世界で一番愛する人と国際結婚

冬のソナタ NY~ソウル 2

彼がまともに女性と付き合ったのは、ナント私が初めてだった。


それからの2ヶ月間、私達は四六時中一緒に過ごした。
留学生の間で、私達の噂はまたたく間に広まってしまった。




ある日、一眼レフに大きな望遠レンズをつけたカメラを持った
彼の友人を紹介された。彼はセミプロのカメラマン。


二人の写真を撮りに行こうというのだ。


撮影は、ハドソン川を北上した、とある場所。

紅葉が眩しかった。



赤や黄色の落ち葉の中で、私達は戯れ、

時折、落ち葉の中に抱き合って崩れ落ちたり、

葉っぱを投げてふざけあった。


そんな私達の周りを、何度も何度もカメラの
シャッターがおりた。


「ほら、見て。ハネムーンみたいな写真が撮れただろう?」


満足げなブルー。

(日本でそれをやったら、かなり変な人達だったと思う。)





韓国人同士のグループは、日本人同士のグループよりも、
結束が固い気がした。


リーダー的存在の彼は、韓国人の女の子の間で人気者だった。
そのこともあって、私は、最初、彼女達に少し嫌がらせをされた。


「あの女のどこがいいの?」


と私にわざと聞こえるように、英語で言われたこともある。


ブルーはもちろんかばってくれたが、一方で、


「僕の両親が、僕達のことを知ったら、殺されるかもしれない。」


と、悲しいことを言った。


「どうして、日本人の君をこんなに好きになってしまったんだろう。」








私は、何も気にせず、韓国人グループの中に入っていくように努めた。

韓国人の女の子達も、だんだん私に心を開いてくれるようになった。

寮で韓国料理を作ったら、ブルーだけではなく私も招いて
くれるようになったのだ。



韓国のスープが辛くて食べれない、と言うと、

「こうやって食べるのよ。」

と、スープを口の中に入れた状態で白いご飯を
口に運び、一緒に飲み込むのだと教えてくれた。

お肉をサンチェで巻いて、私に渡してくれたりした。




ブルーは元々、12月初めに帰国予定だった。
ところが、私と知り合って、滞在を1ヶ月延ばして12月末の
帰国に変更したものの、12月末には必ず帰らないといけないと言う。


1月からソウルの大学に戻るのだ。


一方、私のほうは、4ヶ月のESLの後、翌年1月から
別の学校に入学し、アパートに引っ越すことになっていた。


来月からは、NYとソウルに離れ離れになる。


私は遠距離恋愛で関係を続けようとまでは、考えていなかった。


おまけに、私は日本人の彼とまだ連絡を取り続けていた。
ブルーもそのことを知って、悩んでいた。


彼がNYにいる間だけの恋。



つづく


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