷却:0℃)。カイド鏡:Evoguide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて16回ライブスタック。画像処理:自動保存された16コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 上の写真は、ASiDeepStackを使ってスタックしたものであるが、星雲にザラツキが見られる。このザラツキの原因はホットピクセルに依るものだと推定し、DeepSkyStakerを使い、ホットピクセル除去条件(感度:1pix, 閾値:20%)にてスタックを実行した結果が下の写真。考えていた通り、ASiDeepStakで見られるザラツキはDeepSkyStakerでは消えた。 TSA-120とASi533MC Proでのバブル星雲2 撮影日:2023/8/30。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Takahashi TSA-120 (f=900mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi533MC Pro (Gain: 100、冷却:0℃)。カイド鏡:Evoguide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて16回ライブスタック。画像処理:自動保存された16コマのライトFitsファイルをDeepSkyStackerにてホットピクセル除去条件でフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 4.あとがき1.シャボン玉のような星雲があるというのを知り、望遠鏡を向けてみました。シャボン玉のような星雲を見て、本当に感動しました。2.庭撮りの我が家の庭には、西北側にヤマボウシの大木がありました。ベランダに近接してきたので防犯のために除去しました。たいそうな手間を要しましたが、庭全体がスッキリしました。また、予想もしないプレゼントがありました。北極星とはご縁のない庭でしたが、北極星が見えはじめたのです。極軸合わせもバッチリ。安心してオートがイドが実行できるようになりました。3.シャボンはどのようにして形成されているのか、調べてみると星雲の中心にある太陽の15倍くらいある大型の熱い恒星から発生する恒星風で形成されているとか。恒星風とは、プラズマの流れだそうですが、プラズマが何光年にもなるような大型のシャボンに固定されるメカニズムはおそらく何もわかってないのではと、思う次第です。
September 23, 2023
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1.Sony α6000の天体改造 Sonyのα6000を天体改造しました。前回と同様にヤフオクに出品されている「tsundoragappa」さんに依頼しました。Sonyの改造場合は原則IRフィルターを含めた全撤去らしいです。撮像素子の上側にガラス板を載せる無料オプションもあります。改造は丁寧でケアーも親切で信頼感があります。 天体改造したα6000を改造前との比較を行ってみました。さらに同じAPS-CカメラであるASi2600MC Proとの比較をしてみました。 【追記】SONY α6000とASiairとの連携による撮影について、動画にまとめました。写真をクリックすると動画へ進みます。 SONY α6000、天体改造前後の画像の違いとASi2600MC Proとの比較動画 【以上、追記】 天体改造して感じたことは、カメラカバーを外すといきなり撮像素子が見えるので、ゴミの汚染がたいそう気になりはじめました。やはり、少々反射光などのリスク覚悟でガラス板でカバーした方が良いのかも知れません。 天体改造したα6000 2.天体改造のビフォーとアフターの画像比較 天体改造前と後を、M8とM20との星雲撮影で比較してみました。。1)天体改造前のM8とM20 天体改造前のM8とM20 撮影日:2023/7/28。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:SONY α6000 (ISO 3200)。ガイド:オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。90秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて10回撮影。画像処理:自動保存された10枚のライトFitsフレームをDeepSkyStackerにてコールドピクセル除去条件下(3 Pix, ThreHold 20%)、フラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 2)天体改造後のM8とM20 天体改造前のM8とM20 撮影日:2023/8/12。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:SONY α6000 天体改造 (ISO 3200)。ガイド:オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。90秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて16回撮影。画像処理:自動保存された16枚のライトFitsフレームをDeepSkyStackerにてコールドピクセル除去条件下(3 Pix, ThreHold 20%)、フラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 M8-M20の場合は、改造前後で星雲の色や濃さに差が無いように見えます。改造後も明るい星に穴あきが見られたので、スタックの際にCold Pixel除去条件でスタックしました。3)天体解像前のM17 天体改造前のM17 撮影日:2023/7/28。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:SONY α6000 (ISO 3200)。ガイド:オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。90秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて5回撮影。画像処理:自動保存された5枚のライトFitsフレームをDeepSkyStackerにてコールドピクセル除去条件下(3 Pix, ThreHold 20%)、フラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。4)天体解像後のM17 天体改造前のM17 撮影日:2023/8/12。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:SONY α6000 天体改造 (ISO 3200)。ガイド:オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。90秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて16回撮影。画像処理:自動保存された16コマのライトFitsフレームをDeepSkyStackerにてコールドピクセル除去条件下(3 Pix, ThreHold 20%)、フラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 M17の場合は、IRフィルターの除去が効いたのか改造後に星雲の赤味が随分と出て来ています。 3.改造α6000とASi2600MC Proとの比較 改造後のα6000をASi2600MC Proと比較撮影してみました。α6000の場合は30℃、ASi2600MC Proは0℃での撮影です。1)クレセント星雲での比較1-1)α6000によるクレセント星雲 天体改造α6000のクレセント星雲画像 撮影日:2023/8/28。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD Flattener/Reducer HD Kit(最終焦点距離 f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:SONY α6000(ISO 3200)。ガイド鏡:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチOptoLong L-eXtreme。300秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて13回撮影。画像処理:自動保存された13コマのライトFitsフレームをASiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 フィルターとしてデュアルナローバンドフィルターであるL-eXtremeを使用したため、明るい星にも穴あきは見られなかったので、スタックはコールドピクセル除去条件は使わなかった。1-2)ASi2600MC Proによるクレセント星雲 ASi2600MC Proでのクレセント星雲画像 撮影日:2023/8/26。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD Flattener/Reducer HD Kit(最終焦点距離 f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 0℃)。ガイド鏡:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチOptoLong L-eXtreme。300秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて13回撮影。画像処理:自動保存された13枚のライトFitsフレームをASiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 クレセント星雲での比較結果は、解像度においてはASi2600MC Proの方が上であった。さらに星雲の外側にある青いオブラートのようなものは、ASi2600MC Proでは良く映っているが、α6000の場合は、殆ど写っていません。2)網状星雲・東側での比較 2-1)α6000での網状星雲・東側 α6000での網状星雲・東側 撮影日:2023/8/28。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Takahashi TSATakahashi TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD Flattener/Reducer HD Kit (Final f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:SONY α6000(ISO 3200)。ガイド鏡:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。300秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて6回撮影。画像処理:自動保存された6コマのライトFitsフレームをASiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 2-2)ASi2600MC Proでの網状星雲・東側 ASi2600MC Proでの網状星雲・東側 撮影日:2023/8/26。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD Flattener/Reducer HD Kit(最終焦点距離 f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 0℃)。ガイド鏡:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチOptoLong L-eXtreme。300秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて11回撮影。画像処理:自動保存された11コマのライトFitsフレームをASiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 3)網状星雲・西側での比較 3-1)α6000での網状星雲・西側 α6000での網状星雲・西側 撮影日:2023/8/28。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Takahashi TSATakahashi TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD Flattener/Reducer HD Kit (Final f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:SONY α6000(ISO 3200)。ガイド鏡:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。300秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて6回撮影。画像処理:自動保存された6コマのライトFitsフレームをASiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 3-2)ASi2600MC Proでの網状星雲・西側 ASi2600MC Proでの網状星雲・西側 撮影日:2023/8/26。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD Flattener/Reducer HD Kit(最終焦点距離 f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 0℃)。ガイド鏡:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチOptoLong L-eXtreme。300秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて10回撮影。画像処理:自動保存された10コマのライトFitsフレームをASiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 4.まとめ 1.改造前後でSONYの虫食い現象は変化はありませんでした。特に、明るい星に穴が開く現象は発生します。今回、デュアルナローバンドフィルター(L-eXtreme)を使ってみると、これらの虫食い現象は見られませんでした。2.天体改造により赤い星雲は写りが良くなった。M8やM20は、やや赤味が増加した感がある程度だったが、M17は改造後の方が星雲のモクモク感が圧倒的に増加した。3.ASi2600MC Proとの比較をクレセント星雲と網状星雲で行ってみた。 ・全体的にはα6000とASi2600MC Proとの映りの違いは余り感じられませんでしたが、細かくみれば下記のような相違が感じられました。 ・クレセント星雲の全体的な映りは同程度だったが、星雲頭の詳細や星雲にかかる青味のベール状の映りは、ASi2600MC Proの方が良かった。 ・網状星雲・西側の中心付近の明るい星には、α6000で撮影しても穴開きは見られなかった。フィルターがデュアルナローバンドフィルターであればSonyの虫食いは発生しない様子。 ・網状星雲・西側の上部にある薄暗い背景は、ASi2600MC Proでははっきり映っていますが、α6000ではほとんど映っていません。弱い光のものにはα6000は弱そうである。4.α6000でのフィルターによる虫食い現象の違いについては、今後慎重に検討してみようと思っています。
September 15, 2023
