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対人援助職です。
よくあるご相談の一つに、「自分が何をしていいか、分からない」がある。
例えば、リストラにあった人の再就職。あるいは、就職氷河期の学卒。
ひとまずアルバイトや派遣仕事を繰り返してきた人からも。
さらには、今は勤め先があるが、自分に合っているかどうかに迷う人もいらっしゃる。
相談でよく出会うのは、じっくり自分を振り返って考えるというよりも、ひとまずの回答を求めている人。行きつ戻りつ、の思考は省いて、キャリアコンサルタントに占いのようなご託宣を期待する向きもある。
その指向はどうやって生まれるのだろう。答えがあるもの中心で、その答えを暗記するのが勉強と心得がち。先生や偉い人(オーソリティ)に従っておれば、ひとまずは安全という姿勢もある。資格をとれば一段賢くなった気にはなるが、現実世界はそうは甘くない
生きているうちにしばしば遭遇するのは、そもそも明確な回答がない問題。
職業選択もその一つだろう。それを例えば職業興味検査を使って回答を出して合理性があるような印象を受けたとしても、必ずしもうまくいかない。職業選択には、興味の問題以外にいろんな要素がある。いろんな要素を検討しながらの対話こそ、むしろ重要という気がする。
迅速に答えを得るのは価値の一つではあるが、しかし、その思考だけでは不十分。考えるのが面倒なので、ま、それでいいかとご託宣に添って行動してもうまくいかない。やっぱり自分のやりたいことじゃないと元に戻る人もいる。
新規チャレンジには発酵の時間。悲しみには喪の時間も大切だ。
それらを飛ばしてばかりいる人生は、「仮り(借り)もの人生」といったら言い過ぎだろうか。