2008年07月11日
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# 453

【 前回のおはなし 】

台風の激しい風雨の中、公園でじっと耐えているであろう 3匹の子猫たち。

心配する まる をよそに、私は冷めた思いで窓の外を見ていました。



No453-001
台風のあと、
子猫たち
ように いつも通りの元気な様子で姿を現しました。

朝 カーテンを開けると、窓の外には公園を駆け回る 子猫たち が見え、

草むらに隠れる クロちゃん
茂みから飛び出す しっぽ
そして勢いよく木に登る くつした
それらを見て、やはり私は ほっとせずにはいられませんでした。


台風が過ぎても、依然として私たちと 3匹 の関係は何も変わっていません。

このペット禁止のアパートで3匹の 子猫たち を飼うことは無理でしたし、
また 3匹 の中から 1匹 だけを選んで連れてくることなども出来そうにありません。
結局はこれまでと同じように 外でエサをやるという中途半端な世話を続けるだけでした。


子猫たち がアパートの他の住人からもエサをもらったり可愛がられたりすることを
私は嫉妬の混じった複雑な気持ちで見ていましたが、
台風のあと やや冷めてしまった私の心は、 子猫たち の今後へつながるのであれば
私たち以外にもいろんな選択肢があっていいのだと思うようになっていました。


No453-002

ある朝、公園へ散歩に来た一人の年輩の ご婦人 がベンチに腰掛け、まだ秋の色に
染まろうとしない木々の葉っぱを眺めていました。

少し離れたところを くつした が走り回り、その姿が ご婦人 の目に留まります。
くつした 人間 の姿に気付き、足を止めてベンチの方をじっと見ました。

ご婦人 がやさしい顔で くつした に微笑み、手招きします。
すると、少し考えた くつした は小走りで駆け寄り、なんとベンチにひょいと上がると ご婦人 と並ぶように その隣に腰を下ろしたのです。


私は少し驚きました。
警戒心の強い くつした なら 絶対に駆け寄ったりしないと思って見ていたのです。

そんなに その ご婦人 がやさしそうだったのか、
それとも くつした は もう まる と私以外の人間にも心を許すようになったのか。
その意外な光景に何だか切なさを感じ、私は窓から目を背けました。


No453-003
次の朝、
出かけようとアパートの階段を下りると、1階の狭いベランダに
くつした の姿がありました。


人影を感じた くつした は、エアコンの室外機の陰にさっと身を隠し 低い姿勢でこちらを見上げています。


「 くつした 。」

私はやさしく呼びかけました。
しかし くつした は、警戒したように鋭い目で私を見上げるだけです。

ギラリと光る黄色い目の真ん中に 野性味あふれる黒く細長い瞳。

「何だか 目がこわいな・・・。」

そう感じてしまい、私はもう続けて呼ぶことをせずにその場を離れました。



私はきっと、 まる と私にだけなついてくれる 子猫たち が可愛かったのです。
 別の人にエサをもらう クロちゃん
 誰かの部屋に入って行く しっぽ
 知らない人とベンチに並ぶ くつした
どれももう 私たちが絶対的な 『1番』 であることを示していませんでした。


まる は変わりなく 子猫たち に毎日キャットフードを持って行っていました。
私のように つまらない考えに左右されることなく純粋に 3匹 を愛し、 3匹 を可愛いと思っていたのです。

気持ちの薄れた私は、しだいに急いで帰ることをしなくなり
そのため 公園へ一緒に行くのも付き合えないことが多くなりました。

でも時々、夜帰ってきた私を迎えるかのように 子猫たち がアパートの影から現れ、甘えるように足元に集まるのを見ると 心は大きく揺れました。


子猫たち のそばにしゃがみ、帰りに買い物してきたスーパーの袋の中から 子猫たち が食べられそうなものを探して、小さくちぎったものを地面に置いてやりました。
食べている間、私は指で子猫たちの背をそっとなでました。
もう 3匹 とも私に触られることを許すようになっていました。

私は心の中で、この 子猫たち が私と まる だけのものであってほしいと願いました。

どうするつもりもないくせに、この関係がずっと続けばいいと思っていたのです。


子猫たち が食べ終えると、私は 子猫たち から逃げるように部屋に帰らなければなりませんでした。
私を帰らすまいと、あるいはどこまでも一緒についてこようとする 子猫たち の隙をついて階段を駆け上がると、その下で 子猫たち の声が聞こえます。
そっとのぞくと クロちゃん しっぽ が大きな声で鳴きながら私を探してウロウロしています。
くつした もその横でじっと辺りを見つめています。


早くあきらめて・・・。


祈るように部屋に入った私は、 3匹 の必死の思いを健気に感じるよりも、その が他の住人たちに聞かれることを心配していました。

もし が聞こえたら、また誰かが 子猫たち を手なずけようとしてしまう。


そんな勝手な思いの私に、選択の余地などない






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はじめましての方

くつした
我が家の箱入娘

 ・ くつしたプロフィール








* この話の登場人物 *


ネコチビーズ
子猫たち

グレーの尾長「しっぽ」
真っ黒「クロちゃん」
足先だけ白「くつした」




大人その1
人間のオス

○○さん
仮に「まる」とする




大人その2
人間のメス

私(me)
仮に「みー」とする













◆読んで下さった皆さまへ◆

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さくらもち市長

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くーちゃんが生まれ変わって帰ってきたときのこと



「3ヶ月すっとばして、ご報告。」





「会ってからと、初日」






生まれ変わりを待つ日々



「二日で終わったペットロス」





くつしたの体の寿命が突然きた


「夏のこと(ご報告)」





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