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1.2023年9月1日、今日も晴れ 暑かった8月も終えて、いよいよ9月に入りましたが、依然熱さを感じます。夜には虫の声も聞こえ始めました。9月1日も天体、庭撮りの日となりました。本日は、Askar Fra400とF3.9レデューサーの組み合わせ(f=280mm)で網状星雲の全景を撮りました。 今回の記事は、2023/8/25-6にTSA-120で個々の網状星雲と2023/9/1のFRA400での網状星雲全景を庭撮りした記事です。それぞれのライブスタックの動画とスタック画像をまとめて下の動画にしました。美しく華麗な星雲でした。 網状星雲の全景と個々の詳細動画【クリックで動画へ】 2.網状星雲全景 網状星雲の全景は、最初Askar FRA400で撮ろうと思い、実際に導入してみると全景が入りそうで入らない結果となり、急遽F3.9レデューサーの登場となりました。このレデューサーの優れどころは、2インチのフィルター用の「隠しネジ」が作ってあるところです。きっちりと撮影者の困りどころを捉えて、工夫しているところは感心します。日本の天文メーカーさんも見習ってほしいです。 網状星雲全景 撮影日:2023/9/1。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。レデューサー:F3.9 レデューサー、最終焦点距離(f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 温度: 0℃)。ガイドスコープ:SVBony ミニガイド (f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて8回ライブスタック。画像処理:自動保存された8枚のライトFitsフレームをフラット、ダーク、バイアス補正後 ASiDeepStackにてスタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 3.個々の網状星雲 網状星雲・東側(The Eastern Veil) 網状星雲・東側 撮影日:2023/8/25-6。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD フラットナー/レデューサー HDキット、最終焦点距離(f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 温度: 0℃)。ガイドスコープ:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて10回ライブスタック。画像処理:自動保存された10枚のライトFitsフレームをフラット、ダーク、バイアス補正後 ASiDeepStackにてスタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 次は、真ん中付近にある網状星雲・ピッカーリングの三角(Pickering' Triangle)です。 網状星雲・トライアングル 撮影日:2023/8/25-6。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD フラットナー/レデューサー HDキット、最終焦点距離(f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 温度: 0℃)。ガイドスコープ:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて10回ライブスタック。画像処理:自動保存された10枚のライトFitsフレームをフラット、ダーク、バイアス補正後 ASiDeepStackにてスタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 網状星雲・西側(The Western Veil) 網状星雲・西側 撮影日:2023/8/25-6。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD フラットナー/レデューサー HDキット、最終焦点距離(f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 温度: 0℃)。ガイドスコープ:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて10回ライブスタック。画像処理:自動保存された10枚のライトFitsフレームをフラット、ダーク、バイアス補正後 ASiDeepStackにてスタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 4.あとがき 1.今回初めて網状星雲を撮影しました。実際に目にしてみて非常に美しい星雲だと感激しました。しかし網状には見えません。なぜ網状なのか。英語名のベール星雲がピッタシの華麗な星雲でした。2.フィルターにナローバンドフィルターを使うとプレートソルビングに時間がかかるようになったり、時には失敗することもあります。極軸合わせもプレートソルビングを使っているので、予想以上の時間がかかり厄介でした。3.オートガイドは当初オフアキシスガイドを組んでいましたが、ナローバンドフィルターを使うとガイド星が見えにくくなり、急遽ガイド鏡によるオートガイドにした。フィルタードロワーを使って、カメラ直前のフィルターにすると良いかも知れない。
September 5, 2023
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1.暑かった2023年の8月 今年ほど暑い8月は過去にはなかったと思います。昼間は、35℃、夜でも28℃くらいで、それが31日間も休みなく持続。これほど熱いと、家庭菜園も「も、いいか」とやめてしまおうかと本気で考えました。一方夜は、GPV雲の予測とは異なり、星撮りには絶好の1カ月になりました。これほど天体機材が活躍した月ははじめてかも知れません。メモ帳を開くと、何と14日間も庭撮りしていました。 nabeさんの記事に触発されて、TSA-120でクレセント星雲: NGC6888を撮ってみました。カメラはASi2600MC Pro、フィルターはオプトロンのL-eXtreme。TSA-120専用のレデューサーは持っていないので、VixenのSDフラットナー/レデューサーHDキットと、SVBonyの0.8xレデューサーの二つを試してみました。ライブスタックの様子と最終画像を下の動画にまとめています。 NGC6888のライブスタックの様子と最終画像【クリックで動画へ】 nabeさんの鏡筒は、Askar 130PHQ (f=1,000mm, F=7.7)であり、TSA-120は、(f=900, F=7.5)である。その比較の意味でも興味が湧きます。 2.明るさは一番肝心 Askar FRA400とSD81SIIの撮り比べをした際、明るさF値の大切さをヒシヒシと感じました。そこで今回は、レデューサーを使ってみることにしました。TSA-120の専用レデューサーが無いので、手持ちの2つのフラットナー/レデューサーを試験してみました。 1)Vixen SD フラットナー/レデューサーHD Kit Vixen SD フラットナー/レデューサーHD このキットは、鏡筒側がM52で、カメラ側がM60となっており非常に特殊です。接続には苦労しました。日本の天文メーカーさんが実際の撮影者のことをおもんぱかっていない証拠です。 2)SVBony SV193 2インチ 0.8x フォトレデューサー / フラットナー SV503 80ED屈折望遠鏡専用 SVBony SV193 このレデューサーは、鏡筒側が2インチ挿し込みで、カメラ側がM48と、標準的で接続が容易です。価格も安いです。 3.二つのレデューサーによるNGC6888の画像の違い 1) Vixen SD Flattener/Reducer HD Kit の場合 TSA-120とVixen SD Flattener/Reducer HD KitによるNGC6888最終画像 撮影日:2023/8/25。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD フラットナー/レデューサーHD Kit、最終焦点距離(f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 温度: 0℃)。ガイドスコープ:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて22回ライブスタック。画像処理:自動保存された22枚のライトFitsフレームをフラット、ダーク、バイアス補正後 ASiDeepStackにてスタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 四隅の星像はほぼ良好だが、明るい星にハローが出ている。星雲周辺の青いベールもかすかに映っていました。 拡大画像2) SVBony 0.8x Reducer の場合 TSA-120とSVBony 0.8x Reducer によるNGC6888最終画像 撮影日:2023/8/21。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:SVBony SV193 2インチ 0.8x フォトレデューサー / フラットナー、最終焦点距離(f=685mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 温度: 0℃)。ガイドスコープ:SVBony F=5ガイドスコープ (f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて12回ライブスタック。画像処理:自動保存された12枚のライトFitsフレームをフラット、ダーク、バイアス補正後 ASiDeepStackにてスタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 四隅の星像は残念ながら流れています。しかし、映りそのものはVixenのSDレデューサーHDキットよりも鮮明でした。レンズ構成が少ないためでしょうか。 拡大画像 4.あとがき 1.TSA-120でクレセント星雲を撮ってみました。明るさ確保のためにレデューサー2種類を試験。Vixen SD Flattener/Reducer HD Kitは、F値が7.5から6.1へ、SVBonyの0.8xレデューサーはF値が5.6となった。2.両方のレデューサーともに鮮明なクレセント星雲が撮れたが、四隅の星像は、Vixenレデューサーではハロー、SVBonyのレデューサーでは極端な星の流れが見られた。厳密には、専用レデューサーの必要性を感じた。3.Vixenのフラットナー/レデューサーの接続には参りました。カメラ側がM60となっており、未だにM60回転リング→EOS T2リング→EOS T2アダプターと、2つのEOS接続リングを介する面倒な接続である。何故、VixenはM60(オス)→ M48 またはM42(オス)の変換リングを用意しないのだろう。AliExpressで、M60(オス)→M42(オス)リングが見つかりましたが、ネジ長が短すぎて信頼性に欠けます。現在M60(オス)→ M48(メス)リングが新たに見つかり注文中です。4.TSA-120は口径12㎝ながら重量は、6.5㎏と、Askar 130PHQの約半分。取り回しは比較的良好です。ただ鏡筒レンズカバーの工作精度が悪く、カバーの開け閉めに苦労しています。【2023/9/2 8:33 追加】 昨日撮影のクレセント星雲です。 Askar FRA400 + F3.9 レデューサーで撮ったクレセント星雲 撮影日:2023/9/1。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。レデューサー:F3.9 専用レデューサー 、最終焦点距離(f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 温度: 0℃)。ガイドスコープ:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて8回ライブスタック。画像処理:自動保存された8枚のライトFitsフレームをフラット、ダーク、バイアス補正後 ASiDeepStackにてスタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。
September 1, 2023
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1.日本の天文メーカーの未来はあるのか 天文の趣味に入った頃、望遠鏡を何にするか迷った記憶が懐かしい。もう5年前にもなりますが、その間、中国の天文メーカーは次々と新製品を開発して世の中に出して来ましたが、日本のメーカーの進歩は全く見られません。今回、非冷却カメラのASi585MCで夏の星雲をAskar FRA400とVixen SD81SIIとで撮り比べてみたので、日本のメーカーに対する不満と、撮り比べの軍配を報告します。 中国メーカーは、最近口径の大きい屈折鏡筒を上市してきています。ついにZWO社が口径13cmの鏡筒を出しました。とにかく日本のメーカーが過去の栄光に縋りついた経営を継続しており、進歩が全くなく、製品の魅力も大幅低下してきています。具体的には、 1)フォーカサーがデュアルフォーカサーでなく、オプションになっている。中国製は標準。 2)お仕着せの旧式のファインダーを付けている。もう邪魔で不要です。 3)鏡筒バンドがオプションになっている場合がある。中国製は鏡筒バンド一体型である。 4)鏡筒レンズカバーにガタがある。すんなりフタが取れない場合が多々ある。 5)リングネジの精度が悪く、時としてガタを感じる場合がある。中国製は高精度のネジで構成されている。 6)鏡筒ケースがほとんど無くなっている。中国製はケース付属が多い。 日本メーカーの上記の欠点は、中国メーカーではほぼクリアーされている。日本メーカーの鏡筒は、残念ながらワクワク感がしないのである。 2.夏の星雲をAskar FRA400とVixen SD81SIIとで撮り比べ Askar FRA400を購入したときは、その取り回しの良さに感心した覚えがあります。フィルターワークも標準のリングがいろいろ付属していました。VixenのSD81SIIと同じ条件で夏の代表的な星雲を撮り比べてみました。 ・カメラ:ASi585MC ・露出時間:120秒 ・スタック回数:10-15回 撮り比べの結果は、下の動画にもまとめています。 FRA400とSD81SIIの撮り比べ【クリックで動画へ】 3.取り比べ結果 M8の撮り比べ【クリックで比較できます】 M16の撮り比べ【クリックで比較できます】 M17の撮り比べ【クリックで比較できます】 M20の撮り比べ【クリックで比較できます】 M27の撮り比べ【クリックで比較できます】 4.まとめ 1.日本の天文メーカーの進歩の無さにはガッカリさせられる。今回、日本メーカーの体表的屈折鏡筒のSD81SIIと、中国のAskar FRA400鏡筒の夏の星雲撮影比較を行ってみました。2.代表的な星雲のモクモク感は、鏡筒のF値に直結しており、同じ露出時間120秒ではFRA400に軍配が挙がる。3.SD81SIIの焦点距離の長さは、FRA400のイメージをデジタル拡大すれば簡単に達成できる。4.異なるF値の鏡筒を同じ露出時間で比較するのは、不公平であるとの声も聞こえそうであるが、星雲の解像度や明るさなどなど、全てにわたってFRA400の方が優れているように思える。5.今後、日本の天文メーカーもワクワク感のある製品へと改良していってほしい。まずはデュアルフォーカサーを標準で付けること。そうしないと、未来が見えなくなります。
August 27, 2023
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2023年7月28日にSony α6000をAskar FRA400に連結してM8とM20を同時試験撮影を行いました。Sonyのミラーレスαシリーズの星喰い問題は知ってはいましたが、暗い星が少々消える些細なものではと、高をくくっていました。撮影も無事に終わり、画像処理も完了して、明るい星に穴が開いているのが見られる程度で、結構撮れているという満足感に浸っていました。しかし、後日ライブスタックのスクリーンレコード動画を詳細に見ていたら、星喰いの影響場面が数多く見られることに驚かされました。 今回の記事は、α6000での星雲撮影時の星喰いの現実と、その対策についての内容です。下の動画にもまとめてあります。 α6000を使った星雲撮影時の星喰いの現実と対策【写真クリックで動画へ】 1.星雲撮影でのSONY α6000の星喰いの現実 Sony α6000を使ってのライブスタックのスクリーンレコード動画を見て、これまで行ったCMOSカメラや一眼レフカメラでは見られなかった代表的な例を3つ示します。1)導入した明るい星に穴が! 導入したデネブを拡大したもの2)バーティノフマスク像の中心部分が過飽和状態! バーティノフマスク像の中心が過飽和状態3)ライトフレームやスタック画像の明るい星に穴が開いている! 致命的な欠陥は、撮影像の中にある明るい星に穴が見られること。穴は、黒色であったり赤色であったりする。この現象がある限りは、ミラーレスαシリーズは天体撮影に使えないことになります。 撮影像の明るい星に穴が開いている! これまでのネットなどで仕入れてきた知識では、SONYの星喰いとは、淡い星が消滅気味になる、グリーン色の星が見られるなど、どちらかと言えば「可愛いいらしい」部類に入る問題かと思っていました。が、実際に良く調べてみると天体撮影にとって致命的な欠陥であることにやっと気付きかされました。 2.明るい星に穴が開く現象は、どこかで見たような? 穴の開いた星を見て呆然としている時、過去に画像処理でこのような現象を見たことを思い出しました。DeepSkyStackerを使ってライブスタック像のホットピクセルを除去しようとした時です。除去機能を強化する条件でスタックすると明るい星に穴ぼこが見られるようになります。そして淡い星が消えてゆきます。まさに、SONYの星喰いと同じ現象なのです。 DeepSkyStackerのホットピクセル除去条件設定画面 SONYのミラーレスで撮影した星喰いライトフレームを、ホットピクセル除去条件でスタックしてみました。ホットピクセル除去条件なしと、有りとの違いを下の写真に示します。 ホットピクセル除去機能無し、有りのスタック像【クリックで比較できます】 ホットピクセル条件をONにすると、星に開いた穴がますます黒くなり大きくなってゆくことがわかります。さらに、ホットピクセル除去条件を徐々に強くした場合どうなるかを調べてみました。除去条件は、フィルターサイズの大きさ(Pix)を変化させています。 ホットピクセル除去条件を強くすると ホットピクセル除去条件を強くしてゆくと、明るい星に開いた穴は大きくなってゆき、淡い星は消えてゆくことがわかります。 3.コールドピクセル除去機能を働かせると、どうなる DeepSkyStackerには、コールドピクセル除去機能も備わっています。これを働かせるとどうなるのか、実際におこなってみました。コールドピクセル除去条件は、(フィルターサイズ:3 Pix, ThreashHold: 25%) 何と、星喰い状態の星像が改善されたのです! Cold Pixel処理のM8像【クリックで比較できます】 M20の中心にある明るい星の穴も、下の写真のとおり無くなっているように見えます。 Cold Pixel処理 M20像【クリックで比較できます】 コールドピクセル除去条件を変化させて、星喰い星像を見てみたのが下の写真です。 コールドピクセル除去条件を変化させて星喰い星像を見る M8付近。 コールドピクセル除去条件を変化させて星喰い星像を見る M20付近。 星喰い像を改善させるための条件は、フィルターサイズが3 Pixが良い感じです。それ以上大きくしても変化はありません。ThreashHoldも検討しましたが75%ー5%まで変化はありませんでした。1%にすると背景がぼやけてきました。 4.まとめ と 今後 1.SONYのミラーレスαシリーズで星雲写真を撮ってみて、星喰い現象を検証してみた。撮影時明るい星を導入すると、星像に穴が開いていた。フォーカシング時に星像が過飽和状態になるなどの異常が見られた。2.ライトフレームを画像処理すると、やはり明るい星に穴が開いている写真となった。3.明るい星に穴が開く現象は、ホットピクセル除去機能を働かせたソフトに見られることでもある。SONYのノイズリダクションによる星像の欠陥は、ホットピクセル除去条件が適切ではないことに起因していることが考えられる。4.DeepSkyStackerに備え付けのコールドピクセル除去条件でα6000で撮影のライトフレームをスタックすると、星喰いが改善された。パーフェクトではないが、かなりの改善であった。5.今後、α6000を天体改造して、さらに星喰い現象を調べ、その影響を改善する策を検討できればと思っています。
