30 年くらい前だろうか、日米半導体戦争が激しかった頃、恐らく活発なロビー活動を展開してロジック、メモリ、アナログ IC のシェア拡大に躍起になっていただろうに。たった 30 年で切り捨てか。日本のアナログ IC メーカーはこれを切っ掛けに撤退、あるいは社内需要に絞ったところも多かった。いまのルネサスの有り様の遠因だと考えている。
では TI は大口向けに丁寧な販売をしているかというと、それも疑問だ。TI のデバイス向けデバイスドライバを書いたりメンテナンスした経験を言うと、ネイティブが書いた英語とは思えない説明文書、内容もサッパリ意味不明で詳細が判らない仕様、使って見ると不審な挙動、あるいは「実際使って見たのかなぁ」と思えるような仕様だったりする。インドか中国に仕様丸投げで、出来上がったマスクとドキュメントのライセンスを買い上げただけのように思える。
教科書になる様な内容がたっぷりと書かれた分厚いデータシートを出していた TI のイメージやポリシーはもう無いのだ。良く分からないデバイスとデータシートを出して、大口顧客から呼び出しを喰らい、技術的内容では無く政治的な交渉に明け暮れ、小口からは模造チップの問い合わせに忙殺され、儲からないから手仕舞いなのかも。