天空乃舞

2005/11/06
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カテゴリ: 勉強について
アーサー・ミラーの「ヴィシーでの出来事」

私自身が 一番陥りがちな「偽善」を 徹底的に掘り起こされ
打ち破られる内容。

望むところ。

斬ってくれ、私を。

どのみち このままで など
いたくないのです。

いつだって
足りてなんか いないのだから。。。


なるために。


この人 答えをくれない。
そして 答えを出さないでいることは許してくれない。
らしい。


同情してくれる お気持ちはわかりますが
そんなことで私は感動するわけにはいきませんよ、

と言う。

道理も法律も狂気の濁流に飲み込まれた時
個人としての自分の体、自分の心一つで
自分に押し当てられた銃口の前に立ち
あなた自身が信念に殉じられますか?



自分の関わり合ったことではないという思いに救われてしまわないで下さい。

と。
それでいて

理想に殉じた英雄たちの存在は、人の心と歴史には残っていても
果たしてそれが何の得になる?


ってことも 言っている。


はあ~



殺されていくことで 地獄を味わった人々も大勢いたが
殺すことで 地獄を味わった人々も いた。
ミラーが告発しているのは、どちらか一方のことではない。

おまけにチラチラっと
アメリカの外の話までが台詞に組み込まれている。
それも2箇所くらいだけに さりげなく。。。
「人類の多数」って。。。

ああ

こうなると もう 
この戯曲で直接扱っている題材ではない。

しかし
戯曲が発表された1960年代なら アフリカ系の人や先住民や女性たちも
闘いを起こしていた時代であり それを
ミラーが意識し 念頭においていたことは間違いない。

ミラーは どの人種・民族のことも 見逃してはくれない。
ミラー自身の民族すらも。

日本人の観客としての場合なら
南京大虐殺、従軍慰安婦問題、アイヌ差別につてなどを
自分の問題として考えるべきだろう。

痛いイタイ痛いイタイ。。。

変えられない状況というのはいつの時代にも どの場所にも
ある。

その中で自分の責任をとるとしたら。。。

自分で決める ということだろう。

人から指示を仰ぐのではない。
主体性。

どこまでも自分で覚悟し それを実行し
それに対し どこまでも自分で責任を取りきるということ。

たとえ それが どんな些細な事でも
たとえ大きな流れの状況を変えることはできなくても
他人や時代の常識がどんなふうであれ

自分の信じることを実行しきれるか

あるいは何もしないか

ちょっとだけは頑張ってみて やめるか

その どれだとしても

自分で責任を取る気があるのか

ということを問われているのではないかな。



やり方も答えも必ずしも一つではないし
人により できることは違っているだろう。

誰しもが 自分で選ぶ 自分の信念の貫きスタイルが あるはずだと思う。

ある意味 「選べないでいる」 スタイルも
それ自体が 選んだこと なんじゃないかな。

ある意味 虐殺する側に回ることも 本来なら
「選んだ信念」の一つであるべきと言えるのではないか。

どちらにしても
それを
自分で選んだのだ 

ということを覚悟せよ。
それに対して目を逸らすな。
人の命令、時代の流れのせいにするな。
自分の責任としてとらえよ。

ということなんじゃないかな。。。

そして

戯曲の場合は対象になるのは過去のことだし
事件の直接の当事者である人は 
観客、読者の中には 基本的には いない。

だから

あなたに罪がある訳ではありません。
私の望むのはあなたの責任感であり
それが救いともなりうるかも知れない。

と言っている。

ただし

自分の関わり合ったことではないという思いに 救われてしまわれては困る

と ツメている。

救われさせては。。。

くれないらしい。



にょぉ~

省けるところがないほどに
訴えるところが強いので 
退けるわけにも参らず
今週末も
1つの授業だけのために 

12枚。

トータル3回の授業で 人物分析だけで28枚になった。

時代背景は これとは また 別打ち。

執念。

これで
この作品は終了にしたい。

ページ設定
余白を最小限にして 字数行数を最大限にしても
戯曲はどうしても 台詞を引用しつつの展開になるので 枚数が かさむ。
手書きのメモをとってから打ち込むのはやめた。
時間が倍 かかってしまうから。

さて 
放出は終了してしまった。

また インプットが始まる。

来週は ちと キツイだろうな(笑)

ま 読むべき本が決まってるだけでも
ペコリかも。

てか エマソンの方は相変わらず キシんでる状態だし

「青い目」にいたっちゃ

水に浮かんでるスイカ 八等分に切ろうと構えてるのに

自分の手の中にあるのは 金魚すくいセット

ってな感じ。




食うしかない。

食べたいと思う匂いは 感じているのだし

食わないと生きていけないのだから。

だし 
これを 切って食うのが

私の選んだ道。



あと 言い忘れないうちに 言っとこう。

この 「ヴィシー」

読めて よかった。






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Last updated  2005/11/07 10:21:17 PM
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