クラシック音楽リスナーの局(tsubone)

クラシック音楽リスナーの局(tsubone)

April 2, 2006
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今日(2日)は仙台に日帰り出張だったので,上野から北に向かって新幹線から車窓を眺めました.桜前線は那須塩原あたりまでで,その先はまだ咲いていませんでした.それにしても,桜が咲いたときだけ車窓からみて桜があるとわかるわけですが,土手とか堤防とか遊歩道とか校庭とか,いろいろなところに植わっています.本当に日本人は桜が好きなんだなぁと思いながら車窓を眺めていました.

その車窓を眺めながらウォークマンCDで聴いていた音楽は,1日土曜日にCD店で求めたCD,工藤重典さんと若手弦楽器奏者たちで演奏したモーツァルトのフルート四重奏曲集(www.meister-music.com MM-1199 )でした.今年の2月末に出たリマスター新譜で,CD店で平積みになっていたものをたまたま見つけました(録音自体は1994年なので,すでにお聴きになった方も多いかもしれませんね).工藤さんは 現在フランスを拠点に活躍されていますが ,ランパルに師事されただけあって彼の音色は明るく美しく,それでいて洒脱なところもあるので,お,これは!と思ってつい手が出たのでした.

聴いてみると,期待したとおりのいい感じでした!.工藤さんの演奏は典雅で上品,もうご馳走様という感じです.録音は水戸芸術館なので響きも豊かです.

モーツァルトは4つのフルート四重奏曲を作曲していますが,これらと,オーボエ四重奏曲をシュナイダーがフルート用に編曲したものが入っています.最初に入っているのが,第1番のニ長調で,フルート四重奏曲といえばまずこの曲ですね.実はこの曲は第1楽章だけ,その昔々,中学生のときに文化祭でピアノ伴奏で吹いたことがあるのでなつかしの曲(今から思えば無謀極まりない選曲で冷や汗物...)でもあるのです.

おさらいをしたことのある曲だと,いろいろ気がつくところも細かくなりますが,フム,と思ったのは,このニ長調の第3楽章のロンドで,第2クープレの118小節目と122小節目の1拍目の非和声前打音をアポージアトゥーラではなくアチャカトゥーラっぽく吹いているところ.この前打音の表記は楽譜の校閲者によっていろいろのようですし,私の持っている2つの楽譜も書き方が違います.演奏者もどうするか,いろいろ考えあっての演奏と思いますが,私の親しんでいた演奏は両方ともアポで吹くものだったので,お,と思ったわけですね.またこの第2クープレでちょっとテンポを控えたところなども粋です.実はここの旋律は,それまで元気よく走ってきたところから,ちょっと立ち止まって思案しながらあたりの景色を見渡しているような感じのするところで,ちょっとしたテンポの選択が,気の利かせ方として光ってくるところだと思います.

以前ご紹介したエミリーのサウンドとはまた違った,ある意味ではと~ってもフルートらしい音色が堪能できるおすすめのCDでした.

工藤さんのCD.JPG





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Last updated  April 3, 2006 01:28:09 AM
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