森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.08.13
XML
まず気分変調性障害(慢性うつ病)に陥った人はどういう考え方をしているか。
その特徴を見てみよう。大うつ病になった人とよく似ている。

・まず自分が悪くなくても自分を責めてしまう。罪悪感を抱いてしまう。
例えば職場でものがなくなったと騒いでいる時に、自分は何もしていないのに自分が疑われているように感じていたたまれなくなる。
自分に責任がなくても、罪の意識を持ってしまう。

・完全、完璧主義に陥っている。
「失敗してはならない」「すべての人に受け入れられなければならない」
「仕事で間違い、失敗、ミスはなってはならない」などという考え方をしていると、ミスや失敗のたびに落ち込むことになる。
自分に一つでも欠点があると、自分のすべてがダメで、生きている価値や資格がないと思っている。


・自分の欠点は最大に取り扱い、他人の欠点はたいしたことがないと過小評価する。
この程度のことで圧倒される自分は未熟である。こんなことは誰でも乗り越えていることだ。
こんなミスや失敗は他の人はしない。何なく乗り越えられるように見せなければならない。
ネガティブな先入観で判断したり、確たる証拠がないのに悲観的な決めつけが多い。

・ちょっとした失敗でもものすごく深刻にとらえてしまう。
とるに足らないことが会社をやめるかどうか。生きるか死ぬかというような問題にしてしまう。

・目の前のことに手をつけないで、「人はなぜ生きているか」「生きる目的は何か」等の哲学的な問題を考える傾向がある。

・自分の気持ちを表現することができない。
相手を怒らせたり、拒絶されたりすることが恐ろしいのである。
また自分の意見を言うことは「わがまま」であると思っている。
ものごとがうまく進まないのは、自分が発信している情報が少ないという自覚がない。


自分に厳しく、相手に甘い。自分がかなり困った状況にあっても、「他の人も忙しいから」「自分が抜けるとみんなが困るから」といって休暇や休職の診断書を提出しない。
また子分のように扱われたり、虐待されていても、「相手も余裕のない時だから」「相手は私以外に頼れる人もないのだから」等と自分に言い聞かせている。

水島氏は、こういう考え方は気分変調性障害という病気にかかっているから出てきているのだ。
だから自分を責める必要はない。病気が治ればまともな考え方ができるようになる。
さらに対人的な対応法を信頼できる医師やカウンセラーの協力を得ながら身につけていけばよいと言われています。

反対に安易に自分の性格の問題、資質の問題に矮小化してしまうと益々泥沼にはまり込んでしまう。
これだけはなんとしても避けなければいけない。
(対人関係療法でなおす気分変調性障害 水島広子 創元社参照)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015.08.13 06:48:41
コメント(0) | コメントを書く
[森田神経症のタイプ] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

森田生涯

森田生涯

Calendar

Comments

X youhei00002 フォローしてください@ Re:愛着障害について(03/12) X youhei00002 フォローしてください
森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…

© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: