森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.11.05
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森田では自分の感情、気持ち、意志、意向、欲求、欲望を大事に取り扱いましょうと言っています。
これは「事実本位」の生活態度を身に着けるために大事なことです。
では会社などで自分の感情や意志を大事に取り扱っているでしょうか。
実際には相手の感情や意志に振り回されていることが多いのではないでしょうか。
これは精神的に相手に支配されているということになります。

どうしてそんなことが起きるのでしょうか。
それは他人の感情や意志を無視して、自分勝手な行動をとると社会から排除されてしまうという怖れが関係しています。
一人では生きていけないわけですから、自分を押し殺して生きていくしかない。
仲間から排除されないためには、自分の感情や意志を抑圧して、相手の感情や意志に合わせていれば何とかなるという気持ちです。


相手の感情や意志よりも、まず自分の感情や意志を優先させることは、人間関係の苦しみを軽減させるためにとても大事になります。

ではどうすれば他人と問題を起こさないで、自分の感情や意志を打ち出すことが可能なのか。
九鬼周造氏は「いき」の構造の中で、「媚態」「意気地」「諦念」を意識することが大切であると言われています。
いずれも難しい言葉ですが、意訳すると次のような意味合いがあります。

「媚態」というのは、自分がへりくだって、相手の感情や意志に耳を傾けるということです。

「意気地」というのは、自分の感情や意志を相手にしっかりと伝えるということです。

「諦念」は、相手と自分の間に埋められない溝があれば、話し合って「手打ち」をする必要があるということです。

人間関係を良好に保つためには、この3つの視点を持っておくことが大事になります。さらに順序も大事になります。最初に相手の気持ちや意志に耳を傾ける。
森田の理論学習の集談会では、傾聴、共感、受容、許容の気持が大事だと言われます。ここがすっぽりと抜け落ちてしまうと、どんなよい話をしても相手は聞く耳を持ちません。むしろ反感を覚えます。

次に、自分の気持や意志を「私メッセージ」の手法を使って相手に伝える。
これは主語を「あなた」にするのではなく「わたし」にすることです。

自分の気持や感情を伝えた後の対応は、相手にまかせるという包容力が大事になります。

最後に、相手と自分の気持や意志の間には、多かれ少なかれ乖離があるわけですから、勇気をもって双方が歩み寄るように心がける。
譲るところは譲り、主張するところは主張して妥協を図るということです。
不十分な結果になるとしても話し合いによって折り合いをつけることが必要です。
力や暴力によって相手を支配しようとすると人間関係は破壊されます。

この人間関係の原理原則を理解するだけではなく、実際に応用していくことが大事になります。





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Last updated  2023.11.05 06:33:53
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