アメリカのNSC(国家安全保障会議)で戦略広報調整官を務めるジョン・カービーはロシアが朝鮮からミサイルを入手、イランからも調達する計画だと主張した。「重大かつ懸念すべきエスカレーション」なのだという。
西側はロシアが「ミサイルを使い果たす」と宣伝してきたが、兵器が枯渇しているのはアメリカ/NATO、そしてウクライナである。ロシアは高性能ミサイルでウクライナの軍事施設を破壊し続けてきた。朝鮮やイランからミサイルを調達しなければならない状況にはない。
ウクライナでアメリカ/NATOはすでに敗北、しかもロシアは西側を信用せず、話し合いで戦闘を停止することが困難な状況であり、停戦を利用して「勝った」と宣伝することが難しい。
戦場で戦うウクライナ兵の平均年齢は40歳を超えているとベン・ウォレス前英国防相は10月1日、テレグラフ紙に寄稿した記事の中で指摘
ジョー・バイデンはアメリカ大統領に就任して間もなく、ルビコンを渡った。ロシアに対する戦争を始めたのだが、その際、彼らは簡単に勝てると信じていたようだ。
ロシア軍はウクライナ軍との戦闘で多大な損失を被り、士気が極度に低下してミサイル、砲弾、燃料などが不足、国内経済は破綻、人びとの不満が爆発して内部崩壊するというシナリオだったようだが、そうした展開にはならなかった。国内経済は安定、現在、ロシアの兵器生産力は西側の数倍だと見られている。兵器が枯渇して苦しんでいるのはアメリカ/NATOだ。
アメリカがロシアに戦争を仕掛けたのはバイデンが副大統領を務めていたバラク・オバマ政権時代。2013年11月にウクライナでクーデターを開始、2月22日にビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒すことに成功している。そのクーデターでオバマはネオ・ナチを手先として利用した。
そうした動きを見て中国はアメリカとの関係を見直し、ロシアとの関係を強化してきた。経済的な結びつきだけでなく、軍事的な協力関係も強めている。アメリカはロシアと中国、2カ国を相手にせざるを得なくなった。しかも、ここにきてパレスチナで戦争が始まった。
イスラエルが創設に深く関与しているハマスがイスラエルへ攻め込んだのだが、事前にアメリカやイスラエルは攻撃があるとする情報を入手していた。アメリカの艦隊は攻撃を予測していたとしか思えないほど迅速に動いている。
ハマスが攻め込んだ際、イスラエル軍がイスラエル人を殺害していることも判明、イスラエル国内で問題になっている。しかもガザでの住民虐殺に対する怒りは世界に広がった。
しかも、当初から指摘されていたが、ガザでイスラエル軍は苦戦しているようだ。ヒズボラ、イラクの武装グループ、イエメンのフーシ派もイスラエルやアメリカに対する攻撃を始めている。
ハマスのイズ・アドディン・アル・カッサム旅団は1月5日、ガザ北部のアル・カリム地区に集まったイスラエル軍に対する迫撃砲による攻撃を映した映像を公開、パレスチナ・イスラム聖戦のアル・クッズ旅団は同日、ガザ北部のトゥファとダルジのガザ市地区でイスラエル軍の戦車に対するロケット弾による攻撃を撮影した映像を公開した。イスラエル軍はガザを制圧できていない。米英など西側の有力メディアはハマスを悪魔化して描く「報道」を繰り返しているが、嘘だけで戦争に勝つことはできないのだ。