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ちーこ♪3510

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2017.01.31
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カテゴリ: 映画ドラマ鑑賞
アニメーション映画「この世界の片隅に」

クラウドファンディングで長編アニメ映画制作
2016年11月 監督 片淵須直

こうの史代さんは広島ではかなり有名な漫画家。
以前も「夕凪の街 桜の国」(2004年作品)で映画化された。これも原爆投下後の広島市が舞台だったのだ。麻生久美子さん、田中麗奈さん主演だった。

アニメーションはあまり観ないけど、今話題の映画であるのと、舞台が広島市と呉市ということで見逃すわけには行かなかった。

私は伯母が呉市に住んでいて小学校卒業までの夏休みは1カ月くらい伯母のうちにいたので呉市は詳しいが、この作品は、やはり広島、呉出身の人でなければわからない描写が多くて、私にとってはとても懐かしくてとても寂しい作品だった。

呉市はデルタの広島市とは全く異なる地形で、山、崖が迫り、その斜面に人々は暮らしていることが多い。今だに階段しか手段のない住居もあり、長崎のような坂道の迫り方だ。
JRで広島駅から呉線でコトコト1時間、今や過疎化している呉市から広島市に昔から当たり前に通勤、通学している。
私の親友も呉市出身で彼女の実家は地域医療を何代も続けている。

少し時代は後になるが、伯母も街中ではあるが急な坂道を10分登ったところに伯父と住んでいた。
伯母は女学校時代に原爆投下で被爆、ずっと後遺症で苦しんだが、幸いに呉市で海軍工廠(すずの舅が勤めていた)技師だった遠縁にあたる伯父と結婚した。子供はなかったので、初めての姪にあたる私は伯父伯母に可愛がってもらった。

すずの嫁ぎ先の長ノ木町は、呉駅や呉港から小さななコミュニティ長ノ木循環バスが出ていて、伯母のうちに行く時は島から船で。循環バスを呉港から利用した。
長ノ木町は港のそばではないので、空襲に合う段々畑あたりは違う地域だとは思う。軍港が見える位置ではなかったはずだ。軍港の見えるあたりは青山町、国立病院が小高い丘に建っている。伯母はここのホスピスで72歳、この世を終えた。
呉市は海軍の軍港として有名なので空襲があったのは聞いたことがある。だからまさか広島市内に原爆投下は驚きで、もしかして呉市と間違えたかと思われたそうだが。
あの軍艦大和は呉市の海軍工廠で作られた。伯父は若かりし時代この大和を作っていたひとりだった。
私の祖父は対岸の島から山のような軍艦大和の姿を見に行き、内心「こんなに目立つ軍艦は無駄だ」と感じたと言っていた。
海軍の水兵さんたちのユニフォームは、今の海上自衛隊術科学校下級海士のユニフォームとあまり変わらない。懐かしさいっぱい。
日本全国から海軍兵学校に進学してきている10代の若者が帰ることのない戦闘機に乗る時には、祖母は島の婦人会で千人針を作って贈ったと言っていたが、あどけない兵隊さんの心には郷里の母の顔があるから、一番の贈り物になっただろう。
連絡を受けて遠くから息子にお別れを言いにくる家族のために島の民家は当時から間借りを営業して、精一杯の小魚と畑の野菜を出してあげた。最後に晩餐を。兵学校に進学して亡くなるのは、こういうことだった。
今も島では、防衛大を出たばかりの海上自衛隊幹部候補の全寮生活の息抜きの場所として、間借りをしている民家がある。うちの島の家も貸してもらえないかと聞かれたこともある。

描かれた人物の姿形を誰も見落とすことのないように必死で観ているうちに、亡き伯父伯母の人生とシンクロし、かなり辛くなった。
私の子供時代も、海軍兵学校資料館に出入りし、その建築物を写生大会として目一杯描いたものだ。
絵が好きな私は大賞をもらい、その絵は今だに実家の壁に。笑

すずの実家は広島でも私の家とは方向が別で、海岸に向けて伸び、漁業を生業としている地域だ。あの時代でも食べ物にはさほど苦労した地域ではないだろうが、嫁ぎ先は大変。呉市から海岸沿いに行けば、風光明媚な島の香りの音戸の瀬戸がある。

まだまだ書ききれない思い出があるが、またの機会に。

追記
すずの夫は、遊郭のりんさんと恋仲であったそうな。そうなれば、すずの胸中も、もっと違う形で描かれてもよいかも。
どの時代にも、なんだかねー、ヤンパさん。笑





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最終更新日  2017.02.03 01:22:18
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