花と野鳥と 時々寄り道

花人形


 歩くことを楽しくしてくれる、そんな感じです。
 お元気ですか。

 子どもの頃、ひとり遊びをすることの多かった私は
 この季節、庭に咲く花で人形を作って遊んでいました。

 どうだんつつじの花を顔に、芝桜の花を衿に、
 そしてつつじの花をスカートにみたてたその人形を
 落ちた椿の花にのせて池に浮かべてみたり
 たくさん作ってダンスをしているように並べてみたり
 大人が見たら「なんなのこれは」と思うような小さな花人形も
 想像の翼を広げた世界では ディズニー映画のファンタジアのように
 音楽にのって踊ってくれました。

 思えば本当に小さな庭だったけれど
 その庭で遊んでいることがとても多かった気がします。

 特別にどこかへ出かけるわけでも
 おもちゃや遊び道具があるのでもなかったけれど
 とても楽しい時間を過ごしていたと思います。

 何時になったから、何をしなくちゃいけない
 そんなことのあまりなかったあの頃
 今よりもとても豊かな時間を過ごしていたのですね。

 想像の世界で遊ぶことが
 すっかり少なくなってしまったこのごろですが
 想像の世界は壁ではなく薄いカーテンのむこうにあるだけのはず。
 これから始まるお休みの期間には
 想像の世界へのカーテンをあけて
 久しぶりに豊かな時間を過ごせたらいいなと思っています。

                   初掲  2001年 4月28日

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