こちらで解決の出来ぬうちに、子どもの方で自然に解決がつき、泣く時に対する最も正しき手段も、自らわかってくるのである。
教育のない親、さては教育のありすぎる母など、でたらめにほめたり、叱ったりする。子どもは決して思う通りにならない。
あまり自分の考えどおりにしようとするから、少しも子供の心理を観察することができないのである。(森田全集第5巻 323
ページより引用)
この間、 5
つになる女の子熱海に連れて行ったが、感冒で熱が 38
度あまりも出たことがある。機嫌が悪くて、いろいろ駄々っ子をいう。
寝ていなくてはならないといっても、 「抱っこ」と言って泣く。
抱っこしてやれば、今度は、「外へ行く、外へ行く」という。
熱があって気持ちが悪いから、風に当たればよかろうと、子供ながらに考えるのでしょう。考えてみると、大人もこんな風で、いくらも違わないようだ。
少し分けのわかった母親は、子供の駄々っ子は、いい加減にあしらって静かに寝かせておくが、気の軽い親は別に深い思慮も何もなく、子供のねだるままに、なんでもその思い通りにしてやって、決して病のためにはよくない。
(
森田全集第 5
巻 459
ページより引用 )
不安や不快な気持ちになったときの対応について説明されています。
子どもの態度に同調し、慰めて励ますことは百害あって一利なしといわれている。
神経症も不快な感情をすぐに取り除いてすっきりしたい気持ちになります。
そのような態度は、火に油を注ぐようなものだと言われています。
イライラして不快感でいたたまれないでしょうが、その気持ちを何とか持ちこたえるようにすることが肝心です。
イライラする不快な感情に耐えて、どうしたらよいだろうかと工夫し気を揉んで、しばらく様子を見るようにする。
そうすれば時間が経過とともに、相手のほうが勝手に折り合いをつけて収まってくることが多いということです。
自分の考えを相手に押し付けることは「かくあるべし」を押し付けることになります。これでは時間の経過とともに、本来自然に収まるはずのものが益々こじれてしまいます。
不快感を持ちこたえて様子見ができることは、一つの能力を持っているということになります。耐えて事態を静観するという能力を森田に取り組むことで自分のものにしましょう。
京都 東寺
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