森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.02.25
XML
あるマンションでエレベーターの事故がありました。雨の日に突然エレベーターが動かなくなくなったのです。原因はエレベーター機械室の水漏れで、制御盤がダメになったということです。

その兆候はすでに半年ぐらい前にあったそうです。機械室の内部に白いカビのようなものがあったということです。また1カ月前の点検時には機械室内部に水がたまっていたことを把握していました。保守会社はそれを受けてせめて制御盤に雨水がかからないように対策を打つべきでしたが放置しました。そしてある雨の日に事件は起きたのです。

大きなマンションであったため、防水のシートを天井に取り付けたうえ、制御盤の全面取り換えで5時間後には復旧させました。問題が残りました。100万円を超える高額な取り換え費用です。

普通に考えると本来不作為の行為をした保守会社が持つべきものです。しかし保守会社の担当者は、これをマンションの管理組合、つまり居住者に負担させようとしました。隠ぺいを画策したのです。

管理組合理事会には、雨漏りのことは伏せて、制御盤の不具合による事故と簡単に報告して費用の捻出の了承を取り付けようとしたのです。ところがある理事さんより、制御盤の耐用年数と前回の取り換え時期の質問がでました。

するとあわてたのは保守会社です。つい2、3年前に取り換えていたのです。それからは他の理事さんからも異議で出て理事会は紛糾したということです。ついに保守会社は経過を正直に告白せざるを得なくなりました。結果的には、保守会社の100パーセント過失ということになりました。しかしそれだけではすみませんでした。保守会社は隠ぺいを図ろうとした。信頼できない会社であると結論づけられたのです。こうして信頼は完全に地に落ちたということです。

最初から事実をありのままに認めていたらどうでしょう。損害金は当然保守会社が持たなければなりません。それは覚悟しなければなりません。でも事実を認め、素早い謝罪があったとすれば、信頼に足る素晴らしい保守会社として、その後も継続取引は可能ではなかったのではないでしょうか。事実を捻じ曲げることの恐ろしさを感じます。
私たちもどんなに嫌な事実であっても、まずは事実を認めるという態度を養いたいものです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013.02.25 07:13:54
コメントを書く
[観念重視から事実重視への転換] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

森田生涯

森田生涯

Calendar

Comments

森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: