森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.01.26
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弁護士の谷原誠さんは、会社が倒産したときの処理の仕事もされています。

その過程で社長さんが自殺してしまったことがあるそうです。
中小企業の社長さんは、自分で立ち上げた会社は自分の分身だと思っています。
自分の人生そのものです。
その会社が倒産するということは、人生も倒産するということです。
莫大な借金を抱え、負債を処理して、家族を守って生きていくことは大変なことです。
「解決できっこない」という気持ちになるのも無理のないところでしょう。
そして、生命保険に家族の人生を託し、自ら命を絶ってしまったのです。

その一方で、何億もの借金を背負いながら、その後必死に頑張って借金を返済して、不死鳥のように蘇る人もいます。またやむなく倒産して、転職する人もいます。


自殺してしまった社長さんと復活を遂げた社長さんの違いは何でしょう。
谷原さんは、それは 自分への質問の違いだ と言われています。​

自殺をしてしまった社長さんは、「なんで俺がこんな目に遭わなければならないんだ。これだけ負債を負ってしまったらもうどうしようもない。家族ももうおしまいだ」などとネガティブに考えています。
負債の問題を解決できない前提で、家族を守るために自分の命と引き換えに生命保険金を家族に残す道を選びとりました。

復活を遂げた社長さんは、「この負債を返済するには、どういう方法があるか。いつまでにいくらずつ返済していけばよいのか。誰に相談すれば解決策のヒントをくれるのか」とポジティブに考えたのです。
問題が解決できる前提で、ではどうすればよいのかと自分に質問したのでしょう。
この発想力というか、自分に対する質問がその後の明暗を分けたのです。
シェイクスピアは、「この世の中には幸も不幸もない。考え方次第でどうにもなるのだ」と言っています。(人を動かす質問力 谷原誠 角川新書 211ページより要旨引用)

この指摘は森田理論を学習している我々にはとてもよくわかります。
雲の上に居座って、現実を目の敵にして、批判、否定、軽蔑、悲観していては、事態はどんどん悪化して、最後には悲惨な状態をみずから招いてしまいます。


一方、どんなに困難な状況に追い込まれても、その事実をすべて受け入れことができた人は、それ以上悪くはなりません。そこが波の底です。そこから波は上昇していくのです。
そこを出発点としてとらえることができるかどうかが問題となります。
現状や現実を受けいれると、そこから何らかの打開策を見つけて、行動を開始できるのです。
後悔、自己嫌悪、自己否定する時間的な余裕は全くありません。
今できること、今からやるべきことに注意や意識が向けられているのです。

この考え方、物の見方を身に着けましょうというのが森田理論学習の眼目なのです。





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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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