August 13, 2023
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1.ミラーレスカメラの天体撮影への対応 天体撮影のシステムは、大きく分けてPCを使うASCOM系とスマホを使うASiair系に大別される。両者ともに、一眼レフカメラには対応できているが、ミラーレスカメラへの対応は鈍い。しかし、ASCOM系では数年前Sonyのミラーレスカメラのドライバーが出現し、ASiair系ではバージョン2.1からSonyのミラーレスαシリーズに対応するようになったと言う。 これまでAsiair系を多用してきた関係上、EOS6D、EOS-Kiss X5を使ってきましたが、ミラー上下音のストレスから使わなくなってきました。ミラーレスカメラへの対応は、キャノンに限ればEOS RやRPのフルサイズへの対応は早かったものの、APS-C機への対応はEOS M6 MarkIIに限られ、閉ざされていた感がします。カメラが主体のビジネスのZWO社だから当然という見方もできますが、中途半端です。では、どうして今さらSonyのミラーレスだけに対応したのか。ここには、企業間のいろいろな憶測をはさむ余地がありそうですね。 とにかく待望のASP-Cのミラーレスに対応したということで、急遽α6000を中古で購入して、ASiair Plusで星雲をテスト撮影してみました。 α6000を接続した鏡筒 2.α6000を使ってライブスタックを実行 鏡筒はFRA400を使い、ASiair PlusにUSBコードで連結、M8とM20の全景を90秒露光のライブスタックで撮影しました。試験はプレートソルビング、フォーカシング、極軸合わせなど、撮影に必要な項目を全部チェックしてみました。試験の様子は、下の動画にまとめています。 α6000を使った星雲のライブスタック【写真クリックで動画へ】 ライブスタックは、何らトラブルもなく進行しました。唯一、Sonyのミラーレスαシリーズの欠陥である星喰い現象が見られました。この件は後述します。 3.α6000の重要な設定項目 ASiairがα6000に対応していると言えども、うまく稼働するまでにはトラブル続出でした。カメラ側の設定方法がはじめてだったので、重要だったポイントを3点。1)USB接続の中の「PCコントロール」へ設定する。2)レンズ非接続の場合のリリースを「許可」へ設定。3)Mモードに合わせ、シャッター速度変更ダイヤルで「BULB」へ設定。 ManualモードでBULBへ 4.α6000でのライブスタック結果 90秒露光で10回ライブスタックし、自動保存されたライブスタック像が下の写真です。ダーク、フラット、バイアス補正は、無しです。 自動保存されたライブスタック画像 13枚のライトフレームをフラット、ダーク補正し、スタックした画像が下の写真です。 M8とM20の画像処理後の画像 撮影日:2023/7/28。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:SONY α6000(ISO 3200)。ガイド:オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。90秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて13回撮影。画像処理:自動保存された13枚のライトFitsフレームをDeepSkyStackerにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 5.まとめ と 課題 1.ASiair がVer2.1からSONY のミラーレスカメラαシリーズに対応したということで、α6000を使って試験撮影してみた。試験撮影はCMOSカメラと何ら変わり無く操作でき、トラブルなして進行した。2.ライブスタックは、ダーク、バイアス、フラット無しで行ったが、アンプグローなどは見られなかった。ISO感度12,800以上ではライブスタックがうまく進行しなかった。ISO 6,400ではライブスタック像はノイジーであった。3.輝度の高い星が視野に入った時、モニター像が飽和する現象に見舞われた。CMOSカメラやEOS一眼では経験したことがなく、それがSONYカメラの星喰い現象の初体験であった。ライトフレームやライブスタック画像、そして画像処理後の最終画像を大きく拡大すると、高輝度星に穴が開いていたり、中心に赤い斑点が現れていた。原因は、内在するノイズ低減処理ソフトのおせっかい処理である。このスターイーター問題は表に現れてかなり長い年月が経過している。にもかかわらずソニーは放置したままである。製造物責任にかかわるのではないか。このままでは、α6000は天体撮影に使うことは不可能である。 最終画像のM8部分の拡大画像 最終画像のM20部分の拡大画像4.ここまで試験したので、α6000を天体改造して改造前との比較を行いたいと思っています。さらに星喰いを解決する方策についても検討してゆきたい。
August 6, 2023
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天体撮影の趣味を始めて5年目に入りました。その間、遠征は一度も経験していません。今回、初めての遠征もどきで、長野県の美ヶ原高原と車山高原へと足を伸ばしましたが、あえなく曇りと雨。下界は35℃の猛暑のところが、高原は15-20℃でしたので、避暑の目的だけは果たすことができました。 前回の記事のとおり、Askar FRA400とASi585MCの組み合わせでのライブスタックの感触が良かったので、一挙にM8, M16, M17, M20, M27の120秒露光でのライブスタックを行ってみました。スタック回数は時間の都合で8~14回にとどめています。外気温度は約30℃でした。ライブスタックの様子は、下の動画のとおりです。 Askar FRA400とASi585MCとでライブスタック【写真クリックで動画へ】 空のシーイングは、ベストではありませんでしたが、ライブスタックの結果は思いのほか鮮明に星雲たちを映し出してくれました。総露出時間がかなり貧弱ですが、簡単な画像処理を行った最終画像を以下に示します。 M8 撮影日:2023/7/24。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi585MC (Gain: 200)。ガイド:オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。120秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて14回ライブスタック。画像処理:自動保存された14枚のライトFitsフレームをASiDeepStackを使ってフラット、ダーク、バイアス補正、そしてスタック、FlatAideProにてレベル調整。Topaz DeNoise AIでデノイズ処理。 M16 撮影日:2023/7/24。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi585MC (Gain: 200)。ガイド:オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。120秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて10回ライブスタック。画像処理:自動保存された10枚のライトFitsフレームをASiDeepStackを使ってフラット、ダーク、バイアス補正、そしてスタック、FlatAideProにてレベル調整。Topaz DeNoise AIでデノイズ処理。 M17 撮影日:2023/7/24。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi585MC (Gain: 200)。ガイド:オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。120秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて8回ライブスタック。画像処理:自動保存された8枚のライトFitsフレームをASiDeepStackを使ってフラット、ダーク、バイアス補正、そしてスタック、FlatAideProにてレベル調整。Topaz DeNoise AIでデノイズ処理。 M20 撮影日:2023/7/24。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi585MC (Gain: 200)。ガイド:オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。120秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて8回ライブスタック。画像処理:自動保存された8枚のライトFitsフレームをASiDeepStackを使ってフラット、ダーク、バイアス補正、そしてスタック、FlatAideProにてレベル調整。Topaz DeNoise AIでデノイズ処理。 M27 撮影日:2023/7/24。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi585MC (Gain: 200)。ガイド:オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。120秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて14回ライブスタック。画像処理:自動保存された14枚のライトFitsフレームをASiDeepStackを使ってフラット、ダーク、バイアス補正、そしてスタック、FlatAideProにてレベル調整。Topaz DeNoise AIでデノイズ処理。
August 2, 2023
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1.ASi585MCを購入のきっかけ 長焦点の鏡筒のオフアキシスガイド化を検討している際、少しでもガイドの視野を広くするために、1/1.2インチのASi174MM Miniの使用を考え、購入しようとしましたが在庫なし、とのことで、再考することになりました。これまでの経験で、高感度化のためにモノクロカメラを使う必然性もないことを考慮すると、カラーカメラでも良いのではないかと思い立ち、1/1.2インチの非冷却カラーカメラのASi585MCが候補に登場しました。 ZWO Asi585MC このカメラのスペックは、 ピクセル数:3,840×2,160 ピクセルサイズ:2.9×2.9μm アンプグロー:なし カイドカメラとして使用しない場合を想定して、メインカメラとしての用途も考えてみました。同じ1インチクラスのカメラであるASi533MC Proを使っていますが、画角が正方形になり、パソコンのディスプレイなどで画像を投影した場合、どうしても左右に空白ができてしまい、結局迫力のない、画像ないし映像になり不満が残っていました。このASi585MCであれば縦横比は9:16に近いので好都合です。しかもアンプグローがゼロなのでライブスタックにはもって来いです。 2.ASi585MCを使ってライブスタックを実行 真夏の季節、非冷却カメラであるASi585MCを使ってのライブスタックは、うまくゆくのか。実際に実行してみました。結果は、以下の動画にまとめています。 ASi585MCを使ってのライブスタック【写真クリックで動画へ】 ライブスタックに使用した機材は以下のとおりです。 使用した機材 露光時間120秒で14回ライブスタックした結果が下の画像です。 自動保存されたライブスタック画像 14枚のライトフレームをフラット、ダーク補正し、スタックした画像が下の写真です。 M81とM82の画像処理後の画像 撮影日:2023/7/2。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi585MC (Gain: 200)。ガイド:オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。120秒露光で、フラット、バイアスなしでASiairにて14回ライブスタック。画像処理:自動保存された14枚のライトFitsファイルをフラット、ダーク、バイアス補正後、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 3.まとめ 1.アンプグローノイズが出ないとされるASi585MCをライブスタックに使用してみた。気温30℃の状態では、ゲイン300以上ではライブスタックに失敗した。ゲイン200では、120秒露光でもライブスタックの失敗はなかった。2.非冷却でライブスタックを行っていると、バッテリの電力の消費が極端に少なくなります。安心感を持ってライブスタックを楽しむことが出来ます。3.1インチサイズのASi585MCは、ASi533MC Proと同程度の画角であるが、縦横比が16:9に近いだけあってモニター画面上では迫力ある画像となる。解像度は、ASi533MC Proに決して劣ることはなかった。4.ガイドはオフアキシスガイドで行ったが、慣れればガイド星が鮮明で行いやすい印象を得た。EDレンズではない通常のガイド鏡では星が肥大してガイドが行いづらい。
July 28, 2023
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1.なぜオフアキシスガイドを始めたのか 長焦点の鏡筒を使っている時、フレーム毎に星が一定方向に流れてゆく現象に見舞われてた。オートガイドは正常に稼働しているにもかかわらず、星が流れてゆく現象。原因がガイド鏡と主鏡との光軸のズレではないかと推定。この現象は、オフアキシスガイドを実装すれば解決すると考え、セットアップと実際の撮影を実行してみました。 オフアキシスガイドのセットアップと、ガイド鏡との比較撮影の様子は、下記のYouTubeに動画をアップしています。 オフアキシスガイドのセットアップと撮影【写真クリックで動画へ】 2.オフアキシスガイダーの検討 最初に、ZWO社のオフアキシスガイダー(ミニタイプ)を購入し、昼間に試験を行った。 ZWO OAG ミニタイプ ZWO OAGミニタイプは、1.25インチ径のカメラは装着できないので、手持ちのM42 1.25インチヘリコイドマイクロフォーカサーを取り付けた。 試験は以下の条件で行いました。 ・主鏡:Takahashi TSA-120 (f=900mm) ・専用1.5Xエクステンダー ・ガイド鏡:ASi120MM Mini ・オフアキガイダー:ZWO OAG にM42 1.25" ヘリコイド マイクロフォーカサーを装着 約250m先のマンションのレンガ壁を撮影した時のスクリーンショットが下の写真。 ZWO OAG を使ったASi120MM Miniの画像 驚いたことに、ZWO OAGを使った画像は、まともな画像が得られなかった。撮像が少々霞んでおり、ケラレもあります。また、何とゴーストの発生が見られました。目を疑いましたが、プリズムの位置を変化させても鮮明な像は得られませんでした。これは、使い物にならないと感じ、即AstroStreet社のオフアキガイダーを発注しました。こちらの製品は、マイクロフォーカサーも付属しているタイプがあり、価格もZWO社の半値以下でした。 AstroStreet社 OAG マイクロフォーカサータイプ AstroStreet社より購入のガイダーは、Omegon社製の製品と思われます。海外の多くの天文ショップでも販売されています。ZWO社のミニOAGは、プリズム反射ではなく、蒸着金属の反射板を使っているようで、それが原因でゴーストの発生などがみられるのではないかと思われます。AstroStreet社のOAGは正真正銘のプリズムが使われています。 同様にTSA-120を鏡筒にして、250m先のマンションの壁を撮影したのが下の写真です。 AstroStreet社OAGを使った像 AstroStreet社のOAGでは鮮明な像が得られたので、このガイダーを使うことにしました。試験では、ガイド鏡としてASi120MM Miniを使いましたが、実装で広めの視野にするためにASi220MM Miniを使うことにしました。 3.ガイド鏡によるガイドとオフアキシスガイドとの比較 下のGIFアニメは、ガイド鏡を使ったオートガイドを実行して撮影されたライトフレームを順番に並べて、星の動きを見たものです。星が下に向かって流れているのが判ると思います。 ガイド鏡によるオートガイドで撮影されたライトフレームの星の動き 次のGIFアニメは、オフアキシスガイダーを使ってオートガイドを行って撮影したライトフレームを並べたものです。フレーム毎の星の流れは皆無です。 オフアキシスガイドによって撮影されたライトフレームの星の動き 以上のとおり、オフアキシスガイドによってライトフレーム毎の星の流れは無くなることがわかりました。 4.ガイド鏡によるガイドとオフアキシスガイドとのM101最終画像の比較 ガイド鏡によるオートガイドの最終画像は、下の写真のとおりです。当初は、真ん中にM101を導入しましたが、フレーム毎に星が下へと流れて銀河が下の方へ片寄った最終画像となりました。 ガイド鏡によるオートガイド時のM101の最終画像 撮影日:2023/4/29。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)+2インチ2.0xEDバローレンズ(最終焦点距離=1,930mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi533MC Pro (-10℃、Gain: 250)。カイド鏡:EvoGuide50ED+2xBarlow (f=425mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。240秒露光で、フラット、バイアス有りでASiairにて22回ライブスタック。画像処理:自動保存された22枚のライトFitsファイルをフラット、ダーク、バイアス補正後、ASiDeepStackにてスタック。FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 星像も縦長になっているように見えます。オフアキシスガイダーを使ったライトフレームは、DSSによってもスタックが可能になりました。星像もより丸くなっているように見えます。 オフアキシスガイド時のM101の最終画像 撮影日:2023/6/16。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)+1.5xエクステンダー(最終焦点距離=1,590mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi533MC Pro (-10℃、Gain: 250)。ガイド:AstroStreet社のマイクロフォーカサー付きオフアキガイダー。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。240秒露光で、フラット、バイアス有りでASiairにて15回ライブスタック。画像処理:自動保存された15枚のライトFitsファイルをフラット、ダーク、バイアス補正後、ASiDeepStackにてスタック。FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 5.まとめ 1.長焦点の鏡筒を使ってガイド鏡でのガイド撮影を行った際、ライトフレーム毎に星が流れる現象に見舞われた。オートガイドが正常に機能しているにもかかわらず星が流れる原因は、主鏡の向きとガイド鏡の向きが経時とともに乖離してゆくことに依るものと考えられる。2.この向きの乖離は、オフアキシスガイドでは無いはずなので、オフアキシスガイドを検討してみた。結果は、オフアキシスガイドを実行するとライトフレーム毎の星の流れは無くなった。3.ガイド鏡によるオートガイドで得られるライトフレームは、DeepSkyStackerではスタックが出来なかったが、オフアキシスガイダーを使うことによってDSSでもスタックが可能になった。4.オフアキシスガイダーとしては、AstroStreet社のマイクロフォーカサー付属のものが安価で解像度も良い結果が得られた。ZWO OAGミニタイプは、得られる画像は少々霞んでおり、ゴーストの発生も見られた。昼間の使用ではこのような現象は織り込み済みという輸入元の見解ですが、果たしてこのような判断で良いのでしょうか。
July 12, 2023
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この梅雨時に、しかも新月期に澄み切った夜空。結露も全く無い奇跡に近い絶好の天文の夜空。思わずメシエ銀河のライブスタックを4連続。スタックの数を稼ぐか、それとも銀河の数を稼ぐか迷いましたが、1時間づつ4連続銀河に決定。 メシエ銀河4連発【写真クリックで動画へ】 M81 撮影日:2023/6/16。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)+1.5Xエクステンダー(最終焦点距離=1,580mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi533MC Pro (-10℃、Gain: 250)。オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。240秒露光で、14ショット。画像処理:14枚のライトFitsファイルをフラット、ダーク、バイアス補正後、ASiDeepStackにてスタック。FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 M82 撮影日:2023/6/16。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)+1.5Xエクステンダー(最終焦点距離=1,580mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi533MC Pro (-10℃、Gain: 250)。オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。240秒露光で、14ショット。画像処理:14枚のライトFitsファイルをフラット、ダーク、バイアス補正後、ASiDeepStackにてスタック。FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 M51 撮影日:2023/6/16。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)+1.5Xエクステンダー(最終焦点距離=1,580mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi533MC Pro (-10℃、Gain: 250)。オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。240秒露光で、16ショット。画像処理:16枚のライトFitsファイルをフラット、ダーク、バイアス補正後、ASiDeepStackにてスタック。FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 M101 撮影日:2023/6/16。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)+1.5Xエクステンダー(最終焦点距離=1,580mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi533MC Pro (-10℃、Gain: 250)。オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。240秒露光で、15ショット。画像処理:15枚のライトFitsファイルをフラット、ダーク、バイアス補正後、ASiDeepStackにてスタック。FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 あ~、もう少し時間をかけて30ショット以上撮っとけば良かったなー、といつもの後悔でした。
June 19, 2023
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1.TSA-120を使ったM51のライブスタック 1カ月前にBKMAK180でM51を撮影しましたが、あまり解像度が良くない結果が得られていました。原因として、1)光軸が狂っている、2)ガイドが光軸外ガイドとなっている。屈折鏡であるTSA-120を光軸内ガイドで使えば、これらの原因を除去できるので、高解像度のM51を期待して撮影してみた。焦点距離は、2インチのEDバローレンズを使い、かつバックフォーカスを目いっぱい伸ばして2,250mmにしてみました。 ライブスタックの様子は下の動画にまとめています。 TSA-120使ったM51のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 今回の使用機材は下のとおりです。 使用した機材 焦点距離900mmのTSA-120に、2倍のバローレンズを装着して、下の写真のようなリング構成にして、最終焦点距離は約2,250mmになっています。 リング構成 32回スタックした後、自動保存されたライブスタック画像は、下の写真のとおりです。 自動保存されたM51スタック画像(240秒露光、32回ライブスタック) 2.画像処理後の最終画像 32枚のライトフレームをASiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス処理スタックを行った。FlatAideProにてレベル調整、Topaz DeNoise AIでデノイズ処理を行った最終画像が下の写真です。 画像処理後の最終画像 撮影日:2023/5/16。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)+2インチ2.0xEDバローレンズ(最終焦点距離=2,230mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi533MC Pro (-10℃、Gain: 250)。ガイド鏡:EvoGuide50ED+2xBarlow (f=425mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。240秒露光で、フラット、バイアス有りでASiairにて32回ライブスタック。画像処理:自動保存された32枚のライトFitsファイルをフラット、ダーク、バイアス補正後、ASiDeepStackにてスタック。FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 3.フレーム毎に星が流れる現象について考察 下の写真は、2023/04/27 にBKMAK180を使い34回スタックしたライブスタック画像ですが、写真をクリックして拡大して見ていただくと、黄色の円内に写り込んだホットピクセルの軌跡を見ることが出来ます。 2023/04/27 BKMAK180でのフレーム毎に星が流れる現象【クリックで拡大】 一方、今回のTSA-120での撮影では、主鏡とガイド鏡との光軸を合わせてあります。下の写真のとおり、黄色の円内のホットピクセルの軌跡はかなり小さくなっています。 2023/05/16 TSA-120でのフレーム毎に星が流れる現象【クリックで拡大】 今後、オフアキシスガイドを実行して、このフレーム毎に星が流れる現象を解決して行こうと考えています。
June 11, 2023
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1.2023/5/24-25 のM101ライブスタック 2023/4/28-29にM101のライブスタックを行いましたが、フレーム毎に星が流れてしまい、星像がイビツなりました。鏡筒はタカハシのTSA-120で、バローを使って焦点距離を1,930mmまで伸ばして撮影しました。原因は、主鏡とガイド鏡との光軸の不一致であろうと推定しました。ということで、主鏡とガイド鏡との光軸を一致させて、リベンジの機会をうかがっていたところ、5月19日にM101の中で超新星2023ixfが発見されました。 2023/5/24にやっと晴れてM101の撮影ができました。ライブスタックの様子は下の動画にまとめています。 2023/5/24-25のM101のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 使用機材は下のとおりです。焦点距離900mmのTSA-120に、2倍のバローレンズを装着して、最終焦点距離は約1,930mmになるはずでしたが、リングを一つ付け忘れてバックフォーカスが若干短くなり、実質焦点距離は、1,830mmになってしまいました。前回撮影の2023/4/28-29は、ガイド鏡の光軸を主鏡のそれと一致させてなかったので、今回は光軸のアライメントを実行しました。 使用した機材 2023/5/24-25のライブスタック後に画像処理した最終画像が、下の写真です。露出240秒で32回スタックしましたが、前回に比べてシーイングが悪かったのか解像度がいまいちでした。 画像処理後の最終画像 撮影日:2023/5/24-25。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)+2インチ2.0xEDバローレンズ(最終焦点距離=1,830mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi533MC Pro (-10℃、Gain: 250)。ガイド鏡:EvoGuide50ED+2xBarlow (f=425mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。240秒露光で、フラット、バイアス有りでASiairにて32回ライブスタック。画像処理:自動保存された22枚のライトFitsファイルをフラット、ダーク、バイアス補正後、ASiDeepStackにてスタック。FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 2.2023/4/29 のM101ライブスタック 超新星が出現する前の2023/4/28-29にライブスタックを行った時の動画が下の動画です。 2023/4/28-29のM101のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 2023/4/28-29撮影の最終画像 撮影日:2023/4/28-29。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)+2インチ2.0xEDバローレンズ(最終焦点距離=1,930mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi533MC Pro (-10℃、Gain: 250)。ガイド鏡:EvoGuide50ED+2xBarlow (f=425mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。240秒露光で、フラット、バイアス有りでASiairにて22回ライブスタック。画像処理:自動保存された22枚のライトFitsファイルをフラット、ダーク、バイアス補正後、ASiDeepStackにてスタック。FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 超新星発見前後のM101の比較を下に示します。 超新星発見前後のM101(左:2023/4/29、右:2023/5/25) SN2023ixfが発見される以前も同じ場所に暗めの星が存在しています。爆発前の姿なのでしょうか。 3.フレーム毎に星が流れる現象について 下の写真は、2023/4/28-29に行ったライブスタックの結果です。星が上へ流れて写真下部に白い余白が出来ています。 ガイド鏡のアライメント未実施、フレーム毎に星が流れる現象【クリックで拡大】 下の写真は、ガイド鏡の光軸を主鏡と一致させた2023/5/24-25のライブスタック後に自動保存されたライブスタック画像です。 ガイド鏡のアライメント実施後のフレーム毎に星が流れる現象【クリックで拡大】 32回のライブスタック後のライブスタック画像の余白は、ほとんど出現していません。ガイド鏡のアライメントを実施すれば星の流れは避けられることが明らかになりました。今回はオフアキガイドも準備しましたが、長焦点撮影かつ、ガイドカメラがASi120MM Miniだったので、ガイド星は見つけられませんでした。
May 30, 2023
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1.TSA-120を使ったM101のライブスタック しばらく長距離砲としてBKMAK180を使ってきましたが、フレーム毎に星が流れるトラブルに見舞われていました。原因は、反射主鏡の自重によるたわみが疑われる状態となっている。では、屈折鏡筒を使えばこのようなたわみが無いので、星が流れてゆく現象が起こらないはずである。ということで、本来は焦点距離900mmの鏡筒に2インチの2.0XEDバローレンズをつないで、焦点距離1,930mmにしてM101をライブスタックしてみました。 ライブスタックの様子は下の動画にまとめています。 TSA-120使ったM101のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 今回の使用機材は下のとおりです。焦点距離900mmのTSA-120に、2倍のバローレンズを装着して、最終焦点距離は約1,930mmになっています。 使用した機材 自動保存されたライブスタック画像は、下の写真のとおりです。フレーム毎に星が流れる現象は、屈折鏡筒でも現れていました。 自動保存されたスタック画像(240秒露光、22回ライブスタック) 2.画像処理後の最終画像 22枚のライトフレームをASiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス処理スタックを行った。FlatAideProにてレベル調整、Topaz DeNoise AIでデノイズ処理を行った最終画像が下の写真です。 画像処理後の最終画像 撮影日:2023/4/27。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)+2インチ2.0xEDバローレンズ(最終焦点距離=1,930mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi533MC Pro (-10℃、Gain: 250)。ガイド鏡:EvoGuide50ED+2xBarlow (f=425mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。240秒露光で、フラット、バイアス有りでASiairにて22回ライブスタック。画像処理:自動保存された22枚のライトFitsファイルをフラット、ダーク、バイアス補正後、ASiDeepStackにてスタック。FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 3.フレーム毎に星が流れる現象について考察 下の写真は、22回スタックしたライブスタック画像ですが、写真をクリックして拡大して見ていただくと、黄色の円内に写り込んだホットピクセルの軌跡が見てとれます。縦方向に動いていることが伺え、星像もその方向に長くなっています。 フレーム毎に星が流れる現象【クリックで拡大】 主鏡の自重によるたわみのない屈折鏡筒でもフレーム毎に星が流れる現象が現れ、星像も流れ方向に長くなって、少々意気消沈気味。今回の撮影では、極軸合わせとオートガイドは慎重に実行しました。オートガイドは凡そ0.5秒を維持していました。唯一、ガイド鏡のアライメントを実行していませんでした。長焦点撮影においては、どうやらガイド鏡と主鏡との方向が完全に一致していないとフレーム毎に星が流れる現象が起こるようです。このような現象を避けるためにもオフアキガイドが有効なのかも知れません。
May 20, 2023
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1.BKMAK180とASi294MC ProでM51をライブスタック 焦点距離が2,700mmのBKMAK180の性能をテストするためにM51をライブスタックして観望し、自動保存されたシングルフレームを画像処理をしてみました。最初、カメラはASi294MC Proを使用しました。ライブスタックの様子は以下の動画にまとめています。 BKMAK180とASi294MC Proを使ったM51のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 BKMAK180でのライブスタックに使った機材は下のとおりです。 使用した機材 ライブスタックは、露光時間を180秒で行いました。ASi294MC Proは、強いアンプグローが出現するのでダーク補正+フラット補正ありと、両方無しで行ってみました。 下の画像は、ダーク補正なし+フラット補正なしで20回ライブスタックした時のライブスタック画像です。激しい294MCのアンプグローが出ています。 BKMAK180でのM51ライブスタック画像(ダーク補正なし) 撮影日:2023/3/31。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:BKMAK180 (f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (-10℃、Gain: 310)。ガイド鏡:EvoGuide50EDII+2xBarlow (f=425mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。180秒露光で、ASiairにて20回ライブスタック。画像処理:自動保存されたライブスタックFitsファイルをFlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 次かダーク補正+フラット補正ありでの30回のライブスタック画像です BKMAK180でのM51ライブスタック画像(ダーク補正あり) 撮影日:2023/4/3。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:BKMAK180 (f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (-10℃、Gain: 310)。ガイド鏡:EvoGuide50EDII+2xBarlow (f=425mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。180秒露光で、ASiairにて30回ライブスタック。画像処理:自動保存されたライブスタックFitsファイルをFlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 ライブスタック時にダーク補正を入れると、いつもの通り赤っぽくなる。 保存されたシングルフレームの画像処理ですが、フレーム毎に星が一定方向に流れてDSSやASiDeepStackではスタックが不可能でした。面倒ですが、ステライメージ9を使って2カ所の基準点を指定してスタックを行いました。得られた最終画像が下の写真です。 BKMAK180+ASi294MC ProでのM51の最終画像 撮影日:2023/4/3。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:BKMAK180 (f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (-10℃、Gain: 310)。ガイド鏡:EvoGuide50EDII+2xBarlow (f=425mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。180秒露光で、ASiairにて30フレーム撮影。画像処理:自動保存された30枚のライトフレームFitsファイルをダーク、フラット補正後ステライメージ9にて基準点有りでスタック。FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 最終画像は、「17インチの巨砲」さんには遠く及ばないものの、まあ満足できるものでした。 2. BKMAK180とASi2600MC ProでM51をライブスタック ASi294MC Proでのライブスタックはアンプグローが厳しかったことと、赤っぽくなるダーク補正でのライブスタックを避ける目的で、アンプグローが出ないASi2600MC Proを使ってライブスタックを行ってみました。ライブスタック動画は下の動画にまとめています。 BKMAK180とASi2600MC ProでのM51ライブスタック動画 ライブスタックは、120秒露光と180秒露光の2通り行いました。 下の写真は、120秒露光でのライブスタック画像です。 BKMAK180とASi2600MC ProでのM51ライブスタック画像(120秒露光) 撮影日:2023/4/17。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:BKMAK180 (f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (-10℃、Gain: 250)。ガイド鏡:EvoGuide50EDII+2xBarlow (f=425mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。120秒露光で、ASiairにて40回ライブスタック。画像処理:自動保存されたライブスタックFitsファイルをFlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 次か180秒露光でのライブスタック画像です BKMAK180とASi2600MC ProでのM51ライブスタック画像(180秒露光) 撮影日:2023/4/9。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:BKMAK180 (f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (-10℃、Gain: 250)。ガイド鏡:EvoGuide50EDII+2xBarlow (f=425mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。180秒露光で、ASiairにて40回ライブスタック。画像処理:自動保存されたライブスタックFitsファイルをFlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 120秒露光で40フレームを、180秒露光で40フレームを画像処理した最終画像をそれぞれ下に示します。 120秒露光でのM51の最終画像 撮影日:2023/4/17。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:BKMAK180 (f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (-10℃、Gain: 250)。ガイド鏡:EvoGuide50EDII+2xBarlow (f=420mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。180秒露光で、ダーク、フラット無しでASiairにて40回ライブスタック。画像処理:自動保存された40枚のライトフレームFitsファイルをステライメージ9にてダーク、フラット補正後、基準点有りでスタック。FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 180秒露光で40回ライブスタック。自動保存されたシングルライトフレーム40枚で画像処理した最終画像が下の写真。 180秒露光でのM51の最終画像 撮影日:2023/4/9。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:BKMAK180 (f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (-10℃、Gain: 250)。ガイド鏡:EvoGuide50EDII+2xBarlow (f=420mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。180秒露光で、ダーク、フラット無しでASiairにて40回ライブスタック。画像処理:自動保存された40枚のライトフレームFitsファイルをステライメージ9にてダーク、フラット補正後、基準点有りでスタック。FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 フレーム毎に星が一定方向に流れてゆく現象は今回も見られた。DSSやASiDeepStackではスタック出来なかったので、ステライメージ9で2点基準点を設定してスタックせざるを得なかった。最終画像は、「17インチの巨砲」さんには遠く及ばないものの、まあ満足できるものでした。 3. まとめ 1)長焦点のBKMAK180の性能を計るために、とりとめもなくM51を撮り続けました。良い映像、画像を得るためには、長時間露光が必要であることを再認識しました。2)ASi294MC Proでは、スタック回数が20回と30回と少なく、映像と画像ともに、ザラツキが目立った結果となりました。ダーク補正ライブスタックでは、相変わらず赤っぽい映像、画像が得られた。3)ASi2600MC Proでは、スタック回数が40回と多くしたためか、映像、画像ともにスッキリとしてきた。さらなる解像度を追う場合は、モノクロカメラでのフィルターワークが必要となるのであろう。4)今回の一連のM51撮影においても、フレーム毎に星が一定方向に流れる現象が見られた。信頼できる天文ショップスタッフに問い合わせたところ、反射主鏡を動かして焦点を合わせる鏡筒の自重による主鏡のたわみが原因であろう、とのことであった。このことから、主鏡固定型の反射鏡筒の方が長露光撮影には向いていることが考えられます。次回は、長焦点屈折鏡筒のTSA-120で比較撮影してみたいと考えています。
May 2, 2023
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ASiairとEOS6Dとの組み合わせでの第2弾として、クラゲ星雲をモンキー星雲の同時撮影を行ってみました。フィルターはOptlongのL-eXtremeを使いましたが、少々赤強調が過ぎたようです。 ライブスタックの様子は下の動画にまとめています。 EOS6Dでのクラゲ星雲とモンキー星雲のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 今回の使用機材は下のとおりです。 使用した機材 120秒露光で20回ライブスタックを実行して自動保存された画像が下の写真です。 自動保存されたモンキー星雲付近のライブスタック画像 撮影日:2023/3/19。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 + F3.9 レデューサー (ファイナル f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:EOS6D (天体改造、ISO6400)。ガイド鏡:SVBony D=30mm (f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Pro。フィルター:2インチOptolong L-eXtreme。120秒露光、フラット、ダーク、バイアス有り、ASiairにて20回ライブスタック。画像処理:自動保存されたライブスタックFitsファイルをASiFitsViewにてレベル調整のみ。 自動保存された20枚のシングルフレームを以下の工程にて画像処理した。動画内の画像処理方法とは若干異なっています。1.フラット、ダーク補正後、ステライメージ9にてスタック。2.ASiFitsViewにてレベル調整3.FlatAideProでシェーディング補正。4.Topaz DeNoise AIでデノイズ処理。 少々強調した処理ですが、下の写真が最終画像です。 クラゲ星雲とモンキー星雲の最終画像 撮影日:2023/3/19。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 + F3.9 レデューサー (ファイナル f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:EOS6D (天体改造、ISO6400)。ガイド鏡:SVBony D=30mm (f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Pro。フィルター:2インチOptolong L-eXtreme。120秒露光、フラット、ダーク、バイアス有りで、ASiairにて20回ライブスタック。画像処理:自動保存されたシングルライトフレーム20枚をステライメージ9でフラット、ダーク補正後、スタック。ASiFitsViewにてレベル調整。FlatAideProでシェーディング補正後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 参考のために、上記画像処理各工程途中の画像を示します。a) 20枚のライトフレームをステライメージ9でスタック後、ASiFitsViewでレベル調整後 通常は、ステライメージ9を使ってフラット、ダーク補正し、スタックした後、保存FitsファイルをFlatAideProを使ってレベル調整を行っていますが、今回レベル調整をASiFitsViewで行いました。理由は、ASiFitsViewでのレベル調整の方がクラゲ星雲の足のあぶり出しがうまく進行したからです。 ASiFitsViewでレベル調整した後の画像 フラット補正を行っても、背景真ん中部分に明るさが出ていた。b) FlatAideProでシェーディング補正後 FlatAideProでシェーディング補正した画像 シェーディング補正によって、背景真ん中部分の明るさが消えた。c) Topaz DeNoise AIでデノイズ処理(最終画像) デノイズ処理により、背景の星が小さくなって星雲が見易くなる効果があった。 デノイズ処理後の最終画像
April 17, 2023
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1.BKMAK180を使ったカニ星雲のライブスタック カニ星雲を焦点距離2,700㎜のBKMAK180でライブスタックしてみました。検討項目は、一つ目がプレートソルビングが問題なく可能か否か。二つ目は、星がフレームで流れるか否かの2点です。撮影時のカニ星雲は、子午線反転直後の位置にあり、あまり良い条件ではありませんでした。 ライブスタックの様子は下の動画にまとめています。 BKMAK180を使ったM1のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 今回の使用機材は下のとおりです。 ガイド鏡は、焦点距離を以下のようにして調整した。 焦点距離=240mm Evoguide50EDII 焦点距離=420mm Evoguide50EDII + 2Xバローレンズ 焦点距離=750mm Evostar72EDII + 2Xバローレンズ 使用した機材 ガイド鏡としてEvostar72EDIIを使用した撮影 BKMAK180を使ってライブスタックを実行した結果、次のことがわかりました。 1.FOVが小さくなったせいか、2秒露光でのプレートソルビングはうまくゆかなかった。5秒ないし10秒の露光が必要である。 2.オートガイドがうまく進行していても、撮影フレーム毎に星が一定方向に流れる。 3.ガイド鏡の焦点距離を240mm、420㎜、750㎜と伸ばしても、星は流れる。 4.極軸を合わせると、星の流れは小さくなる傾向にあるようにみえるが、ハッキリしない。少なくともDSSではスタックは全てうまくゆかなかった。 2番目の撮影フレーム毎に星が一定方向に流れるという問題は、通常行っている自動スタックが出来なくなる課題を引き起こすことも明らかになりました。これまで、スタックはDeepSkyStacker (DSS)を使っていましたが、それが出来なくなるわけですから大きな痛手となります。 下の写真が、フレーム毎に星が一定方向に流れる写真です。 星が流れる様子(露光時間:180秒) 焦点距離が約2,000㎜のEdgeHD800の場合と今回のBKMAK180の場合の星の流れを比較してみます。最初がEdgeHD800の場合です。180秒露光で撮影して、5フレーム後のフレームを重ねて、星の流れ具合と見てみます。矢印は、動く方向を示しています。 EdgeHD800の場合の星が流れる様子(15分間の動き) EdgeHD800の場合は、15分間の星の動きは小さく、DSSによるスタックも問題なく実行できます。 次にBKMAK180の場合です。同じく15分後のフレームと重ね合わせて動きを見てみると下の写真になります。 BKMAK180の場合の星が流れる様子(15分間の動き) BKMAK180の場合は、15分間の星の動きは大きいことがわかります。オートガイドは問題ないにもかかわらず、なぜ星が流れるのでしょうか。DSSによるスタックも失敗します。 DSSによるスタック結果は下のようになります。 DSSによるスタック失敗の結果 2.ASiDeepStackを使ったスタック DSSでは自動スタックができないので、ZWO社のASiStudioの中にあるスタックアプリのASiDeepStackを使ってみました。結果は、スタックが出来たり出来なかったりでハッキリしません。失敗の原因は、ポップアップで次のように知らされます。 1.星が充分にありません。 2.トライアングルが組めません。 このエラーメッセージは、Windows系でのASiStudioによるライブスタックに失敗したときのものと同一です。ライブスタックはうまくいっているのに、画像のスタックではなぜ失敗するのでしょうか。何だかZWOは、自己矛盾を起こしているようです。 ASiDeepStackによるスタック失敗時のエラーメッセージ① ASiDeepStackによるスタック失敗時のエラーメッセージ② 3.ステライメージ9による基準点を用いるスタック これまで画像処理にステライメージを使ったことがありませんでした。理由は、画像処理後に保存したFitファイルが、常用しているASiFitsViewで読み込めない場合が頻繁にあるからです。しかし、ステライメージにはスタック基準点を指定することが可能なので、使って見ることにしました。1フレームに2点まで基準点を指定できるので、2点指定でスタックを行ってみました。すると全てのスタックがうまく実行できることがわかりました。基準点の指定はバッチ操作で簡略化できるので便利です。 ステライメージ9を使って、ダーク、フラット補正なし、有りで画像処理を行った結果が下の画像です。 ダーク、フラット補正なしでの画像 撮影日:2023/3/8。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:BKMAK180 (f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (-10℃、Gain: 310)。ガイド鏡:EvoGuide50EDII+2xBarlow (f=420mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチOptolong L-eXtreme。180秒露光で、ダーク、フラット無しでASiairにて14回ライブスタック。画像処理:自動保存された14枚のライトフレームFitsファイルをステライメージ9にて基準点有りでスタック。FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 次が、フラット、ダーク補正有りの画像です。 ダーク、フラット補正有りの画像 撮影日:2023/3/8。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:BKMAK180 (f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (-10℃、Gain: 310)。ガイド鏡:EvoGuide50EDII+2xBarlow (f=420mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチOptolong L-eXtreme。180秒露光で、ダーク有りでASiairにて16回ライブスタック。画像処理:自動保存された16枚のライトフレームFitsファイルをステライメージ9にてダーク、フラット処理、基準点有りでスタック。FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。 4.まとめ 1.焦点距離2,700mmのBKMAK180を使ってM1を撮影したが、ライトフレーム毎に星が一定方向に流れるトラブルに遭遇。オートガイドは常に0.5秒くらいを維持しているにもかかわらず星は流れる。結果としてDeepSkyStackerを使うスタックが失敗する。2.ガイド鏡の焦点距離を長くしても、極軸を正確に合わせてもフレーム毎の星の流れは見られる。極軸あわせで流れは少し小さくなる傾向にはあった。3.スタックの方法としてASiDeepStackを検討したが、スタックができたり出来なかったり。ステライメージの基準点を用いるスタックではうまくいった。4.これまで検討した結果を下の表にまとめてみました。 5.上の表のまとめの通り、フレーム毎の星の一定方向への流れは常に見られ、解決策は見つからなかった。どなたかからのアドバイスを期待しています。
April 15, 2023
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撮影方法をASiairのライブスタック方式にしてから、カメラとして一眼レフをほとんど使っていませんでした。広い視野角で撮影する際は、やはりフルサイズを使いたくなります。かと言って使用頻度が余り高くないフルサイズのCMOSカメラの購入はコスパが悪すぎます。天文の趣味に入門したての頃、天体改造のEOS6Dを準備しておいたので、それを試運転してみることにしました。対象はSh2-240のレムナントでしたが、子午線を越えたレムナントは明るさがイマイチで諦め、近くにあった勾玉星雲付近を試写してみました。 ライブスタックの様子は下の動画にまとめています。 EOS6Dでの勾玉星雲付近のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 今回の使用機材は下のとおりです。 使用した機材 120秒露光で24回ライブスタックを実行して自動保存された画像が下の写真です。ライブスタック終了直後に自動保存されたスタック画像は、画像処理を実行後の画像と当然のことながら同等であった。 自動保存された勾玉星雲付近のライブスタック画像 撮影日:2023/3/15。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 + F3.9 レデューサー (ファイナル f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:EOS6D (天体改造、ISO6400)。ガイド鏡:SVBony D=30mm (f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Pro。フィルター:2インチOptolong L-eXtreme。120秒露光、フラット、ダーク、バイアス有り、ASiairにて24回ライブスタック。画像処理:自動保存されたライブスタックFitsファイルをASiFitsViewにてヒストグラム調整のみ。 自動保存された24枚のシングルフレームを以下の工程にて画像処理した。1.フラット、ダークとバイアス有りで、ASiDeepStackにてスタック。2.FlatAideProでシェーディング補正。3.Topaz DeNoise AIでデノイズ処理。4.ViX.exeにてクロップ5.ASiFitsViewにてレベル調整 最終画像が下の写真です。 勾玉星雲付近の最終画像 撮影日:2023/3/15。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 + F3.9 レデューサー (ファイナル f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:EOS6D (天体改造、ISO6400)。ガイド鏡:SVBony D=30mm (f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Pro。フィルター:2インチOptolong L-eXtreme。120秒露光、フラット、ダーク、バイアス有り、ASiairにて24回ライブスタック。画像処理:自動保存されたシングルFitsファイル24枚をフラット、ダーク、バイアス有りの条件でスタック。FlatAideProでシェーディング補正後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。ViX.exeにて若干クロップ。ASiFitsViewにてヒストグラムのレベル調整。 参考のために、上記画像処理各工程のBefore、Afterの画像を示します。a) 24枚のシングルFitsフレームをフラット、ダーク、バイアス無しでスタック後 24枚のシングルFitsフレーム → フラット、ダーク、バイアス無しでスタック後b) 24枚のシングルFitsフレームをダーク、バイアス有りでスタック後 24枚のシングルFitsフレーム → ダーク、バイアス有りでスタック後c) 24枚のシングルFitsフレームをフラット、ダーク、バイアス有りでスタック後 フラット補正が見事に効いているが、右側の端にかけて背景が明るくなっている。 24枚のシングルFitsフレーム → フラット、ダーク、バイアス有りでスタック後d) フラット、ダーク、バイアス有りでスタックした画像をFlatAideProでシェーディング補正 フラット、ダーク、バイアス有りでスタック → シェーディング補正 右側端にかけての背景の明るさは FlatAidePro によるシェーディング補正によって効果的に取り除くことが出来ました。e) FlatAidePro でシェーディング補正画像をTopaz DeNoise AIでデノイズ処理後 シェーディング補正 → デノイズ処理画像 EOS 6Dでのライブスタックの感想 1.初めての EOS 6Dでのライブスタックは、当初予想していた以上に鮮明なライブスタック画像が得られた。2.この EOS 6Dは異常な程のダークノイズを持っていますが、フラット、ダーク、バイアス補正が見事に奏功していた。特にライブスタック時、画像処理時、共にフラット補正が良くフィットしていた。3.詳細なことは不明だが、一眼レフカメラでの画像処理は、CMOSカメラの画像に比して素直に処理が進む気がしました。4.一眼レフによるライブスタックは、慣れればミラーアップの頻度を少なくすることが可能になり、ミラーアップのストレスを感じることなくCMOSカメラと同様に実行できた。ミラーレス一眼であれば、さらに快適に使えそうな気がします。5.少し前まではフルサイズのCMOSカメラが45万円もして高価だなと思っていましたが、いつの間にか10万円以上も跳ね上がっており、60万円近い価格になっていました。マーケットの異常さに着いて行けません。天体改造一眼カメラのEOS6Dであれば約1/10くらいの価格で入手が可能であり、冷却機能がなくともCMOSカメラと違って、ノイズ対策機能が万全に付与されていると考えられるので、一眼カメラでの天体撮影やライブスタックも有りだなと言う感じがします。
March 25, 2023
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BKMAK180の試験運転として NGC2371:ドッグボーン星雲のライブスタックを行ってみました。BKMAK180の焦点距離は、2,700mmもあるため、ガイド鏡はEvoguide50EDIIに2倍のバローレンズを取り付けてガイドを行ってみました。 ライブスタックの様子は下の動画にまとめています。 BKMAK180 でのドッグボーン星雲のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 今回の使用機材は下のとおりです。 使用した機材 180秒露光で18回ライブスタックを実行して自動保存された画像が下の写真です。 自動保存されたドッグボーン星雲のライブスタック画像 撮影日:2023/3/10。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:BKMAK80 (f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (-10℃、Gain: 310)。ガイド鏡:EvoGuide50EDII+2xBarlow (f=420mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチOptolong L-eXtreme。180秒露光、ダーク有り、ASiairにて18回ライブスタック。画像処理:自動保存されたスタックFitsファイルをASiFitsViewにてヒストグラム調整のみ。 自動保存されたシングルフレームをダークとバイアス有りでスタックした画像が下の写真です。 ASiDeepStackにてスタックしたドッグボーン星雲画像 撮影日:2023/3/10。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:BKMAK80 (f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (-10℃、Gain: 310)。ガイド鏡:EvoGuide50EDII+2xBarlow (f=420mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチOptolong L-eXtreme。180秒露光でASiairにて18回ライブスタック。画像処理:自動保存された18枚のシングルフレームをダーク、バイアス有りでASiDeepStackにてスタック。スタックしたFitsファイルをASiFitsViewにてヒストグラム調整のみ。 結 果 1.BKMAK180鏡筒でNGC2371が満足できる解像度でライブスタックできた。2.焦点距離が2,700mmにもなると、プレートソルビングに失敗する場面に遭遇することが多くなる。その際は、露光時間を10秒くらいに伸ばすとうまくゆくようになる。3.極軸合わせも実行し、ガイド鏡の焦点距離を2倍の420mmで撮影しても、各フレームの星は一定方向に流れていた。常用しているDeepSkyStackerではスタックが出来なかった。ASiDeepStackを使ってスタックが出来た。なお、ASiDeepStackではデフォルトでホットピクセルが除去されていた。
March 19, 2023
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満を持して導入した口径18cmのマクストフ鏡筒のオートガイドがシャンとしません。この鏡筒の焦点距離は2,700mm。撮影星像は満足できるのだが、撮影フレームで星が動いているのだ。結果としてSI9やDSSアプリによる自動位置決めでのスタックに失敗する。 各フレームで星が動いてゆく理由は不明であるが、原因として考えられることは 1)オートガイドの精度が甘い。 2)極軸合わせが甘い。 3)主鏡とガイド鏡との同調が甘い。 PHD2によるオートガイドは、0.5秒精度で推移しているので問題はないと思われるが、念のために焦点距離が長めのガイド鏡をトライすることしました。このためにSkyWatcher社のEvostar72EDII(焦点距離=420mm)を導入してみました。 結果は、f=420mmでもダメであった。バローを組み合わせて850mmでガイドを行っても結果は同じであった。 ガイド鏡として導入したEvostar72EDII 各フレームで星が流れる件については後日まとめて記事にしようと思っています。 今回のブログの主題は、ガイド鏡として導入したEvostar72EDIIがどのくらいの実力を持っているかです。ASiairによるライブスタックで調べてみました。ライブスタックの様子は、下の動画にもまとめています。 Evostar 72EDIIのライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 今回の使用機材は下のとおりです。 使用した機材 Evostar72EDIIの実力を計るために、M42、馬頭星雲、そしてバラ星雲をライブスタックして、それらの映りを調べてみた。 Evostar72EDIIによるM42のライブスタック 撮影日:2023/2/27。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Evostar72EDII (f=420mm)。マウント:AZ-GTi。カメラ:ASi294MC Pro (-10℃、Gain: 310)。ガイド鏡:SVBony GuideScope (f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。30秒露光、ダーク無し、ASiairにて15回ライブスタック。画像処理:自動保存されたスタックFitsファイルをASiFitsViewにてヒストグラム調整のみ。 Evostar72EDIIによる馬頭星雲のライブスタック 撮影日:2023/2/27。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Evostar72EDII (f=420mm)。マウント:AZ-GTi。カメラ:ASi294MC Pro (-10℃、Gain: 310)。ガイド鏡:SVBony GuideScope (f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。120秒露光、ダーク無し、ASiairにて11回ライブスタック。画像処理:自動保存されたスタックFitsファイルをASiFitsViewにてヒストグラム調整のみ。 Evostar72EDIIによるバラ星雲のライブスタック 撮影日:2023/2/27。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Evostar72EDII (f=420mm)。マウント:AZ-GTi。カメラ:ASi294MC Pro (-10℃、Gain: 310)。ガイド鏡:SVBony GuideScope (f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong L-eXtreme。120秒露光、ダーク無し、ASiairにて14回ライブスタック。画像処理:自動保存されたライブスタックFitsファイルをASiFitsViewにてヒストグラム調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ。 結 果 Evostar72EDIIのライブスタックによる映りは、星像がシャープで満足できるものであった。さすがに2枚玉なので4隅の星像はかなり歪が現れていまが、それは価格なりのもので仕方がないと割り切りが必要だと思います。Evostar72EDIIの位置づけとしては、同じEDレンズの2枚玉のMiltol400の代替として考えて良いのではないかと思われます。
March 14, 2023
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天文の趣味に入って以来、主としてライブスタックを中心に楽しんで来ました。画像処理としては、Fitsビューアプリによるレベル補正くらいで、たまにDSSを使ってホットピクセル除去処理を実行するくらいで済ませていました。 昨年末からレムナントSh2-240にチョッカイを出し続けてけてきましたが、予想通り簡単にはお姿を拝見できません。最初の挑戦なので、トリミングをどうすれば良いのかもわかりませんでした。余りにも淡いのでレベル補正で強調しようとするとバックグラウンドが破綻してしまいます。これまで避けてきたフラット補正をせざるを得なくなり、失敗を重ねながらも一応のまとまりが出来ましたのでブログに記しました。 動画にもまとめましたので、そちらへもお立ち寄り下さい。 Sh2-240のライブスタックと画像処理動画【写真クリックで動画へ】 1.Sh2-240のライブスタック 最初は、レムナントの全景を一度に撮ろう思い、ズームレンズを焦点距離170㎜にして、カメラとしてAPS-Cカメラの組み合わせで挑戦も、かすかな姿しか拝むことができませんでした。F5のレンズでは少々無理があったようです。仕方がないので所有する最高の明るさの組み合わせの機材で挑戦。しかし全景は入らず、ここで撮影ポジショニングで試行錯誤を繰り返すことになります。 使用した機材 F3.9レデューサーは、下の写真のように48㎜のフィルターをネジ込めるようになっています。 F3.9レデューサーとL-eXtremeフィルター ライトフレームを稼ぐために3日間ライブスタックを実行しました。下の写真は、そのうちの1夜のライブスタックで得られたSh2-240の写真です。7分を24回スタックしていますが、淡くてレムナントがはっきりしません。 露光時間7分で24回のライブスタック結果 2.画像処理に乗り込む ライブスタックでは明瞭なレムナントを見ることが出来ませんでしたので、これまで避けて通っていた画像処理をせざるを得なくなってしまいました。そして、初めてのフラット撮影です。フラット撮影はいろいろな手法があり、どう撮影したら良いかはっきりしません。今回は、ノートPCに白色の画像を映し出し、その上から0.7mm厚のPPシートを被せて、PPシートに鏡筒の頭を密着させました。そして部屋を真っ暗にして、カメラをライトフレームと同じ温度に冷却してシャッターを切りました。 フラット撮影の様子 下の写真が30秒露光でのフラット画像です。真ん中の下側にあるのは、ヒストグラムです。 フラット画像 3夜でのライトフレームを50枚集めて、フラット補正した後スタックしたのが下の写真です。 フラット補正後のレムナント画像 いつものレベル補正だけの画像とは違い、いい感じです。しかし、左側のバックは明るく右側全体が暗くなっています。この補正を行うためにFlatAideProにあるバッチキャリブレーションを使うことにしました。バックキャリブレーションは、ライトフレームのバックグランドをVoidフレームを使って疑似化する、理解しやすい原理に基づいています。 Void画像は、ライトフレーム近辺で星雲などが無く、星も少ない場所を探し出し、Voidフレームなるものを1枚だけ撮影します。撮影条件はライトフレームと全く同じにします。下の写真は、Voidフレームを撮影するためのポジションをASiairの星図でライトフレームの近辺を探索して決定したところです。GoToボタンを押せばPlateSolvingでその場所へ導入してくれます。 Voidフレームのポジショニング FlatAideProのバッチキャリブレーション機能を使ってVoid画像からシェーディング画像を作成します。その様子が下の写真です。 Void画像からのシェーディング画像作成画面 バッチキャリブレーションは、本来ならばライトフレームをフレームごとにフラット補正やシェーディング補正などを行う機能ですが、今回はフラット補正を行ったスタック画像を使ってシェーディング補正を行ってみました。 下の写真がシェーディング補正後のレムナントの写真です。バックがあまり暗くありませんが、レムナントが明瞭になってきました。 シェーディング補正後のレムナント さらに、FlatAideProにある星像シャープ化機能を試すと下の写真のようになりました。これが最終画像です。 Sh2-240レムナントの最終画像 以上のとおりSh2-240の撮影に挑み、何とかその姿を捉えることができました。バックグランドにムラがある不完全な画像でしたが、超新星爆発の残骸を見ることができて満足しています。今後もさらに画像処理技術に磨きをかけるべく研鑽して行きたいと思います。
February 15, 2023
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マクストフ鏡筒のMAK127は、月や惑星、さらに星雲や銀河を撮影してもEdge HD800と比較して同等以上の性能を発揮してくれています。シュミットカセグレンよ、どうしたと、言いたいところです。MAK127が余りにも性能が良いので、シュミカセ君には退役していただくことに決め、さらに口径の大きいマクストフ鏡筒の購入に踏み切りました。 口径18cmのマクストフ:BKMAK180の焦点距離は、2,700mm。ASiairでのプレートソルビングは大丈夫か気になりましたが、以前のテストでOKの結果が出ていました。 BKMAK180の難点は取っ手が無いことで、8㎏近くある鏡筒をマウントに載せるのは苦になること必然です。ということで、まず取っ手を付ける改造をすることにしました。次いで、クレイフォードフォーカサーを付けることと、ASiairの台座を付ける作業に取り掛かりました。 この改造の顛末は、下の動画にもまとめています。 BKMAK180の改造動画【写真クリックで動画へ】 1.取っ手をどう付けるか さて取っ手をどうやって付けるか。考えた挙句、正攻法の鏡筒バンドを使うことにしました。BKMAK180の直径は、216mm。鏡筒バンドを探したところ232mmのものがありましたので購入。直径との差は16mm。2で割ると差は8mmとなります。ホームセンターにこの差を埋める素材を探したところ、ポリエチレンプレートやPPシートなどのプラ素材がありましたが、曲げれる限界が2mm程度。さらに捜したところ、何とちょうど8mm厚のコルクボードが見つかりました。カッターナイフで簡単に切断できる優れものです。 使用した鏡筒バンド 8mm厚のコルクボード 幅4cm、長さ約15㎝の長方形を4枚用意し、鏡筒バンドに丸め込めました。 コルクボードを入れ込んだ鏡筒バンド 2.鏡筒バンドの取り付け 鏡筒バンドを巻き付けるためにはダブテールバーを取り外す必要があります。M4くらいの頼りないネジ2本でバーが固定されています。ネジを外すと、鏡筒内でカランとナットが転げる音がしました。これはマズイ! ナットは、このまま内部に閉じ込めたままにしておこう、この時はそのように思っていました。 ダブテールバーを取り外す 鏡筒バンドに取り付ける、新たなダブテールバーを準備しました。約32㎝の長めのものにしました。Amazonで購入。 新しいダブテールバー このまま鏡筒バンドにネジ込むと赤道儀に載せる際にネジの頭が邪魔になるので、バーに座繰り穴をドリルする必要があります。M6のバカ穴2カ所に座繰り穴を適当にドリルしました。 座繰り穴を開けたダブテールバー そして、鏡筒バンドを巻き付け、新しいダブテールバーを取り付けました。 鏡筒バンドを取り付けたBKMAK180 この段階で、鏡筒内に残されたナットが、鏡筒の壁と摩擦し、ホコリなど光学系に悪影響を及ぼすのではないかと心配になり、鏡筒の前側を開けてナットを取り出すことにしました。もちろん光軸がずれることは織り込み済みです。4カ所のボルトを外すと、意外と軽く前部のバッフルが外れました。ナットと大き目のバタフライワッシャーが出てきました。そっと元の位置に戻した積りですが、光軸は大きくズレたようです。 鏡筒前部を開き、ナットとワッシャを取り出す 簡単な取っ手とASiairの台座を取り付けて、改造は完了です。 改造を終えたBKMAK180 3.カニ星雲で試験ライブスタック 早速カニ星雲をターゲットにして試験撮影してみました。MAK127に比べて迫力ある星雲が浮き出て満足できる結果でした。 が、何だか星像が楕円になっています。オートガイドは正常だったので、やはり光軸が狂ってしまっていることが原因であろうと推察しました。 カニ星雲を改造BKMAK180でライブスタック 4.光軸調整に挑戦 ナットとワッシャーを取り出すために鏡筒前部を開けたことによる光軸の狂いを確認するために、プロキオンに向けた写真が下の写真です。やはり光軸がズレていました。 光軸がずれていました BKMAK180は、主鏡調整ネジは下の写真のように大小のネジが3か所にあります。どのように回転させれば良いのか、ウェブで調べても情報は入りません。我流で、まず大きいネジを反時計回りに回し、そして小さなネジを時計回りにネジ込む。逆の場合は、小さなネジを反時計回り、そして大きいネジを時計回しで。情報がないので、テキトーの実行するしかありません。 厄介なことに、ネジを回転させるとミラーシフトを起こしてプロキオンが視界から消えてしまいます。焦点距離が長いので仕方がありません。ネジを回転させたあと、フォーカスを合わせ、プレートソルビングでプロキオンを自動導入。この繰り返しで、クタクタでした。 BKMAK180の主鏡調整ネジ 動画ではダイジェストでまとめましたが、ネジ回転、フォーカス合わせ、そしてプレートソルビングを10数回繰り返して、何とか下のようになりました。 調整後の星像 調整後の光軸は完璧ではありませんが、後日梅雨の時期にでも専門業者で光軸調整を行ってもらおうと思っています。 AliExpressに発注していた取っ手が本日届きました。カメラの色とマッチして野暮ったい鏡筒が少し垢ぬけたかもしれません。 最終的な改造BKMAK180
February 5, 2023
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前回、カニ星雲のライブスタックを、カメラとしてASi294MC Proを使って行った。露光時間が3分だったので、派手なアンプグローが出て、お粗末なライブスタックになってしまった。今回リベンジとしてアンプグローが出ないとされるASi533MC Proを使ってライブスタックを行ってみました。 ライブスタックの様子は、下の動画にもまとめています。 アンプグローが出ないカニ星雲をライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 今回の使用機材は下のとおりです。 使用した機材 ライブスタックの条件は次のとおり。・撮影方法:ASiairによるライブスタック・ライブスタック回数:37回、ダーク、フラット、バイアスなし・露出時間:180秒・ASi533MC Pro:-10℃冷却、Gain:350・フィルター:L-eXtreme・画像処理: ・ライブスタック実行時は、ASiFitsViewによるヒストグラム調整のみ ・ライブスタック時のホットピクセルを除去する場合は、自動保存されたFitsファイルをDSSでスタックし、ヒストグラム調整のみ 前回のASi294MC Pro、ダークなしでのライブスタック ダークを入れてライブスタックを行うと極端に赤かぶりの像となる。 ASi294MC Pro、ダークありでのライブスタック カメラをアンプグローが出現しないとされるASi533MC Proに代えてライブスタックを行った写真が下の写真です。確かに、アンプグローは出ていません。 ASi533MC Proを使ったライブスタック M1を写真などに掲載されている角度に調整してクロップした写真が下の写真。 ASi533MC Proで撮影したM1 以上のようにASi533MC Proでライブスタックするとアンプグローが全く出ないスタック像を得ることが出来た。それにしても、小兵のMAK127鏡筒の解像度はたいしたものである。
January 16, 2023
