森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.02.08
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カテゴリ: 行動のポイント
森田先生のお話です。

「今日、患者が、鋸で木を切っているところを見たが、ここの患者は、鋸の種類を選ばないうえに、いくら鋸が切れなくても、平気でひいている。鋸の切れ味などは全く無頓着である。職人は、道具を大事にして、常にこれを研いでいる。素人は、その研ぐ時間で、少しでも、木をひいた方が、その時間に、余計に能率があがると思っている」
(森田全集 第5巻 251ページ)

この患者は思ったように木がきれないので、この作業をすることがイヤになる可能性が高い。
この作業は自分には向いていないと投げ出してしまう。
目的を達成できないで他人に肩代わりしてしまうことを考えるようになる。
さらに自分は何もしてもうまくできないと自己否定感をますます強めてしまうかもしれません。

この患者は多分神経症を治すことでいっぱいなのだと思われます。
森田先生から指示された仕事や自分でみつけた作業に、ただ機械的に手を出している状態だと思われます。

身体を動かしていれば神経症が治ると思っているのですが、ますます悪くなるパターンです。

普通の人はどうして思ったように切れないのかと考える。
鋸が悪いのか自分のひきかたに問題があるのか。その両方に問題があるのか。
しかし自分ではどこに問題があるのか判断できないと思います。
すると作業を中断して、この件について詳しい人に聞くはずです。

詳しい人は縦引き、横引きの鋸の種類から教えてくれるはずです。
また刃を見てなまっていれば、すぐにヤスリやクラインダーで研ぎ始めると思います。
そして研ぎ方にもコツがありますので詳しく教えてくれるはずです。
刃がとがってくれば切れ味がよくなります。
実際に木をきってみると実によくきれる。
作業が格段に速くなり、面白くなります。

他の木も切ってみたくなります。弾みがついてくるのです。
このコツを人にも教えてあげたくなるはずです。

このパターンに持っていくためには、今とりかかっている作業について、何か問題はないか、不具合はないか、課題、改善点、改良点などがあるはずだという意識を持つことが大事になります。
ものそのものになるというのはこういうことです。
その時点でやり方が分からなければ人の助けを借りて解決するのです。
コツがわかれば目の前の作業に集中することができるようになります。

そういう時間が増えてくるということが、神経症から解放されるということになります。





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Last updated  2024.06.02 23:50:30
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