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2020年05月29日
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おはようございます、ひなこです。


娘に、産後のあの頃の日々や、当時私達二人を結び付けていた神秘的な力について話していた時、私は私の人生のもっと過去に遭遇した別の奇妙な、おそらく超自然的な現象を思い出しました。
あれは、もうずっと昔のことです。
長崎にいた頃です。
更に不思議なことに、別のやすこが関わりました。
私は娘に、あの最初のやすこについて話し始めたのですが、すぐ遮られました。
「前にも聞いたわ」と彼女はいらいらして言いました。「お母さんは。彼女の名前から私をヤスコと名付けた。原爆で殺された人」
「ええ、その通りよ」と私は応じました。「あなたは生まれる前から問題児だったから、私の友達のようにおとなしく変わってくれればいいと願ってその名をつけたのよ。でも、物事って思い通りにいかないものよね」
娘は笑いましたが、私の言ったことは本当でした。

私達が長崎で子供時代を共に過ごした頃、私は何度も彼女を怒らせようと挑発したものです。
でも、一度もうまくいったことはありませんでした。
私の意地悪の度が過ぎると、やすこはただ立ち去り、一人で泣いていました。
ところが、私の娘のヤスコときたら、先代には全く似ていませんでした。
彼女は、頑固でけんか腰の彼女の母親に似たのです。
娘が最初のやすこについて全く聞く気がないことが見て取れたので、私はその話題を終わらせました。

私達二人は、大体、些細な物事について語り合い、3日間はあっという間に過ぎました。
ところが、時々、私は娘が私が暇を持て余していてやることがないと想像していることにうんざりさせられました。
娘は何度も、私が大人のための夕方のクラスに申し込んで絵を描くよう提案しました。
私は娘にその提案への謝辞を述べ、考えておくわと言いました。
私達は、仲良く別れ、彼女の婚約者に宜しく伝えられることを私は嬉しく思いました。






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最終更新日  2020年05月29日 07時10分05秒
[サー・カズオ・イシグロ作品の翻訳] カテゴリの最新記事


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