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1.2023年になりました 南関東では、年末から年始めにかけて晴天が続く何とも嬉しい天候です。しかも乾燥していて、対策なしでも結露はありません。残念ながら、月明かりが増してきていますが。 年末年始は、ずっとサッカーのメッシではなくメシエ1:カニ星雲を撮り続けていました。M1のライブスタックに使用した鏡筒は、ターゲットが小さい星雲なので長焦点のMAK127。MAK127には一時電動フォーカサーを取り付けたこともありますが、フォーカサーが防湿保管コンテナの収納を邪魔することから取り外しています。その代わりに、2インチねじのシュミカセ用のラックピニオンフォーカサーを取り付けています。ミラーシフトがなく、焦点が合わせやすいですよ。バックフォーカスが長くなり、実焦点距離は1,700mmくらいになっています。防湿保管コンテナにもすんなり入り重宝しています。 カニ星雲のライブスタックの様子は、下の動画にもまとめていますので、お立ち寄りください。 MAK127でカニ星雲をライブスタックした動画【写真クリックで動画へ】 2.M1ライブスタックの機材と条件 今回の使用機材は下のとおりです。カメラはASi294MC Proを使いました。アンプグローは出るものの、使い良いカメラです。最近買ったばかりの2台目のものを使いましたが、何と裏面照射に変更になったそうで、前回のカメラと画角が180度異なっています。このことで失敗作を多産してしまい参りました。機種名を変更して欲しかった。 使用した機材 前回のバラ星雲と同様に、フィルターによって見え方が違うだろうと思って、3種類のフィルターを使ってライブスタックを行ってみました。 検討したフィルターは次のとおりです。1.光害カットフィルター2:Kenko ASTRO LPR Type2 フィルター2.デュアルナローバンドフィルター1:ZWO Duo Band フィルター3.デュアルナローバンドフィルター2:Optolong L-eXtreme フィルター 撮影条件は次のとおり。・撮影方法:ASiairによるライブスタック・ライブスタック回数:20回・露出時間:180秒・Gain:310・ダーク、フラット、バイアス: 1.LPR Type2:ダーク、バイアスありでライブスタック 2.ZWO Duo Band:何れもなしでライブスタック 3.L-eXtreme: ・何れもなしでライブスタック 4. L-eXtreme: ・ダーク、バイアスありでライブスタック・画像処理: ・ライブスタック実行時は、ASiFitsViewによるヒストグラム調整のみ ・ライブスタック時のホットピクセルを除去する場合は、自動保存されたFitsファイルをDSSでスタックし、ヒストグラム調整のみ ・ダーク、バイアスでライブスタックしたL-eXtremeでの画像は、FlatAideProによってレベル調整をおこない、過剰な赤味を除去した。 3.MAK127へラックピニオンフォーカサーを取り付ける MAK127は、マクストフカセグレンですが、ピント合わせの時にタイムラグが生じて、繊細なピント合わせの時には不自由を感じることがありました。そこで手持ちのラックピニオンフォーカサーがあるのでそれを取り付けることにしました。MAK127のネジ規格は公開されていませんが、実測したところM45のようです。ネットで調べたところ、M44.5やM45.4などの情報が得られました。SCT(2インチ)への変換アダプターの市販の有無を調べたところAliExpressにありました。M44.5とM45.4両方のアダプターを購入したところ、M45.4-SCTアダプターが何とかフィットしました。ネジ切りが雑なのか、2インチねじもスッキリとは入りませんが、何とか入ります。 ラックピニオンフォーカサーを取り付けたMAK127 M45.4-SCTアダプター ラックピニオンフォーカサーを取り付けたMAK127 このフォーカサーを取り付けたメリットは、ピント合わせが楽なことの他に、2インチのフィルターワークが楽になったことです。 4.MAK127での各種フィルターによるM1のライブスタック Kenko ASTRO LPR Type2 フィルターでのM1(ダーク有り) ZWO Duo Band フィルターでのM1(ダーク無し) Optolong L-eXtreme フィルターでのM1(ダーク無し) Optolong L-eXtreme フィルターでのM1(ダーク有り) 5.ダーク補正ライブスタックの赤味の除去 デュアル・ナロー・バンドフィルターでライブスタックを行う際、ASi294MC Proから生じるアンプグローを避けるためにダーク補正条件でライブスタックを行うと、画像が極端に赤味を帯びる。バイアスの有り無しでも同様である。シングルフレームをDSSでスタックする際も、ダーク補正を行うと同様に赤ブレする。理由は今の知識では不明です。 少なくとも、赤味を帯びた画像は、FlatAideProでのレベル補正に読み込むと簡単に赤味が取り除かれる。このことから、ASiairによるデュアル・ナロー・バンドフィルターでライブスタックの赤色変異はアーティファクトである可能性が高いことがわかりました。光害カットフィルターでの赤味は、レベル補正に読み込んだだけでは色調の変化はありません。 L-eXtreme フィルターでの画像をFlatAideProでレベル補正 6.まとめ 1.MAK127でカニ星雲をライブスタックすると、フィラメント構造まで鮮明に写し出された。2.光害カットフィルターでは、フィラメント構造は不鮮明であったが、デュアルナローバンドフィルターを使うと解像度が格段に上がった。3.MAK127を使うことによって、惑星や月のみならず、サイズの小さめの星雲、銀河の撮影を楽しむことが出来そうである。
January 6, 2023
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珍しく新月期から続く晴れの夜。連日の庭撮りで睡眠不足も続いています。複数の鏡筒が出動すると、交通整理が出来にくくなり、嬉しい悲鳴です。 今回の内容は、レムナント(sh2-240)に挑戦しようと思い立って入手したL-eXtremeフィルターを使ってバラ星雲を撮影したところ、思いのほかに高解像度の姿を観ることができたという内容です。ついでに持ち合わせているフィルターとの比較も行ってみました。 今回使った機材は下の通りです。鏡筒は、Sharpstar の 61EDPH II、カメラはASi294MC Pro を使いました。 使用した機材 4種類のフィルターを使って、ばら星雲をライブスタックで観てみました。結果を動画でまとめてみました。下の写真をクリックすると動画へゆきます。 種々のフィルターでバラ星雲を観た動画【写真クリックで動画へ】 検討したフィルターは次のとおりです。1.コントロール:フィルター無し2.光害カットフィルター1:SVBony CLS フィルター3.公害カットフィルター2:Kenko ASTRO LPR Type2 フィルター4.デュアルナローバンドフィルター1:ZWO Duo Band フィルター5.デュアルナローバンドフィルター2:Optolong L-eXtreme フィルター 撮影条件は次のとおり。・撮影方法:ASiairによるライブスタック・ライブスタック回数:20回・露出時間:120秒・Gain:280 ただし、フィルター無しの場合はスタックに失敗するので 150・ダーク、フラット、バイアス 何れもなし(色相を変化させないため)・画像処理:ASiFitsViewによるヒストグラム調整のみ フィルター無し SVBony CLS フィルター Kenko ASTRO LPR Type2 フィルター ZWO Duo Band フィルター Optolong L-eXtreme フィルター まとめ 1.庭撮りでは、フィルター無しのライブスタックは光害によってスタックが失敗することが多くある。また、ライブスタックに成功したとしても星像の肥大化が大きく、解像度が悪い結果を与える。2.光害カットフィルターを使うと、星像が引き締まってきて、かなり解像度が上がってくる。3.デュアルナローバンドフィルターを使うと、さらに星像が引き締まり、これまで見えていなかった詳細な構造までを観ることが出来るようになった。
December 30, 2022
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ハッブル宇宙望遠鏡(HST)による星雲や銀河の写真は、多大な驚きや感動をもたらしてくれています。その中で上位に入るものがArp273銀河です。3個の銀河が衝突しています。「宇宙のバラ」とか「バトルしている銀河群」とか、いろいろな名前で呼ばれています。 Arp273: Battling Glaxies (出典はここNASA) 今回のArp273のライブスタックの様子は、下の動画にまとめています。写真をクリックすると動画へ移動します。 Arp273のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 以前よりこの銀河を撮影してみたいと思っていましたが、ASiairでは検索しても登録されていないので出てきません。けむけむさんは、APT?にArpの位置情報を登録して自動導入したとYouTubeの中で紹介されています。ASiairにはユーザーが星雲や銀河を登録する機能はありません。一方、ステラリウムではArp273は、きちんと登録されていますので、検索すれば下のように出てきます。 StellariumのArp273 このステラリウムを利用して自動導入のシステムを組み立てることを開始しました。久々のWindows環境なので、なかなか進捗しません。とある日、ステラリウムの星図とASiairの星図を見比べながら、ASiairのSky Atlas上のArp273の位置を探していましたら、Sky Atlas上でもArp273はUGC1810として表示されました。正確に言えば、Arp273の位置をクリックするとUGC1810が出現してきます。 ASiairのSky Atlas上のArp273 ASiairのSky Atlasには、星図上の導入希望位置に「ターゲットマーク」を持って行き、「GoTo」をクリックするとPlate Solvingを開始してくれる機能があり、この機能を使ってArp273を自動導入しました。 ライブスタックでのArp273の見え具合をスタック回数ごとの様子をまとめたのが下の写真です。 TSA-120+エクステンダー1.5Xによるライブスタックの見え具合 シーイングの良くない庭撮りでは、Arp273は小さくて淡く、スタック40回くらいでやっと姿が明確になってきます。写真にまとめるには、3分露光でも100回(2時間露光)以上は必要のようです。 3分露光での54フレームをスタックして画像処理した写真が下の写真です。やはり、シーイングの悪い庭撮りと、2時間足らずの総露光ではおぼつかない写真となります。 TSA-120+エクステンダー1.5XによるArp293 撮影日:2022/11/27。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。エクステンダー1.5X(ファイナル f=1,350mm)、マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (-10℃、Gain: 280)。カイド鏡:Evoguide 50ED II (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。180秒露光、ASiairにて54回ライブスタック。画像処理:自動保存されたシングルフレーム54枚のFitsファイルをDSSでスタック。FlatAideProにてフラット処理、Topaz DeNoiseAIにてノイズ処理、Photoshop Elementsにて色調調整。
December 12, 2022
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鏡筒のバックフォーカスと解像度との関係を見定めるために、満月を挟んで三夜連続月を撮影しました。 2022/12/9の月 撮影日:2022/12/9。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:MAK127 (バックフォーカスを延長して f=1,800mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (-10℃)。フィルター:なし。2パートに分けてASiCapにて約1,500フレーム撮影。画像処理:Autostakkert3でスタック、RegiStax 6で重めにウェーブレット、Microsoft ICEにて2枚モザイク合成。 2022/12/8の月 撮影日:2022/12/8。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Edge HD800 (f=2,000mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (-10℃)。フィルター:なし。2パートに分けてASiCapにて約1,500フレーム撮影。画像処理:Autostakkert3でスタック、RegiStax 6で重めにウェーブレット、Microsoft ICEにて2枚モザイク合成。 2022/12/7の月 撮影日:2022/12/7 。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Edge HD800 (f=2,000mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (-10℃)。フィルター:なし。2パートに分けてASiCapにて約1,500フレーム撮影。画像処理:Autostakkert3でスタック、RegiStax 6で重めにウェーブレット、Microsoft ICEにて2枚モザイク合成。 ゆっくり解析して結論を出したいと思います。
December 10, 2022
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天体画像をノイズの無い滑らかな写真にするためには長時間露光が必須となるそうですが、ライブスタックを主体とする者にとっては、とても我慢の出来る手法ではありません。同じ操作を延々と持続させるなら、いっそのことAI技術で無限露光時間のコマを撮る手法はないものかとネットで検索もしたりしています。 今回は、2分露光でせめて100回連続の撮影を実行した顛末です。対象は、皆んな大好きのアンドロメダ銀河。ASiair Plusのライブスタックで実行してみました。使用した機材は下のとおりです。 使用した機材 100回ライブスタックの結果は、下の動画のとおりです。 Askar FRA400による2分露光100回連続ライブスタック【写真クリックで動画へ】 何と、99回目のスタック時に大きな飛行機が映り込んでライブスタック画像を台無しにしてしまいました。それにしても、多くの人工衛星、飛行機のランプなど、写り込んでしまうものです。100回ライブスタックした画像が下の写真です。 自動保存された100回ライブスタックしたM31画像 人工衛星や飛行機、そして雲の映り込みのフレームを11枚取り除き、89フレームをDeepSkyStacker(DSS)でスタックし、適当に画像処理したものが下の写真です。 良好な89枚のシングルフレームをスタックして得られたM31画像 撮影日:2022/10/21。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (0℃、Gain: 200)。カイド鏡:Evoguide 50ED II (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。120秒露光、ASiairにて100回ライブスタック。画像処理:自動保存されたシングルフレーム89枚のFitsファイルをDSSでスタック。FlatAideProにてフラット処理、Photoshop Elementsにて色調調整。
November 26, 2022
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急に晴れてきたので、急遽MAK127で花火銀河:NGC6946を観てみました。結果は、TSA-120にまさるとも劣らない良い結果でした。もっとスタック数を重ねたかったのですが、急に結露しはじめたので残念ながら24回スタックでスタックを終了しました。 今回のように急遽撮影を強行しようとする場合は、AM5は強い味方になります。本体が軽い、カウンターウェイトが要らない、バランスと取る必要が無い、この3点のアドバンテージはフットワークを非常に軽くしてくれます。撤収も楽です。 使用した機材は下のとおりです。 使用した機材 いつもの通り、ライブスタックの一部始終は下の動画にまとめています。 MAK127によるNGC6946のライブスタック【写真クリックで動画へ】 120秒露光のライブスタックの様子を下の写真にまとめてみました。シーイングが良かったのか、MAK127が優れているのか、TSA-120でのライブスタック時よりも鮮明であった。 ライブスタック時のNGC6946の見え方 露光120秒で24回ライブスタックを実行。最初は、過去のダークファイルを使ってライブスタックを開始しましたが、色調に異変が見られたので、ダーク無しでライブスタックしました。ダークなしのライブスタックなので、アンプグローが派手に出ています。自動保存されたライブスタックFitsファイルの画像は下のとおりです。 自動保存されたNGC6946のライブスタック像 撮影日:2022/11/15。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:MAK127 (f=1,500mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (0℃、Gain: 280)。カイド鏡:Evoguide ED50 II (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。120秒露光、ダーク無し、ASiairにて24回ライブスタック。画像処理:自動保存されたスタックFitsファイルをASiFitsViewにてヒストグラム調整のみ。 ホットピクセルを除去する目的で、自動保存された24枚のシングルフレームをDSSにてスタックした画像を下に示します。尚、ダークは撮影後に取り直しました。DSSでのスタック時にはそのダークを使っています。 DSSにて24枚のシングルフレームをスタックしたNGC6946 次に、FlatAide Proを使ってフラット補正をしたのが下の画像。 FlatAide Proにてフラット補正したNGC6946画像 さらに、Topaz Denoise AIにてノイズ除去処理をした画像が下の写真です。 Denoise AIでノイズ除去後のNGC6946画像 まとめ 1.シーイングがTSA-120での撮影日の時よりも良かったためか、MAK127の像はTSA-120のそれよりも勝っていた。2.ライブスタックでの見え方もTSA-120よりもかなり鮮明に見えていた。3.周辺の星像の歪みなど専門的なことが気にならない者にとって、MAK127はTSA-120やEdgeHD800よりも解像度も良く、使い勝手も遥かに勝っている。恐るべしMAK127!
November 17, 2022
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